空き家増加など社会問題の解決へ。不動産会社でキャリアをスタート
日ごろから、穏やかな口ぶりと笑みで周囲を和ませる田村。幼いころを振り返ると、面倒見のいいタイプだったと言います。
「自分でいうのもなんですが、反抗期がなかったんです。男ばかりの4人兄弟の長男で、4男とは19歳差。弟たちに勉強を教えるのが好きでしたね。長男特有のストレスやプレッシャーを感じることもなく、伸び伸びと育ちました」
大学生になると、経営学部でマーケティングを学びます。きっかけは高校時代、ある説明会に参加したことでした。
「大学の学部に関する説明会をのぞいてみると、マーケティングの話が出たんです。店頭で商品の陳列を変えるだけで売り上げが大きく伸びるなど、ちょっとした工夫で客の購買行動に影響を与えられる。そんな話が、私にとってはすごく新鮮で。ぜひ深く学びたいと思い、理系志望だったところから文系へと転向しました。
大学で力を入れたのはゼミ活動です。マーケティングで成功している航空会社やテーマパークの運営会社、サンダル製造販売会社などの戦略について、グループワークを重ねて分析し、成功の要因を自分たちなりに見いだして発表する。その取り組みがとても楽しかったですね」
ゼミを通じて、ビジネスの世界の一端に触れた田村。新卒で入社したのは不動産会社でした。
「業界に対するこだわりは、特段なかったんです。その企業がおもしろそうな挑戦をしているか、社会課題を解決しようとしているか、などが就職先を選ぶ基準でしたね。
そこで出会ったのが、不動産会社がオーナーからマンションなどを借り上げて入居者に貸し、オーナーには空き部屋の有無にかかわらず賃料を保証するという『サブリース』を展開している会社でした。中古物件をリニューアルしたり、売り出し方を変えたりして入居者を確保し、オーナーに安定的な収入が入るようにするんです。空き家の増加が社会問題となる中、解決をめざして切り込んでいけることに魅力を感じました」
入社後は営業職として物件のオーナーにサブリースを提案するほか、オーナーの開拓に向け、地元の不動産会社や建設会社などとの連携を模索する毎日。その一方で、営業の仕事を別の分野でも突き詰めてみたい気持ちが日増しに膨らんできたと言います。
「不動産会社では私自身、目標の売上金額になかなか到達できなかったので、せめて達成してから転職しようと決心しました。入社2年目の夏に、ようやく達成。自分の中でひと区切りをつけました」
現場を理解してメンバーに寄り添う。転職先でリーダーとして奮闘
田村の次なる挑戦のステージは、営業の代行やコンサルティングを行う会社でした。
「会社がうたっていた『営業を科学する』という言葉に惹きつけられました。営業におけるコンセプトをきちんと設けた上で、どういうやり方をすれば売れるかを言語化し、マニュアルを整備していたんです。地に足を着けている感じが伝わってきましたね」
入社して最初に取り組んだのは、アルバイト・パートの応募者情報や採用サイトのコンテンツを管理できるシステムの営業代行でした。各企業の人事担当者に導入を勧めるうちに、手応えを感じ始めたと言います。
「人事担当者に課題の解決策を提案した際に共感していただいたり、さらに『このケースならどうすればいいだろうか』と頼られたりすると、やりがいを感じましたね。実際にシステムを導入していただいた企業の担当者から、人づてに『田村さんにすごくよくしてもらいました』とお褒めの言葉をいただいた時は、とてもうれしかったです。
営業の仕事って、お客さまの心にきちんと響いているのだろうかと不安になりがちですが、実際にフィードバックをいただけると『やってきたことは間違っていなかったんだ』と自信につながりました」
入社3年目からはプロジェクトリーダーとなり、自身の案件を持ちつつマネジメントにも挑戦。試行錯誤の日々が続きました。
「営業の依頼元であるクライアントと、部下であるメンバーたちの間で板挟みになることが多くて、苦労しましたね。クライアントからは『もっとこういうふうに売ってほしい』『この部分を改善して』という指示が次々に降ってくるのですが、一方でメンバーたちを守りたい思いもあるので、無理な指示は出しにくいんです。
そんな中で大事にしていたのは、現場の状況をきちんと理解することです。たとえば営業の戦略が大幅に変わったような場合でも、『なんとかしろ』とメンバーを突き放すのではなく、一緒になって売り方を考えるなど、寄り添いながら解決をめざしてきました」
「ワクワク」を求めてPR Tableへ。独自の工夫を重ね、つかんだ顧客の心
