Notionの哲学をオフィスに浸透させるグローバル基準
都内シェアオフィスの一角を利用している、Notionのオフィス。ビジネス・会社の成長と社員増加に伴い、またシェアオフィス拡張プロジェクトの提案を受けたこともあり、2024年6月に引っ越してきました。その際、中心となってオフィスづくりを進めたのが、日本で6番目の社員でRecruiting CoordinatorとしてNotionに入社した細見 彩香です。
「2024年の5月からEnvironment and Executive Operation Coordinatorに任命されました。社員が仕事に専念しやすく、出社したくなる空間をつくることが私のミッションになります」
Notionには “Notion Global Office Standard”という哲学が存在し、家具から壁の色、電球の色味、カーペットの素材に至るまで、オフィスづくりにおける基準があります。そのため世界中のどのオフィスに行っても、Notionらしい雰囲気を感じることができるのです。
「Notionの創業者でありCEOを務めるアイバンは、対面でのコミュニケーションを大切にしており、オフィス環境に強いこだわりを持っています。オフィスに設置されている些細なものを含めすべてに意図があり、コラボレーションやインスピレーションを生むための材料になると考えています」
サンフランシスコ本社には、有名デザイナーのチェアやポスターなど、こだわって選んだ家具やインテリアを数多く配置し、オープンスペースを多く取り入れ、空間をゆったり広く使っています。オフィスというよりも、アートギャラリーにいるような感覚になると言います。
「先人たちが築いてきた素晴らしいプロダクトやデザインにインスパイアを受けながら、Notionとしても人々に愛される、良い製品を生み出そうと努力を重ねています。その考え方や価値観を体現する1つがオフィスの環境なんです。
インテリアだけでなく、ミーティングルームの名前も世界中で愛されているツールやプロダクトが由来です。日本オフィスも日本を代表するプロダクトの中から候補となる名前をいくつか選び、みんなで投票し決めました。
また、Global Standardはありますが、すべて同じ家具やインテリアをそろえることは難しいため、その中で何ができるかを考え、日本らしさを取り入れるという観点とローカルコミュニティー・ビジネスをサポートするという理念で日本企業やデザイナーの家具を取り入れています」
“Notion Global Office Standard”は大切にしつつ、細見が重視しているのは、カルチャーやニーズに沿って折り合いをつけながらも、芯はぶれずにNotionらしいオフィスをつくるということ。
「メンバーたちに生の声をヒアリングし、フォーンブースの数を増やし、モニターを設置し、机にはバックフックや引き出しをつけ、キッチンにコーヒーマシーンや冷凍庫を設置できるスペースを確保するといった要望に応えました。
オフィスは自分だけでつくるものではないので、みんなの意見を取り入れながら進めています」
ファッション、ホテル、人材、IT──さまざまなキャリアを経て、Notionへ
2022年7月Notionに入社以来、採用支援からオフィスづくりまで、幅広い役割を担ってきた細見。ここに至るまでは、さまざまな職業・職種でキャリアを積んできました。高校時代に抱いた最初の夢はキャビンアテンダントになることだったと言います。
「きっかけは、高校時代の留学プログラムで初めて海外に行き飛行機に乗った時のこと。さまざまな国の人たちと英語を用いて会話する姿に憧れを持ちました。高校卒業後は、英語を身につけるために海外の大学に進学。
けれど、ふと疑問が湧きました。さまざまな国の人たちと関わりながら働くことが目標ならば、別の職業でもいいんじゃないかって」
さまざまな将来像を考えた末、もうひとつの夢であったファッション業界で働くことを決意し、ニューヨークに渡ってインターンを始めた細見。しかし、ビザの関係で帰国しなければならなくなり、日本で就職活動を始めることになりました。
「帰国後は、ファッション業界で働きたいのか、グローバルな環境で働きたいのか。その両者を天秤にかけた上で、日常的に英語を活用でき、日本の良さを発信できるホテル業界の企業に就職。海外からやって来るお客さまと話したり、日本の良さを伝えたりする毎日の仕事にやりがいを感じていました」
しかし、細見は理想的なキャリアとのギャップを感じるようになります。バックオフィス職へのステップアップをめざしていましたが、当時気になっていた部署に異動するには5年以上の現場経験を積まないと難しいと言われたのです。
「グローバルな環境でバックオフィスに携わりながらキャリアを積むための情報収集がしたく、人材業界に移りました。人材業界では、誰かをサポートすること、プロジェクトを効率よくオペレーションすることの楽しさを知りました。その経験を活かし、次はコミュニケーションツールを開発しているIT企業に転職。そこでは、主に採用に関する業務に従事していました」
さらに業務の幅を広げたいと考えていたときに出会ったのが、Notionでした。
「LinkedInを通じて、Notion Japanの代表、西からメッセージをもらい、やり取りを重ねる中で、Notionのプロダクトや業務内容に強く惹かれ、入社することを決断しました」
