グローバル視点と先進技術で顧客変革を支える──多様性が生み出す無限の可能性
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(以下、日本TCS)のハイテクインダストリー本部で、クライアントパートナー兼サブユニットヘッドを務める福永。自身も複数の顧客を担当しながら、5名の日印にまたがるメンバーを束ねています。
「私たちインダストリーチームは、お客さまと信頼関係を築きながら、業務改善やシステム導入などの具体的なソリューションを提案・販売する営業組織です。日本の製造業系ハイテク企業から欧米系メガテック企業まで、多様な顧客層を担当しています」
福永のチームは大規模なオペレーション改革やAIを活用した業務効率化など、最先端のソリューションを数多く提案しています。グローバルな視点が特徴で、顧客の海外拠点とも直接やり取りする場面が多くあると福永は言います。
「業務の約80%は英語を使用しています。とくに欧米系メガテック企業では、オペレーション改革の提案が多くあります。数十万人規模の組織のバックオフィス業務を一括して受託し、業務の効率化やコスト削減を図ったり、AIを活用した顧客製品の開発を支援したりと、最新技術を活用した提案も行っています。
最新技術や市場動向のキャッチアップは、他チームの仲間から情報収集するほか、タタコンサルタンシーサービシズ独自のラーニングプラットフォームを活用。さらに、新しいテクノロジーを積極的に取り入れ自社変革をめざす顧客との対話から、AIの新たな活用法に気づかされることも多くあります」
日本TCSがグローバル企業や大手日系企業に選ばれる理由として、福永は3つの要因を挙げます。
「現在多くの日本のグローバル企業は、レガシー化した既存のIT環境を改革しながら、事業へ直接的に貢献するためのデジタル投資も進め、なおかつサイバーディフェンス力を高めながら、人材育成・内製化も進め、といった3~4正面作戦に向き合わざる得ない状況です。
当社は、世界のトップ企業がすでに実証済みのさまざまなIT改革、トランスフォーメーションの実践例やノウハウの集積地となっているインドをバックボーンとしたグローバルITサービス企業として、日本企業が直面する輻輳化したこれらの課題に対処できる力を持っていると思います。
まず1つめに、グローバルサービスデリバリーセンターを活用し分散サイロ化されたIT環境の統合・合理化をスピーディに進めることができます。
2つめは、世界のトップ企業が実践する最新技術の導入方法や開発手法に関する豊富な知見を活用することができます。
そして3つめは、日本企業のIT部門のマインドセット変革にも貢献できることです。グローバルチームとのコラボレーションを通して、日本企業がグローバル化への壁を乗り越える支援ができるのです」
諦める理由はない──グローバルへの想いを胸に転職。仕事観を変える上司との出会い
大学で経営学を専攻していた福永。当時大学で学んでいた京セラの経営管理手法に興味があり、同社の経営コンサルティング部門に入社し顧客企業の経営管理基盤の構築に関するコンサルティング営業に携わり、その後SI事業部門に異動し営業チームにて6年間従事していました。
「学生時代から、企業経営にまつわる仕事に携わりたい、また国際的に活躍したいというぼんやりとした思いがあり、当時グローバル展開を進めアジア事業にも注力をしていた同社への入社を決めました。
その中でITが経営と密接不可分な重要なファクターであることを感じ、かつもともとグローバルな環境で働きたいという想いはあったため、30歳を迎えようとしていた頃IT×グローバルという新たなキャリア志向の思いが強まり、グローバルITのキャリアを求め日本TCSの縁をいただきました」
日本TCSに入社し4年後にはクライアントパートナーの役割を任され、顧客のエグゼクティブ層や部門長との対話を通じて経営課題やIT課題を把握し、チームを率いて提案を行うリーダーのポジションに就きました。その時の上司との出会いが、福永の仕事観を変えることになります。
「『クライアントパートナーを務める以上は、自分がお客さま企業の社長になったつもりで考えるべきだ』と上司から指導を受けました。クライアントに対して“あなたたちの会社をこう変えたい” “私たちにはそれを実現する力がこれだけある”と自分の言葉で自信を持って説明することの重要性を叩き込まれたのです。
自分が顧客企業の社長だったら、部門長だったらどうするかという常に顧客から投げかけられる課題を自分事として取り組まなければこの役割は務まらないと言われました」
この経験を通じて、福永のリーダーとしての意識が大きく変わることになります。
「それまでは自分の軸がないまま、SEの見解、お客さまの要望、上司の意見をまとめることに終始していました。しかしこの経験が転機となり、本当の意味でリーダーとして進むべき道を、自らの意思を持って歩もうというマインドに変わりました」
日本とインドの架け橋となり困難を乗り越える──2カ月のインド出張で学んだ教訓
福永は現在、常に経営者視点で物事を考えることを意識しています。
「社内だけで考えると制約思考になりがちです。しかし、顧客企業の売上を10倍、100倍にするために必要な手段は何か、社長ならどう考えるか、という経営者の視点を持ち続けることを意識しています。
