特殊鋼トレーディング業務に従事。お客様と鉄鋼メーカーをシームレスにつなぐ
西日本条鋼鋼管事業部 条鋼鋼管1グループで、日々お客様と仕入れ先をつなぐ役割を担っているのがグループリーダーの土橋です。
「私たちの部署は、主に大手自動車部品メーカー向けに鋼材(特殊鋼、鋼管)のトレーディングを行っています。日々の業務では鉄鋼メーカー、中継地、支給先、お客様との調整などを担いますが、とくにお客様と仕入れ先である鉄鋼メーカーとの間で適切なコミュニケーションを取ることを心がけています。
事業部全体には約25名が所属。そのうち、私のグループは17名。営業職は比較的若いメンバーで構成されています。物流管理や日常業務においては、鉄鋼メーカーごとにチーム制を敷き、その時々のニーズに迅速に対応できる体制を整えています」
一つの鉄鋼メーカーでも扱う鋼種は多様化しています。また、少量品の需要も増えているため、これらの管理には細心の注意が必要です。
「お客様から内需や生産予定の情報をいただき、それを適時鉄鋼メーカーに伝え、必要な数量を調整した上で発注を行います。もちろん最終ユーザーである完成車メーカーの要求に応じて納期を厳守することが求められます」
日々変化する特殊鋼の世界。柔軟に対応し、常に新しい解決策を見出していけるよう、チーム力を高めることに注力しています。
「仕事をする上で意識しているのは、組織力を最大化すること。個々のメンバーが力を最大限に発揮できるような環境や体制を整え、組織全体の力として活かせるよう努めています。
そのために、若手の多い営業職の人材育成に注力。当グループは17名という大所帯のため、細やかに目を配ることは難しいところはありますが、対話を通じて個々の意見を聞きながら、業務の個人依存を減らし、作業品質の標準化に向けた取り組みを進めています。
また自分自身は、困難な状況が発生した場合でも逃げない姿勢を大切にしています。グループリーダーの責任として、最後まで問題を解決する姿勢を見せることが重要だと考えています」
裁量を持って働きたくて、豊田通商へ。海外で新しい鋼材需給スキームを構築
大学では経営学部でマーケティングを学んでいた土橋。就職活動では商社を志望しました。
「商社なら、海外を視野に入れながらある程度の裁量を持って仕事ができるという漠然としたイメージがありました。実は、最初は豊田通商を強く志望していたわけではありませんでしたが、就職活動を通じて社風が自分に合っていると感じたことが決め手になりました。
入社当時は現在ほど当社の規模は大きくありませんでしたが、社員がいきいきと働いている様子や、人事の方との会話から明るい未来を感じました。また、細かく指示されるよりは、ある程度自由に仕事ができる環境を求めていたことも理由の一つでした」
当時の土橋には特殊鋼に関する知識はなく、右も左もわからない状態からスタート。最初は戸惑いもありましたが、先輩や上司に恵まれ、サポーティブな環境の中でがむしゃらに業務に向き合いました。
入社後6年間は条鋼鋼管部に所属。自動車メーカーの国内外向けトレーディング業務に従事し、実務を通じて特殊鋼業界の知識を習得していった土橋。その後、当時の西日本鋼材部に異動し、主にインドネシアやマレーシアなど東南アジア向けの輸出業務を担当します。
「とくに印象に残っているのは、インドネシアの現地法人と協力し、鋼材の管理支給スキームを構築したことです。日本側の窓口を私、インドネシア側を当時駐在していた先輩が担当しました」
このスキームは、ユーザーである自動車部品メーカー向けに集中購買のような形で数量をまとめ、有利な価格で取引を行うもの。現地法人に対してはこのスキームに参加することで安い価格で購入できることを、鉄鋼メーカーに対しては大量発注による有利な条件を提案し、双方にとってメリットのある仕組みを作り上げました。
「当時、インドネシアは伸びていく市場と言われていましたが、鉄鋼メーカーも顧客側もスキームを作るためにリソースを確保するのは難しい状況でした。そんな中で私たちがサプライチェーン上の関係者を巻き込み、管理自給スキームを構築できたことは大きな達成感がありました。商社機能を最大限に発揮できた瞬間だったと感じています。現在もこのスキームが続いているのもうれしく思います」
その後、土橋は、中国の加工事業体で、総経理(社長)として5年間経営管理全般を担当。
「中国の太倉市にある特殊鋼の切断や鋼材の検査を行う二次加工事業体で、事業体経営に従事しました。営業だけではなく、財経管理、生産管理、安全・品質管理といった分野に携わり、中長期視点での戦略策定や原価低減、設備投資など、事業を拡大させていく上で必要となる事業体ならではの業務やプロジェクトに携わることができました。
現地の事業体で日本人は私一人でした。現地スタッフと信頼関係を構築すること、会社方針を理解し、同じ方向を向いてもらうことに苦労したこともありましたが、この経験は今でも私の財産になっています」
苦しい時こそ人は成長できる──身をもって学んだ、逆境を乗り越える力
現在はグループリーダーとしてメンバーを牽引する立場にある土橋ですが、入社してからすべてが順風満帆に進んだわけではありません。
