前職で知った「経営管理」のおもしろさ
大学では、人間の思考や行動を学問の対象として捉えてみたいと思い、文学部で言語学を専攻しました。その中でも、人間の言葉を、数式に似た論理体系でモデル化する分野を学んだのですが、論理的な世界と曖昧な自然言語との辻褄が合うように、バランスを取って試行錯誤する過程を楽しみながら取り組んでいました。
このような経験から、「論理的な思考と人の想いとの境界線に立って新たな価値を出せるようになりたい」と思うようになり、大学卒業後は、クライアントの要求をシステムで実現するシステムエンジニアになろうと、SIer(システムインテグレーター)に就職しました。
ところが、入社後は財務経理部門に配属となり、全社の経営管理(管理会計)の仕事をすることになりました。具体的には、全社の目標達成に向けた計画策定のPDCAを運用するため、事業部門のPL項目や、各種KPIの管理を行う仕事です。単なる数値管理だけでなく、その中から事業課題や機会を読み取り、経営層への説明/提案や、計数を通した事業部門への支援を行います。
最初は想定外の配属に驚きましたが、取り組む中で「経営管理は、経営者の思いや事業課題を合理的な数値で表現する仕事だ」と理解しました。自分の進みたい方向性とも一致していると感じ、新卒から約10年間、その実務を担当していました。
そんな中、経営管理のおもしろさを知るきっかけになった出来事があります。入社4年目の頃、ある子会社で資金繰りが課題となっており、その管理業務に対して本社経理の立場から支援する機会がありました。私は現状をヒアリングしたうえで、その会社の事業特性に合う形で資金管理台帳を見直し、先方に改善策を提案しました。実際に運用してみると、資金リスクにつながる案件が可視化され、営業・開発・管理といった現場の1人ひとりの意識や行動がガラリと変わったのです。
自分が提案したほんの小さな改善/工夫が、事業活動に重要なインパクトを与えることができる、経営管理は「レバレッジが効く」領域だと知りました。それ以来、より一層やりがいを持って経営管理の仕事に取り組むことができました。
事業会社では得られない成長機会を求め、Ridgelinezへ
日々、経営管理の仕事に励みつつも、「長い人生を考えると、1社での経験しかないことはキャリアのリスクになってしまう」という漠然とした不安を持つようになり、転職活動を始めました。事業会社の経営企画・経営管理ポジションの選考を何社か受けたのですが、面接を通じて各企業が似たような課題を抱えていることに気づいたのです。
例えば、事業部門の発言力が強くて管理部門が意見を出しづらい、事業ポートフォリオ管理ができていない、システムが整っていない……などです。当時自分が勤めていた会社とも共通項が多く、「これでは転職しても、本質的に新しい経験ができないのでは?」と考えました。
そこで範囲を広げて業界の特性などを調査したところ、「コンサルティングファームであれば、新たなチャレンジができ、どんな会社でも通用する問題解決スキルも得られるかもしれない。そして、そのスキルを用いてクライアントの経営管理の質を高めていくことが、自分にできる最大の社会貢献ではないか」と思い至り、コンサル業界への挑戦を決意しました。
経営管理領域のコンサルティングを提供しているファームを数社受けましたが、その中でRidgelinezへの入社を決めた理由は2つあります。
1つめは成長できるスピードが速いことです。会社の規模も小さく、裁量を持って働けるということを面接でお伺いし、短期間で多くの経験・学びを得ることができそうだと思いました。若い会社なので、自ら手を挙げて挑戦できる風土も魅力でした。
2つめは、子育てと両立するイメージを持てたことです。当時子供がまだ小さく、残業やイレギュラーな対応が多そうなコンサルティングファームでの働き方には正直不安も強かったのですが、時間・場所に関して柔軟な勤務制度があり、安心材料になりました。
さらに、大きな決断要素になったのは、社員の評価基準の中に「ワークライフハーモニー=自身や周囲の価値観を尊重し、業務とライフスタイルの両立・充実を図る」という項目が含まれていることでした。こうしたユニークな評価制度にも惹かれ、入社を決めました。
問題解決のプロフェッショナルとして、成長を実感する日々
