宇宙から医療まで──「最先端技術」で未来を支える若手設計者たち
住友重機械工業の医療・先端機器統括部では医療機器から宇宙関連機器まで、さまざまな最先端の技術開発が行われています。
Y:私の所属している量子応用グループでは、半導体関連装置や宇宙用の低温機器など、量子技術に関わる機器を扱っています。中でも私は、宇宙用冷凍機や真空容器の設計開発に携わっています。宇宙からの微弱な光を検出したり、宇宙から地上を観測するには、高感度のセンサーが重要です。赤外線などのセンサーは、低温に冷却することで高感度観測をすることができます。その実現のため、私たちは宇宙で冷却する製品を製造しています。
一方、同じ設計部の加速器システムグループに所属するHは、医療用加速器の開発に携わっています。
H:私の所属している加速器システムグループでは、陽子線治療やBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)、核医学診断など、がんの治療や診断に使用される医療機器を開発しています。
中でも私は、これらすべてに使用される「サイクロトロン」という加速器の物理設計を担当。放射線(ビーム)の軌道計算や、ビームを制御するための電磁石の設計などを行っています。
多くのステークホルダーと協力してものを作り上げていくため、2人とも物事の伝え方には注意していると語ります。
Y:関わる人が非常に多いので、齟齬がないように正確に伝えることを大切にしています。相手が自分の伝えた情報に対してどのような行動をとるかを常に想定しながら、伝わりやすい方法で情報を共有するように心がけています。
H:私も上位仕様を決める立場として、機械設計や電気設計、製造部門など多くの関係者と関わるため、なるべくわかりやすい言葉で伝えること、できるだけ文章によるやり取りだけではなく直接話すことを心がけています。
また学術的な研究要素が強い仕事なので、自分たちの会社の中だけにとらわれず、学会などにも行き、最新の動向調査も踏まえた考え方ができるように心がけています。
学問への「好奇心」が導いた出会い。同期の絆と成長
同じ2020年入社の2人。入社に至るまでの道のりを語ります。
H:もともと物理学に興味があり、大学院では加速器の医療応用について学んでいました。加速器を使って医療に貢献したいと思い、就職先を探していましたが、私が学んできたサイクロトロンという加速器を扱っている企業は住友重機械工業だけだったので、ほとんど迷いなく当社を受け、晴れて内定をもらうことができました。
Y:私は大学院では宇宙物理学を専攻して、宇宙用の観測機器の研究をしていました。大学に残ろうか、教員になろうかなどいろいろと悩みましたが、結果的に企業で働くことに。学生時代の研究活動で当社の製品に関わる機会があったことから、当社への入社を決めました。
愛媛県出身のHに対し、埼玉県出身のYは当初不安もありました。
Y:暮らしたことのない地域でしたから、どんな生活環境になるのか、はじめは不安がありました。でも実際に来てみると、住友重機械工業のある新居浜市は栄えており、とくに困ることはなかったですね。
関東の企業との大きな違いは、電車通勤をしなくて済むこと。満員電車のストレスがなく、車や自転車で快適に通勤できるのはとてもありがたいです。また山も海もあり、自然が豊かなところも魅力です。私は、この地域で見る夕陽がすごく綺麗で大好きですね。
H:Yの言う通り、自然が豊かなのでアウトドアな趣味を楽しめる点や、瀬戸内海に面しているのでおいしい海鮮料理を楽しめるところはこの地域の大きな魅力だと思います。
また田舎ならではの魅力として、生活費を抑えやすく、貯金しやすいところがあります。車や家を買うことも実現しやすいと感じています。
2020年、同じ製造所に配属された同期は4人。2カ月間の研修の中で、同期との絆も深まったと言います。
H:お互いの結婚式に参加したり、定期的に同期会を開いたりしています。Yとは物理学科出身という共通点もあり、宇宙関連で気になるトピックがあったら連絡したり、デイキャンプや物理学のオンラインイベントを一緒に楽しんだり、プライベートでも仲良くしています。
Y:2人とも好奇心旺盛なので話が合うんです(笑)。私も日々の生活の中で「これ好きそうだな」と思うとHに連絡するようにしています。
好奇心を糧に貪欲に学ぶ──若手技術者の専門分野にかける熱い情熱
医療・先端機器統括部の設計部に勤務して5年。それぞれ異なる分野で技術を追求している2人にとくに印象深かったことについて聞きました。
