「Sushi Sensor」が変える未来。基盤産業の未来を創る商品企画の現場から
現在、私は当社で設備の状態を検知するセンサを含む産業用IoT向け無線ソリューションの商品企画を担当しています。
当社は約7年前から設備の傾向監視により、精密診断を起こすきっかけを提供することを目的とした産業用IoT向け無線ソリューション展開を開始しました。
最近では、スチームトラップという設備に対し、状態を判定するモジュールを海外メーカーと協力して開発を進め、2024年に「Sushi Sensorシリーズ」として展開しました。スチームトラップとは蒸気システム内の空気や蒸気が冷えて発生した水(ドレン)を逃がし、蒸気は極力漏らさないという用途で用いる自動弁です。
化学や食品、ガス、石油精製、製紙パルプなど幅広い産業界で蒸気が熱源として使用されています。また工場内には膨大な数のスチームトラップが点在して備え付けられています。その巡回点検には大変な労力・コストを要することや、点検しにくい場所に設置されるなどのことから、スチームトラップの効率的な監視が課題でした。
また、現在は二酸化炭素の排出量削減や環境への配慮に対するお客さまの要望も高まっています。スチームトラップが故障すると熱効率が悪化するため、それを正しく監視することでエネルギーの無駄な使用を抑制することができます。こうした仕事を通じて、産業を支えることが社会貢献につながることを実感しています。
私自身も、子育てを通じて環境問題への関心も高まり、製品のサステナビリティ戦略にも携わるようになりました。当社は従来からお客さまの工場向けにサステナビリティを向上するためのサービスを提供してきました。
自社製品も、1998年頃から他社に先駆けて環境活動を開始し、製品の環境配慮設計等に取り組みを行い事業全体で社会・環境に取り組んでいます。昨今の環境負荷低減への要求に対し、次世代により良い環境を残していくために、これまでの経験を踏まえつつ、さらなる改善に取り組んでいきたいと考えています。
プログラミング未経験からの挑戦。自分の強みを見つけていく大切さを知る
私が当社に入社をしたのは2002年です。会社説明会に参加し、工場に入っているさまざまな機器を製造していることを知り、陰から産業を支えている姿に惹かれ、入社を決めました。
最初の配属はR&D部門で無線システムの研究を行いました。当時、会社全体でソフトウェア技術者を増やしていく方針があり、化学系出身の私はプログラミングの経験がまったくない状態で配属されました。周りには研究でプログラミングを経験していた人や、アルバイトでプログラミングを教えていた人などがいる中で、「自分にできるのだろうか」と最初は戸惑いを感じたことを覚えています。
しかし、チームの先輩も上司も私の状況を理解し、1年間は勉強に専念させていただきました。先輩から課題をいただいて設計し、コードを書き、チェックしてもらって改善点のアドバイスを受けるという形で学んでいきました。しっかりと理解をできるまで時間をいただけたことは、本当にありがたかったです。
もともと物作りには興味があったため、自分が作ったものが動いて目に見える形になることにおもしろさを感じました。ただ、なかなか自信が持てずにいました。そんな中で、Web 2.0の流れが出てきた時期に、その部署ではあまり使われていなかったAction Scriptという言語を使って開発する機会がありました。その開発を通して、私なりの差別化を図ることが必要であることを認識しました。
2010年頃に研究成果を製品化するため、R&D部門から製品開発の部門に当時のチーム長と共に数名のメンバーで異動となり、ISA100無線システムの開発・製品化に向けた取り組みを行いました。
製品化に携わり始めた頃に2度の妊娠・産休により、開発の本質的な部分やリリースには携れなかった期間もありましたが、製品開発の一連の流れを見ることができたことは良かったと思っています。
周囲の支えで仕事と育児の両立。商品企画課で新たなチャレンジへ
