次世代のファンを育てる──名探偵コナン事業部がめざす新たな可能性
2021年にライセンス事業部から独立した「名探偵コナン事業部」。キャラクターの版権管理業務を行うこの部署では、商品化や販促案件などの窓口を担い、より多くのファンに作品の魅力を届けるための業務を行っています。
「私は企画推進課に所属し、商品化や販促案件を担当しています。ファンの方に楽しんでいただけるフィギュア、マスコット、くじなどの商品開発や、コンビニエンスストアや製菓メーカーとのコラボーレーションキャンペーンを行ってきました。また、『遊び』×『学び』をテーマにしたイベント、『名探偵コナンランド』にも2022年の立ち上げより携わってきました。
こうした仕事をする上では、ファンの方々に楽しんでいただくことはもちろん、まだ作品を知らない方にも、どのような切り口で紹介すれば興味を持ってもらえるかを考えるようにしています」
キャラクター事業だけではなく、教育事業の側面を持っているShoProでは、その特性も活かして、次世代のコナンファンに向けた取り組みにも力を注いでいます。
「企画推進課では、次世代のファン育成もテーマとし、お子さまやファミリー層にもお楽しみいただけるような展開を日々模索しています。
小学生向けの通信教育サービス『名探偵コナンゼミ』をはじめ、『名探偵コナン』が学びをサポートするような新たなチャレンジも続々と始まっています。
私自身、幼少期から名探偵コナンに触れる中で、得た知識や初めて知った言葉なども多く、楽しく作品に触れる中で子どもたちの学びが広がることにやりがいを感じています」
キャラクターを通じた学びについて、佐藤は熱い意欲を語ります。
「ShoProのような企業が学びに携わる上で大切にしたいと思っているのは、勉強と遊びの垣根をなくしていくこと。学校での勉強時間とは別に、日常生活の中で子どもたちが好きなキャラクターに触れる時間や、イベントに参加する時間の中で自然に学べる環境を作りたいです。
たとえば、お菓子を食べたり、おもちゃで遊んだりする中で、気づかないうちに何かを学べるような仕掛けを提供してみたい。遊びと学びの垣根をなくし、エンターテイメントの中で自然に学べる環境を提供することで、子どもたちの成長に寄与できればと思っています」
遊びと学びの垣根をなくす。ShoProで実践する「エデュテインメント」
秋田県出身の佐藤。両親が教員だったこともあり、現在の仕事にもつながる「教育」というワードが身近にあったと言います。
「大学では社会教育を専攻し、教育の意義について考える上で勉強しようという意識がなくても自然に学びを生み出すような方法があることを知り、おもしろさを感じました。そこで、学校教育とは異なる形の教育に惹かれ、とくにメディア教育やゲーミフィケーションなど楽しみながら学ぶ方法に興味を持ちました。
また、大学時代に自然体験指導員の活動も行いました。夏はキャンプ、冬はスキーとさまざまな自然環境の中で子どもたちと遊び、遊びの中で学ぶプログラムを自ら考案し実施する経験を積みました」
活動を通して、子どもたちが勉強している感覚なく知識を得ていく様子を観察してきた佐藤は、学校外での教育支援といった能動的に知識を獲得し定着させていく過程をサポートすることの重要性を認識しました。そんな中、就職活動を通してShoProと出会い、経営理念として掲げる「エデュテインメント」という言葉に関心を持ちます。
「エデュケーション(教育=学び)とエンタテインメント(娯楽=遊び)を合わせた造語に興味を持ちました。エデュテインメントの本質は、遊びと学びの垣根をなくすことだと考えています。
『これは遊び』『これは勉強』と明確に区別できないような、両方の要素を自然に含んだ体験の提供をエデュテインメントに見出しました。そして、楽しみながら自然に学びを得られる環境作りに大きく貢献できるのではと考え入社を決意したんです」
こうしてShoProへ入社した佐藤。ドラえもん事業部でキャラクターライセンスの基礎を学んだ後、通信教育に携わっていきます。
「異動したのは通信教育事業部の中で教材制作を担う新設部署で、学習指導要領改訂に向けて教材を作り直す時期でした。最初の1年間は学習指導要領の読み込みや教育関連の研究授業への参加など、振り返ると教材や授業の制作の基礎を学んだ1年だったと思います。
この経験を通じて、子どもたちが知りたい・やってみたいとワクワクして目を輝かせる瞬間をたくさん目の当たりにすることで、そこに到達するまでのプロセスや工夫などのインプットを深めることができました。キャラクターを活用する際も、単に勉強のためではなく、楽しみながら学べる方法が子どもたちにとっても作品にとってもプラスになると考えるようになりました」
