ジョブローテーションがきっかけに。社内DXチーム発足の軌跡
エスプールグループ内で職種を限定せず、さまざまな部署をローテーションしながらジェネラリストを目指すグループコースの社員として、2017年4月にエスプールへ新卒入社した髙野。
初めての配属先は株式会社エスプールヒューマンソリューションズ(以下、SHS)のオフィスサポート(以下、OS)事業部の九州支店だった。SHSはエスプールグループの主力である人材派遣業を行う企業であり、その中でも髙野は求職者に仕事を案内するコーディネーター職として配属。成果を挙げた髙野は、コーディネーター業務以外にも、営業としての仕事も任されるようになっていった。
髙野 「九州支店では約1年半、コーディネーター業務兼営業に携わりました。初めての社会人としての仕事は、学ぶことが多く充実していました。事業部として目標数字を追うという働き方を、社会に出た最初に経験できたことが良かったと思います。
ただ数字を稼ぐだけの働き方ではいけないと知ったし、人に寄り添って行った仕事は長期の就業につながるなど結果的には売上になっていくと実感することができました。派遣スタッフから紹介した仕事について感謝されたときには、仕事に対するやりがいとおもしろさを感じました」
初めての営業業務はわからないことが多い中、手探りで進めながら、上手くいかないときは当時上司だった茅野(現SHS社長:茅野 大樹)に同行を依頼し、フォローしてもらった。実際にクライアントへの提案の仕方や話の進め方などを、現場で直接見せてもらえたことが学びになったと言う。
髙野 「私がOS九州支店に配属されていたときは、支店拡大の最中でした。上り調子のチームで働くこと、自分が少しでもその売上に貢献できていることを感じられるのが楽しくて、通常6カ月でジョブローテーションをするところを、1年延ばして在籍させてもらいました」
約1年半にわたりOS九州支店で過ごした後、ほかのキャリアも積みたいと考えるようになった髙野は、その想いをジョブローテーションの面談で率直に伝えた。
その結果、髙野が次にチャレンジするのは医療介護の分野の人材派遣を行う部署(メディカルケア営業部。以下、MC)に決まった。人材派遣以外のことを学びたいと思ってはいたものの、医療介護は未経験の分野でもあり、今までの自分のキャリアを活かすことができるのならと思って、チャレンジしたと語る。
当時のMCは、業務フローもそれぞれの職種の役割分担も曖昧な状況だったことから、まずは役割分担を整えて行くことから始まった。
誰がどの部分の仕事を担当するのか、また他部署への連携など、組織を整えていくのはOS九州支店での経験が大いに役に立った。
髙野 「業務フローを考えていくうちに、自分にもっとシステムに関する知見があれば、より使いやすいシステムを取り入れて、みんなにわかりやすい手間の少ない仕事ができるのにと思いました。また、そこに何も提案できない自分の知識のなさに危機感を覚えました。そのためMCでの経験が1年経過したころ、今後学んでいきたい分野について人事部と面談を行いました。
面談では自分が感じていることを伝え、今はシステムを作るようなITに関連した経験を積みたいと率直な気持ちを人事本部長の米川 幸次に伝えました。もしエスプールで学ぶことができないなら、転職も考えるほどの熱量でした」
後日、アルゴサイエンス事業部の青柳 賢太朗と面談の機会を設けてもらい、髙野がMCで感じた葛藤や、より使いやすい業務フローの構築を提案できるような知識をつけたいことを伝えた。
その結果、当時はまだなかったDXチームが発足、業務をスタートさせた。
髙野 「青柳からは業務に携わっていた経験と、そこにITの知識があれば社内DXとして業務改善に貢献しやすくなると言ってもらえました。それはまさに自分がやりたいと思ったことでした」
社内DXチームの役割──IT技術を駆使して業務効率アップをサポート
エスプールグループ内のさまざまな部門の業務改善に向けた取り組みを行う社内DXチーム。
事業部から「こんなシステムがあったら助かる」、「こんな機能のあるシステムにしてほしい」など要望を受け、それに対応できるようなシステムの提案を行っていく。髙野は事業部の担当者とエンジニアの間に入り、より使いやすいシステムになるように調整を行う。
