アメリカで学んだ姿勢と価値観を礎に。世界各国の事業体をまとめる
長谷川が所属するのは、モビリティ素材事業統括部グローバル事業戦略グループ。ナショナルスタッフの実習生を含め7名のメンバーを有し、同社の各国にある海外拠点の管理や支援などを担当しています。
「海外事業のメインは金属素材の流通加工事業。10カ国23拠点で加工事業体を展開しています。その中で私の担当はタイ、ベトナム、フィリピン、ヨーロッパ、トルコ、南アフリカの拠点。業績管理などの業務はもちろん、豊田通商全社としての視座を意識した活動も推進しています」
2024年からは本部名を新たにメタル+(Plus)へ変更。そこには既存事業はもちろんのこと、新たな領域へ進化していくという想いが込められています。
「今年度から本部名が変わり、メタル+(Plus)となりました。その『プラス』の部分をどう作っていくのか、どのような戦略を練っていくかということも重要なミッションになります」
長谷川のこれまでの経歴は、日系企業に在籍してはいたものの、アメリカでの経験がそのほとんど。多様な文化を持つ人種が集まる国で経験を重ねてきたからこそ、培われてきた価値観があると言います。
「多様な人種や文化、価値観を持つフィールドに身をおいていたからこそ、互いによく話し、意見を交わしていく重要性の高さを常に感じてきました。どちらがいい・悪いではなく、それぞれを尊重し、理解する努力が必要。その姿勢は、現在でも大切にしている価値観ですね。もちろんこれはどの仕事、どんな場所、場面でも大事なことだと思います」
留学を経て、アメリカで就職。新たなチャレンジを求めて、日本での転職を決意
大学では、商学部に所属し、グローバルビジネスや経営戦略論を学んだ長谷川。アメリカに留学後、かねてから海外で働きたかったという想いを実現させ、現地で就職をしました。
「これまでのキャリアを通じて、家電部品や自動車部品など、異なる規模や業種の企業で素材を扱う経験を積んできました。豊田通商のアメリカ現地法人ではジェネラルマネージャー職を務め、その後一度転職を経て、現在の職に至ります」
再び転職を考えた時に、あらためて豊田通商で新たなチャレンジがしたいと感じた長谷川。拠点をアメリカから日本に戻し、次の一歩を踏み出しました。
「転職を経験してみて感じたのは、もう一度豊田通商で働きたいという想いでした。大学卒業後から2023年に豊田通商にキャリア入社するまではずっと海外にいたので、そろそろ日本へ戻ることも考えていました。
当時から、私が現在いる部隊のメンバーとも関わる機会は多くありました。彼ら、彼女らはアメリカだけでなく他の現地法人ともやり取りしていましたし、そういった環境で自分もチャレンジしてみたい。もし日本に戻るのであれば、豊田通商の本社だと。そこで転職を決意したという経緯があります」
現在は加工事業体を管轄する部隊に在籍する長谷川。自分自身を新たな視点から見つめ直すことができるようになったと話します。
「今までいたアメリカは市場が大きく、会社全体でも大きな利益を生み出している拠点と言えました。その一方で正直なところアメリカのことだけを見ていればいいという感覚もありました。現在は、海外拠点を管轄する役割があるので、よりグローバルな視点が必要になりました。
各拠点の状況や課題、国の習慣、文化など独自で考える部分と会社全体として足並みをそろえる部分とバランスを見極めながら、より広い視点で仕事を進めていくことが重要。この一年でその視点を少しずつ持てるようになってきたかなと自分でも思っています」
マネジメント経験を経ての変化。共生の関係性を意識した具体的な目標設定を
長谷川の新卒後のキャリアは営業からスタート。その後マネジメントの経験を積み重ね、現在は課長職に就いています。
「最初は営業部門からだったので、製造のことや現場のことは知っているようで知らない世界でした。それが、管理する側になると、営業はもちろん、製造、IT、人事、安全などすべてを見る立場に変化します。おのずと関わるメンバーは増え、背負うものの大きさを感じるようになりますね。かつて在籍していた会社では110人ほどのメンバーをまとめていた時期もあり、そうなるとその従業員一人ひとりの家族の生活も背負っていることに。
重いように感じますが、だからこそ同じ目標に向かって一緒にやっていこうよ、としっかり話し合いながら進めることを意識していました。その経験が今の自分の価値観にもつながっていると思います」
各国の現地事業体とのやり取りは今の仕事でも必須。よりグローバルになったことで複雑さも増していくため、各個人との目線合わせの仕方を意識していると言います。
「私たちは自動車メーカー向けの金属素材加工をやっている部門。高品質な加工を行うことで、良い自動車を作る事に貢献することができる。その工程の中で、競争力を高めるために品質だけでなく、並行して安全やコストなどさまざまな視点を持ちながら物事を進めていく事が必要です。その一つひとつをブレイクダウンしながら、各事業体のメンバーと目線合わせをしています。
私たちだけで進めるのではなく、現地事業体の方たちと目線合わせをする事によってお互いに納得感を持った上で物事を円滑に進める事ができるようにしています」
2024年からスタートしたメタル+(Plus)本部としてのプラス部分の活動は模索中。会社のビジョンをもとに、新しいことへのチャレンジを検討する準備段階です。
「会社としては、金属部門のリーディングカンパニーとなること。そして、すべてのステークホルダーに選ばれる存在になること。いくつかのビジョンがあります。そのビジョンに沿った形で新たな戦略を練っているのが現在の段階ですね。なので、まだこれをやりました!という成果にはなっていませんが、各地の現地事業体や本社とコミュニケーションを密に取り、バランスを探っています。
アメリカ時代と異なる視点や、よりグローバルになったことでのおもしろさは強く感じています。各国の現地事業体によって、状況も課題も異なる。その中で、しっかり管理していく楽しさを感じています」
100年に一度の大変革期。新たな未来を一緒に創造するメンバーを
メタル+(Plus)本部が扱う金属素材は自動車の主要な素材。その自動車業界は素材を含め大きな変革期を迎えつつあると長谷川は言います。
「金属素材についても、今後はアルミや樹脂など鉄からの素材置換、プレス工法が変わる可能性があります。鉄を使うにしてもつくり方や部品も変化していく。マーケットにおける立ち位置を川中から川下/川上に拡げ、素材軸からカーボンニュートラル社会に貢献できるように会社として応えていかなければならない時期になっています。本社にいるからこそ、数年先ではなく、10年単位の未来を見据えて、在りたい姿を考えなければなりません。
最大限、現地事業体の意向を汲みとりながら、自分たちがめざす未来も理解してもらう。お互いに寄り添いながら、バランスを取っていきたいと考えています」
部署としても、プラスの部分の答えをいかに出していくかは模索中です。
「プラスの部分というのは、未だかつて挑戦していないところに踏み出すことだと思います。新しいことを絞り出し、トライしていくことはハードルが高いもの。既成概念にとらわれず、アイデアを出して、行動に移せる、そんな方と一緒に仕事をしてみたいですね。これだけが正解ということはありません。違う視点で、新しい風を吹かせてほしい」
100年に一度と言われるほどの大変革期にきている自動車業界。その流れに合わせて、豊田通商も新たなステップへと踏み出しています。その未来を見据えて、戦略を立てる重要な役割を長谷川は担っていきます。
※ 記載内容は2024年7月時点のものです

