めざすのは、社員一人ひとりがITを活用した業務効率化を意識する風土づくり
2019年入社のFと2022年入社のN。現在は共にデジタル活用促進グループ市民開発チームに所属しています。
N:市民開発チームの「市民」とは、これからITを活用できるよう取り組む人材のことを指しています。社員の誰もがITを活用して業務効率や生産性を高めていけるような風土を醸成することが、私たち市民開発チームの役割です。
F:以前は住友重機械ビジネスアソシエイツという、事務業務やネットインフラ管理を行う住友重機械工業のグループ会社がこの役割を果たしていました。社内のDXを促進するためには、現場の近くにいる自社の社員が担うべきだという考えのもと、2021年から現在の業務に従事しています。
住友重機械グループが情報共有基盤として導入している、「Microsoft 365」の利活用促進活動や情報漏洩対策の推進などに携わるF。加えて、Microsoft 365の新機能の調査も担当しています。
F:Microsoft 365には新機能が次々と実装されています。そのため、社員からは「画面に見慣れないものが表示されていますが、これは新機能ですか?それとも障害ですか?」といった質問が寄せられることが少なくありません。こうした問い合わせにスピーディーかつ適切に回答できるよう、情報収集をこまめに行っています。
一方、業務効率化に役立つ良い機能が実装された際は、FやNがすみやかに社内に向けて情報を発信してきました。とくにNは、Microsoft 365の活用促進に役立つ動画の配信やコミュニティ運営も担当しています。
N:以前は、公式マニュアルを共有して説明会を実施した後、活用に関しては個々人の采配に任せるというスタンスでした。しかし、活用を浸透・定着させるためには、現場の業務にどう役立てられるかまで、使い方を具体的に伝えることがポイントになってきます。動画の配信やコミュニティの形成を通じて、現場に寄り添ったフォローを心がけています。
前職は医療と教育の現場にそれぞれ従事。異業界から住友重機械工業へ
以前、医療機関でシステム開発に携わっていたF。いわゆる「ひとり情シス」として、院内のICT環境を一手に担っていました。
F:待合室のない病院で、検査・診察・会計まで患者さまに快適に過ごしていただけるよう、待ち状況をスマートフォンで確認できるシステムの開発や、検査室前に待ち順を表示する仕組みづくりを手がけました。
SE(システムエンジニア)がひとりだとどうしても「守り」の業務の比重が高くなりがちです。先進的にITを利活用する「攻め」の業務に携わりたくて転職を考えるようになったのです。
また、センシティブな個人情報を扱う医療機関での活用が難しかったクラウド環境にも携わってみたいという想いから、住友重機械工業に転職しました。
異業界からの転職でしたが、前職で培ったスキルが大いに役立っていると言います。
F:前職では、身近にいる医師や看護師と対話しながらICT環境を整備してきました。そこで養ったコミュニケーションスキルが、社員に働きかける場面の多い現在の業務でも生きていると感じています。
一方、中国の日本人学校で教員を務めていたN。コロナ禍にIT活用の可能性を肌で感じたことが、住友重機械工業への転職のきっかけとなりました。
N:街がロックダウンされ、子どもたちは9カ月にわたって登校できない状態でした。そこで、オンライン授業を実施しようと導入したのが、Microsoft 365のサービスのひとつ「Microsoft Teams」です。
コロナ禍で新しい価値観が求められる中、率先してIT環境を整備しました。周りの教員に活用方法を伝えながら学校全体でIT活用を推進したことで教員の業務効率が向上し、とても喜んでもらえたことが印象に残っています。
その翌年、文部科学省が取り組むGIGAスクール構想のもと、児童生徒が1人1台ずつタブレット端末を持つようになりました。自らアンケートフォームをつくったり、パワーポイントで資料を作成したりする児童生徒の姿も目の当たりにしました。そうした教員や児童生徒の様子を見るうちに、デジタル活用を促進することでフロントサイドにいる人を輝かせたいと考えるようになり、住友重機械工業に応募しました。
当時、住友重機械工業の選考過程で、Nのリクルーターを務めたのがFでした。そのFの言葉に導かれるように入社を決めたと振り返ります。
N:Fさんは率直に、「住友重機械工業にはまだまだデジタル化できていない領域も多くあります。ぜひ、一緒に解決してくれませんか」と声をかけてくれました。現状のマイナス面を素直に開示できる風土に魅力を感じましたし、解決すべき問題がたくさんあるなら、やりがいも大きいはずだと思ったのです。
DXは「人」あってのもの。社員とのコミュニケーションや寄り添った支援を重視
Fは入社後まもなくコロナ禍に見舞われたこともあり、これまでリモート環境の整備と情報漏洩対策の徹底に多くの時間を費やしてきました。
F:働き方が変化することに対して、最初は誰もが抵抗感を抱きます。そのため、こちらから一方的にお願いするだけでは不十分です。Win-Winでなければ受け入れてもらいづらいため、基準となるルールを決めて丁寧なコミュニケーションを重視しました。
