1,000人の社員と1,000のエージェントが、同じ「場」で協働する世界をつくる
Notionが掲げるミッションは、「人生の仕事に美しい道具を」というもので、西はこの「道具」という言葉に、一人ひとりの手に馴染み、ライフワークを加速させる最高のパートナーであるべきだという信念を込めています。
「最新の技術を駆使して、私たちが本当に提供したいのは、AIと人間が共同作業を行うための『場』そのもの。私たちは今、『Think Together(共に考える)』というテーマを掲げています。
人類の歴史をふりかえれば、新しい事業の立ち上げや困難な課題の解決など、重要な仕事は常にチームで成し遂げられてきました。私たちはその歴史の延長線上にAIを置いているんです。
1人の人間がディスプレイに向き合ってAIと1対1で完結する世界は、私たちのめざすゴールではありません。たとえば1,000人の社員と1,000のエージェントが1つの場所で協働する。その世界を実現するためにプラットフォームが必要なのです」
しかし、ただ「場」があるだけではAIは正しく動けません。その場にはAIを組織の意図通りに安全に動かすための仕組み「ハーネス(手綱)」が備わっている必要があるのです。
「まず、社内のあらゆるシステムに散らばった情報がNotionに接続され、一箇所に集まる。それがAIにとっての『コンテキスト』、つまり正しい判断を下すための『文脈』になります。
さらに、そのコンテキストの上で、複数のAIエージェント同士がつながり、お互いに協力しながらチームの一員のように協働し始める。そして、その全体に適切な権限管理やルールを設けることで、AIが組織の意図から逸脱しないようにコントロールする。こうしたハーネスを備えた場を創ること。それこそが私たちの役割であり、Notionの優位性なのです」
正解のない世界を、自分たちの手で。 圧倒的なスピードで、顧客と共に価値を生み出す
Notionの組織文化について、西は「工房」という言葉を用いて表現します。そこには、エンジニアやデザイナーに限らず、すべての社員がプロダクトの作り手であるという強い自負があります。
「社内の雰囲気は、まさに職人が集まる工房のよう。人事やマーケティングのメンバーも、日々Notionを使い込み、自分たちの手でワークフローを構築しています。そこで得られた『もっとこうだったらいいのに』というフィードバックを、ダイレクトに開発へ返す。
この距離感の近さはNotionの大きな特長です。自社製品を徹底的に使い倒す『ドッグフーディング』から生まれる改善のループは、すさまじい熱量とスピード感で回っています。
私たちが大切にしているのは『The Notion Way』、つまり自分たちがAI時代のトップランナーとして、新しい働き方の道を自ら作っていくという姿勢。正解がない世界だからこそ、自分たちがまず実践し、その成果をマーケットに発信していく。Notionはまさに今、新しいスタンダードを形にしている真っ最中です。 この過程に、全員がビルダーとして、『Urgency(スピード感)』と『Agency(当事者意識)』を持って取り組んでいるんです」
さらに西は、スピードを重視するバリュー「Why not today(今日やらない理由はない)」が、いかに組織の実行力を支えているかを具体的に語ります。
「AI時代において、スピードは最大の武器になります。社内の議論で『来週までに資料をまとめます』という言葉が出たとき、私はあえて問いかけます。なぜ来週なのか、今日1つでもアクションを起こせないのか、と。2週間かけて100点をとるよりも、今日の時点での10点を即座に顧客に問い、フィードバックをもらう。
昨日よりも今日、まず一歩を踏み出し、今この瞬間に起こせるアクションを優先する。その積み重ねが、顧客に届く価値の総量を決めます。この『先延ばしにしない』という文化が浸透しているからこそ、人は増えても方向性を保ちつつ、実行速度を高め続けられるのです」
西が強調するのは、顧客と共に変革を見つけ出すパートナーとしての姿です。
「AIの世界にまだ答えがないからこそ、顧客と共に模索しながら価値を定義していく。そのプロセス自体が、Notionで働く人々にとっての大きなやりがいなんです」
一期一会の今に、最高の熱量を。日本1号社員からAPACを率いるリーダーへの軌跡
