強電の知識を武器に、プラントの心臓を動かす。電気設計エンジニアの使命と誇り
私は現在、建設統括本部の電気・計装部で電気設計を担当しています。私たちの部署には「電気設計」と「計装設計」の二つのチームがあり、大きな違いは扱う電圧の大きさにあります。計装設計はセンサーや制御システムなどのいわゆる弱電を担う一方で、私の所属する電気設計はコンセント電源以上の高電圧を扱い、プラント全体に電力を供給する電気系統を設計しています。言い換えれば、プラントという巨大な生命体において、心臓となる設備や全身にエネルギーを巡らせる血管を形にしていく仕事です。
部内には約50名のメンバーがおり、その半数が電気設計に従事しています。私たちの仕事は、主に「EPCプロジェクト」と呼ばれるプラント建設の全工程に寄り添うものです。見積もりから始まり、受注が決まると設計、発注、建設、そして最終的なお客様への引き渡しまで、2〜3年にも及ぶプロジェクトを一気通貫で担当します。
現在、私がメインで取り組んでいるのは、次世代の持続可能な航空燃料(SAF)プラントのFEED(基本設計)フェーズです。「このプラントを建てるのに、どれほどのコストと時間がかかるのか」。 更地の状態から、お客様の要望を踏まえた電気系統の構想を描き、各メーカーへの見積もり依頼を行いながら、最適な設備構成やスケジュールを提案しています。
電気設計の仕事では、お客様以外にも多くのステークホルダーと関わります。また、全国各地のプラント建設に携わるため、長期出張の機会も少なくありません。こうした環境で求められるのは、電気の専門知識だけでなく、相手の意図をくみ取り、メリットを整理し、納得感をもって伝えるコミュニケーション能力だと感じています。
仕事をする上で、私が最も大切にしているのは、TOYOのvalueの1つである「Integrity(誠実さ)」と「リスペクト」です。機器メーカーや工事会社の担当者と一緒に仕事をするプラントの設計業務は、日々調整の連続です。電圧や容量が決まらなければ電気機器の選定ができない、ケーブルの種類や配線ルートが決まらなければ、必要な材料手配や工事ができない。
だからこそ、社内外を問わず常にオープンなコミュニケーションを心がけています。メーカーに対しても丸投げをするのではなく、必要な情報を丁寧に提供し、対等なパートナーとしてリスペクトをして向き合う。この誠実な姿勢こそが、いかなる困難な局面でもチームを一丸とし、最終的にお客様に最高品質のプラントを届けるための唯一の鍵になると信じています。
電気の枠を超え、多角的な知見を統合する。TOYOで見つけた理想のエンジニア像
私の原点は、工業大学・大学院で学んだ電力システム工学にあります。当時は国際学会で研究発表を行う機会にも恵まれ、「いつか自分の専門性を武器に、グローバルに活躍したい」という漠然とした憧れを抱いていました。
就職活動の際、周囲の友人の多くが電力会社やメーカーへと進む中、私は少し違った視点を持って選択していきました。工学部・修士を含めた6年間、土木や機械、化学といった異なる専攻の友人と接する中で、「電気の専門家だけの集団に留まるのではなく、多様な技術者と切磋琢磨しながら一つの大きなものを創り上げたい」と強く願うようになったのです。その答えが、プラントエンジニアリングという業界でした。
国内の専業三社の中でも、東洋エンジニアリング(以下、TOYO)を選んだ決め手は、修士1年で参加したインターンシップでした。 そこには、着飾らない「素」のエンジニアたちがいました。定時で帰る人もいれば、熱心に議論を重ねる人もいる。インターン生がいるからといって取り繕うことなく、ありのままの現場を見せてくれる社風に触れ、「ここでなら自分が働く姿を自然に想像できる」と感じました。
入社後、最初に担当したのはVPP(仮想発電所)実証実験のための蓄電池調達業務でした。そこから3D CADを用いた電気設計の標準化など、デジタルの力を使った業務のアップデートにも挑戦しました。その後は国内のバイオマス発電の案件を約4年間担当し、ここ1年ほどは東南アジアの案件にも関わり、インド拠点のメンバーと協力しながらプロジェクトを進めています 。
エンジニアリング会社で働く最大の面白さは、メーカーとは異なり、電気だけでなく機械や化学など多岐にわたる分野に関わる統合者としての視点にあります。 メーカーのエンジニアであれば、自社の製品をいかに磨くかに集中しますが、私たちは世界中のあらゆるメーカーの図面を見ることができます。「A社のこの設計は素晴らしい」、「B社のこのアプローチも面白い」といった発見があり、世界各国の最新技術の長所を見極めながら、最適解を組み上げていく。このダイナミズムは、TOYOというプラットフォームに身を置くからこそ味わえる、電気系エンジニアならではの醍醐味だと思っています。