そのために、お客さまが描く将来像や戦略的文脈を徹底的に把握した上で、日本TCSとしてどのようなアプローチで関係を構築し、どのようなビジネスプランを展開できるか、常に言葉や図に表して社内でレビューし、壁打ちする習慣を大切にしています」
日本TCSでの印象深い経験として、福永は日系企業のインド工場向け生産管理システム導入案件を挙げます。日本での要件定義とインドでの開発において、コミュニケーションギャップによる大幅な遅延が発生した案件でした。
「当時、日本側の要件がインドに十分伝わらず、日本が求める品質のシステムが提供されていませんでした。インド側からすると、日本からの要件が理解できないという状況でした」
この危機的状況を打開するため、クライアントパートナーとしての責任を全うすべく、福永は2カ月間インドに赴任します。
「インドの現地メンバーが何に困っているのかを直接聞き取りました。現地の工場には日本人もインド人もいましたので、両方から状況を確認しながら、お互いの理解の溝を丁寧に埋めていきました」
インドチームから「できない」と言われた時には、問題を細分化することで解決の糸口を見出しました。
「ソフトウェア開発では、インドチームが課題を過剰に捉えすぎているケースが多くあります。日本人の品質や技術に対する厳しさから、インド側は要求を1.5倍から2倍に捉えてしまう傾向がありました。そこで大きな課題を一つひとつ分解して、扱いやすいサイズに切り分け、シンプルな作業に落とし込むようにしました。
一方で、インドチームは各メンバーが各分野の専門性をもってそれぞれのタスクに取り組むため、各メンバーにとっては、自ら取り組み仕事の全体像や日本の顧客企業の思考背景がだんだんと見えにくくなってしまう傾向があります。
この情報システムが稼働することの業務上の意味合い、顧客の各ステイクホルダーや顧客の顧客に対する影響など自分たちが取り組んでいる事の全体像を各メンバーに丁寧に共有する事に努めました」
福永はこれまでインドメンバーと協働する中で、グローバルマネジメントについての理解を深めています。
「グローバルメンバーは、日本人同士のように言外の意味を感じ取ることが難しい場合があるため、何度も表現を変えて伝え、共通の理解を築くことが重要です。苦労はありますが、その過程で日本人にはない発想や視点を得られるというアドバンテージがあると考えています」
多様な仲間とハイブリッドな協働で、変革を実現する
日本TCSでクライアントパートナーの仕事に携わる魅力について、福永は次のように語ります。
「当社は外資系コンサルティング企業出身者、日系SI企業出身者、グローバル企業のIT部門出身者など、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が集まっています。そういった多様な経験と知見を持つ仲間と、お互いに学び合いながら仕事ができる環境があります」
型にはまらない自由な社風も、同社の特徴の1つです。
「当社はまだ成長過程にあります。良くも悪くもまだ型ができていない会社なので、自分が思うように創造していける会社だと思っています」
今後の目標として、福永は世界での存在感を示すことを掲げています。
「年に1回、世界中のエグゼクティブが集まる会合があり、各国の代表プロジェクトや優秀プロジェクトが表彰されるのですが、日本からの案件はまだまだ少ないです。日本から世界中が注目を浴びるような案件を手掛けたいと考えています」
日本TCSで活躍する人材に求められる資質について、福永は2つの要素を挙げます。
「1つは主体性です。自分がしたいことや想いを持ち、しっかり発することが大切です。もう1つは、チームや集団の力を信じることです。個人の専門性を高めることは必要ですが、それを100倍、1,000倍の力にするためにいろんな人の力を借りてやろうという姿勢を持っている人が活躍できる環境だと思います。
実際に社内の協力体制は充実しており、周りに声をかければ、さまざまな資料をくれたり、アイデアを出してくれたりと、いろんな人が協力してくれます。時には『ちょっと待って』と言いたくなるぐらい、非常に活気のある雰囲気です」
最後に、福永は日本TCSならではの仕事のやりがいについて語ります。
「グローバル化への変革を求められる現在、あるお客さまに『日本TCSは未来の日本の姿を先取りしている』と言われました。グローバル企業は多くありますが、ここまで真のグローバルを実践している会社はほかにないのではないでしょうか。
われわれは日本の顧客企業が持つ経営課題とその文脈を日本人、グローバルメンバー皆が理解をし、その上でインドに集積したグローバル企業の変革の実践例やノウハウを適用していきます。決してグローバル一辺倒でもなく、また日本のやり方に固執することもなく、常にクライアントセントリックに多様な知見とアイデア持ち寄りながら、日本企業の成長に努めています。
このような姿が日本のお客さまにとって、『未来の日本の姿の先取り』と感じていただけたのかもしれません。インドとのハイブリッドな協働を活かし、グローバルな知見でお客さまの会社を成長に導く──当社はそれができると信じて疑わない集団です。共に価値を創造していく仲間と出会えることを楽しみにしています」
※ 記載内容は2025年4月時点のものです

