社会インフラを支える電磁鋼板事業の中核を担う
金属製品事業部エナジーソリューション事業グループに所属する森野。同グループは20名強のメンバーを有し、3チーム制で運営されています。加工事業体管理チームと森野が担当する投融資関係やプロジェクトを行うチーム、そしてモーター向け無方向性電磁鋼板の事業化検討を行う3チーム制です。
「変圧器やEV(電動車)のモーター用に使われる電磁鋼板に関して、メキシコ、トルコ、インドの“世界三極体制”で加工事業およびパートナーと事業展開しており、各地の投融資関係のプロジェクト推進が私の主な業務となります」
昨年までは森野自身がトルコの加工事業体担当者を務めていましたが、今期からは加工事業体担当を外れ、地域を問わず次なる成長戦略に携わり推進することが任務となりました。
「基盤事業としてはメキシコ、トルコ・ヨーロッパ、インドの加工事業体の支援および管理がメインとなりますが、変圧器の循環ビジネスは過去より新規探索案件として取り組んでいます。現在は『モノの売り切り』から『エナジーセクターバリューチェーン(VC)全体へのソリューション提案型事業の確立』を目標に掲げており、その一手として循環スキームの確立をめざしております。
地域ごとに廃棄規制などは異なりますが、まずは国内で実証や経験を積みたいと考えています。中長期的には各地でパートナーと循環事業も視野に広げていきたいと考えております」
このように、森野の担当領域は今期から大きく広がりました。
「今まではトルコとヨーロッパの担当だったのであまり他地域の情報に触れる機会が少なかったですが、今期はすべての地域を管轄する立場になりました。メキシコの加工事業体で北米地域全体、また、インドパートナーを通してインドマーケットに触れることで視野を広げていきたいと考えています」
各地の加工事業体の次なる成長ステップとして設備投資による顧客需要の取り込みなど、おのおの成長戦略が異なる中、現地の加工事業体と一緒にそのステップを練り、次なる一手を共に考えていくのが主な役割だと森野は言います。
「各地とのやり取りは週次の定例に加えて、その時々に適宜対応するような流れです。週次であれば1週間の中で関係各所に確認したりすることが多々出てきますので、1週間で対処した中で成果物を共有し、ブラッシュアップさせていきます。
私自身今までの社会人人生でそこまで携わってきている領域ではないので、日々グループ員や現地メンバーに聞きながら、成長戦略を形にしていければと考えています」
社会インフラを支える電磁鋼板事業の中核。投融資案件やリサイクルビジネスなど新たな取り組みにも意欲的に挑戦しながら、チームを率いて事業の成長をめざす。その真摯な姿勢が、グループの未来を切り拓いていく原動力となっています。
大学でのスポーツ経験から、その挑戦を続ける姿勢に共感し豊田通商へ
学生時代はアメリカンフットボールに打ち込んだ森野。
「大学時代、自分のいたアメフトのチームは日本一をめざしつつも2番手、3番手ぐらいのポジションにいたのもあってか、当時のチームと同様に、常に上をめざしていくような立場にある会社に惹かれました。
トップに追いつき追い越していくためにどのようなアプローチをするか。そういった豊田通商の姿勢やポジショニングに、自分のこれまでの経験から共感しました」
就職先を選ぶ上で、もう一つ重視したのは海外と仕事ができるという点でした。
「高校生の頃、家族の仕事の都合で海外生活を経験したことから、海外とつながりを持って働きたいと思うようになりました。メーカーでもそれは可能だと思いましたが、商社のほうがより一層海外とやり取りをする機会も多く、さらには幅広い領域や分野で業務を行うことができるのではないか、と。さまざまな経験を積むチャンスにも恵まれるだろうと思いました」
そうして、入社からの10年間は、専ら自動車業界に身を置いてきた森野。トレーディング事業を中心に、業界の商習慣やビジネスの進め方を身につけ、自身の考え方の基盤が作られた時期だったと振り返ります。
「自動車業界の部門にいた当時は、鉄鋼メーカーとお客様の間に立って、トレーディング業務を行うことも多く、お互いに納得できる落とし所を探ったり、先を読み、細かく段取りを詰めたりする必要がありました。原価を下げ、新たな案件を獲得することのハードルの高さも痛感しましたね。
4〜6年目は国内営業を担当し、お客様と対面で仕事をする機会にも多く恵まれました。急な要望にもできる限り応えようと努力する中で、お客様の理解を得るためのコミュニケーションの大切さを学びました」
