ヤリスからセンチュリーまで17車種を統括。笑顔を生み出すマネジメントとは
私は現在国内営業部で主任として販売総括を務めています。私たちのミッションは日本で販売しているトヨタのクルマを最大限販売するための取り組みを行うことです。そのために年間150万台ほどのクルマを生産している生産部門と全国に300ほどある販売店さまをつなぎ、日々移り変わる市場のニーズを把握しながら、生産調整や販売の方針決定を行っています。またトヨタとして注力して販売したいクルマもあるため、それらが1台でも多く売れるよう、施策を考えています。
私たちのチームはヤリス、アクア、カローラなどよく知られているクルマから、センチュリー、GRブランドのクルマまで全17種の車両を担当。それぞれの車種に3人ほどの担当者がつき、チームで業務に当たっています。私はそれぞれの車種がスケジュール通り生産・販売できているかを確認しつつ、その中で生じた困り事の解決を担っています。たとえば、異なる車種で似たような問題が起きていることもあるため、各担当者だけでは解決できない問題があれば、私が引き受けます。
チームメンバーは若手も多く、雰囲気はまるで部活の先輩・後輩のような活気があります。困った時は相談し合える間柄ですし、ミスや失敗をした時も素直にすぐ伝えてくれます。それを頭ごなしに叱る先輩社員もいないので、お互いが信頼し合って仕事ができていると感じます。私自身、心理的安全性を重んじ、「相談すれば必ず誰かが助けてくれる」と思ってもらえるような環境づくりを大切にしています。
私が仕事をする上で心がけていることは大きく2つあります。1つめは、関わる人全員が笑顔で働けるような環境づくりです。クルマにはとにかくたくさんの人が関わっており、社内だけでも、生産管理のメンバー、商品を企画するメンバーなど本当にたくさんのステークホルダーがいます。それぞれの持つミッションをしっかり汲み取り、みんながうれしい関係性になれるコミュニケーションを取ることが大切です。そのためには、まず私たちのチーム自体が健全な状態でいないといけないと思います。主任として、一人ひとりが最大限自分の力を発揮できる環境づくりを心がけています。
もう1つは個人的なことですが、人のために汗を流すことを大切にしています。当社では「Youの視点」といって、相手の立場に立って物事を考えることが求められます。しかし私は「考える」だけでは不十分だと思っていて、「考えて行動する」ことが大切だと思っています。相手のために行動できて初めて、信頼関係が育まれると考えています。
このような考えに至ったきっかけは、新卒時代配属された部署の先輩方が人のために動ける方ばかりだったからです。新設された部署で目に見える正解がなく、何から始めるべきか迷うような状況でしたが、先輩方はお互いに助け合いながら仕事をしていて、私が困っている時には手を止めて助けてくれました。その姿を見て「この人たちと一緒ならきっと大丈夫」と思えた経験から、私自身も相手の立場に立って考え、行動することを大切にするようになりました。
正解が見えない状況でも向き合い挑戦を続けた学生時代。「まずはやってみよう」という精神で業務に臨む
私は中学・高校時代6年間ラグビーに打ち込んできました。チームスポーツのおもしろさを実感する一方で、両肩の脱臼を経験。くしゃみをしただけでも肩が外れるようになり、手術も受けました。そのため、大学入学後はラグビーを続けるのは危険だと思い、体育会のヨット部に入ることに。総勢60人ほどの部員と共に4年間合宿所での生活を経験しました。
しかしそのヨット部でも再びけがを経験。「何もできないままでいるのは嫌だ!」と一念発起し、ヨットの大会を運営する学生連盟に所属したほか、今のうちに勉強もしておこうと2つのゼミに入り、4つの卒業論文を執筆したことも思い出深いです。
けがという困難に苛まれながらも次々と新しいことに挑戦できた理由は、今振り返ってみると失敗に慣れていたからだと思います。小学生の頃から受験のために勉強し、成績が上がったり、下がったりするのを経験してきたことで、「やらなければ成功しない」と身に沁みて理解していました。10回やって1回成功するなら、100回やったら10回成功できる。今の仕事においても、この精神で「まずはやってみよう」と挑戦を繰り返しています。
就職活動では、スポーツや共同生活の中で学んできた価値観を活かし、1つのことをみんなで頑張れる環境で働きたいと思っていました。仮に誰かが躓いても周りがそれを支え、引っ張っていけるような環境で働きたいという思いが強くありました。そこから、メーカーで働くことを考えるようになり、トヨタを第一志望に就職活動をしていました。
トヨタに惹かれた理由は、説明会やOB訪問を通じて前向きで他人のために動ける人が多いと感じたからです。実際に入社してみると「自分以外の誰かのために行動しよう」という言葉がそこかしこで使われているので、その理念をみんなが持っているのだと実感しました。またクルマを作る人、部品を作る人、ガソリンを売る人、整備をする人など、1台のクルマには本当にたくさんの人が関わっていることを知り、完成車メーカーで働き、お客さまに商品を届ける仕事に強く惹かれました。
こうして2017年に入社。初めはとにかく手厚い研修に感動しました。当社の成り立ちなどの座学はもちろんのこと、販売店や工場での実習もあり、貴重な経験ができました。工場実習から戻ったタイミングで、新設されたモビリティサービス企画部に配属。ここではクルマを売ることではなく、カーシェアやリース、クルマの利活用サービスなど、クルマをどう活用していただくかを考える仕事を5年間経験しました。
