マネジメントでは信頼関係を築くことに注力。そのために個性と自己開示を大切に
アデコ株式会社の事業ブランドであるAdeccoで人財紹介ビジネスに携わる田中は、現在リクルーティングアドバイザー(以下、RA)として、企業の採用支援に携わっています。ジュニアからミドル層まで幅広い層を対象に、一般事務や経理、人事といったバックオフィスの職種を中心とした転職支援に取り組んでいます。
「求人企業へのアプローチから始まり、求人内容のヒアリング、候補者の紹介、面接調整、候補者の面接対策、そして決定から入社までの一連の流れを担当しています。AdeccoのRAの特徴は、営業支社と連携しながら遂行していく点にあります」
11名のメンバーを率いる課長職として、田中はマネジメント業務にも注力しています。
「メンバーとの信頼関係を築くことが、何より大切だと考えています。そのために3つのことを心がけています。1つ目は自分自身が常に明るくポジティブでいること。2つ目はすぐにコミュニケーションが取れるように迅速なレスポンスを心がけること。3つ目は、リモートワークが多い職場環境なので、メンバーの日々の行動をきちんと確認して、良い点を見つけたらすぐにフィードバックすることです」
リモートワークでの状況把握には特に気を配っています。チャットやWeb会議ツールを活用し、積極的にメンバーとコミュニケーションを図るようにしています。
「マネジメントで難しさを感じるのは、個人の特性への対応です。同じような働きかけをしても、メンバーによって伝わり方は違います。だからこそ、その人の考え方や価値観、仕事において重視していることをしっかり理解しておく必要があります」
そして、相手のことを知るために心がけていることがあります。
「相手が心を開いてくれないと信頼関係は築けません。そのため、私から積極的に自分のことを話すようにしています。学生の頃から、自分から話しかけて友達を作ることを心がけていましたし、いろいろなコミュニティの場に入ることが好きだったので、積極的にコミュニケーションをとることに抵抗はないですね」
人と関わることが好きで飛び込んだ人財業界。チームの成果が自身の持続的な成長を促す
アデコに新卒で入社し、人財業界でのキャリアをスタートさせた田中。入社のきっかけを次のように振り返ります。
「学生時代から人とコミュニケーションを取ることが好きだったので、漠然と人に関わる支援やサポートの仕事がしたいという想いがありました。就職活動中にいろいろな業界の研究をする中で人財業界と出会い、アデコに興味を持ちました」
複数社の内定を得た中で、面接官の印象やグローバル企業という規模感に魅力を感じ、アデコへの入社を決意。入社後は、池袋第二支社で営業として活動します。
「人財派遣をメインに活動していましたが、人財紹介やアウトソーシングなど、様々なサービスを新規・既存クライアントに提案していました。人財サービスに関わる一通りのフロント業務を担当していたんです」
7年間の人財派遣部門での営業経験を経て、産休育休を取得し、その後に人財紹介部門へ異動することになります。この異動は、以前の上司の後押しが決め手でした。
「産休育休から復帰するタイミングで、人財紹介事業に携わってみてはどうかと以前の上司が勧めてくれたんです。その上司は、新卒で入社して飛び込み営業をしていた頃から、要所要所で適切なフォローをしてくれました。結果だけでなく過程も評価してくれて、承認や賞賛の仕方も素晴らしく、それによって自然と頑張ろうという気持ちが生まれました。
そんな上司の勧めであればと、迷いなく異動を決めました。仕事面はもちろん、人として信頼し、尊敬できる存在です。この経験から、私も部下一人ひとりとの信頼関係を大切にしたいと考えるようになったんです。現在の私のマネジメントスタイルは、この上司から学んだことが基盤となっています」
部署や担当する業務内容は変化してきましたが、入社から現在まで、田中の仕事に対する価値観の軸は変わっていません。
「チームで動くことに大きなやりがいを感じています。これは学生時代のバレーボール部での経験にも通じるのですが、チームで勝ち取った成果に特別な喜びを感じるんです。現在の仕事でも、個人としての実績を出すことは求められますが、一人では仕事はできません。周囲からの助言やフォロー、また自分が他者をサポートすることで、チームとしての成果を上げられることがとても嬉しいですね」
キャリア形成支援プログラムをきっかけに、何事もチャンスと捉えられるように
田中は2023年、5社の企業間でメンターとメンティーを他社企業同士で組み合わせる「クロスメンタリング」というプログラムに参加しました。このプログラムは女性のキャリア形成支援を目的として、各企業の部長クラス以上の女性がメンター、課長クラスの女性がメンティーとなり、半年間にわたって交流し、企業横断で支援を行うものです。
