国境を越えたチームの架け橋。対立を生まないコミュニケーションの心がけ
エンタープライズソリューション統括本部に所属する大橋が現在担当しているのは、鉄鋼業界のお客さま向けの社内システム再構築プロジェクト。既存のシステム基盤をJavaやローコードツールに置き換えることで、より多くの人が開発・保守しやすくなることをめざすプロジェクトです。
「今使っているシステム自体を大きく変えるというよりは、基盤を変え、さらに機能を付け加えるという内容です。ITの技術があまりない方でも、簡単にシステムを作ったりメンテナンスしたりできるようになります」
100名以上が関わる大規模プロジェクトの中で、大橋は契約や仕入れ関連の機能開発を担うチームに所属。15名ほどのインドのオフショアメンバーと、リーダー、後輩2名を含む日本のメンバー4名で業務を進めています。
「開発はオフショアのインドメンバーがメインで担当しています。私は、彼らが作成してくれたものを確認・レビューし、その内容をリーダーに報告するのが主な役割です。
また、リーダーがオフショアメンバーのマネジメントに集中できるよう、私の方で実作業を受け持ったり、後輩のサポートをしたりもしています」
時差があるため、オフショアチームとのミーティングは毎日午後に行われます。もちろん、コミュニケーションはすべて英語。国籍も文化も異なるメンバーと仕事を進める上で、大橋がとくに大切にしている価値観があります。
「オフショアメンバーと仕事をしていると、こちらの意図と向こうの解釈が食い違ったり、話がうまくかみ合わなかったりすることがあります。そんな時、感情的になるのではなく、冷静に双方の意見を整理し、間を取り持つことを意識しています」
文化や言語が違うからこそ、丁寧な意思疎通が欠かせません。小さなすれ違いが大きな問題にならないよう、大橋は先回りした行動を心がけています。
「話をいったん整理し、問題を大きくしないよう配慮しています。また、質問やレビュー依頼にはできるだけ早く対応することで、エスカレーションを防ぐよう努めています」
インドネシア語専攻からITの世界へ。長期のインド出張が成長の糧に
大学時代はインドネシア語を専攻。もともと好きだった英語をきっかけに言語学に興味を持ち、選んだ道でした。学生時代はサークル活動の一環で、インドネシアのバリ島にある孤児院を訪れるボランティアも経験しました。
そんな大橋が就職活動で軸に据えたのは、「インドネシア語」ではなく「英語」でした。
「就職活動を進める中で、やはり英語ができた方が選択肢が広がるんだなと強く感じました。なので、インドネシア語にこだわるよりは、英語が使えたり、海外と関わりがあったりする環境を主軸に探していました」
業界はとくに絞らず、幅広く企業を見ていく中で出会ったのが日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(以下、日本TCS)でした。
「インドの会社というのも珍しいな、おもしろいなと思ったのがきっかけです。そして英語を実践的に使いながら働ける環境に魅力を感じました」
入社後、大きな挑戦の機会が訪れます。2025年の夏、3週間にわたるインド出張です。目的は、プロジェクトで使うローコードツール(視覚的な操作や設定で開発できる手法ツール)の知識や、開発対象となるプログラムの仕様などを、オフショアメンバーに直接伝えることでした。
「出張中は、ほぼ毎日会議をしながら説明する日々でした。こちらの英語も完璧ではないですし、そもそも話の前提が日本側とインド側で合っていないこともあります。各プログラムがどんな業務で使われるのかという目的から伝えなければならず、難しさを感じました」
思うように伝わらないもどかしさ。それでも「逃げ場はなく、やるしかありませんでした」と、大橋は当時を笑顔で振り返ります。
「インドのメンバーはとても積極的で、会議中は『これは何?』『あれは何?』と質問攻めで苦労することもありました。けれどランチの時間になると『ご飯行こう!』と気さくに接してくれましたし、土日に一緒にでかけることもありました。仕事以外の時間で気持ちを切り替えられたおかげで、なんとか乗り越えられたのだと思います」
このインド出張を通じて、自身の成長を感じたと言います。
