情報収集と想像力を武器に、課題を解決に導く
プロジェクトを遂行するデリバリー部門で、アプリケーションの運用保守を担当する増田。製薬企業の営業職が利用するCRMシステムの保守運用と、BIレポートの作成・管理という2つのプロジェクトを担当しています。
「私が担当するのは、製薬企業のMR(医薬情報担当者)が日々の営業活動を記録するCRMシステムです。
たとえば、どのような資材を使ってプレゼンテーションを行ったか、お客さまの反応はポジティブだったかネガティブだったかなど、1枚1枚のスライドごとに記録できます。また、医療従事者からの文献請求記録なども入力されます」
これらの情報は、顧客のマーケティングチームによって分析され、さらなる営業活動や宣伝活動に活用されていきます。
「私の役割は、システムの問い合わせ対応が中心です。使い方がわからないというご質問や、エラー発生時の対応を行っています」
もう1つの担当であるBIレポートは、Power BIやTableauといったツールを使用し、営業活動や売上データを可視化する業務です。
「MR(メディカル・リプレゼンタティブ)の面会記録や売上データを可視化するレポートで、ビジネスの変化に応じた修正や、データ不具合の原因特定と修正も行います。
お客さまとのやり取りは日本語ですが、より高度な技術的問題の解決のために海外のグローバルチームへ報告を行ったり、レポート開発を担当するインドのエンジニアに英語で仕様を説明したりと、英語を使う機会も多くあります」
そんな増田が仕事をする上で大切にしているのが、目の前の情報だけでなく、その背景まで広く把握する姿勢です。
「お客さまのさまざまなチームのTeamsチャンネルに参加して、各部署がどのようなことをしたいと考えているのか理解するよう努めています。それにより、今後来る問い合わせを予測できたり、不足している情報を補えたりします。情報を得て想像力を働かせながら問題解決するスキルが、働く中で身についたと思います」
海外経験と自身の体験が導いた「IT×ライフサイエンス」の道
中学生時代から漠然と海外への憧れを抱いていた増田。大学では「絶対に留学する」と心に決め、その夢を実現させます。留学先に選んだのは、小学生の頃から環境先進国として関心を寄せていたドイツでした。しかし、現地での生活は想像以上に過酷なものだったと振り返ります。
「留学して最初の3カ月間は、授業を受けても何を言っているのかまったくわかりませんでした。大学で経済学の基礎しか学んでいない段階だったので、専門的な内容が英語で展開されると、もうお手上げ状態で……。無力な自分が情けなく、人生で最初の大きな挫折を味わいました」
それでも諦めずに授業に出続けるうちに、少しずつ言葉が聞き取れるようになってきたと言う増田。この経験から、「語学は、その環境に身を置き、圧倒的な量に触れることが大切」だと実感。
同時に、静かにしていては埋もれてしまう環境の中で、思ったことは言葉にして伝え、謙遜しすぎない姿勢の重要性も学びました。
就職活動では、「英語を使えること」を絶対的な軸に企業を探します。
「外資系のIT企業をいくつか見る中で、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(以下、日本TCS)のオンラインイベントに参加しました。海外出身の社員が生き生きと会社説明をする姿を見て、『この会社なら、本当に英語を話す機会が多そうだ』と直感したことが、入社の決め手です」
そして、増田のキャリアを方向づけるもう一つのきっかけが、就職活動中に向き合うことになった自身の体調の変化でした。
「就職活動中に難病と診断された経験を通じて、薬や医療制度に対して当事者として関心を持つようになりました。とくに、病院の待ち時間の長さなどの課題を感じ、『ITの力で、こうした医療全体の課題解決に裏側から関わりたい』と強く思うようになったんです。
入社後は一貫してライフサイエンス分野のプロジェクトに携わっています。入社当初から『ライフサイエンスに関わりたい』と言い続けてきた希望を会社が叶えてくれたことに、とても感謝しています」
前例のないミッションへの挑戦。「やめたい」という想いを乗り越えた先につかんだ自信
入社2年目、増田に大きな転機が訪れます。CRMシステムに新しいレポート機能を開発・導入するという、これまで誰もやったことのないミッションが舞い込んできたのです。
「お客さま自身も、そして社内にも、その機能に詳しい人が誰もいない状況でした。当時のチームリーダーからも『これは前例がないし、断る方向で考えようか』と言われるほどでした」
しかし、最終的にプロジェクトは実行されることに。まさにゼロからのスタートでした。
「何度も『もうやめたい』と思いました。でも、『お客さまにできないと思われたくない』という負けず嫌いな性格が、折れそうな心を奮い立たせました。そして諦めずにシステムの裏側まで徹底的に調べ尽くすうちに、少しずつ仕組みが理解できるように。最後は、この難題を解き明かすことがおもしろいとさえ思えるようになりました」
増田は、連日5時間に及ぶテストを重ね、複雑な要件を一つひとつ紐解いていきました。そして、ついに新機能のリリースを成功させたのです。
「誰かの仕事を引き継いだのではなく、ゼロから自分で調べて理解し、リリースまでやり遂げた。今では私がこの機能の第一人者です。この経験は、自分の中で大きな誇りになっています」
この成功体験は、増田に大きな自信を与えました。そして、日々の業務の中で、自身のキャリアの原点である「医療に貢献したい」という想いを実感する瞬間も増えています。
「薬がどのようにプロモーションされているのかを、仕事を通して日々学べるのは、純粋に楽しいです。興味のある分野だからこそ、困難なことがあっても頑張れるのだと思います」
多様な経験を力に。誰もが意欲的に働ける環境をデザインするPMへ
増田は自身の強みを、異なる立場の人々の間で「コミュニケーションを円滑にすること」だと分析します。顧客同士、あるいは日本人とインド人のメンバー間で話が噛み合っていない時、その状況を瞬時に察知し、論点を整理してスムーズな意思疎通を後押ししています。
「相手がなぜ理解できていないのか、何が論点のズレを引き起こしているのかを察するのが得意なのだと思います。『ここはこういうことですよ』と間に入ることで、議論がスムーズに進む場面がよくあります。国籍や立場の異なる人々の間に立つ『コミュニケーションブリッジ』。そんな役割を自然と担えているのかもしれません」
今後の目標は、プロジェクト全体を俯瞰し、成功に導くプロジェクトマネージャー(PM)になること。お客さまとチームの間に立ち、円滑なコミュニケーションを促進するだけでなく、共に働くメンバーのモチベーションにも心を配れるような存在になりたいと語ります。
「将来的には、プロジェクトのメンバー一人ひとりが常にやる気を維持できるような、そんなチームづくりに貢献できるPMになりたいです」
最後に、かつての自分と同じように、グローバル企業に憧れる学生に向けてメッセージをおくります。
「日本TCSでは、性別や文系・理系といった垣根を意識することはまったくありません。私は文系出身で、プログラミングの経験はありませんが、問題なく働けています。
大切なのは、国籍やバックグラウンドに関係なく、相手を理解しようと積極的にコミュニケーションを取る姿勢です。やりたいことがあれば、それを声に出して発信し続けることで、道は拓けるはず。ぜひ、挑戦してほしいなと思います」
数々の壁を乗り越え、入社4年目を迎えた増田。自身の興味にまっすぐ向き合いながら、これからも着実にキャリアを積み重ねていきます。
※ 記載内容は2025年8月時点のものです

