背景まで理解した納得感のある指摘でチームをまとめながら、販売管理システムを開発
私が所属するリテールソリューション統括部は、小売業向けのシステムを扱っている部署です。大手コンビニエンスストアやホームセンター、家具販売会社、さらに弁当・惣菜などを販売する中食産業の企業など、幅広い分野のお客さまがいらっしゃいます。
現在主に担当しているのは、インターネットで家具を販売している企業の販売管理システムのリニューアルプロジェクト。お客さまと共に要件定義や設計を行うフェーズを終え、今はプログラムを組み上げていく段階に進んでいます。プロジェクト全体では数十名のメンバーがいる中で、私はデータの一括処理を行うバッチプログラムを担当するチームのリーダーとしてメンバーをまとめています。
仕事をする上で何より大切にしていることは、「気になったことは曖昧なままにせず、きちんと調べて白黒はっきりさせる」ということ。お客さまとの会話の中でも、少しでも疑問に思うことがあれば、その場で確認するように心がけています。
これは、メンバーに対しても同じです。PLとして進捗を管理したり、設計書やプログラムのレビューを正確に行ったりするためには、不安なことを後回しにしてはいけません。チームは若手からベテランまで経験もキャリアもさまざまなメンバーで構成されているため、「どのような流れでこの判断に至ったか」という背景を含めて丁寧に話を聞くようにしています。
もちろん、ベテランのメンバーであればある程度信頼して任せる部分も多いですが、疑問に思ったところは遠慮なく確認しています。一人ひとりの考え方を理解した上で、それぞれに合った指摘を行うことで、チーム全体の納得感と品質を高めていくようにしています。
手探りしながら見つけたリーダー像。メンバーの業務を理解することで得た広い視野
私が大学を卒業した時期は、いわゆる就職氷河期。思うように就職先が決まらず、第二新卒としてようやく小さなソフトウェア開発会社に入社することができました。
がむしゃらにシステム開発の基礎を学びながら2〜3年経った頃、フリーランスとして独立。若さゆえの「自分には結構力があるのではないか」というなんとなくの自信からでしたが、大手通信系SIerの案件でシステム開発だけでなくインフラ構築なども経験でき、「エンジニアとして一人前になれた」という確信を得ることができました。
その後、結婚を機に安定した環境を求めたこと、そして「大きな会社で自分の責任のもと、一つ目線を上げて仕事をしたい」という想いから、九州日本電気ソフトウェア(現 NECソリューションイノベータ)に転職しました。
入社して最初に担当したのは中食産業の企業。すでに開発段階にあった食材配送システムのプロジェクトに参加することになりました。それまでの情報をキャッチアップすることから始めたのですが、仕様が複雑でとても大変でしたね。けれど、皆で力を合わせて無事にリリースまで到達でき、大きな達成感を味わいました。
次に担当となったのは、健康食品などの通信販売を行う企業です。5名ほどの自社メンバーと共にお客さま先に常駐することになりました。10年という長期にわたって担当したこともあり、私の人生の大きな転機となった案件です。
この案件で初めてリーダーを任されたのですが、最初の1年は本当に苦労の連続でした。仕事の進め方や事務手続きなど、わからないことだらけ。手探りで始めるものの、当初はメンバーをまとめることができませんでした。
というのも、私が担当していたのは主にサーバーなどのインフラ構築。他のメンバーは、顧客分析や顧客に合わせたおすすめ商品を案内する仕組みを担当。全体に目が行き届かなかった上、それぞれの業務を理解できていなかったので、報告を受けても次の指示を出すことが難しかったのです。
このままではいけないと、たくさんの自己啓発本を読んでリーダーとしての立ち居振る舞いを学び、まずはコミュニケーションの仕方から変えました。相手の話を聞く傾聴の姿勢を徹底し、わからないことは素直に聞くなど、こまめな対話を続けた結果、2年目以降はメンバーから相談に来てくれるようになり、ようやくチームがうまく回り始めたのです。
