THE CROWN愛知高辻の挑戦──新しいクラウンの世界観を創造する
日本の道を約70年にわたって走り続け、多くの人に愛されてきたトヨタが誇るフラッグシップカー「クラウン」。しかし、近年そのイメージは大きな転換期を迎えています。クラウンのブランドイメージを刷新し、若い世代の心を掴むことを目的にクラウン専門店「THE CROWN」が誕生。注目を集めています。
2024年2月に日本で3店舗目となる「THE CROWN愛知高辻」が愛知県名古屋市にオープンしました。そのゼネラルマネージャーとして立ち上げから携わる矢花は、試乗案内やオーナー同士の交流を図るイベントの企画・運営を通じて、クラウンブランドの価値向上や新しい顧客との出会いの場を創出しています。
「愛知トヨタ本社のショールームで展開されるクラウン専門店は、当社における一大プロジェクトです。1955年の初代クラウン発売当時から取り扱ってきた歴史が当社にはあるため、『うちがやらずして、どこがやる』という気持ちで、中部圏におけるクラウンの展開についてはプライドがあります」
当プロジェクトの狙いについて、矢花はこう明かします。
「クラウンを所有するお客さまの平均年齢は72歳。高齢のオーナーが増える一方で、若い世代の支持を得るのが難しくなっている現状があります。そこでクラウンのイメージを一新し、リニューアルするプロジェクトが始動。斬新なデザインの新型車を投入するだけでなく、店舗も新しくすることでクラウンを取り巻くすべての若返りを図りました」
プロジェクトの中で、ゼネラルマネージャーとしての矢花の役割は大きく、クラウンのコンセプトに沿った店舗づくりからスタッフの指導まで、一つひとつこだわりを持って進めています。
「店内は音楽や香り、インテリアにこだわった心地よい空間づくりをしながら、若い方も来店しやすいアットホームな雰囲気に。こだわりのドリンクや旬のお茶菓子など質の高いものを提供しつつ、お客さまが自由にチョイスできるよう呈茶は行わず、くつろげる場所としました。
接客においては、クラウンアテンダントと呼ばれるスタッフが堅すぎず失礼のないように、そしてお客さまに寄り添うことを心がけています。お客さまがいつ来店されても、何度来店されても、温かくお出迎えして楽しんでいただけるお店をめざしています」
試行錯誤の連続とつかんだ手応え。店舗で過ごす時間がお客さまにとっての価値になる
新しいショールームは木を基調とした和モダンな雰囲気で統一され、訪れる人を非日常の空間へと誘います。矢花は店舗の特長についてこう語ります。
「車の販売は行わず、クラウンの魅力を存分に味わえる体験型のショールームとなっています。最大の特長は、有名フラワーデザイナーによる季節の花々の展示やお菓子の試食会など、2週間に一度季節に合わせたイベントを開催し、ご来店いただくお客さまにいつ来ても楽しんでいただけるような工夫をしています」
全国でわずか3店舗目となるクラウン専門店の立ち上げは、手探りの状態での挑戦でした。オープン前、矢花は勉強のため福岡・横浜の先行店舗の視察に奔走したと言います。
「視察では取り入れたいポイントをたくさん発見しましたね。良いと思ったところは積極的に取り入れました。
お客さまにどう喜んでいただけるのか、何をすべきなのか正解がわからない手探りの状態は正直大変な部分もありました。それでもオープンからクレームゼロで対応できたのは、事前の視察のおかげだと思います。視察でのヒントを活かせたことが成功のカギでした」
温かなおもてなしが功を奏し、オープンから3カ月が経ったころには、想定を超える反響が寄せられるようになりました。
「LINEの友だち登録が2,000人、正式な会員登録が700名を超えました。最初は信じられない数字でしたが、手応えを感じましたね。またお客さまの層にも変化が表れ、女性グループや20代の若者の来店も増えてきたんです。
『お父さんやおじいちゃんが昔クラウンに乗っていて、自分も興味があった』という若いお客さまもいれば『今のクラウンのデザインがおしゃれでかっこいいから』と言ってくれる方も。クラウンに対する見方が変わってきているんだと実感しました」
また、接客を続ける中で多くの気づきもあったと言います。
「私どもも驚いておりますが、オープン以来、輸入車を愛用しているお客さまが全体の5分の1ほど来店されています。その中で、『クラウンが嫌いで乗らなかったわけじゃなかったけど、今回の取り組みで初めてクラウンの専門店に来ようと思った』という声をいただきました。
