デジタル化が進む昨今ではありますが、IT化を推進し、業務効率化や生産性の向上に取り組んだり、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、ビジネスに変革を起こそうとしている企業が増えています。
また、OPEN AI社のChatGPTが公開されて以来、AIがより身近になったり、業務での活用イメージが沸いたりしたという方も少なくないでしょう。企業でもデジタル人材の育成に取り組む企業も増えていますし、自分自身もAIやDXに関するスキルを身につけたいと考える方もいるかもしれません。
デジタル領域のスキルは、データ分析やAI、プログラミングやセキュリティなどさまざまなものがありますが、本記事では、20代の社会人がAIやDXのスキルに関してどう考えているのか、また企業はどのようなデジタル人材の育成を行っているのかをご紹介します。
20代ビジネスパーソンのAIやDXへの関心は?
「AI・DXスキルの習得」に関して調査を実施したのは、「Re就活」などを運営する株式会社学情(本社:東京都千代田区)。
AI活用やDX推進により、働き方や仕事において求められる能力・スキルも変化していくと想定されている今、デジタル活用に長けていると言われる20代は、AI活用やDX推進に関するスキルをどのように捉えているかを明らかにするべく、調査が実施されました。
「AI活用、DX推進により新たに必要になるスキルを習得したいと思いますか?」という設問に対しては、50.2%の人が「習得したい」と回答しました。「どちらかと言えば習得したい」34.3%を合わせると、8割以上の20代がAI・DX関連スキルの習得を希望しているという結果になります。
回答者からは次のような声が寄せられています。
・キャリアの幅が広がり、転職もしやすくなると思う
・時代の変化に応じて必要とされる知識を身につけたい
・AIやDXでできることを理解しておきたい
また、「AI活用、DX推進により新たに必要になるスキルが習得できる企業・仕事は魅力を感じますか?」という設問に対しては、44.3%の人が「魅力を感じる」と回答しています。「どちらかと言えば魅力を感じる」35.6%を合わせると、8割に迫る20代がAI・DXに関するスキルを習得できる企業・仕事に魅力を感じているようです。
回答者からは次のような声が寄せられています。
・AI活用やDX推進に関する仕事を経験したい
・必要に応じてAIを活用するスキルは、今後必須のスキルになると思う
・時代の変化に応じて事業内容や仕事の進め方を柔軟に変更する企業は魅力を感じる
・仕事を通して、AIやDX関連の実践的なスキルを身につけたい
・AI活用やDX推進に取り組む企業は、企業としての成長力も高いと思う
■調査概要
・調査期間:2023年6月6日~2023年6月14日
・調査機関:株式会社学情
・調査対象:20代社会人
(20代専門転職サイト「Re就活」/Webメディア「20代の働き方研究所」のサイト来訪者)
・有効回答数:492名
・調査方法:インターネットでのアンケート調査
※ 各項目の数値は小数点第二位を四捨五入し小数点第一位までを表記しているため、択一式回答の合計が100.0%にならない場合があります
デジタルスキルを身につけるには?
20代のビジネスパーソンはAIやDXへ高い関心があることがわかりましたが、こうしたデジタルスキルはどのように身につければいいのでしょうか?
・所属する企業内での研修
デジタル人材の育成に注力する企業は増えており、従業員向けに研修を行っている企業もあります。
・業務を通じて学ぶ
業務によりますが、本業で取り組む方もいるかもしれません。また、本業以外にも社内横断でDXプロジェクトが行われているケースもあり、そのような機会を活かし、実務を通して学ぶのもよいでしょう。
・外部のセミナーなどに参加する
ツールやシステムを開発、販売している企業や、コンサルティングを行っている企業など、企業のDXやデジタル施策を支援している企業がセミナーを開催していることが多いため、興味のあるテーマのセミナーに参加してみるのもよいでしょう。
・Webサイトや動画サイト、書籍などで学ぶ
デジタルに関する情報を発信しているWebサイトやブログ、動画や専門書籍で学習することも可能です。
デジタルスキルを身につけたり、トレンドを知ったりできる場所は有料から無料まで幅広いコンテンツがあるため、ご自身の興味や必要性に応じて選択することが可能です。
しかし、トレンドの変化や技術のアップデートが速いため、学び続けることやアンテナを張り、最新情報を得続けることが重要となるでしょう。
企業のデジタル人材育成事例
独自にデジタルスキルを学ぶことも可能ですが、デジタル人材の育成のために企業内でも学習の機会を提供しているケースがあります。ここからは、企業のデジタル人材育成について触れられているストーリーをご紹介します。
※ 掲載内容は記事公開当時の内容です
▶︎NECソリューションイノベータ株式会社
事業内容:システムインテグレーション事業、サービス事業、基盤ソフトウェア開発事業、機器販売
業務内容:既存事業としての消防システムの導入に携わる一方、新事業を創出するというミッションも担う
W.Dさん 「入社後は、消防システムの開発に携わりながらキャリアを重ね、九州支社内のDX人材実践研修などを通じてDXによる課題解決の手法についても学びました。DXの基礎から実践まで、一貫して支社内で学ぶことができたのはとてもありがたかったです」
