シビアアクシデントに備えた、非常時緊急用冷却システムの提案に従事
小原が所属する防災統括部 送排水システムグループ 原子力チームは、原子力発電所向けの非常時緊急用冷却設備として、遠距離で大容量の送水ができる大型ポンプ車『ハイドロサブシステム』や、自社製品の消防ホースをはじめとした送水システムの提案活動を、全国の電力会社に対して行っています。
「とくにハイドロサブシステムは大規模災害時に施設が停電となった際も、大量送水を行うことができ、消火用水が不足した際は海水などの近くの水源から送水することができることから、注目されています。
ありがたいことに、大規模災害への備えが強化されるなかで、導入する発電所が増えており、国内の非常時緊急用冷却システムはほぼ帝国繊維製。現在、多くの電力会社に当社のシステムを採用・運用いただいている状況となっています。
有事の際に運用するシステムのため、いつでも動かせる状態にしておかなくてはなりません。メンテナンスを担うチームと協働して当社はアフターフォローまで手がけています」
東日本大震災をきっかけに、シビアアクシデントの対策製品として非常用冷却設備の設置が法令化されました。こうした流れを受けて、帝国繊維は電力会社に向けた提案を開始。原子力発電所で利用するにあたって必要とされる基準を満たせるようにシステムの改善を重ねながら、信頼を獲得してきました。
小原は営業担当として日々、全国各地を巡ってお客様とコミュニケーションを取っています。
「全国の電力会社と取引しているため、出張は多いですね。1~2時間の打ち合わせのために日帰り出張する日もあれば、設備の検査に立ち会う際には泊まりがけの出張もあります」
直近では、原子力発電所に大型ポンプ車5台、資機材搬送車8台、ホース3~4000mを納入する大型案件を担当した小原。提案から納入まで長ければ2年ほどを要することもありますが、だからこそじっくり時間をかけてお客様との信頼関係を構築することを大切にしています。
「災害が起こるタイミングは誰にもわかりません。防災用品を提案する上では啓蒙活動が必要だったり、一度断られてもあきらめずに提案を続けたりする必要があります。
心がけているのは、頻繁に足を運び、積極的に挨拶して顔を覚えていただくこと。また、発注の大小を問わず、誠意ある対応を積み重ねることで信頼を獲得してきました。お客様に『導入してよかった』と思っていただけるような対応を意識しています」
専門性の高い、特殊な領域での強みと将来性に惹かれて
学生時代はスポーツ一筋だった小原。高校まではサッカーに打ち込み、大学では体育会のラクロス部で汗を流していました。そんな小原が帝国繊維と出会ったのは就職活動中の説明会でのこと。その事業の意外性に惹かれたと言います。
「社名から想像する繊維業以外の事業領域にも積極的に進出していて、中でもとくに防災事業に力を入れている点に興味が湧きました。現在所属しているチームがちょうど発足しようとしているところだったので、その領域を含めて、ビジネスチャンスや発展性がある会社だと感じましたね」
2012年4月の入社後に小原が配属されたのは、防災統括部のホースグループ。帝国繊維の基幹産業であり自社製品でもある消防用ホースに携わりました。
「東日本と西日本にそれぞれ販売子会社があるので、その受発注業務を担当したり、ホース工場の生産管理を受け持ったりしていました。原子力発電所にホースを納入する際には、作業員として現場に同行したこともあり、貴重な経験ができましたね」
その後、2013年11月にはプロジェクト営業部に異動し、営業としてのキャリアがスタート。海上保安庁や法務省、郵便局に対しての営業活動に従事します。
「当社は社名の通り繊維メーカーとして創業した会社であり、麻のシャツや海上保安庁で着用される特殊な被服も扱っているので、そのための生地の提供も行っています。また、防災資機材や特殊な検知器を中心としたセキュリティ機材もあわせて販売していました」
小原が現在のチームに配属されたのは、2017年4月のこと。以来、電力会社向けの営業活動を行っています。
「入社後、当社の事業の軸であるホース、繊維、セキュリティ機材、そしてポンプ車を扱う部署を順に経験しました。商材や仕事内容の異なるチームで広く知識を吸収できているので、多様な経験を通じて恵まれたキャリアが歩めていると感じます」
