造船から医療へ。 自分の技術を活かして人の役に立てると感じ、入社を決意
大地は造船の設計からキャリアをスタート。そこから医療機器の修理というまったく異なる世界へとキャリアを進めてきました。
「高校時代、オープンキャンパスで船に乗ったとき、『自分もこういうものをつくってみたい』と強く思い、大学では船舶や海洋工学を中心に学びました。
そこからものづくりの道に進むことを決め、新卒で造船会社に入社。エンジンルームの設計を担当し、社会インフラを支える大規模なプロジェクトに参画できることに、大きなやりがいを感じていました」
しかし、プロジェクトの規模が大きい分、業務が細かく分業化されていたため、自分の担当が全体の中でどう役立っているのかが見えづらい場面もあったと振り返ります。設計に集中する日々の中で、もっと現場に近いところで、人の声を感じながら仕事がしたいという思いが、大地の中で少しずつ芽生えていきました。
「次に携わったのは、街の安全設備を扱う代理店業務です。製品の設置に立ち会うことで施工担当者や利用者との距離は縮まり、お客様の声を直接聞いて手ごたえを感じることも増えていきました。
しかし、法令や基準に沿って設置される製品の性質上、人の想いよりも制度的な必要性が優先される場面も少なくありませんでした。そのため、次第に『もっと人の役に立っていると実感できる仕事がしたい』という気持ちが強くなっていったのです」
そんなときに出会ったのが、日本ストライカーのエンジニア職でした。
「医療機器の修理という仕事は、これまでのキャリアとはまったく異なるものでした。しかし、“人の命や健康を支える機器を、確実に使える状態に保つ”という役割に強く惹かれたのです。自分の技術を活かして人の役に立てると感じ、入社を決めました」
安心を届ける、見えないプロフェッショナル
医療機器の修理は、目立つ仕事ではありません。しかし、医療現場を止めることなく患者さんや医療従事者に貢献し続けるためには欠かせない存在です。大地はその現場で、日々安心を届けることに向き合っています。
「最初に担当したのは、自動心臓マッサージシステムや自動体外式除細動器(AED)など、救急で使われる製品でした。これまでとまったく異なる業界に戸惑いながらも、医療機器を確実に使える状態に保つという使命感が、仕事に深い意味を与えてくれました」
その後は整形外科分野の人工関節手術で使われる機器なども担当するようになった大地。製品ごとに異なる構造や修理方法に対応する必要があるため、常に学び続ける姿勢が求められると言います。
「スピードと正確性の両立が不可欠で、『なぜ修理が必要になったのか』『どうすれば再発を防げるか』といった視点で考えることが、医療現場の安心につながっていると実感しています。
実際に、不具合で戻ってきた製品を確認する中で、使用環境や操作方法によって思わぬトラブルが起きることもあると気づかされました。そうした場合には、修理対応に加えて、営業社員や医療従事者であるお客様とやり取りする際に、製品の特性や注意点をわかりやすくお伝えするよう心がけています」
経験を重ねる中で、大地は海外チームとの連携にも積極的に取り組むようになりました。
「修理に必要な情報や技術は、海外の製造元から提供されることが多く、英語でのやり取りは避けて通れません。正直、英語には苦手意識がありましたが、米国本社での製品修理研修に初めて参加したことで、その気持ちに変化が生まれました。
1週間、現地のトレーナーと毎日顔を合わせて関係を築けたことで、技術連携がスムーズになったと実感しています。これまでは海外に送って修理していた製品の一部を国内でも対応できるようになり、トレーナーから『あなたなら大丈夫』と信頼の言葉と研修修了の認定証をもらえたことは、大きな自信につながりました。
この経験を通じて、英語は苦手なものではなく、人とつながり、仕事の幅を広げるための手段だと捉えられるようになり、今では前向きに取り組めるようになりました」
飛び込んだから見えた、新しい景色