「インドメンバーは、思ったことをはっきりと主張できる人が多いです。そこで何も言えなくなると、仕事が進まなくなってしまう。私は元々自己主張するタイプではありませんでしたが、インド出張を経験してからは、会議でも自分の意見や考えをちゃんと伝えられるようになったと実感しています」
地道な努力が、確かな自信へ。要件定義の議事録作成で築いた信頼
これまでの仕事でとくに達成感を得られた経験として、大橋は要件定義での議事録の作成をあげます。
「それまでは開発業務がメインで、ソースコードを書いてテストなどをしていました。初めて関わった要件定義では、会議が3時間に及ぶこともあり、話があちこちに飛ぶので最初は大変でした。それでも、どうすれば会議の内容が議事録を読む人に正しく伝わるかを、自分なりに考えながら取り組んでいきました」
まず会議中は内容の理解に集中し、ひたすらメモを取る。その後、メモを整理しながら不要な部分を削ぎ落とし、「なぜこの意見が出たのか」という背景と、「その結果、何が決まったのか」という結論が明確にわかるように構成を組み立てていきました。
「最初は時間もかかりましたが、地道に続けていくうちに、周りのメンバーから『大橋さんの議事録を読んだら会議の内容が全部わかるから、本当に助かります』と言ってもらえるようになったんです。それがすごく嬉しかったですね」
この経験は、大橋に大きな自信を与えました。
「自分ではまだ時間がかかりすぎるとか、もっとわかりやすく書けないかとか、納得いかない部分もあります。ですが、周りの方から褒めていただいたことで、自分の強みになったのかなと思えるようになりました。困ったときには、『ここがわからなかったんですけど』と聞けば誰もが親身に教えてくれる。そんな周りのサポートにも助けられました」
技術的なスキルだけでなく、こうした一つひとつの丁寧な仕事の積み重ねが、チームからの信頼を得て、自身の成長につながっていく。大橋は日々の業務の中でそのことを実感しています。
先輩の背中を追いかけて。めざすは、グローバルチームを導くリーダー
現在の仕事の魅力を尋ねると、大橋は「プロジェクトの規模の大きさ」と「働く環境」の2つをあげます。
「自分が担当する範囲は決して広くはないかもしれませんが、それが最終的に1つの大きなシステムになり、今後10年、20年と使われていくんだなと思うと、壮大でやりがいのある仕事だと感じます。
また、やはりオフショアのチームと関われることは、私にとって大きな魅力です。日本人とは違う感覚で、インドメンバーは疑問を持ったらすぐチャットや電話でひっきりなしに質問をします。それに対応していくのも、おもしろいなと感じています。英語で懸命に説明し、それが相手に伝わった時は手応えを感じますね」
そんな大橋は、ゆくゆくはマネジメントにも挑戦したいと考えています。
「いずれはチームリーダーのような立場で、プロジェクトの管理をしながら、オフショアメンバーとうまくコミュニケーションを取って仕事を進めていけるようになりたいです。今はリーダーがメンバー間の難しい調整役を担ってくれており、その姿は大変そうだと感じる反面、自分もやってみたいと憧れます」
その目標のために、今はまだ経験の少ない、お客さまと直接コミュニケーションを取り、要件を決めていく役割にも挑戦したいと考えています。
文系出身でIT業界に興味を持つ学生へ、大橋は自身の経験を重ねてこう語ります。
「入社後の研修では、情報系の知識がある同期と比べついていけないと感じることもありました。でも、日本TCSにはわからないことをお互いに教え合う文化があります。文系出身だからといって活躍できないということはまったくありません」
実際、大橋が憧れる先輩も文系出身です。
「4個上の先輩なのですが、私が配属された当初、初めてPMを任されたばかりでした。その頃は上司のサポートを受けながら進めている印象でしたが、今ではお客さまとのやりとりから問題解決まで、すべて自身の力で考えて推進している姿を見て、すごいなと尊敬しています」
国境を超えたチームの架け橋として、そして未来のリーダーとして。大橋が見つめる先には、さらなる成長の舞台が広がっています。
※ 記載内容は2025年9月時点のものです

