挑むのは「地上で動く一番大きい機械」。設計と生産技術で挑むものづくり
世界に1つのオーダーメイドクレーンが生まれる愛媛製造所。この複雑なものづくりは、図面を「描く」設計と、それを「形にする」生産技術の連携が鍵となります。その最前線に立つのが、設計担当Hと生産技術担当Mです。実はこの2人、Hがリクルーターとして採用活動に関わっていた頃に顔を合わせていました。
H:Mさん、今日はお話しできるのを楽しみにしていました。僕が採用のリクルーターをしていた時の内定者懇親会でお会いしたことが、印象に残っています。
あらためて自己紹介をすると、私が担当しているのは、発電所などで原料を船から陸に揚げる「アンローダ」や、造船所で使われる「ジブクレーン」です。お客さまの要望に合わせて一からつくるオーダーメイドなので、毎回が新しい挑戦になります。設計だけでなく、部品の製作から現地での据付まで、製品が完成するすべての工程に関わることができるのが、この仕事のおもしろさですね。
一方、Mが所属するのは、設計図面を高品質・低コスト・短納期で形にするための「つくり方」を計画する生産技術グループ。設計部門と製造現場をつなぐ重要な役割を担います。
M:設計と製造現場の「橋渡し役」だと考えています。設計者の意図を汲み取りながら、現場の方々が作業しやすいように製作方法を検討し、指示を出します。さまざまな部署と連携するため、それぞれの立場を考えながら最適な落としどころを探るコミュニケーションが欠かせません。
こうした部署間の密なコミュニケーションが求められる背景には、2人が手がける製品の特殊性があります。それは、単なる工業製品という言葉では収まらない、圧倒的な魅力とスケール感を備えているからです。
M:この仕事の魅力は、やはり製品そのものですね。当社には国内ではここでしか作れない「ゴライアスクレーン」など特別な機種がありますし、そもそも橋やプラントと違って、クレーンは“動く”んです。これだけ巨大な可動部を持つ機械は、他にはなかなかないと思います。
H:そうですね。僕も採用面接で「クレーンは地上で動く一番大きい機械だ」と言われたことが心に残っています。実際に自分が関わった製品が完成して、動いているのを見ると、やはりおもしろいですし、感動しますね。
M:その感動は大きいですよね。オーダーメイドなので毎回図面も違いますし、最後の最後まで気が抜けませんが、現地で無事に組み上がった姿を見た時は、本当に達成感があります。
それぞれの決断。私たちが愛媛で働くことを選んだ理由
2019年に入社し、設計者として7年目のキャリアを歩むH。 愛媛県西条市出身で、大学では機械工学を学び、幼い頃からの夢だった「大きなものづくり」を実現するため、住友重機械搬送システムを志望しました。
H:就職活動では、勤務地を意識していて、都会で働くことへの憧れと同時に、地元に貢献したいという思いがありました。最終的には、家族や友人がいる地元での生活の充実を重視してUターンを決意しました。
中でも住友重機械工業は地元では有名な企業ですし、自分がやりたかった「大きなものづくり」が実現できるので、入社を決めました。
一方のMは2024年入社の2年目。神奈川県出身で、大学では造船や生産工学を研究していました。ものづくりのサークル活動や研究を通して、設計よりも、多くの人が関わって一つのものを創り上げる生産技術の仕事に強い興味を持ったと言います。
M:私は最初から生産技術職で会社を探していました。ものづくりサークルでの経験から、製造現場により近い仕事に強く惹かれていたんです。企業探しの方法も少しユニークで、就職活動中は実際に造船所まで足を運び、そこにある設備などのメーカー名をメモしてリストアップしたりしていました。
勤務地にこだわりはなく、結果的に関東の会社は一つも受けませんでした。その中で、扱っている製品の幅広さにおもしろさを感じ、第一志望だったのが住友重機械搬送システムです。
縁もゆかりもない愛媛で働くことに、不安はなかったのでしょうか。
M:大学の友人も瀬戸内海沿岸の造船所に就職する人が多く、あまり抵抗はありませんでした。入社後の研修も手厚かったですし、部署の皆さんが「育てよう」としてくださっているのを感じます。新人の私にも丁寧に教えてくれるので、とても働きやすいです。
入社後のキャリアを通じて、仕事への向き合い方も変化します。7年という月日が、仕事への向き合い方を大きく変えたと、当時の心境をこう振り返ります。
H:最初の頃は「仕事は仕事」くらいに考えていて、プライベートを重視するつもりでした。でも、自分の製品が社会でどう役立っているかを知ったり、周りの先輩方が真剣に仕事に取り組む姿を見たりするうちに、どんどん仕事のおもしろさにのめり込んでいきましたね。
U/Iターンそれぞれの暮らし。愛媛のリアルと休日の楽しみ方