この経験を通じて、メンバーやお客さまの業務への理解が深まったとともに、お客さまの先にいる消費者のことまで考える広い視野を持つことができるようになりました。
お客さまからいただいた感謝の色紙。長期の出向で築いた信頼関係が成功の要因に
10年の担当期間の中では、大きな手応えを感じたプロジェクトもありました。8年目に取り組んだシステムのリプレイスは、とくに印象に残っています。このプロジェクトには新たな自社メンバーも加わり、チームも拡大。お客さまのことを熟知している私が中心となって進めることになりました。
もともと私はインフラ担当として入っていましたが、長く担当する間にデータベースに関する資格を取得したり、お客さまの業務についてさらに理解を深めたりしていました。そのため、他のメンバーとお客さまとのやりとりの中で気になった点や考慮しなければいけない点をこちらから指摘できたのです。
また、それまでExcelで管理していた需要予測をシステム化する際には、どこからどんなデータを持ってきて、どのように組み合わせていけばいいのかという提案をしました。それは、お客さまが日々どのような流れで業務を進めているのかを知っているからこそできた提案です。
それまでの知識や経験を活かしながら、お客さまと対等にやりとりできる信頼関係を築けたことが、新しいシステムへのデータ移行をスムーズに進行できた大きな要因だと感じています。
そして、このプロジェクトを通じて何より嬉しかったのは、システムを利用するコールセンターの方々から感謝の色紙をいただいたことです。そんな経験は初めてでしたし、しっかりと役に立つことができたのだと実感できて感慨深かったですね。
現在も小売業界に関わっていますが、新しい決済手段への対応や消費税を含めた法令への対応、販売方法の変更など、この業界は変化が早いことが特徴。それが大変でもあり、おもしろいところです。時には挑戦的に思えるスピード感を求められることもありますが、私はそうした状況ほど燃えるタイプなのかもしれません。
研修がきっかけで見つけた次なる目標に向け、新たな視点を身につけたい
NECソリューションイノベータでの経験を振り返ると、大きく2つの強みを磨くことができたと感じています。1つは、お客さまに深く関わっていたことで、システム運用の現場を知っていること。システムを使う現場の視点を持っていることは、お客さまの本当の課題を理解する上で役に立っています。
もう1つは、人に教えること。これは自分でも予想外だったのですが、リーダーとして試行錯誤してきた経験で、傾聴力や丁寧に質問に答える姿勢、褒めて伸ばす力が自然と身についたのだと思います。近年、システム関連の業務は内製化を進めるお客さまも多いですが、基礎から教えていったお客さまが自分たちで改修を進めることができた時などは嬉しいですね。
この会社で働いて20年ほど経ちましたが、大手企業のシステムをサポートすることで社会に貢献できていると、日々やりがいを感じています。また、働きやすい制度が整っていることはもちろん、人の魅力も大きいのです。私自身、もともとはそれほど話す方ではないのですが、情報共有をはじめ、気さくにコミュニケーションをとりながら仕事をする人が多いこの環境で、少しおしゃべりになった気がします。
今後は、システムの改善にとどまらず、システムを使ってお客さまのビジネス課題を解決する提案ができるようになりたいと考えています。そのためには、経営層がどういう思考で会社を運営しているのかを理解することや、業界全体の動きを捉えていく視点も必要です。
こういった目標を抱くようになったきっかけは、社内研修での経験でした。ロールプレイ形式でお客さまへの提案方法を学ぶ研修に参加した際、経営層へのヒアリングの仕方から、実際に提案書を書き上げプレゼンするところまでを体験し、経営層がどういった視点で物事を見ているかを学びたいと思ったのです。
こうした研修をきっかけに、新しくチャレンジしてみたいことが広がっていく環境があることも、この会社の魅力。挑戦する人の背中を押してくれる雰囲気があるので、いろいろなことにチャレンジしたいと思えます。これからも、この環境を活かして新たな挑戦をしていきたいですね。
※ 記載内容は2026年2月時点のものです
