自律した取り組みが可能な環境を。グループのマネージャーとして抱く想い
豊田通商モビリティ素材海外事業部に所属する吉井。現在、主に担当しているのは、自動車用鋼板の海外向け輸出業務です。
「私たちのグループの担当エリアは、インドネシア、マレーシア、南アフリカ、欧州、中国、台湾です。グループは私を含めて15名が所属し、インドネシアの拠点からのナショナルスタッフ研修生1名も含んでいる構成です」
2023年からは、グループリーダーを担当するようになりました。
「メンバーが抱える課題やトラブルが起きた際に指示やアドバイスを行うことや、各種案件の決裁を行うことがメインの仕事ですね。自分自身が手を動かすことは少ないですが、一人ひとりの意思を尊重しながら、自律した業務の取り組みを促すことを心がけています」
吉井がマネジメント職を担うようになったのはタイ駐在時の2018年から。ただし、海外ではプレイヤーとしての役割も大きく、お客様へ営業をしながら、現地ナショナルスタッフの教育なども担当。現在のグループでは、去年から新しい方針を立て、メンバーそれぞれの意思を尊重し、自由なワークスタイルを推奨するなどグループ全体で積極的に変化しています。
「日本に戻ってからは、よりマネジメントに特化するようになり、営業として動くことは減りました。海外と日本では同じマネジメント職でも立ち位置が少し違いますね。現在、チームでは個々人に自律した業務の取り組みをしてもらいたいというメッセージを発信し続けています。
私自身、トップダウン式のマネジメントでは、指示に従うことが中心となってしまい、個人が主体的に業務に取り組むことが難しい環境になると考えていました。だから今は、一人ひとりに主体的に考えて動いてもらえるよう心がけています」
メンバーに恵まれ、自由さとやるべきことのバランスを取って働いてもらえていることから、吉井は理想としている環境が実現できていると感じていると言います。
「ただ、正直、自分がマネジメントになるとは思っていませんでした。他にもっと適した方がたくさんいると思っていたので。若い頃は仕事の進め方への不満をよく口にするタイプで、もっと効率的なやり方はないかということは常々考えていました。といっても、マネジメントのビジョンはとくに持っていなかったんです」
今は、当時の自分が嫌だと感じたことは極力改善し、メンバーが働きやすい環境作りをしている吉井。新しい風を吹き込むリーダーとして、その取り組みは部署に自律的な雰囲気を生み出しています。
新たな刺激を求めて出会った、学生時代とは異なるフィールド
大学院時代は金属材料工学を専攻していた吉井。研究室からの進路としては専門性を活かせる鉄鋼メーカーなどが主な就職先として想定されましたが、研究生活を続けることへの不安から、思い切って文系就職を選択したと振り返ります。
「一つのことをずっとやるよりも、いろいろなことをやりたいという気持ちが私の中で強かったんです。商社や広告代理店、航空会社の自社養成パイロットなど、いろんな可能性に期待して就職活動をしていましたね」
そんな中で豊田通商を選んだ決め手について尋ねると、吉井は2つのポイントを挙げました。
「商社ならば、業務の中で幅広い商材を取り扱える、という漠然としたイメージがあり、一つの商材である程度極めたら、新しい商材やビジネスも経験できるだろうと期待していました。もう一つは、海外勤務・駐在への憧れがあったこと。この2点が商社という業界、そして豊田通商に入社する決め手になりました」
吉井が海外に関わりを持ちたいと思うようになったきっかけは、高校時代に遡ります。
「子どもの頃は海外経験がまったくなく、ずっと、海外ってどんなんだろうというイメージや期待を膨らませていました。高校時代に初めて語学研修でアメリカに行った際、テレビや本で知っていた世界ともまた違う海外での生活に感動を覚え、いろんな国に行ってみたいという憧れが芽生えました。常に新しい刺激を求めているんだと思います」
入社後、愛知県東海市のオフィスに配属になった吉井ですが、常に、実習生として早く海外に行きたいという意志を上司に伝えていました。その想いは2010年から2013年にかけて、営業職として部品メーカー向けの鋼板デリバリーを担当する旧鋼板第一部での業務を経て、実現することになります。
「2013年から2015年にかけて、インドネシアの生産事業体へ海外実習生として赴任し、ナショナルスタッフの教育や現地日系メーカーの営業窓口として従事しました。
当時、実習生制度は、数年間の業務実績を積んだ若手社員が現地に2年間の期限付きで海外赴任するというもので、比較的早いタイミングで、希望していた海外赴任が叶ったのは本当に良かったです」
「任せる」ことの大切さ。ナショナルスタッフとの信頼関係と学び
実習生として向かったインドネシアでの2年間に渡る経験は、吉井にとって大きな学びの場となりました。初めての海外でスタッフを教育するというミッションを与えられ、現地の人々の働き方や考え方の違いにも多々気づかされたと振り返ります。