多くのお客さまが、クラウンという車のステータスや特別感を求めているんだと実感しました。ショールームでくつろぐ時間そのものが、お客さまにとっての価値になる。『ここに来るのが楽しみで、もはや趣味になりそう』なんて言葉をもらって、本当にうれしくなります」
「信頼関係の構築がカギ」。営業経験が活きるマネジメントをめざして
オープン当初の苦労を乗り越え、軌道に乗り始めた店舗を支えているのが矢花の長年の営業経験です。
「16年間、営業スタッフとして働いてきました。当時はまだ全車種併売の時代ではなかったので、主にクラウンとランドクルーザーを扱っていました。
当時のクラウンのお客さまは平均年齢が70代で、多くの方が5年ごとに買い替えていました。『クラウンに乗ると他の車には乗れない』とはよく言われたもので、乗られた方のほとんどは次もクラウンを買い続けてくださるほど、ロイヤリティの高い車でした」
営業時代に培ったお客さま目線のものの見方は、今のマネジメントにも大いに役立っています。
「営業の仕事は、常にお客さまにどうしたら喜んでいただけるかを考えること。その経験が今も活きています。お客さまが喜ぶツボは心得ているので、クラウンアテンダントにもこれまでの経験をもとにアドバイスしています」
長年営業を経験した後、副店長に昇格し、さらにはクラウン専門店のゼネラルマネージャーに抜擢された矢花。その時の想いについてこう語ります。
「話をもらった時は、ワクワクして夜も興奮して寝られませんでした。いつかは店長になりたいと願っていましたが、それがまさか愛着のあるクラウン専門店の責任者になれるとは。感動しましたね。ただ時間が経ち冷静になってくると、失敗が許されないというプレッシャーを感じて、身が引き締まる思いがしました」
ゼネラルマネージャーとしてやりたいことがあると矢花は言います。
「一緒に働くスタッフが『この店に来てよかった』と思ってくれるように努めたいです。失敗を恐れず試行錯誤を繰り返し、スタッフもお客さまも、この店と出会えてよかったと感じてもらえるように。日本でも有名な『行ってみたい店』になれるよう努力していきたいです」
伝統と革新が交差するクラウンの未来──夢を抱き続ける大切さ
新しいクラウンの世界観を創造する。その挑戦は、まだ始まったばかりですが、矢花はこのプロジェクトの未来に大きな希望を抱いています。
「私たちの基本理念である『この街の未来に笑顔あふれるモビリティ社会を実現する』ことを代表するお店になりたい。それが今の目標です。永続的にお客さまに楽しさや良さをお届けできるよう、努力を重ねていきます」
めざすは、クラウンというブランドの枠を超えた存在だと言います。
「若者たちに『クラウンはおしゃれでかっこいい』と感じてもらい、いつかクラウンに乗ってみたいという気持ちをかきたてるブランドになってほしい。クラウンのロゴ入りTシャツが欲しいと思ってもらえるような、一流ブランドに育てていきたいと考えています」
そのためにも、他店舗との連携強化は欠かせません。
「すでに愛知トヨタの他の店舗の営業スタッフがお客さまを当店に連れてきてくれたり、紹介してくれたりしています。普段交流が少ない他店舗ともお客さまを通してコミュニケーションが取れ始めているんです。これから、すべての店舗の方々に役立つお店になるようにしていきたいです」
矢花自身、このプロジェクトに携わることに深い感謝を抱いています。
「昔からお客さまの満足に対して人一倍の追求心がありましたが、思うようにいかず苦労した時期もありました。それでも諦めずに一生懸命取り組んできたことが評価されて、このプロジェクトに携わることができたのだと思います。
何事も諦めずに続ければ、当社では必ず誰かが認めてくれると私自身が身をもって感じています。これから就職する若い方々にも、夢を諦めずに真面目に頑張り続けることの大切さを伝えたいです」
最後に就職活動をしている人たちへこんなメッセージを送ります。
「私も大学生の時は社会人ってどんなものなんだろうと、不安を抱えながら愛知トヨタに入社しました。だから社会人1年目は右も左もわからない状態で、自分のなりたい姿すらイメージできない、そんな気持ちがよくわかります。就職する時期だから、あるいは大企業だからという理由でなんとなく入社する方もいるでしょう。
でも、そんなことは気にせず入社していただきたいです。一生懸命頑張る気持ちさえあれば、入ってから着実に成長していけますし、それを認めてくれる会社です。どなたでも挑戦を歓迎します」
伝統と革新の両輪を携え、クラウンの新たな魅力を発信し続ける。矢花をはじめとするスタッフは、今日もクラウンと愛知トヨタの未来を拓いていきます。
※ 記載内容は2024年6月時点のものです
