多種多様な人財が求められる今──世界中から人財を探し、最適なマッチングをめざす
アデコのPontoon Solutions事業部 事業部長およびNorth Asia Regional Headを務める細野。Adecco Groupの中でも比較的新しい事業ブランド「Pontoon」を担当しています。Pontoonは、製造業やエネルギー、金融など、グローバルに展開する大手企業の採用業務を丸ごと請け負うMSP・RPOサービスの世界最大手として、人事アウトソーシングを提供しています。
「Pontoonは2014年からスタートしたグローバルブランドで、私は立ち上げから携わっています。顧客企業の人事戦略に基づいた中途・新卒・外部社員採用をサポートし、採用計画の立案から実際に入社されるまでの一連のプロセス管理・運営を行っています。
お客様の事業内容や人事戦略を理解しながら、どういう人財が必要かを一緒に考えていく。そういった採用戦略の根幹に関わる部分をメンバーとともに築いています。お客様にプロフェッショナルなサービスを提供し、日本の採用を変えていきたいという想いで事業を推進しています」
現在、日本国内で約160名のメンバーを率いる細野。2022年からは北アジア地域の責任者を兼務し、韓国と台湾でのさらなる事業拡大をめざしています。
「韓国と台湾では、まだRPO/MSP(採用代行)という概念が十分に浸透しておらず、例えるなら10年前の日本のような状況です。RPO/MSPが単なる事務作業の代行ではなく、お客様の採用課題を解決するソリューションの提供であることを理解していただく必要があります。
企業ニーズと求職者や市場の動向を把握した上でRPO/MSPサービスを設計し、提案から運用まで手がけていくのが私たちの仕事です」
Pontoonのミッションは、世界中にいる多様な人財を探し、企業と人財の最適なマッチングを実現すること。多種多様な人財が求められるからこそ、「今のところ宇宙人以外はだれでも採用する」というジョークがチームでは飛び交うほど、扱う職種の幅は広がっています。
新しいビジネスを立ち上げる中で細野が大切にしているのが、諦めないこと。
「将来の予測が困難なVUCAと呼ばれる現代において、仕事の世界も変化しています。たとえば宇宙関連ビジネスやグリーンビジネスといった新規ビジネスにおいては、急激に市場規模や事業機会が拡大していく一方で、求める人財の定義が確立されていないこともあります。そういった人財の定義をクライアントと一緒に考えていくこともPontoonのソリューションの一つです。
世の中にまだない枠組みをつくっていく仕事でもあるので、思うような結果が出ないことも多々あります。それでも諦めず、あるべき姿を実現させようとする忍耐力、そしてやり抜く力が大切だと考えます。また、もし周囲に成果を出している人がいたとしても、その人と自分とを比べて落ち込むようなことはしないということも大事なことです」
この考え方の礎は、アメリカでの留学時代の経験からきていると言います。
「私はそれまで、人と比較して、自分はできているのかできていないのかということを意識してきました。留学先の授業で他の学生たちが上手にプレゼンする中、私は英語で上手く伝えることができず、内容も納得できるようなプレゼンができなくて、泣いてしまったことがあります。
その時、中国人の友人が『人と比べる必要はない。去年の自分はこの場所でプレゼンしているとは思わなかったでしょ。去年とか、昨日の自分と比べればいいんじゃない?』と言ってくれたんです。その言葉にすごく救われた経験から、周囲と比べるのではなく過去の自分と向き合うことを心がけるようになりました」
大きな挫折も、学びに変える──さまざまな業務を経て得た経験を、今の事業へ生かす
細野がアデコに入社したのは、2001年の就職氷河期真っただ中。留学先の大学院の卒業が8月だったこともあり、半年以上のブランクを経て、ビジネスパーソンとしての一歩を踏み出しました。
「米国留学での経験を通して、いろんな国の人が日本に来て仕事をすることで日本が元気になればいいなという想いから、人財ビジネスに興味を持ちました。
契約社員として入社し、渋谷支社の営業職からスタート。電話の取り方を練習したり、派遣社員からの相談への対応に悩んだりしながら、とにかく必死に働きましたね」
そうして着実にキャリアを積み重ね、3年目でチームリーダー、5年目には品川支社の支社長に就任。しかし、そこで大きな挫折を味わうことになります。
「営業時代は順調に成績を上げてきたのですが、支社長になって以降、組織を上手くマネジメントすることができず、結果として、全国1位だった支社の売上は最下位にまで下がってしまうという経験をしました。
毎日、会社に行く足が重くて、どうしていいかわからない状態が続きました。営業としてのスキルと、組織のマネジメントのスキルは違うものだということに身をもって理解しましたね」
当時の心境を吐露する細野ですが、そこから多くの学びを得たと言います。
「マネージャーとしてメンバーと適切なコミュニケーションを取ることの重要性を学びました。ではどういうマネジメントを行うのがよいかについては、当時は的確な答えは出せませんでした。しかし、今となってPontoonを立ち上げる際にその経験が生きていると感じています。
私はその当時から率直にフィードバックをするスタイルで、それは今でも変わっていませんが、相手の事情や背景をより考慮するようになりました。以前は自分が実際に成功した方法をメンバーにも勧めたりしていましたが、今は多様なメンバーの個性を最大限に生かしながら、チーム全体でどうやってゴールを実現するかという考え方に変わっています」
