先見の明に衝撃を受けた就職活動、企業拡大するエスプールの一員になりたい
今でこそ、仕事を形にして成功させたいという強い意欲を持つ池田だが、学生時代はやりたいことが明確に決まっていなかったと言う。やりたいことを模索しながら就職説明会に参加する中で、漠然とコンサルティングの仕事に興味を持った池田。
また、これからのビジネスはお金や売上だけを重視するといった流れではなく、環境や人権に重きを置いていくだろうという先読みもあった。
そんな中、出会ったのがエスプールだった。
池田 「もともと興味を持っていたコンサルティング事業があったことから、エスプールに興味を持ち、選考に進んでいました。
選考過程で、エスプールグループ代表の浦上 壮平が登壇した『TOPセミナー』に参加した際、衝撃を受けたんです。
社会貢献していくことが会社の成長につながると話されているのを聞いて、「ソーシャルビジネス」にいち早く注目していた浦上に対し、ただただ『すごい』と圧倒されました」
当時のエスプールはJASDAQ市場上場の企業で、まだまだこれから伸びていく会社だったことから、企業拡大の中の一員になりたいと思い池田は入社を決めた。
エスプールで得た経験のすべてを自分の糧に、まい進し続ける
2018年4月、新卒としてエスプールグループに入社した池田。3年間はエスプールグループ内で、会社や職種を限定せずにさまざまな職種をローテーションするグループコースでキャリアをスタートした。
一番最初に配属されたのはSHS。人材派遣をメインとし、エスプールグループの主力事業を担う会社である。そこで担当したのは、派遣登録をしているスタッフに仕事を紹介するコーディネーター業務だった。
池田 「初めて登録スタッフさんに仕事を紹介できたときのことは、今でも覚えています。
配属されて3日目に、短期のオフィスワークの紹介ができました。手ごたえはありましたが、今思えば、相手に寄り添った会話や提案が得意だとは言えませんでした」
当時の上司からは、「仕事の紹介の仕方が塾講師みたい」だと注意を受けました。
池田 「条件や情報をそのまま伝えているだけで、相手の状況を考えて、それに寄り添った会話ができていないという指摘でしたね。必要な情報の共有はできていたので、とくに問題だとは感じていませんでしたが、上司からの指摘でハッとした瞬間でした」
指摘を受けながら、日々コーディネーター業務を行っていた池田は、次第に自身のステップアップについて考えるようになった。自身のステップアップのために、BtoBの営業の経験を積みたいと考えて、人事本部長の米川 幸次にすぐに相談しにいった。
ジョブローテーションの時期でもあったことから、池田はグループ内で障がい者雇用支援事業を行うエスプールプラス(以下、SPP)に営業職として異動となる。
池田 「営業職は、自分が良いと思うモノをうまく説明をして相手に同じ気持ちになってもらうことや、経営理念に共感してもらえるように話し方を工夫する必要があります。そこにおもしろさとやりがいを感じました。もちろん大変なことは日々ありますが、話に共感してもらって、案件を受注できたときは達成感があります」
案件獲得のため、営業として担当していた池田に教訓となる出来事が起こった。受注まではスムーズに進んだ大型案件でミスが多発し、クライアントを激怒させてしまったのだ。
池田 「先方の希望する人員を揃えられず期待に応えられなかったり、何度も不備の書類を送ってしまったり、といったミスでした。仕事に対する取り組み方に問題があったんだと思います。
社内では各業務を切り分けて分業制を取っていたので、人員を確保する担当、書類を作成する担当は自分ではありませんでした。でも先方からすると、弊社が業務を分業していることは何の関係もなく、ミスを起こしていい理由にはなりません。窓口となっている営業の自分がお客様にとってはすべてで、会社を背負って前に立っているということに気づかされました。自分の仕事に責任を持つという意味を改めて考えました」
この苦い経験は、池田の営業としてのターニングポイントだったと振り返る。
その後SPP内でマーケティングの部署が新設されるのをきっかけに部署異動となった。
池田 「新設部署の立ち上げは、何もないところからルールを組み立てる作業に魅力がありました。試行錯誤しながら仕組みを変更し、より良く変化させていくのは非常におもしろかったです」
