相手によりそう回答や提案をめざして。知識とチーム力を磨き続ける
──関西技術センターでは、具体的にどのような仕事をされていますか?
主な業務は、現場からの技術的な問い合わせの対応や、営業部門からの技術提案の相談に応じています。たとえば、道路の舗装工事では材料の温度が170℃近くまで上がりますが、「その後どのくらいの時間で交通開放できる温度まで下がるのか、季節による違いも含めて調査してほしい」という依頼や、営業部門から「学校の中庭を雨天時でも部活動ができる簡易グラウンドにしたい」といった相談も寄せられ、さまざまなケースに対応しています。
新技術の導入フォローも重要な業務の一つ。最近では、カーナビなどに搭載されているGNSS(※)を建設機械に取り付け、作業の自動化を進める取り組みを行っており、機械の専門家や協力業者の方々と話し合いを行いながら、現場での実施方法を検討しています。
※ 衛星測位システムの総称をGlobal Navigation Satellite System (全球測位衛星システム)といい、その頭文字から「GNSS」と表記される
──仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
業務を進める上で最も大切にしているのが、人とのコミュニケーション。単に教科書的な回答をするのではなく、相手が求めている内容を理解した上で、状況に応じて情報をアレンジしながら対応しています。
一つひとつの問い合わせが自身の勉強になると考えており、案件ごとに条件も異なるため、自分の知識だけでなく先輩方から情報を集めながら対応したり、事例があった案件については後輩たちとも意見交換を行ったり、その上で最終的な回答を行うようにしています。これにより、後輩たちも知識を身につけていくことができると思っています。
──チーム内での連携はどのように行っていますか?
現在のチームは、所長1名、係長2名、後輩2名、派遣・アルバイト2名で、私は係長をしています。問い合わせ対応は主に係長クラスで担当しています。後輩には主体的に動いてもらうことを重視しており、必要に応じて軌道修正をする形で指導を行っています。
現在の大きな課題は、自身の知識向上とともに、後輩への教育と知識の伝達です。知識や能力をどれだけ向上させていけるかを重視し、日々の業務に取り組んでいます。
厚さ数センチの道路の奥深さに魅せられて。指摘を糧に、成長を実感できた現場の経験
──学生のころはどんなことを学びましたか?
大学時代は道路舗装の基盤となる地盤の研究を行っていました。もともと道路や交通、新幹線、飛行機などインフラ全般に興味がありましたが、進学先は土木工学科となり、この分野で自分にできることは何かを考えた結果、道路舗装の研究に行き着きました。
──就職活動時の軸や入社の決め手はどんなところでしたか?
研究を進めていくと、この分野の重要性を実感するようになり、専門性を活かせる就職先を探すことに。また就職活動を進める中で「厚さ数センチ程度の道路舗装には、膨大な時間と労力、知識が詰まっている」という道路分野に従事する方が語っていた言葉に感銘を受けて、その奥深さに惹かれました。
日本道路を選んだ大きな決め手は、女性でも現場で活躍できる環境が整っていたことです。業界では女性の現場従事者が少ない傾向にありますが、日本道路では男女問わず、現場で経験を積むことができます。また、将来的に研究職にも道が開かれているという話を聞き、自分のキャリアプランと合致していると感じました。
──入社後の研修と仕事内容について教えてください。
現在の内容とは異なるようですが、当時の研修は富士山の麓で同期と共同生活をしながら、約1カ月間、測量の基礎やCADの基本的な使い方、実際の道路舗装作業の体験など、基礎的な技術を学び、その後、技術センターで少人数での室内試験研修を受けました。
研修後はいよいよ現場配属となり、最初に携わったのは福井県での高速道路新設工事。多くの仕事を任されましたが、現場代理人の方が「フォローは俺がするから」と心強い言葉をかけてくれました。私の仕事ぶりをしっかりと見守ってくれていて、失敗をしてやり直しが必要になった時は、協力会社との調整をうまく行ってくれました。今でも憧れの上司です。
2017年には技術研究所に異動し、お客さまからの依頼による道路調査業務を担当。とくに道路の不具合が発生している箇所の原因究明が主な業務でしたが、当時は経験が乏しく、調査を時間内に終わらせることに必死でした。上司が不具合の原因について詳しく教えてくれて、理解を深めていきました。
──大変だったことはありますか。またそれをどう乗り越えましたか?