関東から愛媛に移り住んで2年目。Mは、現在の暮らしを「想像以上に快適」だと話します。
M:会社の寮があるのは市の中心地で、駅にも行きやすく、高速バス乗り場も徒歩圏内です。そこから神戸や大阪、東京にも一本で行けるので、思った以上に便利ですね。日用品の買い物はショッピングモールで十分。
もともとインドア派なので、休日は家でゲームをしたり、会社の薦めで技術系入門書を読んだりして過ごしています。正直、地元にいた頃と生活はあまり変わりません。
快適な暮らしを語るMに、Hは地元民ならではの視点を投げかけます。
H:都会のショッピングモールに慣れていると、こちらのショッピングモールでは物足りなく感じませんか?規模も品揃えも違うイメージがあるんですが。
M:よく聞かれるんですけど、それがまったくなくて。そもそも私自身がインドア派なので、毎週おしゃれな店に行きたいタイプではないんです。むしろ、たまに帰省した時に「都会に行ってみようかな」と思うくらいで、普段の生活では今の環境が心地いいですね。
一方、3歳の双子の父親でもあるHは、休日には家族との時間を大切にしながら、趣味も満喫しています。約1年前にマイホームを建て、暮らしの楽しみも増えました。
H:休日は基本的に子ども達と過ごしています。時には両親に子育てをサポートしてもらい、自分の時間を作って松山市内まで好きな古着を買いに行くこともあります。
最近は家で植物を育てたり、周りの音を気にせず楽しめるギターを始めたりと、仕事だけでなくプライベートも充実しています。
職場の雰囲気は部署によってさまざま。Mの部署は、休日にバーベキューをするほど和気あいあいとしています。一方、Hの部署はまた少し雰囲気が異なり、飲み会などはありつつも、プライベートでは同期など気の合う仲間と過ごすことが多いと言います。そんなHは、Mにおすすめの場所があると言います。
H:個人的に好きなのは西条市の「いとまちマルシェ」です。芝生の綺麗な公園にあり、地元の特産品を扱うレストランやお店が集まっています。フリーマーケットや県内各地のパン屋さんが集まる『パンダフルマーケット』というイベントが開催されて、とても盛り上がります。活気があっておすすめです。
M:ありがとうございます。イベントも時々やっていると聞いたことがあります。Hさんのお話を聞いて、私もぜひ行ってみたいと思いました。
愛媛で育む、技術者としての誇り──それぞれのキャリアビジョン
愛媛での暮らしにそれぞれが充実感を見出す中、その視線は自らのキャリアの未来にも向けられます。2人が描く、それぞれの技術者としての未来図とは。
H:将来的には、特定の機種における社内の第一人者になりたいです。「このクレーンのことなら、あの人に聞けば全部わかる」と言われるような存在が目標ですね。
そのためには、常に他機種との比較といった広い視点を持ちながら経験を積む必要があります。50代くらいでようやく到達できるような、奥が深い世界だと思っています。
一方、Mはまず一人前になることを見据えます。
M:まずは担当している屋内機種で一人前になることが当面の目標です。そのためには、実際にものがどう作られているのか、現場を深く理解することが一番大事だと考えています。将来的には、生産設備の導入やDXの推進といった、より根本的な工場の改善活動にも携わっていきたいですね。
仕事のやりがいだけでなく、この土地ならではの暮らしの充実も、キャリアを支える大切な要素です。とくに愛媛の土地を楽しめる人には2つのタイプがあると言います。
H:仕事のパフォーマンスって、プライベートが充実しているかどうかに結構左右されると思うんです。とくにこの土地では、その点が大事になってくると思っていて。そう考えた時に、楽しめる人には大きく2つのタイプがあるように感じます。
1つはMさんのように、土地に左右されない趣味を持っている人。もう1つは、アウトドアなどを通じて、地域のコミュニティに積極的に飛び込んでいける人ですね。
2人の言葉には、これから共に働く仲間への期待も込められていました。
H:リクルーターとして学生と話す機会もありますが、やはり「大型の機械を作りたい」という動機は多いですね。実際に完成した製品は、日常生活では見ることのないサイズ感で、毎回「すごいな」と感動します。その感動が、次の仕事へのモチベーションになります。
M:私がこの会社を勧めたい一番の理由は、やはり製品の魅力です。ここでしか作れないものがあり、自分が関わったものが巨大な製品として形になっていく過程をすぐ側で見られるのは、オフィスと工場が隣接している当社ならではの強みです。このものづくりのおもしろさを、ぜひ一緒に味わってほしいです。
Uターンで地元に根差すHと、Iターンで新天地に挑むM。選んだ道は違えど、巨大なクレーンを見上げる誇りは同じ。2人の挑戦が、次の時代のものづくりを拓きます。
※ 記載内容は2025年7月時点のものです