マネジメントを通じて自らも成長を遂げてきた田村ですが、しだいに「ワクワクしていない自分」に気づくようになったと話します。
「人員をいかにうまく配置し、プロジェクトを円滑に進めるかという仕事に追われる中でふと、思ったんです。『このサービスを広めたい』『売り上げをもっと伸ばしたい』とワクワクしながら臨む営業のほうが、より思い入れを持ってやれるのではないか、と」
営業職として大きく羽ばたけるような転職先を探していたところ、目に留まったのが、talentbookを運営するPR Tableでした。
「転職エージェントに紹介されたんです。当時勤めていた営業コンサル・代行会社でもtalentbookを導入していたので、PR Tableの存在は以前から知っていました。
採用面接を受けると、共同代表取締役の大堀 航と大堀 海が、ひとりの候補者でしかない私にとても真摯に向き合ってくれました。そしてオファー面談では、私の受け答えの仕方を高く評価してくれて。私自身、普段から誠実なやりとりを心がけているので、その部分をしっかり見てくれたのが入社の決め手になりましたね」
2023年9月に入社し、新規営業のFSとして歩み始めました。インサイドセールス(以下、IS)が設定した商談内で、各企業の広報上の課題を聞き取り、talentbookを通じた解決策を提案。契約締結完了までが役割です。
田村は、手間をいとわず地道に工夫を重ね、受注に成功した案件が印象に残っていると言います。
「私が対応したある不動産業界の会社は、すでに別サイトに従業員インタビューを掲載していたんです。ただ、コンテンツの整理が進んでおらず、今後のテーマ設定にも悩んでいるようでした。
そこで私は、そのサイトに載っているおよそ70本の記事をすべて読み、その1本1本をテーマ別に表に落とし込んだんです。テーマは『スキルを磨く』『チャレンジ』『チームワーク』など……。その上で採用担当者に『このテーマのコンテンツが少ないので、増やしてはどうですか』などと提案したところ、『そこまでサポートしてくれるのは頼もしい』と喜ばれ、信頼関係を築くことができました。
この経験から、相手を深く知ろうとしたり、相手の立場になって考えたりする姿勢が、最終的に人の心を動かすのだなと実感しましたね」
他の誰でもなく、自分がやる意味を見いだせる。営業の道を究めたい
PR Tableで半年以上を過ごしてきた田村。仕事をする上で、大事にしている価値観があります。
「営業は、目標を達成できれば幸福度の高い職種なんですよね。お客さまから頼りにされたり、喜んでいただいたり。それを実現するためのキーワードは、『誠実』だと思っています。商談ではメリットとデメリットをしっかりとお示しして、押し売りにならないように気をつけていますね。お客さまには深く理解、納得した上で発注いただきたいんです。
そして、受注した案件を既存営業のアカウントエグゼクティブ(以下、AE)に引き継ぐ段階では、受注の背景やお客さまの思いを細かく伝え、真の課題解決につながるように心がけています。受注はあくまで、入り口でしかありません」
今後については、安定的な売り上げ目標達成をめざしつつ、新規営業の道を究めていきたいと語ります。
「talentbookの営業って正直なところ、難易度が高いと思います。採用広報の施策なので費用対効果を明示しにくく、企業の中で緊急性がさほど高くないケースがほとんど。また、企業の担当者がtalentbook導入の必要性を感じていても、上司や役員が納得しない場合もあります。
でも難しいからこそ、大きなやりがいを感じるんですよね。他の誰でもなく、自分がやる意味を見いだせるというか。やるつもりがないところから『その施策、おもしろそうだね。やってみようか』と、お客さまの心を大きく動かすことができるのが新規営業の醍醐味。ISやAEといっそう密にコミュニケーションをとり、お客さまへの提案の質を上げていきたいです」
さらに挑戦したいのは、「売れる仕組みづくり」だと力を込めます。
「FSチームのメンバーが各企業に対してどのように働きかけ、talentbook導入に至ったかなどのノウハウを整理したり、メンバーが商談に集中できるように他の作業の効率化を進めたり……。そのように仕組みを整えるのは好きなので、ぜひ取り組んでいきたいですね」
柔和な表情の内側にあるのは、誠実さと泥くささ。田村は今日も笑顔で、新たなお客さまとの出会いを心待ちにしています。
※ 記載内容は2024年7月時点のものです