現場でトップに立つ重圧と、チームで乗り越えたバイオマス発電建設の熱狂
入社4年目のとき、私は静岡県のバイオマス発電所の建設現場に長期出張を命じられました。約2年間、電気担当のトップとして現場を取りまとめた経験は、私のキャリアにおける大きな転換点となりました。
現場での最も大きな課題は、立場も考え方も異なる多くの関係者の要望を調整し、プロジェクトを正しい方向に導くことでした。意見がぶつかることもありましたが、相手の立場を理解しながら誠実に向き合って丁寧に説明し、少しずつ信頼関係を築いていきました。
この困難を乗り越えることができたのは、TOYOならではの社内外を問わないチーム力のおかげでした。現場では、社員も、お客様も、協力会社の方も、立場を超えて「プラントを無事に稼働させる」という一つの目標に向かって走ります。物理的な距離が近いからこそ、困ったときには誰かが必ず手を差し伸べてくれる。
この経験は、学生時代に抱いていた「電気だけでなく、多様な分野の技術者と関わりながら仕事がしたい」という思いを実現するものでした。幸いにも、お客様も周囲の方々も素晴らしい人ばかりで、協力しながらプラントを完成させていく過程は、大変だったものの本当に楽しく貴重な経験となりました。
入社から7年が経ち、現在はプロジェクトをリードする立場になりました。入社当初は「自分が頑張ればよい」という気持ちで仕事に取り組んでいましたが、今では部下を持つようになり、部下育成が重要な仕事の一つになっています。どのように仕事を割り振り、どのようなステップで成長してもらうかを考えることに重きを置くようになったのは、大きな変化だと感じています。
また、最近は海外のプロジェクトにも携わる機会が増えました。東南アジアのお客様とインドのメンバーと協力しながらプロジェクトを進めた経験では、文化の違いを強く感じました。日本では細かいコミュニケーションが求められるのに対し、海外のお客様はどんどん進めようというスタンスの方が多い印象です。そういった違いに合わせて、私たちのやり方を柔軟に変えていくことも、この仕事の奥深さだと感じています。
学生時代に学んだことが仕事に直結していることも、大きなやりがいです。大学の授業で学んだ電気機器の知識が、モーターなどの機器を選定する際に役立ち、「これ知っている」という瞬間は単純に嬉しいものです。学びの延長線上に仕事があるというのは、とても恵まれた環境だと思っています。
わからないことを放置せず、好奇心で最後まで。技術の力で挑戦し、正解のない未来を切り拓く
社内には、私のロールモデルとなる上司がいます。その方は電気的な知識が豊富なのはもちろんのこと、私たち後輩や部下に対しても面倒見がよく、気を配ってくれます。私も将来的には、技術のTOYOの象徴として電気設計の知見のみならず、人間的なリーダーシップを兼ね備えた存在になりたいと考えています。
複雑化する現代のプロジェクトにおいて、一人で出せる成果には限界があります。しかし、部下の力を引き出し、正しい方向性を示すことができれば、その力は何倍にも大きくなります。社内外から頼られるような、技術的なバックボーンに支えられたリーダーを目指し、日々進化する技術習得を怠らず、基本設計から工事管理まですべてのフェーズで学び続ける姿勢を持ち続けていきたいです。
最後に、就職活動を控えた学生の皆さん、そして電気系専攻の皆さんに伝えたいことがあります。 エンジニアリングの世界、特にプラント建設という仕事は、決して楽な道ではありません。正解のない問いに対して、地道に調べ、人に聞き、納得するまで突き詰めるタフさが求められます。
しかし、分からないことを放置しない好奇心と、最後までやり抜く意志さえあれば、これほど面白い舞台はありません。 失敗を恐れずに、学んだことをとりあえず実践してみることが大事です。もちろんスキルも大切ですが、それよりも気持ちの部分がとても大きいと思います。そして、そんな気持ちが最終的には自分のスキルアップに繋がっていくのだと実感しています。
もしあなたが、自分の専門性を活かして、世界規模の大きな仕事に挑戦したいと願っているなら、ぜひTOYOの門を叩いてみてください。 TOYOは、あなたの挑戦を決して否定しません。失敗すらも次への糧として温かく見守ってくれる懐の深さがあります。技術を軸に、お互いに高め合いながら一緒に大きなプラントを創り上げていきましょう。
※ 記載内容は2026年4月時点のものです