「当たり前ですが、現地の国民性や独自のカルチャーもあって、赴任先のナショナルスタッフの誰もが日本人と同じ感覚で働いているわけではないことにあらためて気づきました。やってほしいことは多々あるのですが、その中で何ができて、何ができなくてもいいのかを、日本人駐在員として見極める必要があると学びました」
自分たちでやったほうがいいことなのか、ナショナルスタッフの皆さんに任せたほうがいいことなのか。それを見極めながら進めていくことの大切さを、吉井は現地での経験を通して痛感しました。
「日本人の駐在員同士だと、お互いに現地のやり方がわからないこともあります。取引先の駐在員と話をしてもなかなか決まらないことが、実務とローカルルールをよく知っているナショナルスタッフ同士だからこそ簡単に解決できる、ということは多々ありましたね」
吉井は、仕事をその国の人たちに任せて動いてもらう機会の中で、日本人だけでは解決できなかったことが現地の人同士だと解決する世界があることにおもしろさを感じました。
「赴任当初は、いかに日本側のやり方を浸透させるかということばかり考えていましたが、日本側のやり方を押し付けるよりも、ある程度任せたほうがうまくいく部分もあるんだなというのは、当時の自分にとっては本当に大きな発見でした」
インドネシアでの経験を経て、吉井はその後、タイの生産事業体へ駐在員として赴任。日系取引先を担当する組織のマネジメントを任されました。
「タイでの駐在で、はじめてマネジメントという役割を担うことになりました。プレイヤー気質がなかなか抜けず、マネジメントの仕事がなんなのかを見いだせずに苦しんでいましたが、思い切って担当者たちに任せてみて、彼ら、彼女らからの報連相にタイムリーに応えることを心がけてみたところ、意外にも効率的に業務が回るようになり、結果的に過去最高益を記録することもできました。
私自身が何か形として残せたものはありませんでしたが、帰任前にスタッフから一緒に働きやすかったと言ってもらえた時は、とても嬉しく思いました」
海外での駐在経験を通して、「任せる」ことの重要性を体得した吉井。日本人の感覚だけで物事を進めるのではなく、現地スタッフの力を信じて任せる。すると、思いもよらない解決策が見つかることがある。そんな異文化の中で発見した仕事のおもしろさを、吉井は日本でのチーム作りにも展開していきます。
変化を楽しむ挑戦者とともに。自律的な組織運営を加速する
インドネシアとタイで培った経験も大きなバックグラウンドとして持ちつつ、吉井は現在グループリーダーとして組織のマネジメントに奮闘中。海外で学んだスタンスは、今の仕事にも大いに活かされているようです。
「実務面だけでなく、人財教育の面でも、当事者たちが一番動いて、経験してもらったほうが彼ら、彼女ら自身のためになるはずなので、マネジメントがあれこれ口や手を出すよりも、担当者にある程度任せてやってもらったほうがいいなというのは、現在も強く思っています」
マネジメントの立場になって心がけていることを尋ねると、吉井は信頼関係の大切さを口にします。
「心がけているのは、信用してもらえる、信頼関係のある状況が一番いいということ。私のマネジメントはちょっと個人主義的なスタイルなので、グループメンバーが要所要所で相談してくれる、報連相しようと思える信頼関係が重要だと思っています。
マネジメントというのは役割が違うだけで、上下関係ではありません。そこを割り切って、自分がプレイする必要があるところを見きわめて、対応するようにしています」
メンバーとのコミュニケーションでは、いつでも相談に乗る姿勢を心がけています。
「自分ではあまり意識していなかったのですが、いつ話しかけても相談しても、ちゃんと聞いてくれる、というフィードバックを、メンバーからもらえたことがありました。
また、相談された時の反応スピードも大事にしていて、メンバーから相談があれば、即レスできるぐらいのスピードで日々の仕事に取り組むように心がけています。小さなことですが、そういった一つひとつが、今のグループ運営を支えているのかなと感じています」
ちなみに、幼少期から親の転勤で転校ばかりしていたという吉井。新しい環境に飛び込むことへ抵抗がないことが自身の強みなのかもしれないと話します。
「小さいころから、新しい環境に行くことをモチベーションとしてきた人生でした。だからか、地元が大好きとか同じ環境にずっといたいという感覚があまりないんです。
新しい環境で大切にしているのは、相手をリスペクトし、相手を自分に合わせるのではなく、自分が合わせるような感覚でいることが多いですね。それゆえか、あまり上手くいかないなとか絶望的だとかのマインドにはならなくて、それは自分の特徴かもしれません」
最後に、今後一緒に働きたい人のイメージを尋ねると、吉井はこう答えてくれました。
「変化を好む、変化にあまり消極的じゃない人でしょうか。豊田通商全体としてもそうですが、とくに現部署では、どんどん新しいことにチャレンジしていかなきゃいけない状況なので。積極的に変化を好んで楽しんでいける人が望ましいと思います。そういった人と一緒に働きたいという思いがあります」
※ 記載内容は2024年5月時点のものです

