生産管理課課長として3つのグループを統括。工場を働きやすくすることがミッション
静岡工場に勤務する山内。現在、生産管理課に所属し課長を務めています。
「他工場と違い、静岡工場では総務(会計・人事・庶務など)・工務(設備の設計・保全管理など)・SCM(生産企画・物流など)の3つのグループが同じ課内に集まっています。課だけでなく、工場全体を働きやすくしていくことが生産管理課のミッションのひとつ。管理する立場としてメンバーの声を拾い上げながら、それぞれのグループの方針の作成、運営を円滑にするための仕組みづくりなどを行っています。
意見の方向性が180度違うこともしばしばですが、“本質へとたどり着く近道を探すこと”が仕事の目的。皆がWIN & WINとなったときは大きなやりがいを感じます」
山内が入社したのは1991年。清水工場に配属され、物流、営業内勤、企画など、さまざまな仕事を経験した後、本社のSCM部へ。生産計画担当として設備構想に携わりました。
「当時のSCM部の仕事は、販売計画に基づきどんな設備をどこに設置するかを考えること。ミッションとして与えられたのは、生産本部の生産本部室、SCM、工務、生産技術、そして営業から、飲料缶やペットボトル事業を横串しするようなワーキンググループにも選抜されて、事業の将来設計について議論していました。
工場にいたときは工場の中だけを見ていればよかったのですが、本社での業務を経験したことで、全国の拠点を俯瞰する目を養うことができたと思っています」
2013年に石岡工場に移り、そこではじめて課長を拝命した山内。それから約10年、管理職として大切にしてきたことがあります。
「先輩方の言葉でとくに印象に残っているのが、『生産計画に携わる者は、従業員とその家族の生活を守る責任を負っている』という言葉。いまでも、重要な決断をするときは、万人とはいかなくても、それによって損をする人がいないかどうかを常に考えるようにしています」
有給休暇も併用して約2カ月の育休を取得。子育てを経て変わった仕事観
2022年末から2023年初頭にかけて、山内は2度にわたって育休を取得。当時の経緯についてこう説明します。
「以前に勤務していた石岡工場の近くに家族が住んでいて、私はいま単身赴任しているんです。仕事柄、いつ地元に戻れるかわからないため、生まれたばかりの娘との時間が一切持てていないことに不安を感じていました。
また、妻は自営業を営んでいることから、産休・育休制度がありません。一日も早く仕事に復帰しなければならない事情があり、私の助けが必要だったんです」
立場上、承認や相談相手となることが多く、まとまった休暇の取得は断念した山内でしたが、出生時育児休業と育児休業という2種の育休に加え有給休暇も活用しながら、約2カ月にわたって断続的に休暇を取得しました。
防火管理者や安全責任者も担うなど、責任あるポジションで育休を取ることには不安もあったと言う山内。テレワークを導入することで、スムーズに育休へ入ることができました。
「工場では日々いろいろな問題が起こります。そこで、テレワークを活用してメンバーと連携する体制を事前に整えることにしたんです。前の週にあったことを共有してもらった後、その次の週をどう切り抜けるかについて係長らと話し合うことにしました。朝から晩までWeb会議ツールはつなげっぱなし。どんなことでも相談できる状況をつくっていました」
石岡工場時代、山内は長男が生まれた際に子育てを経験していますが、育休を取得するのはこれが最初。思うようにいかなかったことも多かったと言います。
「息子のときはミルクでしたが、娘は母乳で育てていたので、ミルクを飲ませようとしても全然飲んでくれませんでした。また、息子は比較的言うことを聞いてくれたのですが、娘は少し離れるとすぐ泣くし、ママじゃないと抱っこしても泣き止まないなど大変。家事や育児だけで1日があっという間に終わってしまいました」
まとまった時間、正面から育児と向き合った山内。仕事観が大きく変わったと言います。
「思うようにならないからといって、赤ん坊に怒ったりいらついたりしても仕方ありません。流されるしかないなと考えるようになりました。すると、子どもだけじゃなくて、会社での人間関係も同じじゃないかと思えた瞬間があって。何か問題が起きたとしても対処方法は必ず見つかるもの。怒りに任せるのではなく、次の手段へと頭を切り替えられるようになりました。
私はもともと気が短く、アンガーコントロールが得意ではなかったのですが、子育てを経て、少しは成長できたのかなと思っています」
育児と仕事を両立する難しさを痛感。制度を推進する立場として新たにした育休への想い
大きな問題なく育休期間を終え、職場復帰を果たした山内。周囲のメンバーの理解と応援があってこそ乗り切れたと振り返ります。
「会議や話し合いでいろいろなことを決めていかなければいけないのですが、以前であれば私のところに相談がくるような案件でも、自分たちの力で考えて処理してくれていました。実務の面でも、承認の手続きが必要な書類を係長らが対応してくれるなど、本当に助けてもらったと思っています。おかげで、違和感なく仕事に戻れました。皆さんには感謝しかないですね」
また、山内は育休を通じて育児と仕事を両立することの難しさを痛感。働きながら子育てする女性たちへの尊敬の念が芽生えたと言います。
「以前の職場では、ワーママさんたちが幼稚園に子どもを迎えに行ったり、子どものために有給休暇を使ったりする風景が日常的でしたが、仕事が立て込んでくると夜遅くまで頑張ってくれることもありました。育児する女性に対して理解があるつもりでいましたが、いまそのことを思い出して、本当に頭が下がる思いです」
育休など社内制度の推進を担う総務グループを管理する立場でもある山内。育休に対する想いをこう述べます。
「家庭のことを考えてくれる会社にお父さんが勤めていると、家族の方にも安心していただけると思うんです。感謝の気持ちと恩返ししようという気持ちが連なり合うような、会社と社員やその家族との結びつきが強くなるきっかけに育休がなればいいですね。
会社としても育休の取得を推奨していますが、育休を取得すること自体を目的にするのではなく、社員には家族との絆を深めるための機会にしてほしいと思っています」
育休だけでなく、働きながら家族を支える社員をサポートする制度の充実を
今後、男性による育休取得を増やしていきたいと話す山内。さらにこう続けます。
「自分自身が子どもと触れ合えたことで、『また自分を奮い立たせ、一生懸命生きて、しあわせになりたい』という気持ちになることができました。ひとりでも多くの社員に同じ気持ちになってほしいし、男性社員たちにはそういうパパになってほしいと思っています。
また、子どものことだけでなく、病気の方や介護が必要な方が身近にいる社員もいるはず。そういった方々へのサポートもしていきたいですね」
2023年で入社33年目。ベテラン社員として、若いメンバーと共に成し遂げたいことがあります。
「新しい業務や作業を覚えれば仕事の幅は広がりますが、大切なのはレベルアップすること自体ではなく、そうやって技術が身につくことでどう感じるか。『できなくて悔しい』『できるようになってうれしい』という感情がともなわなければ、仕事はおもしろくならないと個人的に思っています。社員たちが仕事に対して前向きに取り組めるような風土を育てていきたいですね」
育休取得を経て、仕事への取り組み方や、会社と社員、その家族との関わり方まで見直すことになった山内。多くの部下を束ねる管理職として、またひとりの父親として、より良い組織づくりに向け、ここからまた新たな挑戦が始まります。
※ 記載内容は2023年6月時点のものです
