社内の業務システム移行プロジェクトをリーダーとして推進
──2023年1月現在の業務内容について教えてください。
白河オリンパスの業務部 ITシステムグループ では社内のITシステム開発・管理を主に行っています。その中でも私は、20年以上にわたりNotes上で運用してきた業務・仕組みをOffice365など別の業務システムに移行する取り組みに携わっています。白河オリンパスの推進リーダーとして、移行作業やOffice365を活用するためのルール整備などを行っています。
移行にあたっては、従来とまったく同じものを作るのではなく、スリム化・効率化していくことを前提に進めています。主管部門から選出されたメンバーと共に現場の課題について検討を重ね、不要な機能を削減したり、業務フローを見直したりしながら再構築を進めているところです。これまで当たり前だと考えられてきた仕組みにメスを入れる絶好の機会だと感じています。
またこれまでは、グループ会社ごとにシステム部門が存在することで、それぞれの会社の状況に応じて迅速に対応できるなどのメリットがありました。一方で、システムが個別最適化することによるデメリットも存在しているため、今後は他の工場などのグループ会社とも連携し、全体最適化を図っていく必要があると思っています。
──仕事をする上で大事にしていることは?
“共感”です。たとえば、社員にある業務システムに関する困りごとについてヒアリングしていても、よくよく深掘りしてみると、実際にはまったく違うところに課題が見つかるケースが珍しくありません。うまく説明できていないだけという場合もあれば、そもそも課題の存在に気づいていない場合もあります。
相手の立場になり切って深いところまで入り込み、課題をしっかりと共有した上で作り始めないと、結果的に誰も使わないものを作ってしまうことになりかねません。相手に寄り添い、納得できる落としどころが探し出せるまで折衝を重ねる必要があると思っています。
Uターン就職でオリンパスへ。コミュニケーション力と技術を活かして組織を支える
──どんな経緯でこの仕事に就くことになったのでしょうか?
大学では、コンピュータ理工学部でプログラミングなどコンピュータの基礎知識を学んでいたので、知識が活かせる情報技術職を志望していました。地元福島で働きたいという気持ちもあり、県内の企業を探していて見つけたのが、白河オリンパスでした。
実は、私は白河オリンパスがある西郷村の生まれ。以前から存在には気づいていましたが、世界に誇れるものを作っていると知り採用情報を調べたところ、たまたま情報技術職の募集を見つけたんです。大学で学んだことが活かせて、Uターンもかなう上、世界中の人々の健康に貢献できることに魅力を感じ、入社を決めました。
システム会社ではなく、メーカーの社内SEとなる道を選んだのは、プログラミングだけでなく、幅広い仕事に関われると考えたからです。実際、社内向けシステムの構築業務では、要件定義から運用、保守まで、あらゆる工程に携わることができています。
──これまでどんな仕事をしてきましたか?また、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
入社後は生産管理システムやNotes、社内インフラの開発・管理・運用などに携わりました。はじめは先輩のサポートをすることが多かったのですが、3年目くらいからひとりで案件を任されるようになり、システム開発の難しさやおもしろさがわかってくるにつれて、システムを活用した業務改善をさらに推進したいと思うようになり、2021年に現在の部署に移っています。
さまざまなシステムに関わってきましたが、長年使われてきたシステムを改修していると、思いがけないところで別のシステムとつながっていることがあります。自分以外の誰かが作ったものを直すときは、内容を理解するだけでなく、それが作られた背景まで汲み取るよう心がけています。一部のITエキスパートに依存してきたことで、社内システムには属人化している部分が多いので、こまめにドキュメントに落として標準化するようにしています。
将来を見据え、ノウハウの共有とルールの統一化を徹底
──現在の業務システム移行プロジェクトを進める中で苦労した点はありますか。
NotesからOffice365へと移行していくにあたって最も苦労したのが、ルールの統一化です。NotesとOffice365では、システム開発の進め方がまったく異なるため、ノウハウを新たに習得する必要がありました。自分が率先してサンプルを作成しながら開発メンバー内でノウハウを共有していくのですが、同じ機能だとしても人によって癖があり、コードの書き方が違うことが少なくありません。すると、将来的に改修する人が読みづらくなってしまうため、かなりの時間をかけ、ルールを統一化していきました。
また、掲示板や情報共有ツールなどのアプリケーションに関して、Notes時代はITシステム部門がすべて作成して各部署に提供していましたが、現在は「自分たちで使用するものは自分たちで作成し運用する」という考えのもと、各部署で個々に作成し運用するようにしました。他のメンバー向けの講習会を開いたり、サンプルやノウハウ集を用意したりするなどして、ITシステム部門以外の方々でも、自分たちの望むものを作れるような体制づくりを進めているところです。
従来のやり方を大きく変えるわけですから、各部署から戸惑いや混乱があることを想定していたのですが、皆さん協力的で、思いのほかスムーズに浸透してきています。新しくできるようになることなど、メリットや具体的な活用イメージを共有することで移行の心理的な障壁が下げられたのかもしれません。
──推進リーダーを務めてみて、どのような学びがありましたか?
計画を立てて各メンバーにタスクを振るのですが、はじめのころはなかなか予定通りにいきませんでした。開発中にメンバーが壁にぶつかってしまうことも多く、コミュニケーションの大切さを痛感しています。
実際に話を聞いてみると、複数のメンバーが同じ課題や悩みを抱えていることが少なくないんです。他のメンバーの事例をすみやかに共有することでスムーズに解決できるケースがあるため、コミュニケーションを密に取って、進捗・状況確認を徹底するようにしています。
システムを開発するメンバーと各部署側との間に立って調整役を務めるなど、大変な部分はありますが、これまで話す機会がなかった方とコミュニケーションが取れるなど、人脈が広がっている実感があり、リーダーになったことで経験の幅が広がったと感じています。
社内のITスキルの底上げを。縁の下の力持ちとしてものづくりを支えることがやりがい
──社内SEとして働く魅力、やりがいをどんなところに感じていますか?
社内SEにとってのお客様は社員の皆さんです。一般的なSIer(System Integrator:システムインテグレーター)と違って直接やりとりできる機会が多いため、スピーディーに動けるのが魅力ですし、「業務が効率化できた」「以前より仕事がやりやすくなった」と、自分が作った成果物へのフィードバックを直接受け取れることもやりがいにつながっています。
また、オリンパスの製品づくりに携わることこそないものの、ITを使わずにできる業務は社内にはほとんどないはず。あらゆる業務の土台になるような仕事を自分たちはしていると思っています。縁の下の力持ちのような立場でオリンパスのものづくりを支援できていることが、なによりの原動力になっています。
──今後の目標を教えてください。
すべての社員のITのスキルを底上げすることが今の目標ですね。というのも、社内では、業務上の慣例などから、非効率的なやり方で仕事が進められていることが少なくありません。たとえば、エクセルのマクロを使うだけでもかなりの効率化が可能になるケースがあります。
業務の課題を最もよく理解しているのは、やはりその業務をしている方々です。一人ひとりがITに対する理解を深め、それぞれの部門が抱える課題に対して、ITを駆使して解決しようと取り組むことが大切。
さらに、その取り組みによって生まれた成功体験を共有しあい、これまで当たり前だと思っていた業務を、自分たちの手で改善できるという手ごたえを感じてほしい。社員みんなで主体的にITを利用することで、会社全体の業務効率化や生産力向上につながっていくと考えています。ITの力を誰もが認知し、積極的に活用する文化を醸成していけたらいいなと思います。