官公庁や電力会社への提案活動。ふだん立ち入れない場所に足を運ぶ機会も
シビアアクシデントの対策に役立つ大規模な製品を扱うからこその大変さも経験してきました。とくに印象に残っているのが、とある電力会社で放射線の飛散を抑制するための放水の実証・検査を実施したときのこと。
「『毎分2万リッターの放水』という検査条件があるため、試験場所がかなり限られてしまうんです。お客様の敷地内では難しかったため、別の電力会社の原子力発電所を借りて検査を行うことになっていたのですが、ちょうど北海道の地震に被災して検査が中止になってしまって……。
日をあらためて再度検査を行ったところ、放水のしすぎでオーバーフローしてしまったり、水源が枯渇してしまったり、といったアクシデントが続発。最終的には自社の鹿沼工場で検査を実施して、やっと成立したときには、胸をなでおろす想いでした」
特殊な製品であるため、納品までには苦労があるものの、“お客様の満足”にコミットできることが一番のやりがいだと話す小原。さらにこう続けます。
「提案から納品までの工程には、時間もかかりますし紆余曲折あることも。コミュニケーション不足で認識にズレが起きることがないよう、お客様と定期的に話して情報交換や進捗報告することを心がけています。最終的にお客様の要望を満たすことができて、『ありがとう』と言っていただけると、大きな喜びを感じます」
また、官公庁や電力会社に向けて製品を提案できるのも帝国繊維ならでは。ふだんは近寄ることさえ許されない場所に足を運べるところにもおもしろさを感じていると言います。
「海上保安庁を担当していたときには、特殊救難隊が所属している羽田特殊救難基地や、タンカー事故などが起こった際に除染を行う横浜機動防除基地を訪問させていただきました。海上保安庁隊員の訓練施設を見学させていただいたことは、いまも良い思い出になっていますね」
社会貢献度の高い事業に携わる自負を持って、“防災のテイセン”ブランドを強化
2023年で入社12年目を迎える小原。後輩も増え、中堅社員としての自覚も生まれています。
「今後は、いちプレイヤーとして力を身につけるだけではなく、後輩の教育にも積極的に取り組みたいですね。自分ひとりで抱え込んでしまいがちなタイプですが、ときには思い切って後輩に仕事を任せたり、後輩のフォローに入ったり。チームで楽しく働ける体制を整備していきたい。直属の上長である課長が後輩のケアに長けている方なので、その姿を見習っていくつもりです」
仕事の属人化をなくすことも小原の目標のひとつ。その実現のために、日々意識していることがあります。
「検査を行う際は、誰が見てもわかるようなかたちで検査の実施前から実施後の記録を残すようにしています。いずれ同じような検査をする後輩の役に立てるかもしれないですし、私の記録をもとに、さらに効率化する方法を考案してもらいたいので」
また、働きやすさを感じる機会が増えてきたと話す小原。社内の文化がだんだんと良い方向に変わってきていると言います。
「私の入社時、上長が親と同じくらい歳の離れた先輩だったのですが、最近は若手が増えてきていて、チーム間のコミュニケーションが取りやすくなり、社内が以前に増して活気づいてきたように感じます」
この勢いとともに、会社をもっと盛り上げていきたい。組織の成長を支えていきたいと意欲を見せる小原。これからともに働いていきたい未来の仲間たちに向けて、こう呼びかけます。
「私のチームでは、直径300mmのホースを積み込んでいく作業を行うこともあるので、体力と根性はあった方がいいと思います。加えて、お客様が求めていることを汲み取った上で、どんなプロセスを経て結果を出すのかを常に考えて行動に移す、適応能力と臨機応変さが必要だと思います。
帝国繊維はいま、“防災のテイセン”、“繊維のテイセン”、“セキュリティのテイセン”と形容されるようになるためのブランド力を強化している最中。仕事を通して社会貢献の実感を得ながら、一緒にテイセンブランドを築き上げていきましょう」
社会に貢献する事業を展開する企業としての自負を持ちながら、帝国繊維の防災事業をけん引する存在として──小原はこれからもお客様に誠実に向き合っていきます。
※ 記載内容は2023年5月時点のものです