髙野 「最初は自分の立ち回り方がわからず失敗することもありました。エンジニアの方はタレント揃いです。だからこういうシステムがあったらいいなという希望も、言えば作り上げることができます。ただ希望をそのまま反映すると、使い方が煩雑化して誰もが使いやすいシステムにはなりません。
最初はそれがわからず、事業部からの希望を聞き、そのままを技術者に伝えていました。希望通りにでき上がったシステムは複雑で使いにくく、結局使われないままになっていることがありました。そのときに自分がすべきことは、不必要な業務を省略化し、全体を見ながらシステムの提案をしていくことだと気づきました」
今ではこの失敗を心に留めながら、担当するプロジェクトに取り組んでいると言う。進行中の業務をすべて列挙してもらい、部分最適ではなく全体最適となるような仕組みづくりを意識している。工程を整理することで、作業をよりシンプルに整え、どういうシステムだと使いやすいと感じてもらえるのかを1番に考えている。
髙野 「システムをリリースできたときは、やはり嬉しいです。そのシステムを使ってのフィードバックをもらえることにやりがいを感じます。『作業が楽になった』『時短になった』とか役に立ったと感じられる感想だとより嬉しいです」
会社の中枢となるシステム構築のやりがい
株式会社エスプールグローカル(以下、SGC)は、自治体や企業と連携をして地方に雇用を生み出すという試みを行っている企業だ。
そこでサービスの一つとして展開しているものにスマート窓口というものがある。オンラインの通信システムを使い、画面に触れるだけでオペレーターにつながり、オペレーターが主導・案内していくことができるというシステムだ。このシステムの運用に携わっているのが髙野である。
髙野 「会社の中心のサービスとなる案件に関わることができたのは、本当にやりがいがありました。SGCは徐々に事業も大きくなっていて、その一端に協力できているかなと思うと嬉しく感じます」
もう一つの印象的な仕事に、SHSの派遣スタッフの勤怠を管理するシステムのデジタル化がある。
もともとは、勤怠管理を紙データからPCへ手入力作業を行っていた。別部署でデジタル化を進めていたが、手入力作業はなくなったもののデータの取り込みは手作業で行っている状況だった。それを情報システム部では、顧客管理システムに送られてきたデータをそのまま自動で取り込めるようにブラッシュアップさせたのである。
実際にSHSで勤務経験のある髙野だからこそその工程がデジタル化されることで得られるメリットが実感できた。
情報システム部に異動する際に、青柳に言われた「業務に携わっていた経験」とITの知識が合わされば、より社内DXを進めることができるということが実現された案件だった。
見つめる先にある未来──目指すチーム像とリーダー像
髙野 「情報システム部では、IT分野の業務が未経験でも興味と熱意があれば活躍することができます。誰でも学べる環境が整っているので、業務をしながらスキルを積んでいくことが可能です」
さらにDXについてこう語る。
髙野 「DXには決まった内容の仕事はありません。そこがおもしろい部分でもあります。社内の最適化や効率化を進めるDXの業務は、今後社会からも必要とされると考えている分野だと思っています。社会的にも注目されている分野の経験を積めるところに魅力を感じています」
今後の目標について話を聞くと、まずは今抱えている案件を滞りなく進めていくことを挙げた後、ほかにもあると言う髙野。
髙野 「新しく知識を身につけることは、この先も続けていきたいです。それからコミュニケーション力を伸ばしていきたい。相手の立場や何を伝えたいかを汲み取りつつ、より使う人に寄り添った良いシステムの提案につなげていけたら良いなと思っています。
後は、プロジェクトマネージャーとしてプロジェクトに携わるメンバーが気持ちを吐き出しやすい環境作りもしていきたいです。目指すは背中を見せて示していくマネジメントではなく、しっかり話し合いながら気持ちを鼓舞していける人になっていきたいです。そんな風になれるようにマネジメントについていろいろと勉強中です」
影ながら社員の働きやすい環境を整える社内DXで活躍する髙野。彼の活躍で多くの社員が働きやすい環境で仕事に打ち込めている。今後の活躍にも注目していきたい。
※本記事は取材当時(2022.12)のものです。

