プロダクトマネージャー集団を統括し、事業部と開発をつなぎ「手の内化」を推進する
──現在所属している部署の概要と役割を教えてください。
デジタルイノベーションオフィス内の、ソフトウェアディベロップメントオフィスで部付部長を務めています。主にキャリア採用で入社したプロダクトマネージャーたちをマネジメントする立場です。メンバーは大手IT企業や官公庁、スタートアップなど多様なルーツを持ち、出身業界や前職に関わらずそれぞれが独自の強みを活かして活躍しています。
掲げるミッションは、プロダクト開発を自ら主導する「手の内化(自社制御化)」の推進です。事業部の熱意と現場のプロセスを有機的につなぎ、プロダクトチームが顧客価値とビジネス成果を自律的に生み出せるような企画工程を主導しています。
──具体的にはどのように開発を進めているのでしょうか?
不確実性の高い現代では、早い段階で仮説検証プロセスを回すことが重要です。1〜2週間単位の短いスパンで小さく開発しお客さまの反応を検証するアジャイルスクラム開発を推進しています。
これはメガベンチャーや海外スタートアップでも主流の手法です。現場ではAIコーディングツールなどを積極的に組み込んでいて、モックアップなら3〜4日で完了するほど、手を動かすスピードは格段に速くなっています。
金融機関として守るべきデータ領域などは堅守しつつ、それ以外の部分は柔軟に改善を繰り返しています。一方で、大企業ならではの多大なステークホルダー調整や、事業意図を高次元で捉える戦略性も求められます。
品質を担保しながら最適解を見出す両立の難しさこそが、今の環境のおもしろさだと感じています。
──仕事を進める上で、大切にしている価値観を教えてください。
「ストーリーテリング」を何よりも重視しています。単純に指示通りプロダクトを作る時代は終わり、現在はさまざまな事業意図や制約が存在します。
その中で、「これを実現できたらおもしろそうだよね」という1つの物語として組み立てていくことが非常に重要です。そもそもストーリー自体がおもしろくなければ、結果的にお客さまにとっても魅力的な体験にはなりません。
複雑な要件を1つの戦略ストーリーとして織り込み、周囲を巻き込んでいく臨場感のあるプロセスを大切にしています。
伝統的大企業が本気で変わる瞬間へ。メガベンチャーから三井住友カードに挑んだ理由
──これまでの経歴と、三井住友カードにジョインした経緯を聞かせてください。
前職までの経験の中で、プロダクト開発だけではなくDX推進や経営戦略室など、「お客さまの価値になることは何か」を考え抜いてきました。転機は、以前一緒に働いた経験のあるM.MAEKAWAからの誘いでした。
最初は「伝統ある大企業を変革するのは簡単なことではないだろう」と思っていましたが、社長をはじめデジタル領域へ本気で取り組む姿勢や組織立ち上げのスピード感に触れ、印象が一変しました。
「日本の伝統的な大企業が本気になったらどれほどスケールの大きいことができるのだろうか?」そして「その中で私は、スタートアップで培った経験をどう活かせるだろうか?」という強い期待が芽生えました。
大企業の変革は社会全体にも大きな変化を起こします。三井住友カードだけでなく日本全体として見ても、開発体制や生産性の改革ができたら非常におもしろそうだと感じて入社を決めたのです。
──入社後の役割の変遷と、現在の組織体制に至った背景を教えてください。
最初は、社内のデザインを統括するCEOデザインオフィスという部署で事業部とデザイナーを結びつける役割を担当していました。
その後、事業への関与を続けながら開発との結びつきを一本化させたほうがいいという仮説のもと、現在のデジタルイノベーションオフィスへ異動しました。
CEOデザインオフィスを統括するM.MAEKAWAや、デジタルイノベーションオフィスを統括するY.NAKAGAWAと話し合い、プロダクトマネジメントを含めて開発と事業を一体として進められるプロセスを設計し、現在の体制を確立させました。
──入社後に感じたギャップや、そこから生まれた変化や手応えはありましたか?