現場では、私ができていないことをはっきりと指摘していただき、「必要な時は先輩だけでなく協力業者の方にも相談するように」とアドバイスをもらいました。私はどんどん次のステップに進みたかったので、若手の女性社員ということで気を使われるよりも、できていないところをはっきりと指摘してくれて嬉しかったですね。それが自身の成長につながったと感じています。
落ち込んだ日は上司の方々が飲み会や食事に誘ってくれて、そこで悩みを吐き出せたので、今ではなにが大変だったのかすぐに思い出せないくらい、大きな支えとなりました。
自ら築いた道路は公共物として残り、そして時を経て再び補修で成果を実感する醍醐味
──入社してから現在までで、印象に残っている出来事や言葉はありますか?
入社してすぐに「終わらない現場はない」という言葉を先輩から教えてもらいました。当時、私が担当している工事の先が見えない状況でしたが、この言葉に何度も励まされました。また「自分が楽をしたいなら段取りを8割やっておく」という教えも印象に残っています。私自身は心配性なため、8割以上の段取りをしないと落ち着かないタイプですが、先輩からは「朝にモーニングを食べに行く余裕ができるくらいでいい」とアドバイスしてもらいました。
とくに印象深いのは、福井県での高速道路新設工事の時の現場代理人の方で、本当に頭の切れる方でした。私が考える前に先回りして仕事を進めており、私はその後を追いかけるような形でした。その指導のおかげで、着実に成長することができたと思います。
──やりがいを感じていることがあれば教えてください。
今でも福井の高速道路を走る時は、当時のことを思い出して懐かしい思いをするのですが、さらに興味深いことに、新人の頃、新設工事を担当したその道路を、10年経った今、補修工事で担当することに。これは道路工事ならではの醍醐味だと感じています。自分たちが作った道路は公共物として残り、自分自身も利用することができます。そして時間が経過した後に再び自分の仕事の成果を実感できることは、大きなやりがいの一つになっています。
また現在、技術センターで現場からの問い合わせ対応や技術的なフォローを行った後、現場から「ありがとう」と感謝の言葉をもらえるのがやりがいですね。不具合の対応で困っている現場を支援し、それが一段落した時にかけてもらえる感謝の言葉は、なにより嬉しいものです。
ただし、私自身がまだまだ知識不足だと感じているので、「学ばせてもらってありがとうございます」と言いたい気持ちです。そして「おたがいさまですね」と言い合える、そんな関係性を築けていることも、この仕事の大きな魅力だと感じています。
「なぜ?」という探求心が原動力。道づくりの奥深さに魅せられて
──今後どういう存在になっていきたいか。目標を教えてください。
今後の目標として、60代以上の上司の方々と同等レベルの知識を習得していきたいと思っています。彼らのようなベテラン社員の方が退職されるとノウハウを聞けなくなってしまうため、早めに知識を習得し、それを現場の方々に伝えていける存在になりたいと考えています。
とくに道路舗装の基盤となる時代を経験してきた方の知識は貴重です。現在は基盤ができ上がった状態から工事を行っていますが、過去の経緯を理解した上で現状を把握することが必要不可欠。これからも知識を増やし続け、技術の継承と発展に貢献していきたいと考えています。
また、係長として後輩たちが積極的に仕事をできる環境づくりを行っていきたいと考えています。新人の頃に先輩から「先輩がやっている仕事を奪うくらいの勢いで仕事をしなさい」というアドバイスをもらったので、今は私を追い越すくらいの勢いで成長していってほしい。ただし、教え方や伝え方は今の時代に合わせる必要があり、より丁寧な指導が必要だと感じています。
──日本道路の魅力はどんなところですか?
自由度の高さが大きな魅力です。とくに技術部に所属していた2年間は、上司から「好きなことをやっていい」と言われ、自分で課題を見つけて取り組める環境でした。採用面接の時から、形式張らない雰囲気で気さくに話せる方々ばかりで、その社風は今も当社の魅力ですね。
──どんな方がこの仕事に向いていると思いますか。興味を持っている方へのメッセージをお願いします。
この仕事は向上心が高く、体力のある方に向いていると思います。なにより仕事にやりがいを感じられることが大切。私自身、「なぜ」という疑問を持つことが多く、その謎を解明したいという気持ちで仕事に取り組んでいます。たとえば、F1レースは摩耗によってタイヤを交換するだけではなく、レース後はコースの路面自体も補修が必要となりますが、その理由を考えるなど、謎を解明していくのがおもしろいですね。
道路舗装の分野は大学や高校では詳しく学ぶ機会が少ないのですが、だからこそ自ら積極的に学び、次の世代に知識を伝えていくことが重要で、そこにおもしろさがあると感じています。行く現場が毎回違うので、「これをどうやってつくるのだろう」という探究心を持って取り組むと、とても楽しく仕事ができます。興味を持った方はご応募いただけると嬉しいですね。
※ 記載内容は2025年5月時点のものです