自然に学べる仕掛けで、親子が楽しむ空間に──名探偵コナンランドで見えたもの
キャラクターライセンスについて学び、教材制作を経験した後、教育コンテンツの開発を担当するようになった佐藤。コナンに携わるようになったのは、通信教育サービスがデジタル化にシフトし始めたころでした。
「コロナ禍をきっかけに、デジタルの教育コンテンツが求められるようになっていました。そこで私は、名探偵コナンを使った謎解きゲームの開発を担当することになったんです。『名探偵コナン』の世界観で、楽しみながら学べるようなサイト設計をし、探偵事務所で謎解きをしたり、阿笠博士の研究所でごほうびをゲットしたりといったゲーム要素を入れ、遊びと学習を融合させたコンテンツを作り上げました。
その取り組みは、思い描いていた教育支援の形──『エデュテインメント』を実感できるものでした」
同時期に、名探偵コナン事業部が設立。佐藤はもともと所属していた教育コンテンツ開発室と兼務しながら、2年間でさまざまな企画を実現させ、2024年の4月から名探偵コナン事業部専属となりました。
「とくに印象に残っているのは、名探偵コナンランドで行ったトリックラリーです。『名探偵コナン』に登場するトリックを実際に体験しながら会場内のブースを回るもので、トリックの実演と解説を組み合わせた内容になっています。
具体的には、つまみ食いがばれにくいようにピザを食べる方法や、水の反射を利用して物体が消えたように見せる方法、身近にあるものでブラックライトや鏡を作り出す方法など科学的な原理・現象を応用したトリックを紹介しながら実際に体験し、解説も楽しめるようにしました。
トリックラリーはとても好評で、子どもたちが遊びながら自然に学べる機会を提供することができ、また、子ども時代にコナンを通じて学んだ経験がある保護者の方々からも、その体験を子どもと共有できた喜びのお声をいただくことができました。同時に、作品のおもしろさを体験してもらうことができたと思います」
直近の取り組みにおいても、トリックラリー同様の想いを込めた仕掛けをしています。
「たとえば、全国のコンビニエンスストアなどで展開したくじ商品では、科学的な原理や現象を体験することができるキャラクターグッズも開発しました。具体的には、見方によって色が変わったり消えたりなど、さまざまな不思議が体験できる商品を作り、体験した時に生まれる『なぜ?』に答える解説冊子も制作しました。
このように、商品自体に科学的な要素を取り入れ、それを楽しみながら学べるような仕組みを作っています。これらの取り組みは、キャラクターライセンスの中に教育コンテンツを組み込むという新しい試みとなっています」
コナンから広がる可能性。エデュテインメントの未来を描く
「教育×エンタメ」を実現できる業務にやりがいを感じている佐藤。同時に、ShoProの環境の魅力についても話します。
「仕事の中で幅広い経験を積むことができますし、業務外でのクラブ活動にも魅力があるんです。私がよく参加している『テーブルゲームクラブ』では、当社社員だけでなく出版社やメーカーなど他社の方々も交えて幅広くコミュニケーションを図っています。
私自身、ボードゲームや謎解きゲームに触れる中で遊びながら学ぶさまざまな方法をインプットする貴重な機会として、日々の業務のアイデアにも活かしています。社内外のネットワークを広げる場としても機能していて、クラブ活動を通じて業務外でも成長と学びの機会が得られる環境となっています」
今後は、教育×エンタメの取り組みをより大規模に展開し、社内のコミュニケーションをさらに活性化させ、取り組める範囲を広げていくことが目標です。
「コナンで実践しているような取り組みを他の作品にも広げていきたいと考えています。エデュテインメント事業をさらに強化することで、教育事業とメディア事業の融合や連携を深めていくことが当面の目標で、これにより当社の独自性と強みをより一層発揮できるようになると考えています」
一緒に働くメンバーとしては、何事も楽しむことができる人物を期待しています。
「『いま何が足りないのかな?』『もっと楽しいことがないかな?』というように、現状に満足するのではなく、新しいアイデアを考える姿勢は大切だと考えています。
そんな風に人を楽しませるのが好きな人や考えることを楽しめる人たちと、どんなに小さなことでもよいので、気づいたことや考えたことを話し合いながら仕事ができたら嬉しいですし、当社にはそういった想いやアイデアを形にできる環境があると思います」
※ 記載内容は2024年6月時点のものです
