道路の「素」を作る心臓部。規格をクリアし、安定供給を支える品質管理の使命
──現在所属されている部署の概要と、チームの構成について教えてください。
私は中国支店のアスファルト合材工場に所属し、香川県内の道路工事などで使用されるアスファルト合材を製造・供給しています。チームは総勢9名の少数精鋭。アスファルト合材工場を動かすオペレーターが4名、私が担当する品質管理が1名、その他にも事務2名、営業1名、そして所長という構成です。
私たちが製造しているのは、皆さんが普段歩いたり車で走っている道路の材料です。アスファルト合材は、製造時には約160度という高温でドロドロとした状態ですが、現場に運ばれて敷きならされて温度が下がると強固に固まります。この固まる前の材料に、いかに高い品質を持たせるかが品質管理担当の腕の見せ所です。
──「品質管理」とは、具体的にどのような業務なのでしょうか。
アスファルト合材工場で製造されたアスファルト合材が、国や自治体が定めた規格に適合しているかを科学的なデータに基づいて確認・管理する仕事です。
たとえば、道路の用途によって水を通しやすい材料や摩耗に強い材料など求められる性質は多岐にわたります。それらを満足する配合比率をその都度考えること、実際に製造された製品をアスファルト合材工場の試験室で分析すること、国などが定める規格と完全に一致するよう適切に管理することが「品質管理」の仕事です。1日に1回以上は製造担当者と話し合いを行い、密に連携することで常に最高品質を維持できる体制を整えています。
──1日のスケジュール感や、働き方のリアルについても教えてください。
朝からアスファルト合材の製造が始まるため、午前中は製造された製品の品質チェックや、現場に運ばれた後の試験結果をまとめる作業が中心です。午後は、翌日以降の製造計画に合わせたデータの整理や、改善のための打ち合わせなどを行います。
基本的には定時内で業務が終わるようコントロールしていますが、道路工事が工期を迎える年度末などの繁忙期は、どうしても業務が集中してしまうことがあります。ただ、チームで助け合う風土があるので、一人で抱え込むことはありません。
──仕事をする上で最も大切にしている価値観は何ですか。
大切にしている価値観は、「わからないことを放置しない」ことです。具体的には、なぜこの結果になったのか、その原因と理由を突き詰める姿勢を貫いています。 このような考えに至ったのは、高校時代の数学の勉強が原点です。公式を丸暗記するのではなく、なぜこの式が導き出されたのかを調べるのが好きでした。
今の品質管理も同じで、試験結果が規格から少し外れたとき、その原因が気温なのか材料の性質なのかを徹底的にロジカルに考え、解決していく。このプロセスこそが、品質を守る上での私の軸になっています。
現場から、試験の世界へ。工事職を経験したからこそ分かる、材料の重要性
──土木業界、そして日本道路を志したきっかけを教えてください。
中学生の頃から通学路にある工事現場を見るのが好きだったんです。大きな重機が動き、何もない場所に道や建物ができあがっていく様子が純粋にカッコいいと感じ、地元の工業高校の土木科に進学しました。
日本道路を選んだのは、学校の先輩が多数在籍していることに加え、入社した先輩からスケールの大きな仕事の話を聞いていたからです。道路業界のトップランナーで数々の国家プロジェクトに携わっており、日本全国に拠点がある安定感も魅力に感じ、在学中から入社したいという気持ちがありました。
──入社前の「建設業」へのイメージと、実際に入ってみてのギャップはありましたか。
土木業界は、昔から3K(きつい・汚い・危険)だと言われ、正直私も当初はそんなイメージを持っていました。しかし、日本道路に入ってそのイメージが大きく払拭されました。もちろん体力が必要な場面もありますが、先輩方が常に気遣ってくれますし、研修制度も充実しています。新入社員研修や年次に応じたフォローアップで、一人で放り出されるような不安はありませんでした。
仕事に早く慣れることができたのも、先輩社員のおかげです。自分の性格的に気になったらいろいろ調べるタイプで、先輩社員に面倒くさがられるぐらい積極的に質問していました。先輩に教えてもらいながらやれたので、仕事を覚えるのが早かったと思います。
──最初は「工事職」としてキャリアをスタートされたのですよね。
はい。最初は広島の営業所で、工事現場の施工管理を1年間経験しました。その後、自分の中で「材料の性質や試験について、より深く学びたい」という想いが芽生えたんです。その気持ちを会社に伝えたところ、「それなら材料試験を専門とする部署で1年勉強してみないか」と意思を汲み取ってくれ、背中を押してくれました。そして、技術センターでの試験業務を1年経験した後、2018年に現在の製販職へ職種転換しました。
──職種転換の際、苦労されたことはありましたか。
工事の現場では先輩社員がたくさんいて常に教えてもらえる環境ですが、アスファルト合材工場の品質管理は、基本的に合材工場に1人、あるいは2人の専任体制です。配属された当初、身近にすぐに聞ける人がいないプレッシャーは相当なものでした。
