オープンデータの利活用推進で、地域の課題解決と新たな価値の創出を実現
私は現在、NECソリューションイノベータでスマートシティ推進事業に携わっています。スマートシティとは、ICTと呼ばれる情報通信技術の活用によって、行政サービスや交通システム、エネルギー領域などあらゆる面での最適化をめざす都市のことです。
国内の各地域には、それぞれ多彩な特色や魅力がある一方で、高齢化や人口流出、地域経済の停滞などさまざまな課題を抱えています。
そこでスマートシティ事業推進室では、最先端のデジタル技術を活用して地域が直面する課題を解決し、新たな価値創出を支援しています。たとえば「活気あふれる地域社会を実現したい」といった地域の声に向き合い、デジタル技術の活用でまちづくりに貢献するのが私たちのミッションです。
現在の仕事内容は、スマートシティ推進の商材戦略立案やプロモーション活動、顧客への提案活動まで多岐にわたります。
商材戦略の立案では、NECソリューションイノベータが展開する多彩なプラットフォームやソフトウェアをもとに、注力商材の選定や売上拡大施策の検討などを実施しています。商材認知度の向上を目的としたプロモーション活動にも力を入れていて、プレス発表やイベントへの出展を行うこともあります。来月にはスペインで開催されるスマートシティに関する国際展示会「Smart City Expo World Congress (スマートシティエキスポワールドコングレス)」にも出展する予定です。
また、スマートシティの推進には自治体以外にもさまざまなステークホルダーが関わっており、それぞれとの連携が求められます。自治体、市民の方々、地元企業、そして当社の技術開発部門をつなぐハブ機能を果たすことも、スマートシティ事業推進室の重要な役割だと考えています。
SEとしての手腕を発揮。データ利活用を契機にスマートシティ事業推進室の一員へ
私は2008年に統合前の九州日本電気ソフトウェアにSE職で入社して以来、技術者として長く働いてきました。入社当初はクラウド関連事業に従事し、同社がNECソリューションイノベータに統合された2014年からは、同じくSE職として先端技術や新規事業開発に携わっていました。
当時、その部署ではデータ利活用をテーマにした新規ビジネスを模索していました。その一環で着目した新技術が、Webデータの公開や管理を可能にするソフトウェアの「CKAN(シーカン)」でした。このシステムに先行着手しノウハウを取得したことが、私がスマートシティ推進に携わることになった最初のきっかけでもあります。
2016年には「官民データ活用推進基本法」が施行され、翌年にはCKANをベースとした「地方公共団体向けオープンデータパッケージ」が公開されました。自治体がオープンデータの活用に取り組み始める流れの中で、NECも自治体向けにデータ利活用基盤の導入・構築に向けた取り組みをスタート。私は技術者として、データ利活用基盤の中核を担うFIWAREの技術検証プロジェクトに参画しました。
その後、データ利活用基盤を構築する案件が出てきたことから、技術検証にとどまらず実案件にも携わるようになりました。
スマートシティ事業推進室が新設されたのは2020年のことです。立ち上げ当初は、私は他部署所属のまま技術者としてプロジェクトに携わっていました。そして2022年にスマートシティ事業推進室に配属されてからは、案件全体に関わるようになりました。
技術職から事業推進室へ異動してからは業務内容ががらっと変わり、社内にいながら転職したような気持ちでしたね。それまで公共領域に携わる機会がなかったので、異動したばかりのころは、とにかくわからないことだらけでした。周りのメンバーにも助けられながら、国策や自治体の戦略などをひたすら勉強する日々を送っていました。
SE職からスマートシティ事業推進室へ。自身の課題感を克服して実感した成長
NECソリューションイノベータには自治体や地域に密着した支援を実現する全国37カ所の拠点体制があり、スマートシティ事業推進室は各地の営業や技術担当と連携を取りつつ、全国各地への提案を行っています。
これまで私が身を置いてきた九州は全国的に見てもスマートシティへの取り組みが盛んなので、顧客と一緒に取り組む機会が多くあります。そのため、かつて九州支社時代にお世話になった顧客の方々から「今年はこんなことをやる予定なので、御社で手を挙げてもらえませんか」と言っていただくこともあります。そんなふうに声をかけてもらえるのは、やはりうれしいですね。
ただ技術職として顧客のもとへ伺っていた時は、どうしても技術寄りの話が中心になってしまい、顧客の課題やニーズに寄り添う姿勢が不十分だったように思います。同時に、戦略やマーケティングといったスキルを磨く必要があるという課題感を抱いていました。
その点、今は国や社会の動向、自治体が抱える課題を踏まえた上で、技術に関するトピックへと落とし込めるようになりました。伝え方ひとつで、相手に耳を傾けてもらえるかどうかが変わることを実感しています。
合わせて顧客への提案で心がけているのが、視座を高く持つことです。スマートシティの推進には、行政、市民、企業とステークホルダーが多いことから、各々の視点で考え、提案することが求められます。それぞれの立場を理解し、業界や業種を越えた提案ができるようになってきたという意味では、少しずつ成長できているように思います。
スマートシティ推進事業の先に見据えるのは、“ウェルビーイング”な地域社会
人が身体的にも精神的にも健康であり、社会的にも満たされた状態にあることを指す「ウェルビーイング」という言葉があります。スマートシティ推進事業でめざしているのも、まさにこの「ウェルビーイング」の実現です。都市や地域に関わる人々が、こころもからだも健康的に人生を楽しめるような社会を実現できればと考えています。
今後、スマートシティの推進には、地元企業をはじめとする民間企業の参加も見込まれます。現在のメイン顧客は自治体ですが、今後は民間企業が積極的に参画するスマートシティの推進も視野に入れ、引き続きより良いまちづくりに貢献する事業を展開していきます。
自治体のデータ活用が始まる前のタイミングでCKANの技術を習得したことをきっかけに、データ利活用基盤の中核を担うような技術検証プロジェクトに参加し、本格的にスマートシティ事業に携わるようになり……。自分の経緯をあらためて振り返ると、偶然の積み重ねでありながらも、いい流れでキャリアを経験できていると感じますね。
技術者として新事業や新技術の開発に携わっていたころから今日まで、まだ正解のない課題に対して自分の頭で本質を考え、戦略的に取り組んでいく姿勢は変わっていません。新技術にしても、スマートシティ事業推進における課題解決にしても、見えないゴールに向かって挑戦することにこそ、おもしろさがあると感じています。
今後も未来志向かつ戦略的に、そしてスピード感を持って新たなチャレンジを続けていきたいです。
※ 記載内容は2023年10月時点のものです

