葛藤のあった就職活動
就職活動では明確に志望している企業がなかったという長谷川。
学生時代には学生団体の掛け持ちをするなど社会問題について考える機会が多かったため、漠然とソーシャルビジネスを志すようなった。“新しい社会の変化の兆しに携わりたい”そう考えたのは必然かもしれない。
「自分のやりたいことと会社の事業がマッチしていると感じて応募しても、面接では企業の人事の方にうまくその思いを伝えることができなかったこともありました」
志望を固めた企業でもスムーズに選考が進まないこともあったという長谷川は、多くの人が仕事を選ぶことができる良い未来の社会へのステップを担うような、SPPの障がい者雇用支援事業と若手から活躍ができる環境に魅力を感じ、縁があって新卒で入社を果たす。
「1社契約が決まれば3人の障がいのある方が一般就労でき、ひいては3人のご両親の6人は嬉しいと思っていただけます。SPPの事業拡大は、企業さまの課題解決でもあり、就職する障がいのある方も嬉しい、三方よしのビジネスのため、着実に社会が良くなるステップに関われることが魅力と感じました。
また成長している会社に入りたかったんです。その方が若いうちから仕事をたくさん任せていただけるからです。新卒から活躍したいという願望は結果的に叶えられましたね」
こだわったことで伸び悩んだテレアポ時代
2021年に新卒として入社した長谷川は、学生時代に培ったアンテナの高さとレスポンスの速さが武器となり、研修時代から営業成績は上位。他の同期とも差をつけていた。仮配属後も引き続き営業としてテレアポ業務に携わった。
「私がアポを獲得した企業の入社式にお呼びいただいた際に“長谷川さんがテレアポしてくれたんだよね。電話覚えてるよ。メールも早く返してくれてありがとう”なんてドラマみたいなお言葉をいただけたときは嬉しかったです。
ただ、勢いが落ちてきた時期に同期がどんどんアポイントを獲得していて、内心とても焦りました。裁量がわかってきたつもりになり、こだわりすぎていたのだと思います。企業様に私のご提案で良いと思ってもらえるよう試行錯誤しました。
SPPの先輩は信頼してくれているからこそ諦めさせないでくれましたし、私も実際諦めずにいられました」
模索しながらも仕事に励む長谷川に転機が訪れる。それは入社2年目の夏に訪れた事業本部への異動だった。事業本部は主に役員補佐や広報を担うポジションであり、人員が多くないためさまざまな業務を1人で担うことばかりだった。長谷川自身も広報には元々興味があったと言う。
「学生時代に学生団体でイベントを運営していた時、周りの友人から“意識高い系”と自分とは関係ないと思われてしまうことも多かったので、興味のない人にどうやったら自分事に感じてもらえるか、ずっと考えていました 」
つらくも完走した、農園開園式から見た景色
事業本部に異動して間もなく、新しく開園が決まったソーシャルファーム わーくはぴねす農園 さいたま大宮の開園式に携わることに。開園式は地元の国会議員も参加する規模だ。
「開園式の日は真夏でとても暑く、まだ屋外農園で職員も働き始めたばかりで暑さにも慣れていません。そんな中現場が大切にしている“皆さんが安心・安全に働ける”という目標をここで崩さないためには熱中症などで倒れる人を出すことは絶対にあってはなりません。でも参加いただく皆様の日程を考慮しての開催だったんです」
絶対に熱中症など体調不良者を出すわけにはいかないというプレッシャーと不安を胸に式の業務を遂行している中、長谷川の真摯な仕事ぶりからほかの農園も応援に駆けつけた。会場に扇風機を貸しに来てくれたのだ。周りからの支援もあり、長谷川は無事開園式を終えた。
「結果的には無事に終えることができましたが、学ぶことや反省することも多く……先輩から“自分の業務の依頼方法をシンプルに”という言葉をもらいました。
それが自分の業務を見つめ直すきっかけになりましたね。事業本部は良くも悪くも1人で多くを任せてもらえる反面、責任も業務も大きい。だからこそ協力していただく項目を絞らないと相手も大変になってしまいます。普段からの関係構築や、業務の進め方がいかに大切か学びました」
今後への想い
テレアポでの営業から事業本部での広報・イベント業務など弱冠3年目とは思えぬスピードで多くを経験する長谷川。彼女の今後の展望とはどんなものなのか。
「SPPという会社をどう見せていくかと同じくらい、お客様を守っていくのかがカギになります。SPPのブランド力の向上は、農園で働く障がいのある方々の仕事への誇りにもつながると思っています。
そのための土台を支えることが使命なんです。事業本部は広報、イベント系の仕事もしつつ土台の縁の下の力持ち役も担っており、それは決して楽しいことだけでなく何年後かに戻ってくるための種まきというイメージです。将来のための種まきでありながらも、今の縁の下の力持ちになれるように、事業本部の仲間と達成していきたいです」
壁にぶつかりながらも前を向き続けてきた長谷川。彼女の汗の結晶が、撒いた種たちの将来的な息吹の源となるだろう。
※ 記載内容は2024年5月時点のものです

