ドイツでの悔しい経験と学生時代の違和感が、今の自分につながる原点
自分らしくいられる場所で、自信を持って生きる──高橋が人生において大切していることの原点は、幼少期に経験した出来事でした。
「父の仕事の関係で3歳から5歳までをドイツで過ごし、いろいろな国の子どもが集まる幼稚園に通っていました。当時の私は、ドイツ語はもちろん、日本語で自分の意思を伝えることも十分にできません。言葉が拙いことを笑われたり、物を隠されたりして、いつも泣きながら家に帰っていました。
母が先生に相談したら、『こちらは何もしません。やり返してください』と言われたそうなんです。それ以降、言葉が通じないながらも身ぶり手ぶりで自分の思いを伝えて、相手と向き合うことから逃げないようにしました。すると、だんだんと友達が増えて、幼稚園に楽しく通えるようになったんです」
小学生になると日本へ帰国。ドイツで育まれたど根性を発揮し、よく男の子とけんかしていたと振り返ります。
「すごく真面目な一面もあったので、『それはダメだよ』って指摘するクラス委員みたいな子でした。
でも、中学校で入ったバレーボール部では、キャプテンとして正義感を振りかざしてしまい、チームから浮いてしまうことも……。チームをまとめるためには、周りの考えを理解して、同じ方向を向くことが大切だと学びました」
高校生になると、両親が監督を務めるソフトボールチームで小学生たちのコーチをすることに。その経験が進路を決めるきっかけとなります。
「子どもの成長を見るのがうれしくて、保育士の資格を取ろうと考えました。とはいえ、保育以外のことも学びたかったので、幅広く勉強できる大学に進みました」
しかし、大学入学後に違和感を抱き、卒業後は一般企業に勤めることを決めたと話します。
「選択肢がたくさんあるのに、『みんながこうしているから』という理由で行動することに違和感があったんです。せっかく大学に通っているのだから、自分が受けたい授業を選びたいし、いろいろな経験をしたい。そういった思いから、もしかしたら私には、より選択肢が広い一般企業の方があっているのかもしれないと感じました」
関わる人たちが褒められることが喜び。サポートする楽しさを知ってキャリアチェンジ
一般企業に就職すると決めたものの、リーマンショックの影響で新卒の採用枠が激減。50社に応募して、唯一内定をもらえた保険代理店に営業職として就職しました。
担当した個人への電話営業では、1日およそ200件の電話をかけながら、全国のお客様とつながる楽しさやチームで数字を追うやりがいに、毎日がとても充実していたと話します。
「初めてのことばかりなので、吸収できることがたくさんありました。お客さまと通話を重ねるうちに、その日のご飯の話をしたりすることも。でも、保険の話になった途端に空気が変わってしまうので、クロージングが苦手で……。
上司と相談して、私がお客さまとの関係を築き、クロージングが得意なメンバーに引き継ぐという分業制を提案。お客さまとの相性を考えながらクロージング担当のメンバーにアドバイスをしたり、メンバーの架電時間を増やすためにデータ入力を巻き取ったりするなど、それぞれの得意分野を効率よく発揮できるようサポートしました」
この提案がきっかけでチームは大きな成果を上げ、社長賞を受賞。メンバーのサポートをするおもしろさを感じた高橋は、事務職にキャリアチェンジするため転職します。
さまざまなスキルを身につけたいと、コールセンターでの一般事務、IT企業での営業事務を経験。とくに、営業事務の仕事にやりがいを感じたと話します。
「私が発行する請求書は、営業担当者が苦労して獲得した契約。1枚1枚に書かれているのはただの数字ですが、そこに想いを乗せる瞬間が楽しくて。営業担当者がお客様に誉められているのを見るのもうれしかったですね。
私はやっぱり、関わる人たちが成長したり褒められたりすることが、自分が活躍する何倍もうれしい。私がいろいろな知識を身につけるほど営業担当者が動きやすくなると感じたので、もっと知識を増やしたい、もっと裁量を持って仕事をしたいと思うようになりました」
仕事のやりがいが増していく中、結婚を機に引っ越すことになり転職。業務の幅を増やしたいと選んだのは、創業1年目の企業でした。
「社員が10名ほどの会社でしたから、総務、経理、人事、営業事務など、バックオフィスの仕事はほぼすべて担当しました。小さい会社だからこそ、会社全体の動きを把握して、解決するまで関わることができました。
そんな私の仕事への姿勢を上司が評価してくれて、取引先企業の選定や社員のケアなど幅広く一任してくれたことも、やりがいにつながりました」