とくに、高速道路で使用するアスファルト合材の出荷を初めて経験したときは、書類の作り方一つ取っても前例がなく、大変な思いをしたのを覚えています。ひたすら管理基準の専門書を読み込み、わからないところはかつてお世話になった技術センターの先輩に電話で何度も質問しました。
当社には、所属が違っても「教えてほしい」と言えば親身になって答えてくれる先輩がたくさんいます。自分から積極的につかみに行く姿勢さえあれば、必ず誰かが手を差し伸べてくれる。それが、この会社の隠れた魅力だと思います。
高速道路工事の初出荷に挑む。現場とお客さまの架け橋となる醍醐味
──これまでで、最も印象に残っているエピソードを教えてください。
愛媛で3年間過ごした後、徳島に転勤した時のことです。転勤してすぐに、私が今までに経験したことのない特殊な材料管理を任されました。初めての業務で大変でしたが、本を読まずとも「確かこんなやり方があった」と頭に浮かぶようになり、これまで積み重ねてきた知識と経験を活かしてうまく対応することができました。
自信を持って業務を進められるようになったことが、仕事を成功に導ける要因になっていると思います。8年ほど製販職としての経験を積み、他県の品質管理担当者から質問を受けてアドバイスする立場となり、自分の確かな成長を実感しています。
──現在の仕事の魅力ややりがいは何ですか。
実際にアスファルト合材の状態を確認しに出荷先の現場に出向いて、お客さまと直接やり取りをすることも多いです。 そこで、「このアスファルト合材、すごく敷きやすくて仕上がりも綺麗だよ」と言っていただけたり、別の場所に転勤が決まったときに「T.Oさんがいなくなったら不安だな」と惜しんでいただけたりするのは、プロとしてこれ以上ない喜びです。
──日本道路ならではの、技術的な魅力についても教えてください。
当社には、他社にはないユニークな工法がたくさんあります。たとえば、CO2の排出量を大幅に抑制した環境配慮型の合材など、時代のニーズを先取りした研究が盛んです。品質管理の立場から、こうした最新の技術を真っ先に現場に実装する第一人者のような気持ちで関われるのは、とても誇らしく感じます。
また、当社は道路以外にも空港の滑走路や陸上競技場、自動車のテストコースなど、非常に幅広いフィールドをカバーしているので仕事に飽きることがありません。
──転勤については、どう受け止めていらっしゃいますか。
全国社員で入社したので全国転勤の可能性がありますが、私はこれをチャンスだと捉えています。これまで愛媛、徳島、香川と四国を渡り歩いてきましたが、同じ四国内でも地域によって求められる配合のバランスが微妙に違うんです。
新しい環境に行くたびに、その土地特有の技術や人間関係に触れ、自分の知識がアップデートされていく。転勤があるからこそ、マンネリ化せず常に勉強し続けられるのは、自分には合っているなと感じます。
飛び込んでみた先に、おもしろさが待っている。前向きな挑戦が未来の自分を切り拓く
──今後のキャリアにおいて、どのような存在になっていきたいですか。
私には目標とするロールモデルの先輩がいます。その方はまさにオールマイティで、製販の業務のことをなんでも知っているし、一人でアスファルト合材工場全体を切り盛りできるような方です。
私もその人の背中を見て学びつつ、品質管理だけでなく営業活動や製造管理の知識をもっと高いレベルで身につけていきたいです。そして、「製販のことなら自分に任せろ」と胸を張って言える、分身が何人も欲しいと思われるような頼もしい存在になりたいですね。
──日本道路で活躍できるのは、どのような人だと思いますか。
業務を楽しめる人であれば、どこに行っても活躍できると思います。仕事は仕事と割り切るのも一つですが、自分が今やっていることを楽しむ。たとえば、試験の数値一つに対しても好奇心を持てる人のほうが成長も早いですし、何より毎日が楽しくなります。
建設業界には「しんどい」というイメージがつきまといますが、飛び込んでみればそこには「やりがい」と「達成感」という圧倒的なおもしろさが待っています。
──未経験、あるいは専門外の分野から入社することへの不安を持っている人に、どのようなメッセージを伝えたいですか。
私は、チャレンジして失敗することに損はないと考えています。実際、私も工事職からスタートし、自分の興味に従って今の製販職へと職種転換しました。日本道路は、そういった前向きにチャレンジしたいという人を応援してくれる会社です。
今の学部や専門にとらわれすぎず、少しでも道を作る仕事に興味があるなら、迷わず飛び込んできてほしいですね。悩んでいるなら、まずはチャレンジしてみる。その一歩が、想像もしなかったワクワクするキャリアにつながっているはずです。
──最後に、T.Oさんは日本道路で働くご自身の姿、好きですか。
はい、好きですね。わからないことをそのままにせず、責任を持って一つひとつ解決していく。そんな自分の仕事に対する姿勢に、今は自信を持てています。客観的に見ても、日本道路という大きな看板を背負い、社会のインフラを支えていると思える仕事は、なかなか誇らしいものですよ。
※ 記載内容は2026年2月時点のものです
