現在、清水建設では24ヵ国、約170名の外国籍社員が働いています。
新卒の総合職(現在のグローバル職)を採用し始めたのは2010年ですが、初めから順風満帆とはいきませんでした。
働く外国籍の社員たちは何とか日本人の慣習に合わせようと頑張らざるを得ませんでしたし、上司たちからは「言っても伝わらないのは日本語能力が低いからではないか」といった意見も散見されました。
また、外国籍社員同士も会社の業態的な特徴もあり、同じオフィスで顔を合わせるといった機会も少なく、情報交換や交流の場が少なかったことから、最初は「交流会」という形で集まってもらい、他部署や先輩・後輩と繋がりを持つことを主目的としていました。
けれども、それでは日本人の上司・先輩とのコミュニケーションが改善しないことも課題となった時期に、DE&I推進部のメンバーが他社の方と一緒に一泊二日で行われる勉強会に参加。ある閉鎖された空間で同じ時間を過ごし、課題についてみっちり話し合いをし、食事を共にして雑談を交わすことで、親密度が増したと言います。
また、課題について同じ方向を向くという経験によって、想像以上に効果を実感したとのことです。そこで、社内の外国籍社員と一緒に働く上司のペアで参加することを条件に、2017年に熱海にある宿泊型研修施設にて「オフサイトミーティング」を実施しました。
参加者からは「職場では見せない顔を見ることができた」「じっくりとコミュニケーションを取ることができた」「最初は抵抗があったが、参加して良かった」という感想が寄せられました。
その後、毎年実施してきましたが、2020年はコロナ禍のため、残念ながらオンライン実施となりました。それでも「対面でやりたい」との要望を受け、2021年、2022年は東京の自社研修施設で日帰りではありましたが、対面の研修を実施しました。
2023年からは熱海で一泊二日研修を再開。やはり、参加者の一体感や共感性の高まりはオンラインや日帰りとは比べ物にならないと感じました。
2024年度は2月20日、21日に開催し、17組34名が参加。初日は全員による自己紹介から始まり、個々人のモチベーション特性の把握、お互いに思う「いいね!と思うこと」「??と思うこと」「聞いてみたかったけど聞けなかったこと」などの意見交換がありました。
外国籍社員は「上司や先輩は優しいけど、ダメなところをハッキリ言ってくれないから、わかりづらい」と思っており、日本人の上司や先輩は「明るいし勉強家なところがすばらしいけど、ハッキリものを言い過ぎて誤解を招く」と思っていることが多いようです。
夜は懇親会にて、他部署の同期、先輩、後輩と遅くまで交流しました。
2日目は株式会社リンクアンドモチベーションの講師による「異文化コミュニケーション研修」を実施。日本とその他の国での教育の違い、仕事上の役割の捉え方や考え方の違いなどを学びました。
特に日本人は「阿吽(あうん)の呼吸でわかること」が良しとされ、説明をするときも「端折る(はしょる)」ことが多いのですが、曖昧な表現に慣れていない外国籍社員と働く場合は、それが誤解やミスに繋がることもある、といった気づきがありました。
いろいろな人がいろいろな考えを持っている、ということは、わかっているようで実は人それぞれが都合の良い解釈をしていることがあります。また、普段は直接本人に言いづらいこともあります。このような上司・部下以外の関係で意見を聞いたり言ったりできる機会は貴重だと感じた一泊二日でした。
※ 記載内容は2025年3月時点のものです
