現場と研究開発部門、それぞれの目線を持ちながら課題解決に向けた橋渡し役となる
増田が所属するメディアエレクトロニクス事業部は、カメラやオーディオ、ゲーム機などを扱う会社を担当する部署。増田は現在、お客様が開発している行動分析ツールのテスト業務をPLとして担当する他、AIに関する二つの業務に携わっています。
「一つは、お客様内でのAI活用の推進です。品質保証部門でどのような使い道があるかを提案したり、業務改善用アプリを作る上で何ができるかの体験をしてもらったり、生成AIを活用するためのサポートをしています。
もう一つは、社内での活動です。研究開発部門にあるAI活用や新技術の導入に取り組むチームに所属し、そこで学んだことを事業部側にフィードバックしながら、事業部側からの意見をヒアリングすることが私の役割。事業部内の他のチームがお客様に生成AIを活用した提案をする際の支援もしています」
生成AIという新たな技術にも向き合いながら複数の業務を兼務する中で増田が意識しているのは、小まめな情報収集。そして、研究開発部門と事業部どちらの視点からも物事を見ることです。
「技術面では知らなかった用語もたくさん出てくるので、自分に直接関係がない情報であっても、できる限り触れながら知識を増やすようにしています。基本的な用語を把握しているだけでも、お客様との対話の質は大きく変わりますから。
特に、ベリサーブはAI活用に力を入れているため、『やはり、ベリサーブはAIに関して一歩進んでいる』と思っていただくことが信頼につながると感じています。
また、新たなツールを現場で導入するためには、さまざまなハードルがあります。使い方や活用することのメリットを発信しても、実際の現場では実践する余裕がないことも。どれだけ便利なツールだとしても、使われなければ効果を発揮することはできません。お互いの状況や課題を理解しながら橋渡しをすることが、兼務している私の存在価値だと考えています」
マネジメントで学んだ、対話の重要性。周囲の支えで乗り越えられたSU長としての挑戦
増田は2011年に新卒でベリサーブに入社。以降、オーディオ機器や関連製品のテストを行う部署でキャリアを積んできました。
まずはメンバーとしてテストの設計から実行までを担当し、PL(プロジェクトリーダー)も経験。そして、9年目には70名ほどが所属するSU(サービスユニット)をまとめることになりました。
「入社した時から、いずれはSU長に挑戦してみたいという気持ちは持っていました。しかし、いざその立場になってみると想像以上に大変でした。協力会社から参画しているメンバーもたくさんいて、当初はマネジメントに苦労したのです。人間関係に悩むメンバーの相談に乗ったり、プロジェクトの進行に応じて急きょ増員や減員があったり。膨大な調整業務に追われる日々でした」
プレッシャーを感じながらもその大役を果たすことができたのは、周りのサポートがあったおかげだと話します。
「上長に相談すれば、すぐに駆け付けてくれて一緒に策を考えてくれましたし、信頼している協力会社の方にはスムーズに人員調整をしていただきました。周囲の方の助けがあったから乗り越えられたんです」
もちろん、新たな挑戦をしたことで、自身の成長への手応えも。
「仕事を進める上で人とのコミュニケーションがとても重要であることを、あらためて感じました。上昇志向の強い人、安定志向の人など、その人に合った接し方や仕事の任せ方、依頼の仕方をすることで、パフォーマンスが大きく変わります。メンバーにモチベーション高く仕事をしてもらうためのチームビルディングを強く意識するようになりました」
その後、約4年間の産休・育休を経験。長期間仕事から離れていたことで、復帰前には「今の自分に何ができるのだろう」と不安もあったと振り返ります。
「仕事へのモチベーションが保てるかという悩みがあったのです。産休・育休前には長い間オーディオ関連の製品に携わっていたので、これを機に全く違うことに挑戦してみたいと思い、上長に相談しました」
品質保証においてAIをどう活用するか──時代の変化を実感できることが面白い