自発的に仕事ができる環境とtalentbookのコンセプトに惹かれてPR Tableへ
裁量を持って仕事ができる環境で、周りの人たちをサポートする──産休・育休を経ながら積極的に仕事の幅を広げてきた高橋でしたが、会社の体制変更に伴い退職することに。
子育てをしながら働ける職場を探す中、ワーキングママ専門の転職エージェントに紹介されたのが、リモートワークができるなど、働きやすい環境が整っているPR Tableでした。
「営業事務での募集だったのですが、仕事内容はIPO準備や労務系の業務など幅広く書かれていたのです。事務職でそこまで広範囲に担当できる会社は多くないので、これまでのキャリアを活かしてステップアップできそうだと感じました」
そして、PR Tableへの応募を決めた最大の決め手は、働く人のストーリーを通じて企業の魅力を発信するという「talentbook」のコンセプトに共感したこと。
「さまざまな仕事をする中でも、採用の面接官をすることがとくに楽しかったんです。応募者の方がこれまでどんな経験をして、どんな価値観で生きてきたのかに触れる瞬間がすごく刺激的で。『この人を応援したい!』『私も頑張ろう!』と思えたんですよね。
talentbookは、まさにその想いを形にしたもの。採用マーケティングやHRのことは全然わかりませんでしたが、talentbookがこれからどう広がっていくのか、すごくワクワクしたんです。talentbookを通じて、『今日も頑張ろう!』と誰かの背中を押せたらすてきだなと思いました」
実は、他社の選考も同時に進んでいた高橋。どちらも魅力的で迷ったものの、最後に背中を押したのは、面接で会った同じ部門のメンバーの存在でした。
「メンバーそれぞれが、何が必要なのかを自分で考えながら動いていて、上司もその自主性を信頼して任せている。その環境が魅力的でした。
私はいろいろな部署の仕事に興味があって、これまでの会社では仕事を見学させてもらっては、自分から課題解決のサポートができそうなことを提案して手伝って、ということをよくしていました。“肉食系事務”なんです(笑)。
時には、『事務職らしくない』『仕事を増やさないでほしい』と言われることもありましたが、みんなが自発的に取り組んでいるPR Tableなら、私が求めている仕事のスタイルが実現できると感じました」
自分らしくいることに自信を持てる環境で、事務の枠を超えた存在をめざしたい
これまでも自分にできることを探して取り組んできた高橋ですが、入社してみたら先輩社員たちの仕事ぶりに圧倒されたと話します。
「想像以上に幅広くレベルの高い仕事をしているんです。知識の広さ・深さはもちろん、目の前の課題の解決だけではなくて、長い目で会社のことを考えて判断・提案している。その提案に対して、ほかの部署の人たちも信頼を寄せていると感じます。その姿が、シンプルに『カッコイイ!』と思いました」
高橋自身はまだ、HR業界という未経験の領域と初めての働き方に手探りしている段階。子育てしながらの限られた時間で、まずは営業事務としての土台を作ることをめざしています。
「仕事を覚えることはもちろん、部署内、他部署の人たちとスムーズにコミュニケーションをとる方法を模索したり、社内の情報を把握したり……毎日時間が足りません。
他の部署がどんな仕事をしているのかも知りたいし、talentbookのコンテンツも全部見たい。やりたいことはたくさんありますが、地に足をつけて、できることから進めています。いつか、『あの時はすごく頑張ったな』と思える時期が来ると思うので」
新たな環境に苦労はありつつも、「自分らしくいられることに自信を持つこと」をかなえられる職場で仕事ができて幸せだと笑う高橋。いずれはマネジメントや教育担当、メンターなどにも挑戦し、関わる人たちが成長する喜びを感じたいと話します。
「これまでも部下を持ったことがあるのですが、自分が教えたことが何倍にもなって返ってくることが楽しくて。価値観が広がったり、プラスになったりすることを相手に伝えて、その人が『なりたい自分になる』ことにつながったら、すごくうれしいですよね。
あとは、社員の目標や抱えている悩みに寄り添い、その解決をサポートすることもやってみたいと思っています」
周りの人の成長や活躍のために、自分にできることは積極的に挑戦する。そんな自分らしさを大切に、“事務らしくない事務”として、高橋は今日も誰かのために仕事をしています。
※ 記載内容は2024年6月時点のものです