具体的には、まず事業部や関係会社も含めて、各組織からリーダーを選出してもらいました。その上で、「業務プロセスを変えることで、こんなにも利点があります」と具体例を挙げながら説明していきました。
粘り強く対話を重ねた結果、社内に明らかな変化が見られるようになったと言います。
F:各自の希望や都合に合わせて、働き方を柔軟に変えられる環境が構築できたことで、コロナ禍以前は10割だった出社率が現在では50%以下に。より円滑なコミュニケーションのために直接対面で話したいときだけ各自が出社する流れになってきました。
社員のワークライフバランスや、従業員満足度の向上にも貢献できている実感があります。
変革の推進に向けて、コミュニケーションの中でFが意識したのが、事務的ではない傾聴姿勢で臨む「人と人とのつながり」でした。
F:自分の業務に直接関係ないことや業務外のことも含め、相手の話に耳を傾けることを心がけました。DXは人あってのものです。相手に誠実に向き合ううちに、徐々に相手が心を開いてくれ、仲間意識が生まれるのがわかりました。
一方、教員経験の強みを活かし動画制作などを通じて、わかりやすい利活用の方法を徹底して伝えてきたN。入社以来、コミュニティの運営にも力を入れてきました。
N:もともと社内にあったMicrosoft 365のヘルプデスクは、技術的な問題やトラブルを解消するための窓口でした。しかし、Microsoft 365の現場での活用方法を知りたいというニーズもあったことから、Teams上で誰でも参加できる場をつくり、活用方法やノウハウなど、部門を超えてシェアできるようにしています。
コミュニティに参加するメンバーは、部門もITリテラシーもさまざま。時にはニッチな問い合わせが寄せられることもあり、Nが自ら回答を呼びかけることもあるなど、コミュニティの活性化を担うファシリテーターのような役割も果たしています。
N:コミュニティの設立からまだ1年ほど。ノウハウが蓄積されていないため、現在は私たちがリードする場面もありますが、将来的には現場のメンバー同士が情報を共有し合い、現場主導で業務改善につなげる文化を醸成したいと考えています。そのために必要なのがITの基礎知識です。グループ全体のリテラシー向上に向けて、動画での情報発信にも力を入れています。
現場を巻き込みながら社員の意識を改革していく上で、Nはとくに、ITに興味を抱いた社員に対するフォローアップを重視してきました。
N:動画を観た方から、「自分たちの部署でもこうしたことをやりたいのですが、できるでしょうか?」という問い合わせが時々寄せられることがあります。そんな時は、可能な限り現場に寄り添った支援をするようにしています。
一つひとつ改善していくことは、遠回りに見えて実は近道です。フォローアップに満足してもらえれば、次はその方が別の方にITの活用方法を伝えるという具合に、草の根的に広がっていくと考えています。
ものづくりと相性の良いDX。「一流を、世界へ」に貢献したい
医療と教育という、異なる業界から転職してきたふたり。ものづくりを担うがゆえの特徴的な風土を住友重機械工業に感じていると言います。
F:当社は、ものづくりに対するこだわりや熱意がとても強いと感じます。IT活用が、業務効率化やより良いものづくりにつながると理解するや否や、新しいことに向けた変化が加速する傾向があるからです。
最近では、現場から「これを活用すれば効率が向上するのではないか」といった提案が寄せられることも。市民開発が進めば、大きな効果が期待できる取り組みをどんどん進めていくことができると確信しています。
N:ものづくりの現場では、これまでにも製品の改善や工場の生産性を高めるための取り組みを当たり前に実施してきた実績があり、住友重機械工業には自己改善が得意な社風があります。ITの活用でさらに効果が上がることを理解していただくために、引き続きわかりやすい伝え方を意識していきたいです。
Microsoftの個人向け生成AIサービス「Copilot」など、さまざまな新しいツールの導入を控える市民開発チーム。これからもふたりは、社内のDX推進に挑み続けます。
F:工場を見学する機会があり、自分たちの取り組みがものづくりに役立っていることを実感しました。人手不足など課題もありますが、市民開発の促進を通じて、住友重機械工業の持続的なものづくりに貢献していきたいです。
N:住友重機械工業は、長きにわたって社会を支えるものづくりを手がけてきました。ただ、これまでと同じスピード感のままでは、社会のニーズに対応できなくなる可能性があります。「一流を、世界へ」という当社のスローガンにある通り、より良い製品をより早く世界中に届けられるよう、IT活用の促進を通じた支援を続けていきたいです。
山積みする課題を前に、勇気を持って課題解決に立ち向かえる仲間を心待ちにしていると話すFとN。自分たちが支える現場の先にある世界のものづくりを見据えながら、これからも力強く改革への道を歩んでいきます。
※ 記載内容は2024年1月時点のものです
