学生から起業──それを糧に社会人へ
学生時代に平島は起業しており、起業した経験を通して自分のやりたいことが明確になったと話す。
「学生時代にやってきたことは社会的インパクトが薄く、困っている人を幸せにすることはできていませんでした。これから先を考えた時、もっと社会問題を解決できる社会的にインパクトがあるようなことがしたいと思いました」
社会的インパクトがあることをしたかったという平島。彼はエスプールに入社したきっかけを次のように語る。
「自分のアイデアでインパクトがある事業を立ち上げたいと考えていたので、新規事業ができるような会社を探していたんです。最終的にはポートフォリオ経営をしているエスプールであれば、多くの業界の社会知識を吸収できると感じ、この会社に入社することを決めました」
2020年1月、エスプールに入社した平島は働き方改革ラボに配属となった。そこではITを用いた事業を行っていた。
「当時はITを用いた業務改善を行っていました。各グループの担当者から業務内容を聞いて、営業の効率を上げるツールを開発したり、外部ツールの導入支援をしたりしていました。
また、部署としては将来的にITを用いた新規事業を創出することがミッションでした」
こうして働き方改革ラボで働いていた平島は大きな困難があったものの、いい経験になったエピソードがあった。
「働き方改革ラボは目の前のお金を売り上げることがミッションではないため、日々自動的に下りてくるタスクはありませんでした。自分で課題を見つけて、その原因を仮説立て、解決手段がなければ自分で作る、といったことが必要でした。
この経験のおかげで課題発見と課題解決に取り組む姿勢やスキルが大きく身についたと思います」
新規事業を自分達の手で──内製化のこだわりと苦労
新卒2年目で新規事業開発部へ異動となった平島は、そこで新しいプロダクトを開発した。結果は芳しくなかったが、その中に気づきがあったと話す。
「PivottAというビジネスマッチングアプリを開発したのですが、売り上げはよくありませんでした。しかし、お客さまとコミュニケーションを取る中でサステナビリティ領域に関する気づきがありました」
サステナビリティ系のサービスが売れることを感じた平島は8月から開発を開始。そこからわずか2カ月後の10月にサービス・運用が開始された。その背景には内製化へのこだわりがあった。
「PivottAは開発を外部委託していましたが、小さい修正開発でも費用と工期がかかり、事業開発のスピードが遅延してしまうことが課題でした。とくに新規事業のうちは日々事業の方向性が変わりやすいので、さまざまな施策をスムーズに行うため次のサービスでは内製化にかなりこだわりました」
こうして内製化での事業開発が始まったが、すべて自分たちの部署で完結させることは苦難の連続であったと当時を振り返る。しかし、数々の壁を越えてやりがいも実感できたと平島は話す。
「すべて自分たちで完結させるためWebサイトを1人で開発し、動画編集を勉強してメンバーにレクチャーしました。
一方で営業チームは商品がない状態で売り込みを始めてくれ、そのおかげで10月頭にすぐ運用開始できたことは感謝しきれません。振り返るとかなり大変ではありましたが、スピード感がある事業開発ができたことはいい経験でした」
新制度でカンパニー長に。PivottAサステナとカンパニー長の苦労
若手社員に裁量権を持たせやすい環境を作るという会社の指令を受け、立ち上がったカンパニー制度。売り上げの見通しがたっていたPivottA準備室という部署がカンパニー化され、カンパニー長に平島が指名された。そこではPivottAサステナを運営していた。
「PivottAサステナは、サステナビリティの社内浸透を支援するサービスです。Webサイト上の動画を使って実現しています。
具体的には、会員制の動画配信サービスで週に2本ずつ動画がアップされています。利用企業のユーザーはその動画を視聴してサステナビリティについて学び、会社にとってはサステナビリティの社内浸透を社内にも社外にも正しく発信できるツールになっています」
サステナビリティの研修ツールは当然、PivottAサステナだけではない。PivottAサステナの強みについて、平島は次のように説明する。
「PivottAサステナは1本の動画が3分から5分の短い動画となっています。また『ぴぼたん』というかわいらしいキャラクターがサステナビリティについて教えてくれます。
サステナビリティ研修については大学の教授などを講師に迎えて、30分から1時間かけて実施する集合型の研修や動画が一般的ですが、私たちは事前知識が豊富でなくても学習しやすい、動画を提供しています」
このように事業を運営しているが、カンパニー長という立場になったことで動く範囲が増えたと言う。
「カンパニー長になったことで、運用や営業へこれまで以上に積極的に関わっています。事業をリードできるように動かないといけないので、プロとしての自覚を持ちつつ日々仕事に取り組んでいます」
学生から現在へ──平島にとって働くとは
学生時代からさまざまなことに取り組んできた平島。取り組んできた中で平島の働き方の考えはどのように変わっていったのだろうか。
「学生の時の仕事は、目の前のタスクをその日のうちにやればよかったです。学生の夏休みの宿題を最終日に一気にやる感覚でしょうか、先のことは考えず目の前のタスクを消化していました」
学生からエスプールに入社し社会人になった平島。組織の中で働いた平島は自身の変化についてこう語る。
「入社してからは、1日で終わるような仕事はほとんどなく、1週間から1カ月の時間軸で仕事を考えて対応しないといけませんでした。組織で働く以上、自分の都合だけでなく相手の都合も考える必要があります。そのため、相手や組織のタイミングを考えながら、自分自身の仕事に取り組んでいます」
入社して1人ではないことを痛感した平島。現在カンパニー長と立場が変わったが、働くことに対して生じた考え方があった。
「今は自分のために仕事をしないようにしています。まったく自分のためにしないわけではありませんが、メンバーが働きやすい環境作り、スケジュールのサポート、指導などを主にするようにしています。
入社して自分がわからなかったことは新しく入社する人もわからないかもしれない。それをなんとか頑張れと言うのではなく、長期的な目標からブレイクダウンして説明しています。個人によって抱えているタスクは違うためコントロールすることは難しいですが、自分仕事に対する視点が自分自身からメンバーへと変わっていきました」
自分のことだけではなく、相手のことを考え部下が働きやすいことを考えるようになった平島。これから先のビジョンをこう語る。
「1~2年はこのカンパニーをとにかく大きくしていきたいです。5~10年といった長期ならば今の事業より大きく、さらに社会的インパクトが与えられる事業をこの部署から立ち上げ『平島のこのアイデアのおかげで社会問題が解決できた』と言われるようになれたら嬉しいです」
ゼロからの始まりを見つけ、新規事業を内製化し自分たちの手で作り切り、上の立場を知った平島。そんな平島が社会に大きなインパクトを与えるような事業を立ち上げることはそう遠い話ではないだろう。
※ 記載内容は2024年1月時点のものです