H:私が配属された当初、加速器の設計のスペシャリストがいらっしゃったのですが、自分が少しでもその方と同等の仕事をできるようにこれまで頑張ってきました。時間はかかってしまいましたが、最近ようやく独り立ちできるようになったことが印象深いです。知識のキャッチアップはとにかく大変でしたね。詳しい先輩にいろいろと教えてもらうのですが、言葉で説明されてもなかなか理解できなくて。数式を使って説明をしてくれることもあるのですが、それによりさらにわからなくなることも(笑)。
最終的には、東京の本社で1対1で直接指導していただき、ようやく理解できたこともありました。一通り学べて自信もついてきたのですが、理解が進んだことでまだまだ学ばなければならないことも見えてきました。これからさらに知識を増やしていきたいですね。
一方、Yは研究開発に携われたことを印象深い出来事として挙げます。
Y:大学時代から研究開発が好きだったので就職後も挑戦したいと考えていました。就職後もそのチャンスが与えられ学会で成果を報告することができました。トライアンドエラーを繰り返していくのは大変でしたが、やっとの思いで結果が出た時は本当にうれしかったです。
また、学生時代は経験したことのない国際学会での発表では、会社の名前を背負って人前に出るのは緊張しましたが、とても良い経験をさせてもらえました。当社は若手にもこうした挑戦の機会を積極的に与えてくれる会社だと感じています。
自身の好奇心を糧に貪欲に知識を吸収する2人。やりがいを聞くと口をそろえてこう言います。
H:自分の専門分野を理解することに非常に満足感を覚えます。そしてそれが自己満足に終わらず、医療分野への貢献につながっているところがやりがいですね。自分が関わっている医療機器が多くの患者さんや医療従事者の方々に待ち望まれていると思うとうれしいです。
Y:宇宙分野はとてもロマンがあり、やりがいを感じやすいと思います。私もHと同じく、「ここをこうすると性能が上がるのか」「こういう計算をすると製品と合ってくるのか」など、技術的な気づきがあった瞬間に楽しさを感じます。
「国内唯一」の技術を支える誇りと責任感。それぞれの専門性を活かせる職場環境
入社から5年。チーム内でも頼られる存在になりつつある2人に住友重機械工業の魅力について聞きました。
H:ニッチな領域にも力を注いでいるところでしょうか。私が専門としている加速器も医療用か研究用がほとんどで、日常で見かける機会は非常に少ない装置だと思います。
当社は1972年に当時日本最大のサイクロトロンを国内研究所向けに完成させ、それ以来さまざまなタイプの加速器を日本の研究開発機関に納入してきました。当時の関係者とのつながりを大切にしながら、事業を維持させているところに魅力を感じます。
Y:私が担当している宇宙用冷凍機も、当社が国内の数少ない提供社です。他の企業やっていないことをやるのが住友重機械工業の特徴でもあり、魅力です。働き方の面でも、社員が活躍しやすい環境が整っています。有給休暇や在宅勤務の活用が推奨され、育児支援制度も充実。男性社員の育休取得も積極的に推進されています。
H:実はもうすぐ夏休みを含めて1カ月弱の育休を取得する予定です。私ははじめ「取らなくてもいいかな」と思っていたのですが、上司が「取ったほうがいい」と背中を押してくれて。周囲のメンバーも快く受け入れてくれました。
Y:家賃補助や独身寮もありがたい制度ですね。入社してすぐ寮に入ったのですが、経済的に助かりました。
将来のキャリアについて、2人は技術者としての成長を第一に考えています。
Y:実は「こうなりたい」というビジョンは明確ではないんです。ずっと自分がおもしろいと思う技術に関わり続けたい。その先でどんな道が待っているのか、楽しみにしています。
H:まずは一人前の加速器のエンジニア、になりたいと思います。また、私の上司が物理設計の専門家にも関わらず、機械設計や電気設計、ときには事業戦略的なことにまで関わっているので、いずれは彼のように幅広いことができるようになりたいと思っています。
最後に求職者に向けて2人がメッセージを送ります。
Y:当社は個人の裁量が非常に大きいことが魅力です。積極的にプロジェクトに関わり、問題解決に向けて自発的に動ける方ならすぐに活躍できると思います。
H:そうですね。個人の裁量が大きい分、与えられた仕事をこなすだけではなく周りも巻き込んで主体的に動ける人の方が、イキイキと仕事をしているように見えます。そういった人材は周囲からも信頼され、より多くの機会をもらえるはずです。
※ 記載内容は2025年7月時点のものです
