物理の楽しさからチームワークを活かしたものづくりへ
私が技術者として歩む道を選んだきっかけは、高校時代に出会った担任教師から物理の楽しさを教わったことにあります。そして大学・大学院では量子力学や触媒化学を学び、数式で世の中を表現する面白さに魅了されました。一方で、体育会ソフトテニス部に所属し、チームでの活動を通して「目標を共有し、周囲と力を合わせることで得られる達成感」が自分の原動力となることを実感しました。
豊田自動織機への入社を決めたきっかけとなったのは、インターンシップでの体験です。バンパー成形条件を流体力学で検討する業務に取り組んだ際、物理の知識を活かして成果を生む面白さを実感しました。あまり知見がない分野での挑戦でしたが、先輩社員が寄り添って指導してくれたおかげで課題を順調に進めることができました。また、業務の中で、チーム全体で知見を共有しながら一つの課題解決に協力して取り組むという経験を通じて、これまでにない充実感を得ることができました。
このような経験から、この会社で挑戦を続ければ、自分の能力を伸ばし、新しい可能性を切り拓ける環境があると感じました。このインターンシップの体験が、私のキャリアの基礎となっています。
研修から実践、そして使命感へ—研究開発で培った技術者の軌跡
豊田自動織機の充実した研修制度を通じ、新卒集合研修やエンジニア講座で幅広い知識を吸収する機会に恵まれました。 また、社内外の専門家が講義形式で技術を指導してくれる講座も充実しており、ハードウェアからソフトウェアまで幅広い分野を学ぶことができます。特にテーマや分野を自由に選べる学びの場により、伸ばしたいスキルを自ら習得できる環境が整っています。
入社後、私は本社の研究開発部隊でモータ制御やモーション制御など、制御技術の開発に携わってきました。その中で特に印象深かったのは、若い頃に携わった製品を展示会に出展した経験です。お客様から「すぐにでも欲しい!」というポジティブな声をいただいたことで、新たな技術が価値となり世の中へ出る瞬間の喜びを実感しました。一方で厳しい意見もいただき、技術を世に出すことの難しさも感じました。この経験を機に、「研究、開発が楽しい」という気持ちだけでなく、「技術を製品やサービスとして社会に届ける」ことの使命感が芽生えました。
新事業創出への挑戦と多様な視点から得た成長実感
現在は技術戦略部に所属し、豊田自動織機の将来を支える新たな事業の創出に取り組んでいます。2024年にできたばかりの部署で、会社の持続的な成長を目指し、技術開発の羅針盤となる技術戦略から生まれるアイデアを新事業の創出につなげることによって、会社の未来を創っていくことがミッションです。具体的な業務は新事業創出に向けた土台作りとその実践です。特に現在は土台作りを中心に活動をしており、その中でも私自身はワーキングリーダーという立場で、社員の誰もが新事業に挑戦できるような社内制度の設計に携わっています。また、設計した制度をより実践的な仕組みに昇華するための試行として、新事業公募プログラムの立ち上げを手掛けています。
公募プログラムはまだ社内の一部を対象とした限定的な取り組みではありますが、新事業創出に向けた大きな一歩だと感じています。参加者の巻き込みが最大の課題でしたが、担当役員によるトップメッセージの発信やPR動画での周知活動により、想定の2倍近い応募を獲得することができました。 広報部が社内報で取り上げてくれたことで、より多くの社員に取り組みを知ってもらうことができ、協力者も増えてきました。
一方で、制度設計の過程では大きな苦労もあります。誰も経験のない新事業創出の制度を作るにあたり、「これで良いのだろうか?」と悩む場面が多く、手探りで進めていく中でスピード感を欠いてしまったこともありました。しかし、異なる立場や専門性を持つメンバーが共にアイデアを出し合うことで、一人では到達できない視点や答えに素早くたどり着くことができたのです。この経験を通じて、周囲の力を最大限に引き出す組織作りの重要性を強く実感しました。この学びは、困難に直面した際にどう協力し合うかという課題解決の土台として、今後も活かしていきたいと考えています。
また、制度設計を進める中で「定義できる課題」と「感情や文化と絡み合う課題」の違いに気付きました。研究開発時代には明確な数値目標に基づいて成果を測ることができた一方で、制度設計では公平性や柔軟性を含む複雑な判断が求められます。しかし、こうした新たな視点に触れることで、新事業創出に不可欠な幅広いスキルを磨きながらゼロから設計する醍醐味を味わっています。
技術を世界に届ける挑戦者として、未来を描く仲間を求めて
今後は、公募プログラムの活動範囲を全社に拡大することで、社員が持つアイデアや情熱を引き出し、イノベーションを生み出す風土をこれまで以上に社内に広げたいです。 公募プログラムは社員の挑戦をサポートする仕組みであり、そこから生まれたアイデアが事業や社会に貢献する成果として結びつくことこそ、このプログラムの目標です。
ここまで新事業創出の土台作りの話をしてまいりましたが、もちろんそれだけではありません。今後は実践として、自ら新事業の種を生み出す活動にも今まで以上に力を入れていきます。これまでの経験を活かし、研究開発で培ってきた技術を使った新しいサービスや製品を世の中に提供したいです。これは単に技術を応用するだけではなく、社会に価値を届ける形での具現化を目指しています。そのためには、技術力だけでなく、市場を読み解く力、価値を創造する力、そして技術をビジネスへ結びつける力が不可欠です。
2026年に豊田自動織機は創業100周年を迎えますが、この活動を通じて、次の100年を支える事業を生み出したいと考えています。多角的な事業ポートフォリオを持ち、様々な技術を有する豊田自動織機にしか実現できない新事業を生み出すことで、豊かな生活、温かい社会づくりに貢献していきたいです。
技術戦略部は、豊田自動織機の持続的成長を支え、新事業創出を通じて未来の基盤を築く重要な役割を担っています。豊田自動織機の強みを整理し、目指す未来を具体化し、それを実現する道筋を描く仕事は規模感が大きく、非常にやりがいがあります。日々、会社の中核を担う多様な部署と連携しながら、広い視野や深い考察を養い、これまで培ってきた経験をさらに発展させることができる環境です。
現在、制度設計の土台が整備されつつある状況において、具体的な新事業の立ち上げに注力していくフェーズへ進もうとしています。この変化のタイミングだからこそ、これまでの経験を活かし、新事業創出の挑戦に加わっていただきたいと考えています。私たちは、大局的な視点を持ちながら、自ら考え、行動できる人材を求めています。そして、自身の専門性を進化させながら、変化を恐れず新しい未来を切り拓いていける方をお待ちしています。柔軟な思考と積極的なコミュニケーション、さらにはグローバルな視点で行動できる力が、豊田自動織機の未来を築く鍵となります。
これまで培ってきた経験を活かし、新たな価値を創造する挑戦に挑みませんか。志を同じくする仲間と共に、豊田自動織機の次の100年を創る旅路をともに歩みましょう。