前述の「相手の立場に立って行動する」姿勢が身についたのもこの頃です。その後2024年に現在の部署へ異動し、現在は主任として実務面でのマネジメントに従事しています。
工場見学から始まった相互理解──生産部門と販売店の架け橋を担ったことで得た学び
トヨタで働いて最初に思ったことは、よいものをつくるために本音でコミュニケーションを取る文化があるなということです。言いづらいことも真っ直ぐ言う雰囲気があり、熱い想いを持った仲間が多いと感じます。一方で、食事会などプライベートな交流も多いので、お互いの人となりがきちんとわかった上で議論できており、意見がぶつかっても険悪な雰囲気にはならないところが魅力です。
私がこれまでの仕事の中でとくに印象的だったのは、2024年に国内営業部に異動したばかりの時に企画した生産部門と販売店さまの交流会です。当時トヨタの生産部門では工場停止などのトラブルがあり、販売店スタッフやお客さまにご心配をおかけしていました。日頃から生産部門と販売店が交流する機会はほとんどなく、お互いの状況がわからないために不信感が募っていた時期でもありました。
そこで「今こそ私たちが間に立って力を発揮すべきだ」と思い、販売店の代表者さまを中心に工場見学に招いて生産側の思いを聞いてもらったり、販売店さまの抱えている悩みや困り事を聞き出したりする機会を創出しました。
企画段階では、生産部門や販売店さまが伝えたいこと・知りたいことをまとめ、どんな催しにすればお互いのことがわかり合えるのかをじっくり考えて企画しました。そして迎えた当日、工場見学が終わった後みんなで食事会をしていると、双方が「こういう機会があってよかった」と声をかけ合っていました。生産部門側は、製品が工場から離れた後のことを知ることができ、「より高品質なものを作っていきたい」と想いを話してくれました。
また販売店側も「これまでニュースでしか知らなかったことを現場で見られて、改善策についても話を聞けて、自信を持ってクルマを売れるようになった」と言ってくれました。この取り組みは東北地方を皮切りにスタートし、今では全国にも広がっています。
この経験から、私自身トヨタのために働いているさまざまな人たちと顔を合わせて交流し、一人ひとりの想いを知ることができて視野が広がりました。だからこそ、関わる人みんなが笑顔で働けるよう、グループ全体で見てプラスになれるような判断をすることを心がけています。
私が思う、トヨタで働くやりがいは自分が関わったクルマが実際に街で走っているところを見られることです。2024年にダイナというトラックを担当したのですが、正直担当になるまでは街でダイナが走っていても全然気が付きませんでした。
それが自分の担当車種になった途端、街の至る所で目につくようになって、家から会社までの通勤経路にもダイナが停まっていることに気づいて、「こんなに身近なところで活躍していたんだ!」と心が躍りました。自分の関わっているクルマがこんなに近くで普通に走っているなんて、すごくうれしいことですよね。
一歩踏み出す勇気が未来を拓く。挑戦する姿勢を大切にするトヨタでのキャリア
トヨタにはたくさんの魅力があります。1つは理念の部分で、前述の「Youの視点」に代表される誰かのためにという精神など、トヨタとして大切にしている価値観がたくさんあります。それらを大切にして働いていると心が豊かになりますし、同じ志を持つ数多くの仲間と出会え、互いに困ったときは助け合える関係性が築けます。
働き方の観点でも、非常に柔軟な環境が用意されています。もちろん工場や販売店さまに足を運ぶこともありますが、子育て中や介護中の方でも働けるよう、個別の事情に配慮されているため、家庭を理由に仕事を諦める必要はありません。
私の今後の目標として、まずは今のチームをさらによい形にしていきたいです。今でも十分よいチームなのでよい部分は伸ばしつつ、教え合う文化を大切にし、下の年次のメンバーがさらに成長してくれたら何よりです。
私自身の今後の展望について、実は具体的に思い描いていることはありません。ただ、どんな形であっても困っている人を助けて喜んでもらえるような仕事をしたいと思っています。業務内容というより、「関わる人を笑顔にしたい」という思いが果たせるような仕事をしていきたいですね。
私がトヨタでいきいきと働けている理由は、何事にもまずは挑戦する姿勢があるからだと感じます。もちろん何かをする時は、「こんなデメリットがある」「こんな失敗をする可能性がある」と考えて対策しますが、それを踏まえて一歩踏み出せるところが私自身の強みにもなっていると思います。視野を広げるとその一歩が成功しても失敗しても、会社にも、周りのメンバーにも、よい影響をもたらすこともあると思います。
もう1つは、人に恵まれているからです。たくさんの優秀な人に囲まれているので、もし何かあればサポートしてくれますし、逆に私がサポートすることもあります。その根底には「みんなで幸せになりたい」という思いがあります。
私がトヨタで一緒に働きたいと思うのは、やはり前向きな人ですね。初めはクオリティが伴わないこともあるかもしれませんが、「誰かのために頑張りました!」「こんなのはどうでしょう?」と相談してくれる人と一緒に成長したいと思っています。さらに、精神的な面では嘘をつかない・逃げない・誤魔化さない人がいいですね。重要な局面で逃げずに向き合える人は、きっとトヨタで活躍できると思います。
※ 記載内容は2026年2月時点のものです