キャリアの中では、思いがけないタイミングで転機が訪れることがあります。2024年、大地にとって印象的だったのは、「マネジャーにならないか」という声かけでした。
「入社3年目でマネジャーの話があったときは、本当に驚きました。これまでの業界では、長年の経験を積んだ技術のスペシャリストがマネジャーになるのが当たり前だったので、自分にはまだ知識も経験も足りないのではと、不安がよぎりました」
そんな大地の背中を押したのは、上司であるオペレーション事業本部長 丹羽マイク隆志の言葉でした。
「『まったく知らないところにポンって飛び込むのは、大変だけど楽しいよ』と笑顔で言ってくれて。『すべてを知っている必要はない。チームにはそれぞれの製品に詳しいメンバーがいる。
だからこそ、メンバーを信じて任せることもマネジャーの大事な役割』と続けてくれました。その言葉を聞いた瞬間、肩に入りかけていた力がふっと抜けました。
技術的な知識や経験だけでなく、人を信じて支え合う姿勢こそがストライカーらしさ。自分がすべてを完璧にこなす必要はない。むしろ、メンバーの力を信じて引き出すことが、自分に求められている役割だと気づきました。そして、最後にマイクさんが言った『チャンスはつかめるときに掴んで』という一言が、決断への背中を押してくれました」
マネジャーとしての一歩を踏み出してから、大地の視点は少しずつ変化していきました。
「以前は自分がどう動くかに意識が向いていましたが、今はチームとしてどう動くかを考えるようになりました。私は、すべての製品に詳しいわけではありません。だからこそ、メンバーの力を信じて任せることができる。“マネジャー=一番詳しい人”という固定概念を、少しずつ変えていけたらと思っています。
ストライカーでは、年次や肩書きに関係なく、リーダーシップを発揮することが期待されています。若手でも、女性でも、経験が浅くても、『やってみたい』という気持ちがあれば、一歩を踏み出せる。私自身がそのロールモデルになれたらと願っています」
私たちの使命は、技術と誠意で医療現場を支えること
マネジャーとしてチームを支える立場になってから、大地の中に芽生えたもうひとつの想い。それは、「この仕事の価値や存在感をもっと高めたい」というものでした。
「私たちの仕事は、“修理が必要な製品を直す”ことだけだと思われがち。でも本当は、医療の最前線で、安心して治療が続けられるように支えることが本質です」
その価値を社内外に伝えるために、営業会議での情報共有に力を入れ始めました。
「たとえば、修理の傾向や海外チームからの技術情報、修理現場での気づきなどを共有しています。 『最近この製品でこういう事象が見られます』といった情報を共有することで、営業社員が病院での会話の中で注意喚起できたり、あらかじめ対応策を考えられたりするようになりました。
『大地さんの話、すごく助かりました』と言ってもらえることが増えて、少しずつですが、私たちの仕事が“見える化”されてきた実感があります。
最近はただ情報を伝えるだけでなく、『この人が話しているなら信頼できる』と思ってもらえるように、話し方や資料の見せ方にも気を配るようになりました。私たちからの情報が営業部門に届き、現場での対応力が高まる。その横のつながりが、医療の質や患者さんの安全にもつながっていく。そんな実感を持ちながら日々の業務に向き合っています」
また、女性エンジニアとしての立場からも、信頼を積み重ねることを大切にしています。
「まだ女性エンジニアが少ないこともあり、問い合わせの電話で『詳しい担当者をお願いします』と言われることがあります。そんなときは、『私が担当者です』と自信を持って応じるようにしています。少しずつでも信頼を積み重ねていくことで、女性だからではなく、『この人だから安心できる』と思ってもらえるようになりたいです。
『医療の向上に貢献する』というストライカーのミッションは、私たちの仕事にも深く根付いています。部門を越えて連携しながら、安心と安全を届ける。それが、私のやりがいです」
※ 記載内容は2025年9月時点のものです