そんな中、復帰後の増田に新たな転機が訪れます。それが、AI推進業務への挑戦でした。
「生成AIは新しい技術で、皆が同じスタートラインに立っている状態。新入社員のような気持ちで飛び込めました。自社に向けた業務を担当することは初めてでしたし、自分の技術を高めること自体が仕事の中心になる働き方も初めて。しかも、研究開発部門のメンバーは現場よりさらに深い技術力や知識があります。
最初は分からないことばかりでしたが、だんだんと内容を理解できるようになり、現場に向けたアドバイスもできるようになるなど、短期間で成長を感じられる経験が刺激になっています」
増田が現在取り組むのは、「品質保証においてAIをどう活用するか」というテーマ。お客様に対しては、今までの品質保証活動にAIを使う「AI4QA」、社内での活動としては、製品の中に組み込まれたAIの品質をどう保証するかという「QA4AI」という考え方をベースにしています。しかし、まだ答えのない領域。さまざまな課題があります。
「お客様への提案においては、発売前の製品を扱う上でのセキュリティやデモアプリを動かすための環境をどう構築するかといった制約があります。AIを活用することで業務改善が進むことは分かっても、実際に試せる場が限られているのです。
社内活動においては、ソフトウェア開発のプロセスにAIが深く組み込まれていく中で、どのように品質を担保していくかという課題に向けた取り組みを進めていますが、ここにも難しさがあります。
AIは、『Aを入れたらBというアウトプットが出る』というように出力が定まっているわけではありません。そうなった時に何を担保するべきなのかを、研究開発部門を中心に検討しています」
こうした困難に直面しながらも、新たなやりがいを見いだしていると増田は笑います。
「技術が目まぐるしく変わっていく環境が楽しいんです。技術がどんどん進化するからこそ、自分にできることが広がっていく。例えば、私はこれまでコーディングができなかったのに、AIを使うことで簡単にアプリを作ることができるようになりました。時代が変わっていくのを間近で見ている実感があることが面白いですね」
働きやすい環境と充実した教育制度。育児と仕事を両立させながら、技術力を高めたい
子育てと両立しながら新しいチャレンジを楽しむ増田は、ベリサーブで働く魅力の一つに、働きやすい環境があることを挙げます。
「プロジェクトの状況によってはお客様先での対応が必要になるケースもありますが、私を含めて多くのメンバーが在宅勤務を取り入れています。子どもの用事がある場合には中抜けができるなど、柔軟な働き方ができるのです。
また、穏やかで落ち着いた雰囲気の人の方が多い点も好きなところです。派手さはなくとも、コツコツと仕事を積み上げていくことをきちんと評価してもらえます」
自身が新しい技術に取り組むからこそ、教育制度が充実している点も魅力だと続けます。
「スキルアップのために技術書などを購入する場合、年間5万円のサポートがあります。eラーニングのコンテンツも豊富で、自分のタイミングで受講できる点もありがたいですね。
教育以外にも、部門を横断したプロジェクトに参加できるなど、自分の興味に応じたチャレンジの機会がある点も、スキルアップやキャリアを考えるきっかけになるのではないかと思います」
そして、自らの今後の目標については、こう語ります。
「現場である事業部と研究開発部門を兼務している立場として、どちらも理解している存在がいることの価値を実感しています。引き続きこの役割を果たしながら、これまで以上に事業部に対して手厚くフォローできるような技術力を身に付けていきたいと考えています。
以前はマネジメントが仕事のメインだった時期もありますが、今は新しい技術を学んでいく楽しさを感じているんです。育児と仕事を両立させながら、もっと皆の役に立てるように技術力を高めていきたいですね」
※ 記載内容は2026年3月時点のものです
※ 記事内で”メディアエレクトロニクス事業部 ”と表記している組織は、2026年度の組織改編以前の名称です。現在は組織再編により、”ICT本部 品質技術第一部”などに再編されています。

