お客様と組織に貢献する行動ができたか──スキルを生かした行動評価が制度の軸
2023年夏に中途入社した木村。現在は、人事部 労務課で約1,500人いる社員の人事評価に関わる業務を担当しています。
「人事制度には評価、等級、報酬という3本柱があり、その中で私が担当しているのは評価と等級に関わる領域です。
ベリサーブでは年に2回、評価のタイミングがあります。目標設定期間に各社員が上長と相談した上で目標を決定。評価期間には社員の自己評価と上長の一次評価をもとに、経営層や各事業部のマネジメント層が最終評価を行い、その決定を上長からフィードバックします。
私は、この評価サイクルが正しく運用されるようにタレントマネジメントシステムを活用しながらスケジュール管理やリマインドを行うほか、最終評価に向けた取りまとめや資料作成などをしています」
ベリサーブの評価制度の特徴は、業績の他に行動評価を取り入れている点。マネージャー層や営業職は業績評価がメインとなりますが、エンジニアやコーポレート部門のメンバーについては「対顧客行動」と「組織内貢献行動」が主な評価項目です。
「IT企業の場合、スキルで評価されることが多いと思いますが、当社ではスキルそのものではなく、『そのスキルを使ってどのような行動をしたか』を評価します。これは、目標を達成するために適切な行動ができていれば、自然と実績につながっていくはずだという考えからです。
お客様に対しては、ベリサーブの価値を提供するためにどんな行動をするのか。社内に対しては、メンバーのサポートや育成、ノウハウの共有を行ったか。自分のスキルを生かした課題解決や、良い影響を与える行動などを評価しています」
評価制度の運用管理に加えて、木村は昇降格に関する業務も担当。年1回の昇格タイミングに合わせて試験内容の選定や、各事業部と連携して昇格に向けた推薦の取りまとめなどを行っています。
「昇格は、部門推薦や研修の受講、試験・資格の合格といった要件を満たし、かつ昇格試験に合格した場合に認められます。明確な基準が設けられていることで、皆に同じようにチャンスがある仕組みになっています」
毎年の見直し・検証で、納得感のあるプロセスを実現していく
ベリサーブの人事制度のもう一つの特徴として、「毎年の見直し・検証を前提とした運用をすること」をコンセプトに置いている点が挙げられます。
「これは、業界の動向や事業環境が刻々と変化する中で柔軟に対応できるように、という考えに基づいています。そのため、制度の細かい部分については基本的に毎年見直しを行っています」
2025年4月には評価制度の一部を、2025年7月実施分からは昇格推薦方法や試験内容の見直しを実施。評価制度では、最終評価後のフィードバック面談までのフローを変更しました。
「最終評価では、経営層や各事業部のマネジメント層が全社を見た上で評価調整を行うため、一次評価から変更になる場合があります。
その際に重要になるのが、フィードバック面談で『なぜ評価が変わったのか』という理由をきちんと共有することです。しかし、そのフィードバックが十分ではなく、社員からも改善点として声が上がっていました。
というのも、これまでは一次評価時と最終評価後の2回のフィードバック面談を実施していたものの、忙しい業務の中で面談を行うことが負担になり、最終評価の変更理由が丁寧に説明されていないケースがあったのです」
そこで、フィードバック面談を最終評価後の1回に変更。さらに実施を必須とすることで、確実に最終評価を受けてのフィードバックが行われる仕組みに。また、一次評価時の面談の代わりとして自己評価ヒアリングを導入しました。
「自己評価ヒアリングでは、被評価者である社員が、どのような背景で自分の評価を付けたのかを上長に説明できます。上長はその背景を理解した上で一次評価をし、最終評価で変更があった場合の説明もきちんと行います。
自己評価の背景、評価後の変更の理由を被評価者と評価者が共有することで、より納得感のある評価につながるのではないかと考えています」
見直しの過程で気付いた広い視野を持つ必要性。社員からの要望もやりがいに
毎年の見直し・検証を前提としているからこそ、評価制度を担当するメンバーも積極的に改善案を提案することができます。社員の声をもとに改善策を考える過程で、より広い視点を持つ大切さに気付いた出来事があったと木村は話します。
「ベリサーブはさまざまな業界のお客様を支援しているため、プロジェクトが多数あります。お客様の要望に応える体制を整えるため、また社員のキャリアアップ、スキルアップのために異動があることも。中には半期の間に複数回異動するケースもあり、その都度新たな評価シートを作成する必要があります。
しかし、異動したばかりで目標設定や面談に時間を割くことは負担になるため、1枚のシートにまとめる方法を検討しました」
システムや運用の変更点を整理しながら検討を重ね、提案資料も作成。しかし、経営層から意見をもらった上で、この方法は取り入れないことにしたと言います。
「『複雑過ぎて分からない。私たちが分からないことは社員もできないのではないか』という声があったのです。異動後も同じシートで管理するため、社員自身が追記・修正する項目が増え、評価者の承認対応も複雑になってしまっていたことが原因でした。
その時に気が付いたのは、現場の負担を減らすために考えたことが、別の視点で見ると負担を増やしている場合があること。全体を見た時に何が最適なのかを考える大切さです。個別最適と全体最適のバランスを取ることは難しいですが、広い視野を持つ必要性を実感しました」
より多くの社員が納得感をもって評価を受けられるよう、年に2回のアンケートも実施。評価は報酬に直結する制度ということもあり、改善要望をもらうことも多いと言いますが、その分やりがいもあると笑います。
「改善点があるということは、伸びしろがあるということ。私が動くことで変わる部分がたくさんあるということです。そして、その影響範囲が全社員に及ぶことが、評価制度に関わる大きなやりがいになっています」
会社の方向性や現場の状況に合わせ、AIも活用したベリサーブらしい評価プロセスを
評価制度の運用や昇降格業務を通して、多くの社員を知る木村。技術を突き詰める姿勢やお客様第一で考える姿勢を持っていることが、ベリサーブの社員の特徴だと言います。
「ベリサーブの社員であることに誇りを持っている人が多いのです。エンジニアや営業職はもちろん、私たちのようなコーポレート部門でも、新しいことに挑戦したり、自主的に現状の改善に取り組んだりする社員がたくさんいます。
それは、行動評価を基準とする制度が後押しになっている面もあるのではないでしょうか。会社から求められる方向性に沿っていれば、挑戦したこと、貢献したことがきちんと評価される仕組みがあるからこそ、積極的にチャレンジできるのだと思います」
労務課においても、生成AIを使った目標レビューツールの導入に挑戦。2024年10月にトライアルリリースし、現在は木村も開発チームに参画しています。
「このツールは、社員が立てた目標をAIがレビューするものです。部門目標との整合性などを踏まえてAIが具体的な改善点をアドバイスすることで、上長との面談前に目標をブラッシュアップでき、面談の質も向上します。
2025年4月からは評価者向けの機能も追加されるなど、会社としても力を入れて進めているツールです。効率化できる部分はAIを活用しつつ、人が見るべき部分はしっかりと残すというバランスを大切にしながら、評価プロセスの改善をしていきたいと考えています」
変化の激しいIT業界においては、人事制度も柔軟な対応が求められます。木村自身も、真摯に仕事に向き合いながら、より良い評価制度を作っていきたいと話します。
「これまでの退職者から、『正しく評価されていないと感じる』という退職理由が上がってきたことがあります。そう感じる人を少しでも減らせるよう、会社の方向性や現場の状況をしっかり把握しながら、人事制度に関する知識も深めていきたいと思っています」
※ 記載内容は2025年5月時点のものです