→ストーリー:消防・防災に関わるシステムづくりを通じて実現する、縁の下からの人命救助サポート
▶︎デル・テクノロジーズ株式会社
事業内容:個人・法人のお客様を対象に、パソコン・モバイル端末から基幹システムやクラウドの導入支援、セキュリティサービスに至るまで包括的な ITソリューションを提供
業務内容:トレーニングや自己学習で積極的に技術知識の習得に励み、PSSチームで活躍中
宮本さん 「前職では、人材紹介会社でさまざまな企業に対してIT業界で働く方々をご紹介していました。DX化が進んでいないと企業のビジネスはもちろん、お客様満足度などサービス全体に影響が出るほど、IT技術が必要不可欠になっていることを実感。そうして、自分もその世界へ身を置きたいと思うようになったんです。
業界経験不問をうたう求人はいくつかありましたが、選考途中でやはり経験や知識が求められることがあり……。まったくの未経験でも選考に進めたのが当社のPCoE組織(※)の仕事。『プリセールスへの技術支援』という内容でした。(中略)
宮本さん 「研修内容は手厚いですし、フォロー体制も整っています。とある外資系企業で働く友人の話から、外資系企業の研修とは、形式的に存在していても、実際は自分の努力次第で学んでいくものだろうと想像していました。
でも、実際はそうではありませんでした。IT全体に関する内容から始まり、当社のインフラ製品に関する内容、その中でもストレージに特化した内容など、知識ゼロの状態からでも一歩ずつ、無理なく学んでいくことができました。専門用語が多く、まったく知らなかった領域を学ぶことに当初は大変さもありましたが、同時に「わかると嬉しい」という感情も湧いてきました。腹落ちして、つながりが見えていく研修のおかげで、ついていけないということはなかったですね」
→ストーリー:IT知識はキャリアのアドバンテージになる?ゼロからかなえる、技術職のキャリア
▶︎トヨタ自動車株式会社
事業内容:自動車の生産・販売
業務内容:社内およびグループ会社でのデータサイエンス関連研修の講師を担当するほか、各職場での業務適用・導入支援に従事
伊藤さん 「そうした素地もあって、TQM推進部では新しい武器になりうる『機械学習・AIなどのデータサイエンス技術』にもいち早く目を向け、2015年ころから本格的に研修・実践支援・啓発などを通してデータ活用人材の育成に取り組んできました。結果的に、現在社内で機械学習やAIを駆使して現場の問題解決を牽引する多くのトップメンバーを輩出してきましたし、上述のインフラ面での整備において現在、中核になっている人材の中にもTQM推進部の育成プログラムを巣立っていったメンバーが多くいます」
→ストーリー:仲間と共に、もっといい日本に。データサイエンスで始めるトヨタ変革への挑戦
▶︎農林中央金庫
事業内容:食農ビジネス、リテールビジネス、投資ビジネス
業務内容:IT統括部ITカレッジ企画班で部長代理としてIT・デジタル人材の育成を担当
三上さん 「現在、ITカレッジ企画班では、ビジネス部門におけるITリテラシーの底上げ、IT部門における専門人材の育成、ExcelやPowerPointのような業務遂行に必要なスキル定着の3つの柱を掲げ、全社向けのセキュリティ研修やeラーニング、IT部門向けの勉強会ややシステム基礎研修を開催しています。また、DXが進む中、2022年度からはデザイン思考研修をはじめとしたデジタル人材育成についての研修の企画・提供も担当しています」
→ストーリー:肩肘張らず、周囲と支え合う。自然体でいられる「管理職」のすすめ
▶︎富士通株式会社
事業内容:テクノロジーソリューション、ユビキタスソリューション、デバイスソリューション
業務内容:社内短期異動制度を使って徳島に移り、新領域ビジネスを推進中
酒井さん 「Jobチャレ!!を利用して、半年徳島支社に異動することになりました。現在は、地域課題の解決をテーマに、今までとは違ったアプローチで新規顧客を開拓したり、新しいビジネスを見つけていったり。地元企業などと新しい関係を構築するのが主な仕事です。
取り組みの一例として、デジタル人材の育成には力を入れています。年々進んでいるICT教育に対応できる人材を育てるため、社外の組織と協力しながら、ICT支援員育成講座の企画・開催・運営などを担当しています。
他にも、ICTを活用できる人とできない人の格差、いわゆるデジタルデバイドを解消するための人材育成支援に昨年度から関わるようになりました。今年度も引き続き取り組んでいく予定です」
→ストーリー:ICTの力を情報格差の緩和に役立てたい。社内アンケートで見えた課題解決への糸口
AIの活用やDXなどを推進したい一方で、デジタル人材の不足に悩む企業が多い今、デジタルに関するスキルを得ることは自身のスキルアップだけではなくキャリアアップやキャリアチェンジにもつながります。
ご自身で学ぶのはもちろんのこと、デジタルスキルを得られる企業へ入社するというのも一つの手です。今回ご紹介したストーリーをご自身のスキルアップを考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?
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