技術と政策の架け橋を目指して-アメリカから日本への学びの旅路
私は学生時代から、技術と政策という一見異なる分野を繋げるという志を持っていました。アメリカの大学で学んでいた頃から、テクノロジーと公共政策の相互関係について深く学ぶことに注力し、技術政策の枠組みを形作る産業の専門家たちとのネットワーク構築に努めました。幼少期より、技術に対する純粋な興味を持ち、技術が生活の中心的な要素として育ってきた私にとって、開発と導入のプロセス、そして政府が技術をどのように活用して市民や公共サービスに有意義な影響を与えることができるのかという点を、より深く理解することは自然な流れでした。
東京大学とThe London School of Economicsで修士課程に進学した際、私の研究焦点は、AIガバナンスの規制アプローチを意味のある影響力へと転換する方法へと更に発展しました。東京大学での時間は挑戦的且つ、やりがいに溢れており、政府や産業界において多くの新たな人脈を築く機会も得ました。在学中は卒業生ネットワークを活用し、経産省、総務省、内閣府の関係者と対話し、政府における技術導入の最大の課題と、政策実務者としてこのプロセスに影響を与えるために何ができるかを学びました。
就職活動では、政策分野のバックグラウンドを持つ者として、規制の観点から技術開発に携わるという夢を実現できる企業を探していました。特にAIのように独自の規制アプローチを必要とする新興技術を探求したいと考えていたところ、Upstageと出会いました。AWSとAMDからの大規模な支援を得て、民間セクターにおけるAIの導入方法に革命を起こそうとしている企業という印象を持ち、また、自律性やプロとしての責任感を重視する、スピード感溢れる環境だと感じました。
最終的に入社を決めた決め手は、幸運にも代表の松下さんにお会いでき、インターンシップを提案してくださったことに加え、Upstageで働くことで個人として成長できると感じたことでした。AIは政府の役割、そして何よりもその効率性に革命をもたらす可能性を秘めているため、この分野で意味のある貢献ができる環境に身を置けることに大きな期待を抱いていました。
スタートアップ環境での自律性と成長への道のり
入社後、私はすぐにSlackやNotionといった社内ツールや、UpstageのAI製品に慣れることができました。オンボーディングを通じて、現在の事業計画と課題について迅速に理解を深めることができたのは、チームメンバーの積極的な姿勢と親切な対応のおかげでした。この温かい受け入れには大変感謝しています。
私が配属されたのは、AI政策とガバナンスの研究を担当する部署でした。過去に私が担ってきた他の研究職と非常に類似した業務内容を担当することとなり、技術政策分野におけるこれまでの自身の経験・スキルセットを十分に活かすことができる環境だと感じています。
ただし、スタートアップ企業という環境には、予想していた以上のギャップもありました。Upstageはスタートアップ企業であるため、高いレベルの個人の自律性が求められます。つまり、自己責任を持ち、主体的に行動することが必要です。これはスタートアップで成功するために不可欠な要素だと実感しました。
その他にも、スタートアップ環境では、日々変化する状況における機転の利いた対応力、迅速な思考力、決断力、行動力が求められます。会社もそれを取り巻く状況も日々変化する中、特定の業務を初めて担当する場合でも、不足している部分やインフラを構築する責任を負うことになります。最初は戸惑いもありましたが、これは実は非常にやりがいのあることだと考えるようになりました。自分の手で新しい仕組みを作り上げていく達成感は、何物にも代えがたいものがあります。
AI政策分析からビジネス視点への転換を目指して
現在、私はUpstage JapanでAI政策・政府部門のインターンとして勤務しています。当社の使命は、日本における事業展開を拡大し、AIが政府機関や企業にとって有益となる未来を構想することです。私は特に、この業務に関連する政策とガバナンス上の課題に取り組んでおり、入社以来、業務内容はAIを取り巻く状況に応じて日々発展しています。
主な業務は、AI政策とガバナンスに関する研究分析、そしてAI政策イニシアチブの研究が市場参入戦略にどのように有益であるかに焦点を当てた戦略分析です。日常業務としては、ガバナンス更新状況の追跡、関係省庁のサイトや報道発表のモニタリング、そして政府のイニシアチブが事業運営にどのように関連し得るかを積極的に検討することが中心となっています。
これまでの経験として印象深いのは、複数の異なるチームメンバーが参加するプロジェクトに取り組んだことです。様々な視点から学び、他のチームメンバーがビジネスや人工知能についてどのように考えているかを理解することができました。この経験は、私の視野を大きく広げてくれました。
一方で、政策実務家としての継続的な課題もあります。それは、規制の視点ではなくビジネスの視点から考えることです。政策方針やAIガバナンスの視点をビジネスチャンスに転換する方法が課題となっていますが、この分岐点を克服すれば、将来より価値のある政策実務家になれると確信しています。現在、Upstageでの業務を通じて、ビジネスとGTM戦略において豊富な経験を持つ方々から日々学ぶ機会を得ています。こうした経験豊富な方々と協働することで、政策分析をビジネスチャンスへと転換する方法を学んでおり、日々成長を実感しています。
AIガバナンス分野への次なる挑戦
修士課程修了後の進路について、私は明確なビジョンを持っています。短期的な目標としては、AIガバナンス分野への更なる関与を強く希望しており、博士課程への進学か、日本国内でのAIガバナンス関連業務のいずれかを通じて、この分野を探求していく予定です。この分野に興味を持ったきっかけは、以前のインターンシップで出会ったAIガバナンス分野の第一人者である羽深宏樹先生との出会いでした。
羽深先生は、AIを責任を持って統治することの重要性を示しつつ、透明性・進歩・自主的な取り組みを促進するアジャイルな手法の必要性も説かれました。この指導は非常に刺激的で、努力と真摯な姿勢を示せば人々が道を示し支援してくれることを実感しました。羽深先生のご支援と先生から学んだAIガバナンスの基礎は、今後の私のキャリアにおける重要な礎になると感じています。
中長期的なキャリアイメージとしては、持続可能で責任ある変化を世界に生み出そうと努めるテクノロジー企業において、公共政策および政府関係部門で働きたいと考えています。公共政策に携わることで、公的視点とビジネス視点の両方から意見を調整する仲介役として活動でき、特定の立場に縛られることなく、双方の視点や微妙なニュアンス、そして様々な意見に耳を傾ける機会を得られます。AIが世界に与える重大な変化に長期的に関わることは、知的刺激に満ちたやりがいのある仕事だと確信しています。
Upstageは、日々新たな技術課題や製品と向き合える、スピード感あふれる職場環境が特徴の、日本におけるAI新時代を切り拓く企業だと考えています。このような環境で活躍できるのは、成長志向、迅速な思考力、適応力、そしてフィードバックを受け入れ実践に活かす力を持つ人材だと私は思います。また、素早く失敗し、素早く学び、素早く適応するというマインドセットや姿勢を持つことも必要です。日本のAIの未来像を共に描きたい方と一緒に、AIの未来を切り開いていきたいと考えています。