その後、細野は経営企画やマーケティング部門での業務を経験する中で、新商品の開発や既存オペレーションの改善などさまざまな業務に携わりました。そこで積み重ねてきた経験も生かし、現在のPontoonの事業に貢献しています。
「約10年前に数名から始まったPontoonが、今や優秀なマネージャーやメンバーに恵まれ、次の成長フェーズに入っていることはとても嬉しいです。基盤ができ上がってきたと実感し、今後のさらなる発展への期待を強く感じています」
MBA取得と自分らしい育児の実現──強い意思と行動力で新たな道を切り拓く
順調にステップアップを続けているように見える細野。しかし、その裏には悩みながら、いくつもの転機を経験しながら歩んできたキャリアがあります。
「最初の転機は、営業職のチームリーダーとして働いていた入社5年目の時です。人財業界にとどまらず、もっと視野を広げて世の中のことを学ぼうと考え、MBAを取得しようと決意しました」
しかし、支社長就任の時期と重なったことで、想定していた以上にハードな日々を送ることになります。
「会社員と学生という二足のわらじを履く私を、周囲は『やりたいなら頑張れ』というスタンスで応援してくれました。講義が土日にあるほか、平日と土日の朝や夜に生徒たちで集まり、プレゼンテーションやワークショップに取り組む。そんな日々を2年間過ごしました」
苦労の末に取得したMBA。大きな収穫につながったと細野は振り返ります。
「MBAで実践的なビジネスのフレームワークを学ぶことができました。たとえば、自社のサービスをどう他社と差別化していくのか。それをどのようにお客様に伝え、サービスをつくり上げていくのかといったことです。現在も、Pontoonの事業に取り組む中で生かせていると感じています」
もうひとつの転機は、細野が支社長を経て経営企画部に所属していたときに経験した出産と育児です。仕事も大事だけれど、子どもともしっかり向き合いたい──そんな想いから、1年間の育休取得後は上司の理解を得て柔軟な働き方を実現しました。
「上司が柔軟な考えを持つ人で、その当時はまだ制度としても一般的でなかったフレックスに近い働き方や在宅勤務を許可してもらえました。
幼稚園の送り迎えをしたり、昼食を一緒に食べたり、公園で虫取りをしたりする時間をつくりつつ、子どもが寝ている間に仕事をするという具合に、工夫しながら仕事と育児を両立していました」
柔軟な働き方を実現するためには、仕事で結果を出すこと、強い意思、そして周囲への働きかけが不可欠だったと言います。
「他の社員と同じ働き方ができなくても、同じアウトプットを出せれば良いのだと考えました。効率を上げながら成果も出せる方法を模索し、実行しました。だから上司や周囲の理解も得ることができたのだと思います」
その当時、細野が自身で手にした柔軟な働き方は、「より柔軟で働きやすい環境、より豊かな人生へとつながる新しい働き方」を実現するための全社的な取り組みとしてその後展開され、現在は社内でも浸透しています。
「現在アデコにはコアタイムのないフルフレックス制度もあり、リモートワークも含め、社員一人ひとりが働き方を主体的に選択できるようになっています。メンバーはおのおの仕事をしやすい時間に働くことができています。
また、メンバーには制度上働きにくいことがあれば、遠慮なく代替案を提案してほしいと伝えています。言ったことをやり遂げるというコミットメントが求められるのでプレッシャーを感じるメンバーもいると思いますが、メンバーの背中を押し、より働きやすい環境をつくっていければと考えます」
自分と周囲の成長を大切にしながら、人財ビジネスを通じて社会に貢献していく
「Adecco Groupに限らず、人財ビジネスがこの社会にどのように貢献していけるのか。そのポジショニングにはまだまだ可能性があると思います」
そう語る細野は、人財ビジネスの中でもアデコはとても魅力的な企業だと胸を張って言います。
「たとえばHRという領域には、採用やリーダーシップ開発、人財育成、組織開発などさまざまな分野がありますが、Adecco Groupではそのどれもが網羅されています。HRに興味がある人は、自分のキャリアをさまざまな方向に広げていくことができるはずです。
自分のこれからのキャリアについては、『Pontoonで日本の採用マーケットを変革すること』が直近の目標。また、日本の企業においても、もはや日本人だけで組織を動かしていくのには限界があると感じているので、アジア、さらにはグローバルで活躍できる人財が日本企業で活躍していける土壌をつくっていきたいとも思っています。
その上で、私自身が日本人としての特性を生かしつつも、地域やグローバルで活躍していきたいですね」
仕事とは打って変わり、プライベートでは意外な夢を持っていると言う細野。
「実は、小学生のころから作家になるという夢を持っているんです。そろそろ本気で取り組まなければと考えています」
キャリアを積み重ねる中で大切にしているのは、「昨日の自分よりも良い自分」でいること。人は誰しも成長していきたいという気持ちを持っているはずだと、細野は信じています。
「『良い』の定義は人それぞれあるかと思いますが、これまでの自分よりも何かしら成長していたいという気持ちは誰もが持っているんじゃないでしょうか。自分にとっても周囲にとっても『成長する』ということを大切にしたいと考えています」
一人ひとりの成長が社会全体の発展につながっていく。細野はそんな理想の実現に向けて、今日も人財ビジネスの最前線で活躍し続けています。
※ 記載内容は2024年5月時点のものです