入社後は、APAC(日本、韓国、インド、オーストラリア)地域の採用のオペレーションを担い、面接やミーティングの日程調整、候補者への面接サポート、採用イベントなどに従事しました。
面接官の前後の予定なども加味し、時にはアメリカ、ダブリンなど異なる時差を考慮しつつ、パズルのように複雑なスケジュールの調整をすることもあったと言います。細見は自身のスキルアップを図りながら、Notionの日本オフィス発展に貢献していきました。
シェアオフィスという制限のある中での改築。ギリギリまでこだわり抜く
Notionに入社後、採用業務で活躍していた細見でしたが、2024年5月にEnvironment and Executive Operation Coordinatorを任命されてからは、オフィスづくりに集中しています。ただ、これまでの採用業務を離れることについては、かなり悩んだと言います。
「入社時から社内の環境づくりが業務のひとつだったことから、オフィスづくりを任されました。ただキャリアを考えると、これまで培ってきた採用業務から離れることに躊躇してしまい……。そんな私に周りのメンバーが、『これまでの経験が活かされると思う。絶対合っているよ』と背中を押してくれたんです」
こうして決意を新たにオフィスづくりに邁進することになった細見。実際に施工する運営企業やフロアデザイナーと相談しながらフロアの設計を進めます。プロジェクトを進める上で難しかったのは、シェアオフィスという制限でした。
「自社のオフィスであれば自由に改築できるのですが、シェアオフィスはあくまで運営企業の所有物になるため、改築できる範囲にも制限があります。しかし、私たちとしても“Notion Global Office Standard”をオフィスに反映させなければいけません」
さまざまな制限が課せられる中でも、譲れない部分は積極的に要求していったと細見は語ります。とくにこだわったのは、ブックシェルフ、フォーンブースとキッチンでした。
「シェアオフィスの運営企業はブックシェルフをつくらない方針でしたが、私たちとしてはどうしても設置したかった。ブックシェルフは海外オフィスにも存在し、Notionらしさを表現するためのプロダクトや書籍、レゴブロック、デザイナーチェアのミニチュアなどが置かれ、オフィスに哲学を浸透させる役割を持っているのです」
工期が迫る中、諦め切れなかった細見は、費用・施工に関わる工事や責任をNotion側が取ること・退去時の現状復帰をすることで許可を取り、スケジュール調整や施工の相談など運営企業の多大なサポートもありブックシェルフを完成させました。
もともと運営企業から提案されたフォーンブースは、Notionのオフィスには合わなかったので、自身でリサーチ・提案し、運営企業と視察に行き、比較・検討して決定。防音性はもちろん、フレームや金具、広さ、内部パーツの色、配線など本当に細かいところまでこだわって選んだと言います。
「キッチンに関しては、家庭用のおしゃれな冷蔵庫と言われていたところ、シルバーのディスプレイ型の冷蔵庫を用意してほしい。またキッチン全体のカラーが暗めの色で進められていたところ、ナチュラルで明るい白っぽい色味にしてほしいと要望を出しました。
予算は限られていますが、デザインに妥協しないという気持ちをシェアオフィスの運営企業の方と持ち、同じ目線でお話しできたから実現できたのだと思います」
オフィス改築のプロジェクトを通じて、これまでのキャリアが結びつく
オフィス改築を行なったことで、社員の出社率が上がったと話す細見。また、このプロジェクトを通して、自身のキャリアにおける大きな発見もありました。
「空間デザインではファッション業界での経験、社員の居心地の良さをつくるという点ではホテル業界での経験、プロジェクトを円滑に進めるためのオペレーションの部分では人材業界での経験が活かされたと思います。自分に何が合うか模索してきたキャリアが、オフィスづくりですべてつながったように感じました。
これからは、今まで経験してきたことに自信を持って、自分の色として出していきたい。そう思えるようになったのは、オフィスづくりへの背中を押し、チャンスをくれたメンバーたちのおかげなので、本当に感謝しています」
また、プロジェクトを進める中で、細部までこだわる自分の新たな一面を知ったと話す細見。それは、Notionの企業風土との相性の良さを物語るものでした。
「Notionには、すべての物事において妥協せずにこだわる姿勢があると思います。たとえば、プロダクトの開発においてユーザーからのフィードバックを真摯に受けとめ、あらゆる方法を模索しながらさらに良い提案をするための試行錯誤を繰り返しています。
オフィス環境においても同様で、日々フィードバックを社員からもらっています。社内外を問わず、細かいところまで意識しながら仕事に取り組む。その価値観が刺激になっていますし、自分にマッチしているとも思います」
今後は、以前からシェアオフィスに配置されている家具を変更するなど、さらにブラッシュアップしていきたいと話す細見。将来的に自社オフィスに移る際は、Globalオフィスの良いところと日本オフィスらしさを取り入れオフィス環境を充実させることも検討しています。社員が出社したくなる、より働きやすい環境をめざして──細見の挑戦はまだまだ続きます。
※ 記載内容は2024年10月時点のものです