マーケティング部署への配属となって約半年後、ジョブローテーションのタイミングで改めて自分は何をやりたいのかを考えた池田は、“営業として事業部長になりたい”という結論に至る。
池田は気持ちを伝えるためにすぐに浦上に直接連絡を入れた。浦上は快く面談の時間を作り、そこで「えらくなるチャンスをください!!」と事業部へのジョブローテーションの希望を直談判をした。
話を聞いた浦上はその足で新規事業開発部へ池田を連れていき、その日のうちに新規事業開発部への異動が決まった。
その新規事業開発部で、2022年10月現在所属するSHSに転籍するきっかけとなった「オンライン接客」の事業と出会う。
新規事業開発に配属になった時期は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による感染者が増加の一途をたどっていた最中で、今までとは社会のあり方が変わった時期だった。そんな社会にこれから必要となる事業は何かを考え、可能性を感じたのが「オンライン接客」だったと言う。
池田は、リアルでもバーチャルでも接客できるという部分に未来を感じ事業計画書を作った。ある程度事業として形が見えてきたとき、この事業を一番大きくできるチャンスがあるのはどのグループ会社かについて上司と話し合いを重ねた。そこで名前が上がったのが、接客関係の人材派遣をメインに行っているSHSのデジタルサポート事業部だった。
自身で考えた事業を最大限飛躍させることのできる場所でチャレンジしてみたいと思った池田は、SHSのデジタルサポート事業部に転籍することを決意する。
これまでの経験を活かして生み出された営業スタイル
SHSに転籍をした池田はデジタルサポート事業部で「オンライン接客」事業を一からスタートさせた。その営業スタイルには今までのすべての経験が活かされている。数々の職種を経験してきたからこそ、これまでの経験に新しく会得した経験を合わせてブラッシュアップしてきた。
今、営業を行う上で大切にしていることが2つある。
1つは、コーディネーターが登録スタッフに仕事を案内することを念頭に置いた営業をすること。池田自身が歩んだコーディネーターの経験から、営業次第で仕事紹介の難易度が変わることを誰よりも知っているからこそ、コーディネーターが少しでも適格な仕事を案内できるように、就業条件をまとめておく、など細かいことまで忘れない。
もう1つはSPPの営業時代に学んだ、「営業は会社を背負った窓口」という意識を常に持つことである。クライアントの希望に応えるためにも綿密な打合せと条件の調整から対応まですべての業務に責任を持つと決めている。
池田 「仕事紹介の顔合わせの席に同行した派遣スタッフが『池田さんに顔合わせに同行してもらえて良かった。そのおかげで仕事が決まった』と言っていたと、現場の別の社員から連絡をもらったことがありました。
コーディネーター・法人営業・新設部署の立ち上げ・新規事業営業などを経て、一人ひとりに向き合うことの大切さを知り、『あなたのためを思って言っている』と言えるようになりました。
さまざまな経験を積んで、ある程度余裕もでてきたことで雰囲気作りのための少し砕けた会話もできるようになりました。今までの経験のすべてがあって、今の自分があると思います」
これから歩む道のり──自分の手で事業部を立ち上げたい
池田に今後の目標を聞いた。
池田 「オンライン接客は、デジタルサポート事業部で形にすることができました。しかし『オンライン接客』事業の拡大以外の仕事も忙しく、それだけに集中できる時間は少ない状況です。
うまく時間をやり繰りして『オンライン接客』に時間も労力もかけられるようにして、もっと規模を大きくし、いつか『オンライン接客』をメインとした、新しい事業部の立ち上げをしたいです。そして、SHSで事業部長として活躍したいですね。
せっかく新規で事業を立ち上げる機会をもらったのに、日々の業務に追われて拡大できないのは本当にもったいないと思うんです。この目標を常に意識しながら、日々まい進していきたいと思っています!」
かつて、学生時代はやりたいことを見つけられなかった池田だが、これまでエスプールでさまざまな経験をしてきたからこそ選択肢を広げ、進むべき道を見つけた。
道を見つけた池田の目指す未来に、これからも注目していきたい。