「私は支援を受けるメンティーとして参加しました。メンターとなる役員や本部長などの皆さんは私にとって雲の上の存在でしたが、同じ人間として共感できる部分が多くありました。実際にやり取りする中で、『完璧である必要はない』という考えを持てるようになったのは大きいですね。
誰でも足りない部分はありますが、それは周囲のサポートで補完できます。振り返ればこれまでも、自分が精一杯やってもできないところはフォローしてもらえるような関係性を周囲と築けていたからこそ、アデコで働き続けられているのだと思います。それはどのポジションであっても変わらないと改めて感じています」
田中にとって特に印象的だったのは、メンターたちが今起きていることに意味があると捉え、それをチャンスとして受け止めていることです。
「例えば、上位職への打診があった際も、自分にできるかどうか悩むのではなく、まずは行動を起こしてみようという姿勢をお持ちでした。重く受け止めすぎず、チャンスとして捉えて動き出す。そういった行動力が、今の立場につながっているのだと感じました」
こうしたリーダーたちの姿勢は、田中の心に深く残りました。
「中でも心に響いたのは、周囲への感謝の気持ちを大切にされている点です。例えば、部下から困難な報告を受けた際も、その内容以上に報告してくれたこと自体に感謝の気持ちを示していました。そういった細やかな気配りや心遣いは、リーダーとして素晴らしいなと感じました」
このプログラムでの経験は、田中自身の意識にも変化をもたらしています。
「常に感謝の気持ちを持つことや、それを相手に適切に伝えることの重要性を改めて認識しました。また、チャンスとして物事を捉え、まずは行動してみるという姿勢は、実は難しいことではないと気づきました。
メンターの皆さんが自然に実践されているこれらの行動を、私も意識的に取り入れていきたいと思っています」
仕事と家庭との両立を意識しすぎない。何事も前向きに捉え自分と周囲を励まし取り組む
田中はキャリアの方向性について、管理職としての道と専門性を極めるプレイヤーとしての道、双方の可能性を柔軟に探っています。
「これまでのキャリアを振り返ると、自分で選択したというよりも、上司からの打診など、他者に導かれて現在の立場に至っています。与えられた環境の中でポジティブに捉えて全力で取り組むタイプなので、マネージャーとして期待されればその方向で、プレイヤーとして期待されればその方向で頑張ろうと考えています。
そんな中、現在携わっている『Adecco』の人財紹介事業について、確かな手応えを感じています。10年前は小規模な組織でしたが、ここ数年で規模も大きくなり、注力する事業の一つになっています。一人のコンサルタントとして、クライアントや候補者に丁寧に向き合うことで、口コミなどを通じて当社を知ってもらえるような活動を心がけています」
仕事に打ち込む一方で、プライベートでは二人の娘との時間を大切にしたいという思いが強くあります。
「娘たちが小学生になり、だんだんと一人でできることが増えてきています。高校生くらいになると家族よりも友達との時間を優先するようになると思うので、家族と過ごす時間を今は大切にしたいと考えています。私は写真撮影が趣味なので、家族と出かけ、体験したことを写真にしっかりと収めていきたいですね」
仕事と家庭の両立においては、あえて「両立」を意識しすぎないことを心がけています。
「両立を強く意識しすぎると自分を追い込んでしまうため、仕事も家庭も生活の一部として捉えています。仕事が忙しく子どもに十分な時間を取れなかった日は『仕事を頑張った』と前向きに捉え、逆に仕事を効率よく終えて子どもと余裕を持って過ごせた日は、その点を自己肯定的に評価するようにしています」
幼少期から「これはきっとできる」とポジティブ思考で物事に取り組む性格は、父親譲りかもしれないと振り返る田中。現在も日々の出来事を前向きに受け止めながら「楽しく仕事をすること」を大切にしています。
「自分が無気力な表情や辛そうな表情をしていては、周囲にも良い影響を与えられません。失敗をしても、そこまでのプロセスを自己評価し、次につなげる気持ちの切り替えを大切にしています。自分を褒めながらポジティブな姿勢を保ち、マインドをリセットする習慣を意識的につくる。その結果、好循環につながり、充実した気持ちになれると思っています」
常に笑顔と前向きな言葉で、自身と周囲を励まし、チームをリードする田中。そうした日々の姿勢が、周囲の人々が生き生きと働ける環境を生み出すとともに、引いては組織全体の成長へとつながっていきます。「『人財躍動化』を通じて、社会を変える。」というアデコのビジョンの実現に向けて、田中自身が率先して取り組んでいます。
※ 記載内容は2025年5月時点のものです