2020年に日本1号社員として入社した西ですが、2023年11月からはAPAC(アジア太平洋地域全域)の責任者として、より広い領域を統括するようになりました。日本市場の最適化という視点からグローバルへと視座を広げたことで、リーダーとしての考え方にも大きな変化が生じたと言います。
「APACを見るようになり、より俯瞰的な視点が身につき始めました。かつては日本市場のためにできることすべてを尽くしてきましたが、グローバルの視点に立つと、実はすべての国にそれぞれのニーズがあり、その上で、どこが各国に共通するユニバーサルな課題なのかを見極める能力が求められるようになりました。
私が現場で貫いているのは『Direct & Kind(率直であり、思いやりを持つ)』です。遠慮からは真の価値は生まれません。たとえ関係性がまだ構築できていなくても、率直に意見を言う。それがNotionのバリューです。私自身、グローバル展開の指針を議論する際も、徹底して自分の考えを発言しました。それが結果として、現在のNotionのグローバル戦略の軸の1つになっています」
西のリーダーシップの根底には、自身のキャリアでの悩みがありました。かつてマネージャー職への昇進に悩み、自身の適性に試行錯誤した経験があるからこそ、今のメンバーの成長に人一倍の情熱を注いでいます。
「私自身、キャリアには人並み以上に悩んできました。営業を続けるべきかどうか、マネージャーになりたいのになかなかなれない、といった焦りも経験しています。だからこそ、APAC内で他のオフィスを1カ月経験できるプログラムを作り、機会の創出にはこだわってきました。
この取り組みを通じて、実際に体験したメンバーからは『グローバルレベルの視座を持てるようになった』という声が上がっており、確かな手応えを感じています。
また、趣味の茶道を通じて『日々是好日(にちにちこれこうじつ)』という、どんな日もかけがえのない一日という言葉を大切にするようになりました。今、この熱量の高いメンバーと働ける瞬間は、人生において永遠ではありません。だからこそ、この一期一会の『今』を最大限に楽しみたい。今日という日に集中し、その瞬間の熱量を大切にすることが最高の組織づくりにつながると信じています」
最高の仲間と、圧倒的な熱量で「人とAIが響き合うOS」をつくっていく
Notionが描く3年から5年先の景色。それは、あらゆる企業でNotionが、人とAIが協働する場として浸透している風景です。
「3年後、5年後には、日本中の家庭で、カフェで、職場でNotionが当たり前に使われている世界を作りたいと考えています。そのために必要なのは、プロダクトと同じくらい重要な『人』の力。私は今でも最終面接ですべての候補者とお会いしていますが、必ず確認するのは、Notionのミッションと個人のやりたいことが交差しているか。スタートアップでの仕事は決して楽ではありません。
だからこそ、自分のめざす方向と会社のミッションが直結していなければ、本当のエネルギーは湧いてこない。求めているのは、Notionというバスの『パッセンジャー(乗客)』ではなく、自ら進む方向を決める『ドライバー(運転手)』。そんな集まりでありたいと考えています」
インタビューの最後、西はこれから新しい環境へ挑戦しようとする人々へ向けて、自身の人生観を込めた力強いメッセージを送りました。不確実な時代だからこそ、理屈や損得勘定ではなく、自分自身の内側から湧き上がるワクワク感を大切にしてほしい。その真摯な言葉には、次世代のビジネスパーソンを鼓舞する響きがありました。
「人生は本当に短いです。だからこそ自分がワクワクすること、楽しそうだと思えることに自分の時間を投じてほしい。情熱を傾けられるものに従えば、自ずと120%の力が出ます。Notionには、高いスキルと圧倒的なパッションを持った『職人』たちが集まっています。
私たちは単なる外資系の日本支社としてブランチ的に活動するのではなく、日本国内でNotion Japanという最高のスタートアップを立ち上げて成功させていく気概でいます。この熱量の中に飛び込み、共に新しい時代を創り上げていける、そして自分自身の夢も叶える。そんな方との出会いを、私は心から楽しみにしています」
未完成ゆえのおもしろさ。自らの手で価値を生み出していく、その旅に、今、西は最高の仲間と共に挑み続けています。
※ 記載内容は2026年6月時点のものです
