修理部の役割と意義を実感。医療現場と組織への貢献を両立するために
──現在の部署、業務内容について教えてください。
国内の修理拠点のひとつである、白河オリンパスの国内修理部に所属して、部門の収支管理や工数管理などの管理業務を担当しています。近年ではコロナ禍の影響で修理による売上が思うように確保できない状況が続いていましたが、そんな中でも、修理に関わる収支・工数・費用などを管理し、雇用を守りながら利益の面で組織に貢献することが私たちのミッションです。
国内修理部が取り扱うのは、内視鏡とモニターなどの周辺機器の2種類。正しく使い続けていただくために定期的に部品を交換するケースもあれば、修理依頼を受けて劣化や不具合に対応するケースもあり、修理期間中は代替品となる備品の貸出も行っています。
現在、国内修理部では「修理を止めない」修理拠点をめざしていますが、その背景にあったのがコロナ禍でした。従業員に感染者が出れば操業停止を余儀なくされる状況においても、修理を必要としている方々にサービスを提供し続けるために、白河オリンパスではシフト勤務を導入。班を編成し1日交代で勤務する体制を整えました。1日交代勤務を取り入れるということは、出勤者が通常の半分になり修理対応可能な数も半減するということ。日々変化し続ける修理の状況に対応できるよう、他の修理拠点や関係部署と調整しながら改善活動を進めるということも私たちの仕事です。
──いまの仕事の意義、やりがいをどんなところに感じていますか?
国内修理部はドクターなどのお客様から比較的近いところで仕事をしているのが特徴です。たとえば、今日まで修理していたものが、数日後には施設で使用されているようなことも。医療現場の現状について耳にしたり、後日当社を訪問したドクターや技師の方々からのお礼の言葉などを伝え聞いたりするたびに、医療の現場とつながっていることを感じ、社会的意義のある仕事ができていることを実感しています。
また、管理部門として国内修理部の労働環境の改善にも取り組んできました。最近は部内の経営数値まわりの業務も任されていて、部長クラスの方々と共に月次の収益などを常にモニタリングし、必要に応じて改善策を考えたりもしています。従業員の皆さんにとってより働きやすい職場づくりや要員配置なども考えながら、会社の利益にも貢献できる点もやりがいを感じています。
点検、経理・総務を経て、管理業務担当に。周囲に支えられながら広がるキャリアの幅
──入社以来、どのようなキャリアを歩んできましたか。
入社後、国内修理部に配属され、備品の貸出を行う備品センターで、返却された代替品に異常がないか点検する業務に携わりました。その後、東日本大震災後に異動になり、経理・総務業務を担当しています。
震災があったのを機に、それまで白河にしかなかった国内の修理拠点が長野にもつくられて2拠点体制に。工場が被災し、操業が完全に停止する事態を受けてのことでした。
災害の後、修理品はもちろん代替品さえお客様に提供できなくなった期間は約1カ月以上。製品を届けるのが1日遅れると、その分、医療の現場も停止してしまいます。震災がきっかけで、部内で「修理を止めない」ことへの意識も高まりました。
経理・総務業務を担当するようになってからは毎日が驚きの連続。それまで経験したことのない、さまざまな業務に携わりました。たとえば、海外から工場見学に訪問する来客に対応するような仕事も。オリンパスの存在意義や規模の大きさをあらためて実感したのを覚えています。
その後、2度にわたって育休を取得。復帰してからは管理業務を主に担当することになり、収支管理や工数管理など、いまも勉強しながら取り組んでいます。
修理品が工場に到着するまで、具体的にどんな修理が必要なのかわからない中で、不具合情報をもとに修理見積を作成し、その情報をもとに収支分析や工数分析をしなくてはなりません。それだけに修理関連の収支構造はとても複雑です。毎日数字と格闘し、難解なパズルを組み合わせるような作業をしていますね。そのぶん、謎が紐解けたときの喜びは大きいと感じています。
──育休を取得する際、復職への不安はありましたか?また周囲の反応は?
