古いシステムに新しい技術でアプローチ。変化を恐れない“練度”の高い組織をめざす
株式会社TRAILBLAZER(以下、トレイルブレイザー)は2023年10月、西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)と株式会社ギックスの合弁会社として設立されました。
岡:金融機関のシステム開発のエンジニアとしてキャリアをスタートし、これまで製造・流通など幅広い業種の大規模システムに携わってきました。
2022年5月からは、株式会社ギックスの上級執行役員Chief Technologist 兼 Chief Architectを務めており、ギックスとJR西日本の合弁会社であるトレイルブレイザーのシステム開発にも参画しています。
小山:1996年にJR西日本に入社し、乗務員やダイヤ作成部門、営業部門を経験しました。デジタル領域にシフトしたきっかけは、ウェブサイト上でチケットを購入するサービスが登場し始めたことです。
当時は窓口での対面販売や旅行代理店へのチケットの委託販売が中心だったのですが、自社によるインターネットを活用した非対面販売チャネルを強化しようと考えました。2001年に総合企画本部IT推進室に着任し、ネット予約などの顧客向けシステムに携わるようになりました。
以降はシステム関連の業務でキャリアを積み、2021年4月にJR西日本のデジタルソリューション本部・担当部長に就任。JR西日本グループのデジタル戦略において必要な、データ利活用のための基盤整備などに取り組み、トレイルブレイザーの立ち上げから携わっています。
現在、JR西日本とGixoのエンジニア組織をリードする二人の出会いは、2020年にさかのぼります。
小山:岡さんと一緒に仕事をするようになったきっかけは、2020年にローンチしたJR西日本グループの共通ポイントであるWESTERポイントをとりまく各システムの刷新(モダナイゼーション)および基盤整備などを行うプロジェクトです。私はシステム側の責任者でした。
グループ内のポイントを統合し運用するためには、システムを柔軟かつスピーディーにアップデートできる仕組みをつくることが不可欠です。そこで、日本でもトップクラスのITアーキテクトである岡さんを紹介してもらいました。
早く成果を出すことに重点を置き組織づくりを急いでいたところ、岡さんからいただいたのが「まずはプロセスを大切にして“練度”を高めましょう」という言葉です。地に足をつけた組織づくりを進めるきっかけになりました。
岡:組織として、まずは古いシステムに新しい技術を使ってアプローチすることに慣れる必要があると思ったんです。人間は新しいことをするのが怖いものなので、最初は小さな未知に手を出してみることが大切です。慣れてくれば怖がらずにためらいなく新しい技術を使えるようになります。この過程が、組織の“練度”を高めていきます。
10年・20年もリニューアルしていないシステムは、今のメンバーからすると実態がわからず触れるのが怖いのは当然です。しかし、そのシステムの中には膨大な知見が詰まっています。ゼロから新しいシステムをつくるのではなく、担当するチームの練度を高め、古い仕組みを活かして新しく変えていくのがベストだと考えています。最初から100点は取れません。なのである程度の失敗は許容して、変わることを恐れない組織にしていきたいという話を最初にしました。
古く厳密なシステムを刷新。時代に合った柔軟で拡張性のあるシステムに
デジタルソリューション本部で行っているプロジェクトの中でも、まずもってモダナイゼーションに取り組んだ事案としては、さまざまなサービスをご利用いただいた際の実績に応じてポイントを計算するための「ポイント計算基盤」の構築と、近距離の鉄道の移動に対して付与される交通系ICカードの利用実績をもとにした「ICOCAポイント管理システム」のリニューアルだといいます。
小山:社会インフラは、生活に欠かせない基盤となる部分で、絶対に間違いがあってはいけない。ポイント計算システムおよびポイント管理システムは、そんな社会インフラを利用する方への還元をするものなので、現行システムはかなり厳密なものでした。しかし、新システムでは岡さんの後押しにより、パブリッククラウドを活用し、ある程度は柔軟に拡張できるシステムをめざす決断をしました。
岡:今標準で使われている厳密さを重視したIT技術そのものが、現代のシステムづくりには不向きだと思い、信頼性と柔軟性を両立したシステムにすることを提案しました。技術に合わせた正しいプロジェクトの進め方や設計ができればコストもリスクも最小限におさえられます。
逆に、間違った使い方をするとシステムが複雑化し、かかるコストも時間も膨大になってしまいます。クラウド技術というのは、従来では考えられない頻度で入れ替わっていくものなので、その前提で人やチームを組んで、開発・運用・保守していくことが大切です。
ポイント管理システムで言いますと、ポイント計算用につくったシステムをお客様へのお知らせなど他の機能にも使用できるようにするイメージです。他のシステムも含め、現在当たり前になっているシステムのつくり方へと見直していこうとしています。
ポイント管理システム以外にも、JR西日本グループではさまざまな取り組みを進めています。
小山:従来のシステムの刷新を積極的に進めている中、多様なお客様との接点からリアルタイムかつダイナミックに取得できるデータをフル活用した「リアルタイムリコメンド基盤」等の新しい仕組みの開発にも取り組んでいます。
取り組みたいことはたくさんありますが、それに対してエンジニアがまだまだ足りません。そこで、JR西日本グループの各事業のデジタル施策を支援するトレイルブレイザーを立ち上げ、エンジニア向けの勤務体系や給与体系などの働く環境を整え、即戦力となる人財を積極的に採用している段階です。