「とくに心に残っているのは、入社4~5年目、名古屋勤務時の経験です。鉄鋼メーカーとお客様の間に立ってさまざまな調整を行う中、双方の主張に挟まれ、提案がまったく通らず、調整が難航したことがありました。中立的な立場を取ることが難しく、自分では調整し切れないケースもあって、当時の部長に仲裁してもらったこともありました」
辛かった時期に上司からかけられたひと言が土橋を救いました。
「部長から『うらやましいな』と言われました。意外な言葉だったので『どうしてうらやましいんですか?』と聞いたら、『苦しい時こそ人が成長している時だ』という言葉をかけてもらい、気持ちが楽になったことを覚えています。
その後、何度もお客様先に訪問するなど、粘り強くコミュニケーションを取り続けたことで徐々に信頼関係を築くことができ、最終的には話を聞いてもらえるようになりました。
苦しい時期を乗り越え、最後まで逃げなかったこと。その経験は大きな自信につながりましたし、どんな人に対しても自分のマインドを保ちながら接することができるようになったと感じています」
また、総経理として事業体経営に従事した中国でも印象深い出来事がありました。
「中国赴任後しばらくして新型コロナウイルス感染症が流行し、ロックダウンに。私は約3カ月間通勤できない状況でしたが、当時工場に入ることができたメンバーに数週間泊まり込みで働いてもらい生産を続けました。
不安定な情勢の中、現場からは早く家に帰りたいという声もありましたが、管理職メンバーと一緒に勇気づけながらなんとかモチベーションを維持してもらって乗り越える事ができました。当時の苦労は今でも忘れられないですね」
困難な状況を乗り越えたことで、メンバーとの信頼関係がよりいっそう深まったと振り返る土橋。現在は、リーダーとして日本と海外の良いところを取り入れながらグループの事業基盤となるような新しいビジネスを創出していきたいと語ります。
「グローバルに事業を展開する顧客を持ち、国内、海外の各拠点と連携しながら仕事ができることは、当グループならではの魅力。とくに、カーボンニュートラルや電動化など、これから成長していく分野で先手を打ってお客様に提案できる体制を作り、顧客の商売拡大や新規ビジネスの創出に貢献したいと考えています」
環境変化に対応した新しい提案や機能を創出できる機会があること、自身の裁量で新しいアイデアを実践できる環境があることも、やりがいを感じる要因だと言います。
「新しいものを作ることにおもしろさを感じる性分があるので、既存のものを磨き上げていくことも大切ですが、それに加えて新しい機能や価値あるものを提供していくことに魅力を感じています。
思い通りにいかない時もありますが、ゴールの姿が見えていればそこに向かって思考できますし、うまくいかなかった場合は理由を分析し、新しい策を提案することもできます。挑戦を応援してくれるような風土があることにも背中を押されています」
変化を恐れず、未来を切り拓く
変化を恐れず、変化を楽しみ、変化を創り出す──。
2023年の社長年頭メッセージにもあるように、豊田通商では、数年前から変化に柔軟に対応する方針を打ち出し、長期的な視点で取り組んでいます。
「積極的に変化を生み出していこうとする会社の姿勢は、私たち一人ひとりの仕事にも反映されていると感じています。経営層や上司も新しい取り組みに対して理解があり、横断的な組織やタスクフォースが次々と作られ、会社全体が変わろうとしている雰囲気を肌で感じています」
そんな状況の中、土橋は「みんながやりがいを持って働ける職場を作っていきたい」と意気込みます。
「私個人としては、若いうちに海外経験を積む事が仕事の幅を広げる上で重要だと思います。実際、自分自身も海外にいる時の方がより裁量を持ってやらせてもらいましたが、それに比例して責任感も伴うので、決断力と実行力が鍛えられたと感じます。
必ずしも駐在員として行く必要はなく、実習生としての経験でも十分価値があるのではないでしょうか。間違いなく大きな成長につながりますし、会社としても若手社員の海外挑戦を後押しする雰囲気や機会は十分にあります」
大きな構造転換を迎えているモビリティ業界において、金属需要の高まりとともにさらなる価値提供が求められている今だからこそ、自ら学び、変化を楽しめる人材が求められています。
「当社に向いていると思うのは、何か問題が起きた時に現実をきちんと受け止め、適切に報告・連絡ができる人。ただし、単に逃げないだけでなく、状況を適切に判断し、周りを巻き込みながら一つの目的に向かって協力して進めていける人が理想です」
さらに新たな挑戦を迎える皆さんに向けて、こんなエールを送ります。
「当社に興味があるけれど躊躇している皆さんには、一歩踏み出すことをお勧めします。やりたいことが明確でなくても、漠然とした思いがあるなら、当社は比較的裁量が大きく、やりたいことにチャレンジできる環境だと思います。一歩踏み出した後は、自分で決めた道を一生懸命頑張ることが大切です」
土橋の言葉には、自身の経験に基づく確信と、未来の仲間への期待が込められています。
※ 記載内容は2024年8月時点のものです