国内修理部だけでなく白河オリンパス全体として、育休取得に対してとても協力的な環境があり、まったく不安はなかったです。1年後に復帰することを宣言して育休に入りましたが、無理なく復帰できるよう業務調整してもらった上、「戻ってきたらこの仕事をやってもらいます」と事前に知らせてもらうなど、周囲には本当に助けられました。
また、復職したばかりのころ、子どもが熱を出すなど1週間のうち半分もまともに出勤できませんでしたが、皆さんに温かく受け入れられ、支えていただいたことにはとても感謝しています。
むしろ慣れない管理業務を担当することの方が苦労しましたね。経理・総務よりずっと現場に近い仕事なので、修理に対する知識はもちろん、工程全体を把握する必要があったからです。いまも知識はまだまだですが、だからこそ、現場の方々や周囲に教えてもらいながらスキルアップに努めています。
管理担当になって身についた経営視点。損金の削減に向けた活動では大きな成果も
──管理業務を担当するようになって、意識が変わった部分や心がけていることはありますか?
社長や修理部長らが経営視点で意思決定するのを間近で見る機会を得ることができたため、これまで身近でなかった経営視点で物事を考えるようになったと感じます。経営層と現場の間に位置付けられているため、両方の観点で考えなければなりません。現場のメンバーは絶えず努力していることはわかっていますが、管理担当としては、感情に流されて改善の手を緩めるわけにもいきません。経営層の意図を現場に伝え、調整役となってもっとも良い進め方を模索するのも私たちの役目なんです。
現場の皆さんが全力で取り組んでいることを踏まえて、さらに改善策を探して提案をしたり、方針の違いによって意見が衝突し合う場面があれば、各職場の上長らの間に入って、誰もが納得できるような調整をしたりしています。
管理担当として私が意識しているのは、誰の意見も否定しないことです。修理に関する知識も経験も皆さんのほうがはるかに上。まずは皆さんの話にしっかり耳を傾けるなど、常に勉強させていただく姿勢を徹底するようにしています。
──管理業務の中でとくに印象的だった活動はありますか。
損金の削減に取り組んだときのことが記憶に残っています。修理部門では、修理中に想定外の不具合が見つかり、事前見積以上に費用がかかるケースが少なくありません。ところが、お客様としては事前見積に納得して修理を依頼しているため、お客様の満足度を優先するあまり、かなりの金額が持ち出し費用として計上されていました。
そこで、新たな損金の発生を防ぐために、部品交換の基準を明確化するなど現場の作業を見直すことに。管理部門が旗振り役となって、損金や部品交換の実態を調査し、現場で実際に修理に当たる人や品質部門など関係者を集めて打ち合わせを行いました。
時間をかけて修理部品を一つひとつ確認しながら、交換基準が曖昧な箇所や、必要のない部品交換をあらためた結果、月あたり数千万円もの持ち出し費用の削減に成功。まだまだ改善の余地があることを知るとともに、数字や修理工程を精査することで、ここまでインパクトのある成果を出せることを学びました。
この取り組みについて、国内各拠点の方々に向けて説明したこともありましたし、社内でも業務改革のモデルケースとして表彰を受けています。
今回の一連の活動は、全社的に収支改善に向けたプロジェクトが進められる中、管理の専門家の皆さんが改善の可能性に気づいたこと、何より修理に関係される方々のご尽力があっての成果であり、力を合わせることで、どんな過去のやり方や慣習も変えていくことができるといまは信じています。
国内修理部の収支の明確化に意欲。より働きやすい環境づくりに貢献できる存在に
──仕事をする上で、大切にしていることはありますか。
管理部門に来て、基準の大切さを再確認しました。修理に関する基準にはまだ曖昧な部分があって、同じ修理でも白河と長野とで内容に違いがあるケースがあります。先ほどの損金の問題も、基準が曖昧なところにそもそもの原因がありました。各拠点共通の基準策定をめざして取り組んでいきたいと思っています。
──今後の展望を教えてください。
国内修理部の収支の明確化を進めていきたいと考えています。修理特有の難しさがあると感じているので、部署のメンバーと協力しながら、できる限り明確で簡単なものへと解きほぐしていくことがいまの目標です。
また、女性を含む子育て世代にとってより働きやすい環境づくりにも関心があります。最近は人事制度が新しくなり、個人の能力やそれにもとづいた成果が高く評価されるようになってきましたが、能力があるのに私生活との兼ね合いで思うように力を発揮できずにいる方はまだまだいるはずです。
管理職の女性も参加する、自由で柔軟な働き方の実現に向けた社内の取り組みのメンバーとして活動していく予定なので、管理部門で働く者として、子育てしながら働く当事者としての経験も活かしながら貢献できたらと考えています。
※ 記載内容は2023年7月時点のものです