ビジネス側の目線に立ちともに事業をつくることで、エンジニアのキャリアが広がる
トレイルブレイザーでめざす未来についても2人は熱い想いを持っています。
小山:トレイルブレイザーは、世の中の変化に対応し、未来を予測して先手を打って変革していける組織をめざしています。これまでのシステムをパブリッククラウドなどで、モダンなアーキテクチャに変えていくことで、使用頻度や性能の劣化による使用感などをエビデンスを持って示すことができるようになります。
これまではビジネス側からの提案に応えてシステムを開発してきましたが、今後は、エンジニア側からの視点でもアイディアを発信して伴走し、より良いものをつくっていきたいと考えています。
岡:私もビジネス側と同じ目線に立ちつつ、テクノロジーの専門家として、一緒にビジネスを良いものにしていければと考えています。
私が考える良いビジネスは、2種類あります。1つは、お客様にとって使い勝手が良いものや新しい価値を提供できるもの。もう1つは、状況やニーズにあわせて変化に適応できるものです。これまでの業務システムは、大きく固くなり過ぎてビジネスの変化についていくことが難しく、無理に変化させようとするとコストや時間が膨大にかかるものでした。変化しやすさを備えたシステムをつくることで、ビジネスの可能性は大きく広がり、競争力も高まります。
ビジネス側と同じ目線で取り組むことには、エンジニアのキャリアにとってもプラスであると語ります。
岡:新しいことにチャレンジしたい、もっと学びたいという意欲のある方にとって、新しいビジネスをテクノロジー担当として一緒につくり、育てていく喜びを感じることができますし、トレイルブレイザーの事業領域であれば結果的に社会に貢献することもできます。
そして、事業が育ち会社の競争力が高まることで、さらに新しい領域に一緒に挑戦できるという良い循環がうまれます。私自身もエンジニアのみなさんと新しい試みをしていきたいですね。
小山:新しい試みの代表的なものが、先にも触れましたがJR西日本グループの各事業のデータをリアルタイムで収集・分析するシステム開発です。鉄道以外にも、小売・飲食・宿泊などの各サービスとお客様の接点からさまざまなデータが取れますが、現状は購買するタイミングのデータを活用するにとどまっています。
リアルタイムにデータを収集・分析することで、これまで見えなかったお客様のインサイトを知り、さらに寄り添って価値提供できるはずです。
岡:私の目線から見ても、創意工夫によって、古い仕組みからリアルタイムのデータを取り出す試みはとてもおもしろいですね。既存のシステムは、昔ながらの保守的なものなので、リアルタイムとは相反するつくりです。全てをつくり直すのは現実的ではないので、どうやって手を入れていくかが一番難しく、そして楽しい部分だと思います。お客様の満足度に直結する部分なので、やりがいも大きいです。
開発したシステムが世の中を大きく変える。希少なチャンスが掴める会社
トレイルブレイザーには、エンジニアとして働く魅力やおもしろさがあり、チャンスに満ちた場であると言います。
岡:トレイルブレイザーでエンジニアとして働くおもしろさは、今までに蓄えられた膨大な資産やデータがある中で、新しい仕組みをつくり、より良いものにしていけることだと思います。システムを変化させることで、ビジネスが良くなっていくことを体感できるのは、この会社ならではのおもしろさです。新しい道具で新しいものをつくるスタートアップ系の会社とはまた違う、泥臭くも手ざわり感のある開発ができるのではないでしょうか。
小山:私もJR西日本グループが積み上げてきたものを、最先端の技術でより良いものにできる点が魅力だと考えています。鉄道はインフラなので綿密に整備されており、スケールが非常に大きい事業です。
だからこそ、変化が起きると非常にインパクトがあります。トレイルブレイザーの社名に込めた通り、先駆者として開拓精神を持ってこれまでのレガシーなものを一気に変えていけると世の中を一気におもしろくできるはずです。
岡:スケールの大きさは、トレイルブレイザーの特徴ですね。JR西日本グループのお客様は数百万人規模です。鉄道だけでなく、ショッピングセンターやホテル、レストランなどで、自分が携わったシステムによる成果を見ることができます。
ここまで多くのお客様に自分の仕事を届けられ、なおかつ成果を自分の目で見られる会社は他に思いあたりません。自分の仕事がお客様に届いている実感を得たいエンジニアにとって、トレイルブレイザーへの入社はチャンスに満ちた場だと思います。
トレイルブレイザーに新しいエンジニアが加わることがとても楽しみだと話します。
小山:最新技術に強い関心を持っている方やエンジニアリングに喜びを感じる方に入社いただけると、非常に嬉しいです。自分の技術を活かして、新しい道を切り開いていくという志があれば、やりがいを感じられる場面がたくさんあります。
トレイルブレイザーでは、世の中を変えるようなインパクトのある仕事をするために、一人ひとりが能力を発揮できる組織づくりに力を入れています。JR西日本グループ全体のロールモデルとなるような、チャレンジングな働き方をみなさんと実現できればと考えています。
岡:クラウドなど新しい技術に精通している方はもちろん、レガシーな技術の経験が豊富な方もぜひ入社いただければと思っています。レガシーな技術を知っていれば、その技術を今の時代に合わせていかに変えるか、どのように新しい技術とともに活用するかがわかるからです。
新しいメンバーが入ってくることで、今までのやり方や考え方に捉われない発想が生まれ、そこから新しい取り組みが生まれるはずです。新しいメンバーと一緒に、未知への挑戦ができるのが待ち遠しいです。
※ 記載内容は2024年2月時点のものです