コンサルの仕事は未経験でしたが、入社後約1か月間の研修でコンサル基礎スキルを学び、その後もプロジェクトでスムーズに参画できるよう、子育ての時間確保も含めて周囲が配慮してくれました。当時のプロジェクトマネージャー(以下、PM)が「何かあったらいつでも聞いて」と言ってくれるフランクな方だったので、毎日のように電話で相談していましたね。想像していたよりも優しい方が多く、しっかり面倒を見ていただけるという、良い意味でのギャップがありました。
最初はPM指示の下で議事録をまとめる、スライドを1ページ作るなど、部分的なワークを担当し、慣れてくると次第に任される範囲も広がっていきました。コンサルタントは言わば問題解決のプロフェッショナルであり、思いつきやアイデアではなく、課題を構造化して捉えることが求められます。
私自身、当初その進め方に苦労したため、PMに積極的にアドバイスを求めたり、資料構成をまねしたりすることで少しずつ実践できるようになり、入社して半年後には特定テーマにおける課題設定から施策実行まで自走する経験も積むこともできました。教わったコンサル技術を実践するとともに、前職の実務経験を生かした具体的な検討や提案を行い、クライアントから良い評価をいただけた時はとても嬉しかったですね。
1つの事業会社でも経験できることは多いですが、私自身はRidgelinezに転職して貴重な経験をすることができ、本当に良い選択だったと思います。問題解決のノウハウを扱った書籍も多数ありますが、問題解決には「技術」という側面が強いので、実践経験に勝る成長機会はないと考えています。
転職してから、Off-JT(職場を離れた場所での研修や学習)で知識を得る機会も増えました。例として、当社が協賛している、日本CFO協会主催のFP&A(Financial Planning & Analysis)研究会があります。そこでは様々な企業のFP&Aや経理人材が総勢70名程度参加し、経営管理に関する事例や課題をシェアして、役立つ情報や意見を交わしています。日本企業のリアルな現状を知ることができ、毎回貴重な学びを得ています。
経営管理を通じて、日本を元気にしたい
当社の社員のバックグラウンドは様々で、コンサル出身者もいれば、SE出身者、事業会社出身者もいます。当然、性格もバラバラですし、強みも違います。当社には「個性の融合は、強さだ。」というキャッチコピーがありますが、多様性があるからこそ1つの視点に固まることがなく、異なる意見を持ち寄ってみんなで創り上げていくというマインドが強いチームになっていると思います。
Ridgelinezの社員は、一言で表現すると「前向きな人」が多いと思います。正解も間違いもない世界なので、変に線引きをせずに発信できる人、他のメンバーから相談を受けたら手間を惜しまず協力する人などが多い印象です。若い会社だからこそ、これから創っていくこと、改善すべきことも多く、「どう変えたら良くなるか」と、前を向いて考えていくマインドが大切だと思います。
キャリアのゴールや目標をよく聞かれるのですが、正直、明確なものはありません。逆算よりも積み上げていくタイプなので、いろいろと「おもしろそう」と思うものを試していくつもりで、Ridgelinezはそれができるフィールドだと思います。
例えば、MC Practice(※)ではコミュニティ活動として、各テーマについて探究する活動があり、自身の興味のあるコミュニティを複数選ぶことができます。私は今期「ポートフォリオマネジメント」「FP&A」の領域を選択し、勉強会やリサーチ等、色々な活動に取り組んでいる最中です。
私が転職した目的の1つに、「経営管理を通じて、日本を元気にしたい」という想いがありました。コンサルタントとして各企業を俯瞰して捉えることも増えたのですが、その中でも日本の経営管理は、欧米に比べると確立されていない領域だということが改めて分かり、その意味では伸び代は多分にあると感じています。
経営管理の質が向上できれば日本企業はもっと強く、元気になると思いますし、そのためにも問題解決のプロフェッショナルとして、クライアントの課題解決をリード・支援できるようになりたいです。
今後もRidgelinezでのチャレンジを楽しみながら、経営管理の「レバレッジ」を利かせて、広く社会に貢献していきたいと思います。
※ Practiceとは:専門領域(業界・ビジネステーマ・技術)ごとに組成されるプロフェッショナルコミュニティのことで、従来の組織体よりも組織間の壁が低いことが特徴です。したがって、業務内容が限定されることがなく、様々なテーマのプロジェクトに携わることができます。また、Practice間のコラボレーションもしやすく、柔軟な仕事の進め方が可能となっています
※ 記載内容は2024年6月時点のものです
