TOYOの技術の中核を担うプロセスエンジニアリング部で尿素製造の技術開発を担当
エンジニアリング・技術統括本部は、TOYOの技術力の中核を担う設計・エンジニアリングを主な業務としています。なかでも私が所属しているプロセスエンジニアリング部では、プロセスフロー図の作成、熱・物質収支計算、機器や配管のサイジングといった設計の最上流に位置する業務を行っています。
現在、エンジニアリング・技術統括本部には、TOYO国内在籍者のおよそ20%にあたる約200名が在籍し、そのうちプロセスエンジニアリング部には約50名が所属しています。
TOYOは尿素製造に関する技術ライセンスを保有している唯一の国内企業として、事業者へライセンスの供与を行なってきました。この技術ライセンスは、尿素を製造するための独自のプロセスのことを指し、料理に例えるならレシピのようなものです。私はその尿素の製造技術の研究開発業務を主に担当しています。
現在、開発チームではエネルギーの効率化、設備運転の安定性向上、人手を要しない運転プロセスの実現、そして排出ガス性能の高い設備開発といった多岐にわたる案件を進めており、これらは同時に私のミッションでもあります。製造技術を改善する際には、新たな設計指針が欠かせません。従来の方法からさらに一歩踏み込み、より優れた製品を作るために社内の承認を経て新たなプロセスを構築することも、研究開発業務に含まれます。
また、研究開発業務と関連して、既存のお客様のフォローアップも担当しています。お客様と綿密に連絡を取り合いながら新しい技術を提案したり、困りごとがないかヒアリングしたりしてきました。
研究開発に取り組む上で、私は常に前提を疑うことを心がけてきました。従来の延長線上の改良では、大きな進歩が望めないからです。加えて、お客様が直面する問題について徹底的に調査し、その根本原因を究明することも重視しています。傷に絆創膏を貼るような表面的な対処法ではプロセスの本質的な改善に繋がりません。同じ問題が再発しないよう、抜本的な解決策を目指すことが重要だと考えています。
プラントエンジニアリングの世界で培ったキャリア。より大きな挑戦を求め、TOYOへ
学生時代は工学部で化学工学を専攻し、反応工学を学びました。これは、プロセスエンジニアに必要な、化学反応を工業的スケールで実現するための基礎知識について習得する学問です。化学反応をどのように起こしコントロールするかに焦点を当てますが、化学反応がどのように進むかを理解する基礎化学、物質の状態変化やエネルギーの流れを扱う基礎物理を土台として、大量生産のプロセス設計や改善方法などの基本を身に付けました。
卒業後、大学で得た知識やスキルを活かすため、プロセスエンジニアを志してプラントエンジニアリング企業に入社しました。そのとき配属されたのは技術本部。プロセスエンジニアとして、消火配管設備を含む既設プラントの改良や改造を手掛けるプロセス設計の業務を担当しました。配管システム内での流体の流れが急激に変化し、ウォーターハンマー(水撃)が生じる現象を、シミュレーションソフトを用いて分析する仕事を担当したこともあります。
その後、3年目にプラントエンジニアリングの他、様々な技術サービスを提供する企業に転職。そこでは、プロセスエンジニアとして国内外の半導体洗浄用ケミカルを再生する装置のパイロットプラント試験に参加し、運転条件の最適化に携わりました。具体的に行なっていたのは、再生プロセスに最適な温度や圧力の調整や、どのくらいの時間が再生に必要かを決定するための実験です。自社のデモ機器を使用し、圧力を変更しながら試験計画を策定し、プロセスを確立していくことが当時の私の主な業務でした。
TOYOに入社したのは、それから約3年後のこと。前職では国内の小規模なプラントを主に担当していたため、国内外でより規模が大きな仕事を経験してみたいと考えたことが転職のきっかけでした。
入社以来、プロセスエンジニアリング部で研究開発に関わってきましたが、大規模なプロジェクトに貢献できている手応えを感じています。また、私が現在担当しているのは、インド、ベトナム、インドネシア、ナイジェリアなど海外のお客様ばかりです。グローバルな舞台で活躍できている実感があります。
ベトナムでの長期滞在を経験し、成果を国際会議で発表。キャリアは新たなフェーズへ
2024年で入社3年目を迎えますが、昨年、特に成長を実感した出来事がありました。開発業務の一環としてベトナムに約4カ月滞在し、お客様の工場の一角を利用してパイロット試験を実施したときのことです。
世界的に強化が進む排ガス規制に対応するため、お客様のプラントの排ガスが規制基準を満たすかどうか、試験機を使って検証しました。その結果、世界で最も厳しい排出基準を下回る数値を達成しました。
私は先輩社員と共にプロジェクトに参加し、試験計画の策定から、パイロット試験の実施、サンプリング、分析、その結果の解析と評価まで一連の流れを担当しました。
その中でもとりわけ苦労したのが試験計画の策定です。広範囲から網羅的にデータ取得したいところですが、同時に迅速さも求められます。試験結果を効率良く、かつ高精度で得るために、どのデータをサンプリングし、どのような条件で運転するかを決定するのは、非常に困難な作業でした。
連日35度を超える炎天下で試験が行われたため、体力的にも大きな挑戦でしたが、本社のメンバーとリアルタイムで相談しながら作業を進めることができたことが、大きな支えになりました。
海外のお客様と英語でコミュニケーションをとる中で、高い伝達能力が身についたと感じています。言い換えたり、別の単語を使ったりしながらTOYOの技術の優位性などについて説明するスキルを習得できたことは、大きな収穫でした。
ベトナムに滞在して一定の研究結果を得られたことから、その成果をスウェーデンで開催された国際会議で発表しました。開発プロジェクトとしてはまだ道半ばですが、自分にとって大きな一歩を踏み出せたと感じています。
ライセンサーであるTOYOだからこその仕事に感じる醍醐味と誇り
現在、ベトナムのお客様の案件とは別に、尿素を製造するための設備の運転安定化に向けた研究開発プロジェクトにも取り組んでいます。これを一日も早く完遂させ、実際にプラントで稼働させることが今の私の目標です。
自分が研究開発に関わった製造技術が世界のどこかで役に立っているのを目にすることは、エンジニアリングに携わる大きな喜びです。そしてそれが、私がこの会社を選んだ理由でもあります。
また、TOYOでは、お客様から尿素技術に関する困りごとについて相談を受ける機会が少なくありません。お客様から頼られ、その期待に応えるたびに、尿素技術ライセンサーならではの仕事ができていることを誇りに思います。
尿素ライセンサーとしての立場で仕事ができるのは、TOYOだからこそ。尿素は肥料として使われ食糧の安定供給に不可欠なもので、世界的に見ても尿素ライセンサーは数社に限られるため、グローバルに活躍できる機会が豊富にあることは当社で働く魅力のひとつです。大きな舞台での活躍を目指す方にとって、TOYOはその環境を提供してくれます。
一方、エンジニアリングの現場では、メンバー間の円滑な意思疎通が業務進行において非常に重要です。各自が自分の考えや意見を積極的に発信・共有して合意形成を図らなければ、後になって自分自身の負荷が増大するケースがあるためです。
TOYOにはそうした社員の率直な意見を尊重し、受け止めた上で建設的な議論ができる文化が根付いていると感じます。オープンなコミュニケーションを歓迎し、積極的に取り組むことができる新しい仲間と共に、エンジニアリングの仕事に取り組めることを楽しみにしています。
※ 記載内容は2024年4月時点のものです