その後、タイへの駐在も経験。国によっての商習慣の違いも肌で感じながら、交渉力を磨いていきました。
自動車鋼板から電磁鋼板へ。新たな挑戦の道のり
こうした経験を重ねつつ、現在では自動車業界とはまたまったく異なる世界へと身を置くことに。2022年より、森野は現在の部署である金属製品事業部に異動しました。
「自動車業界と変圧器業界では求められるものも商習慣も大きく異なります。ただ、だからこそ自分が自動車業界の業務を通して培ってきた経験を“タグ”として少しでも現在の業務に持ち込むことが大切と感じます」
業界ごとの事情を理解した上で、ずっと同じ業界を相手にするだけでは気づかないような、外からの目線で課題解決のヒントを探ることが、森野のめざす仕事のスタイルです。
「電力インフラの安定稼働は、私たちの生活を支える土台です。その中核を担う製品を扱えるおもしろさ、やりがいは非常に大きいですし、化石燃料に頼らない電力供給を支えることで、サステナブルな社会づくりに貢献できる手応えを感じています。
正直、自分にとって電力の世界はこの部門に来るまで未知の領域でした。専門用語も商習慣も、まったく新しいことだらけ。それでも、ゼロから学ぶことのおもしろさには惹かれましたね。自動車業界で培ってきたマインドセットを活かしながら、新たな分野にチャレンジする。そこには、自分自身を成長させるチャンスがあると感じました」
業界は変わっても、仕事への姿勢は変わりません。目の前の課題に真摯に向き合い、納得のいく答えを導き出すまで、徹底的にやり抜く。それは森野の“仕事の流儀”であり、変わらぬ信念です。
「当たり前を疑う視点は常に持ち続けたいですし、考え抜き、やり抜くことも大事にしたいです。世の中の変化のスピードは加速していますが、その中で、これまでのやり方に固執せず、柔軟に適応していくことが大切だと考えています。
どんなに忙しくても、やり切ったと言えるまで追求する。その積み重ねが、信頼を生むと信じています」
新たな価値創造に寄与し、つなぐ、脱炭素化の流れ
「私たちが扱う電磁鋼板は、電力インフラだけでなく、EV(電動車)モーター用の素材としても重要性が増しています。その需要は今後ますます拡大していくでしょう。
われわれの使命は、顧客ニーズに合わせて最適な材料を安定的に供給し、脱炭素化に向けてエナジーセクターVC全体へさまざまなソリューション提案を行い貢献していくこと。それが豊田通商の存在意義だと考えています」
地球規模での脱炭素化の流れは、電磁鋼板ビジネスにとっても大きなチャンスです。森野は、トレードという本業を軸に、新しい領域にも果敢に挑んでいきます。
「変圧器のリサイクルビジネス含めて現状取り組んでいる案件は勿論ですが、現業からさまざまなヒントを得て、変圧器のバリューチェーンおよびライフサイクル全体を見据えて案件事業化をめざしていきたいですね。それこそが次の時代に求められる、豊田通商の新たな役割なのかもしれません」
また、これは自身の強みとまでは言えないと森野は謙遜しますが、人との間に立ちコミュニケーションを円滑に図るためにできることを常に意識しています。
「今は中堅の立場にもなってきていて、上の意見と下の意見の間に立ち、架け橋的な存在になることは意識してやっているつもりです。最終的な意思決定はマネジメントの仕事となるわけですが、そこに至るまでのプロセスではチーム全体から意見を吸い上げ、いい意見、多様な意見を引き出すことが最たる役割。
グループ全体をモチベートし、オンオフをしっかり切り替えられるような組織形成の一助になれればと思いますし、いつもメンバーに恵まれ、助けられているなと感じており、日々謙虚な姿勢と感謝の気持ちを忘れずに取り組みたいです」
持続可能な社会の実現に向け、企業の社会的責任はますます大きくなっています。森野は、豊田通商の一員として、そして一個人として、自らに問いかけています。
「私たちにこの時点で何ができるのか。常に限られた時間の中でもそれを考え続け、やり抜くことが大切だと思います。一人ひとりが当事者意識を持ち、知恵を出し合う。多様な価値観を受け入れ、議論を重ねる。そうやって“化学反応”を起こしていくことが、ひいては会社の成長にもつながるはずです。
私自身、まだまだ勉強中の身ですが、新しい技術やビジネスモデルにアンテナを張り、感度を高く保つ。そしてチームの皆さんとともに、一歩ずつ前に進んでいきたいですね」
世界を舞台に、常に挑戦者のマインドセットで新たな一歩を踏み出す。それが、豊田通商の若きリーダーの使命です。
※ 記載内容は2024年5月時点のものです