製品開発部門での仕事と育児の両立は、周囲の支えやさまざまな支援があってこそ実現できました。第一子を出産して4カ月後には育児時間(*)を活用して職場へ復帰。まだ授乳中で夜泣きもある状況だったので、今思えば若さゆえに乗り切れた部分もあったと感じています。
(*)育児時間:1日2時間を限度に、1回1分単位で午前と午後に各1回もしくは1日1回育児時間が与えられる
職場の理解と協力は心強いものでした。突発的な休みや育児時間の利用にも柔軟に対応してもらい、上司や同僚にも子育て中の方が多く、お互いに理解し合える環境で働くことができました。1人目と2人目は1歳半差で、ほぼ2人を同時に育てているような状況でしたので、周囲の助けなしでは仕事と育児の両立は難しかったと思います。
その後、3人目の出産で1年以上の育児休職を取得することになったとき、キャリアの転機が訪れました。これまで仕事に熱中していた分、子育てをしながら自分の将来についてじっくり考えるようになったのです。「自分にできることは何だろう」「やりたいことは何だろう」と自問自答をし、より上流工程である企画側で貢献したいという想いが強くなっていたことに気づきました。
そこで育児休職から復帰する際、上司に企画部門への思いを伝え、異動が実現しました。実際、商品企画課の仕事は、社会の動向を把握し、幅広い分野の知識が必要です。新しいことを学ぶことが好きな自分に合っていると感じています。
キャリアという観点では、3人目の育児休職から復帰し、人事部門が主催する社内横断のプロジェクトに参加する機会を得られたことも、印象深い出来事です。
それは、20代から40代まで幅広い年齢層のメンバーが多様な部門から集まり、社内外の業界や職種、世代を超えた経営者やエキスパートと交流する「シナリオプランニング」というプロジェクトです。“2035年の未来シナリオ”を議論のベースに、社内外の経営者や経営幹部と世代や役職を超えたフラットな対話を重ね、地球規模の課題や社会課題に向き合いました。
こうした活動の中で、多くの刺激を受けると同時に、視野を広げることの楽しさと重要性を実感することができました。
仕事も私生活もサステナビリティに。人生を豊かにする働き方をめざして
当社で働く魅力は、産業を支えることを通じて社会の基盤を担っているという点です。地味な仕事に映るかもしれませんが、社会に貢献したいという想いが強ければ強いほど、大きなやりがいを感じることができる業界だと感じています。
また、子育てをしながらでもキャリアを築くことができる環境が整っていることも大きな魅力です。私自身3人の子育てを経験していますが、周囲の理解と協力があれば家庭との両立は十分に可能です。とくに、2016年に導入されたテレワークが定着しており、柔軟な働き方が維持されています。
私は現在、労働組合の活動にも携わっていますが、介護や子育てなどさまざまな事情を抱える従業員からもテレワークによる柔軟な働き方を求める声が多く寄せられています。会社もそうした声にしっかりと耳を傾け、対応してくれています。PTAの活動などで一時的に抜けることも時間単位休暇の取得が可能で、女性にとっても働きやすい環境が整っていると感じています。
今後の展望については、製品のサステナビリティに関する仕事を続けていきたいと考えています。とくに、資源循環という観点で環境に配慮した製品作りに貢献できる仕事に注力していきたいと思っています。
また、仕事と私生活のバランスを大切にしていきたいです。社内横断プロジェクトに参加したことでさまざまな本を読む習慣が身につき、視野が広がりました。最近では自分の時間を持つ余裕もできたことで新しい趣味も見つかり、こうした仕事以外の活動も大切にしていきたいと思っています。
「自分の人生を豊かにしながら仕事を続けていく」──そんな生き方を実現できる環境が当社にはあると感じています。社会に貢献する仕事をしながら、私生活も大切にできる。そして、その両立によって得られる気づきや学びが、また仕事にも活きてくる。
そんな関係性を築きながら、これからも成長を続けていきたいと思います。それが、次世代により良い社会を残すことにもつながっていくはずです。
※ 記載内容は2025年1月時点のものです