以前の環境でのスピード感に慣れていたため、大企業ならではの重厚なタイムスケールや詳細な手続きには当初新鮮な驚きがありました。
一方で社内には、既存の制度や仕組みの間で葛藤しながらも、本気で事業を伸ばそうと取り組む熱い仲間がたくさんいたのです。また、プロダクトマネジメントの価値や定義が社内でも定まっていない部分があり、そこに取り組むことが組織にどのようなプラスの面をもたらすのか、言葉や形で説明する難しさをあらためて感じました。
ですが結果的に、そうした本質を見つめる役割に向き合う中で、私自身のプロダクトマネジメント観もよりソリッドに研ぎ澄まされていったのです。
そして、実際に開発プロセスを改善した結果、従来1年かかっていた開発を3カ月ほどで実装完了できた事例も出てきています。
「スピード感が全然違う」と社内からも驚きと評価の声をもらい、着実な変革の手応えを感じています。
広大なフロンティアと1兆円規模の投資基盤。大企業ならではの挑戦ができる魅力
──入社後に印象に残っている出来事を教えてください。
特定の出来事というより、事業部の皆さんと対話を重ねて理解を深め合っているプロセスそのものですね。
対話を進める中で「実はそういう開発スタイルをやってみたかったんです」という想いを持つ仲間が社内に大勢いると分かりました。
変革への熱意を持ちながらも進め方に悩んでいた現場の想いを丁寧にすくい上げ、志を同じくする仲間を増やしながら一歩ずつ組織を変革していく過程は、純粋に楽しく、心強いですね。
──シニアプロダクトマネージャーにとって、三井住友カードで挑戦するおもしろさや醍醐味はどこにあると思いますか?
当社は巨大な事業基盤を持ちながらも、プロダクトマネジメントの観点では未開拓領域が広がっています。
ビジネス、顧客体験、テクノロジーを高次元で融合させ、大きなプロジェクトに挑戦したいシニア層にとって非常にやりがいのある舞台です。最新AIを活用した柔軟な開発にも挑戦できるなど、良い意味での意外性にも満ちています。
一方で、多様な考えを持つステークホルダーと丁寧に対話し調整を重ねていくコミュニケーション力が求められます。お客さまにとって価値あるプロダクトのストーリーを描くのは決して簡単ではありません。時にはうまくいかない場面も含めて、チャレンジを楽しめる方にはぜひ来ていただきたいですね。
さらにSMBCグループ全体で過去最大となる「3カ年1兆円規模のIT投資」を掲げており、インフラ刷新やAI活用など、挑戦を後押しする圧倒的な推進体制が存在する点も大きな強みです。とくにグループの最重要ミッションである「Olive」や「Trunk」をはじめとする基幹プロダクトの成長に関われるのは、この環境ならではの醍醐味です。
──さまざまな企業を経験してきたYODAさんから見て感じる、当社の魅力を教えてください。
国内トップクラスの資金力と事業基盤があるため、安心してチャレンジに没頭できる土台があります。SMBCグループとしての社会的信用やブランド力も高く、多くの方と接したり、街中でロゴを見たりするたびに影響力の大きさを実感します。この力をうまく活かし、自身の活躍の場を広げていける環境は大きな魅力ですね。
また、開発・ビジネス部門を問わずリモートワークやフレックスタイム、ドレスコードフリーが浸透しています。プライベートを大切にしながら、自らキャリアを描いて挑戦し続けられる環境が整っています。
金融をより安心で心地よい体験へ。複雑で高難度な挑戦を楽しめる仲間を求めて
──今後の展望として、どのような挑戦を考えていますか?
まず足元1〜2年は、スピーディーな開発体制を軸にお客さまへの価値提供と成果づくりに注力します。 その先はデータ基盤の整備や顧客行動の分析によるプロダクト改善や、AIを活用した先進事例の創出に挑戦したいですね。
さらに当社が誇る金融データアセットや「Olive」などのサービスを活かし、安心・安全を前提とした新しい金融生活様式を提案していきたいと考えています。
──YODAさんが将来的に実現したい金融体験や世界観を聞かせてください。
金融の世界は難解だからこそ、選択に悩んで足が止まってしまうお客さまが多くいらっしゃいます。そうした領域をより身近にし、お金を自由に扱えるようサポートしたいのです。
前職では「簡単さ」をとても大切にしていましたが、それはどの領域でも通用すると思っています。複雑なものがワンタッチで実現できたり、少し入力すれば思い描く結果がすぐ手に入ったりするような、安心感や明瞭さ、実行感こそが重要です。
そうしたエッセンスを三井住友カードにも取り入れ、SMBCグループとして安心で心地よい金融体験を当たり前に提供できる未来を創っていきます。
──最後に、三井住友カードに興味を持っている方々へメッセージをお願いします。
モノづくりのハードルが下がっている現代において、単にスピード感を持ってプロダクトを作るだけであれば、若手でも十分に対応できるかもしれません。
しかし、社会の要となる巨大なサービスの伝統的文脈や複雑さを理解した上で、いかに変革を起こすかという挑戦は非常に高難度です。 だからこそ、これまでに多様な経験を積んでこられた皆さんに活躍の場があります。この大きな挑戦を心から楽しめる方をお待ちしています。
※ 記載内容は2026年8月時点のものです
