現場で培った経験と知識をもとに、多様な研修プログラムで薬剤師を支える
薬局事業本部 薬局教育部に所属する藤井さん。現在、研修講師や社内教育制度の企画・運営を担当しています。
「薬学生向けのインターンシップや、入社後の研修の講師を務めています。インターンシップでは現場体験型のプログラムを、入社後の研修では幅広い分野のコンテンツを担当しています。たとえば、調剤業務に必要な添付文書の読み方を教える研修や、業務の中で生じる疑問点を研究活動に結びつける視点やアプローチを学ぶ研修、クリティカルシンキングを磨くためのトレーニングなど多岐にわたります。
また、新入社員研修や『Pharmacist Basic研修』『CP Step制度』といった社内教育制度の企画や運営にも携わっています。『Pharmacist Basic研修』とは、入社後3~4年目までの薬剤師を対象としたもので、服薬期間中のフォローをはじめとする薬剤師の新しい役割や、調剤報酬改定にともなう加算に関する最新情報など、実務ですぐに実践できる内容となっています。
『CP Step制度』は薬剤師を育てるための教育制度です。学会への参加や専門資格の取得など、各Stepの段階に応じた『臨床』『研修』『研究』『資格』の4つの実績を積み重ねることでStep1〜5へステップアップしていく仕組みです。多くの薬剤師がまずはStep3をめざして取り組んでいます」
薬局教育部には薬剤師や栄養士、スタッフなど約12名が在籍。専門家同士が連携する場面も多いと言います。
「薬局教育部では、薬剤師だけでなく栄養士やスタッフ向けの研修も実施しています。薬剤師と栄養士とが一緒にディスカッションしたり、研究発表に向けて互いのコンテンツを共有しあえるチームを設置したりと、協力体制を整えています」
薬剤師を経て本部職へとキャリアを広げた今、現場で働く薬剤師を支える立場として、大切にしている想いがあります。
「業界を取り巻く状況は日々変化していますが、薬剤師たちがニュースをこまめにチェックする時間も限られています。厚生労働省や日本薬学会、日本薬局学会などから発信される最新情報を積極的に集め、現場業務にどのような影響があるかを踏まえながら、わかりやすく伝えることを心がけています」
地域薬局への情熱が原点。患者さま一人ひとりと向き合う医療をめざしたキャリアの歩み
薬剤師を志して薬学を専攻した藤井さん。薬局実習に参加したことがターニングポイントになりました。
「大正時代からある薬局で、薬剤師を頼って多くの患者さまが毎日のように相談に訪れていました。地域で愛される薬局が本当にあるんだと知って、とても驚いたのを覚えています。
病院では、薬剤師が長く患者さまとお付き合いすることはあまりありません。自分も患者さまと長く関わり、薬剤師として地域に貢献できる存在になりたいと考え、調剤薬局で働きたいと思うようになりました」
そして、藤井さんはなの花薬局(メディカルシステムネットワーク)へ。そこには、探し求めていた理想の環境がありました。
「当社に興味を持ったのは、“地域薬局”というコンセプトが自分のめざすキャリアと重なると感じたからです。大学病院の門前に積極的に出店する大手とは違い、地域に根ざした取り組みを行っている点に強く惹かれました。
入社を決めた理由は2つあります。1つは、離職率が低いこと。患者さまと長く関わるためには、まずその会社で長く働けることが重要です。安定して長く勤務できることは大切な要素でした。
もう1つは、実際に店舗を見学した際に温かい雰囲気を感じたことです。現場で働いている薬剤師と直接話し、人事担当者のいない状況で業務内容や働き方について率直な意見を聞けたことが安心材料になりました」
入社後、自ら希望して毎年のように違う店舗を経験。その背景には、薬剤師として成長したいという強い想いがありました。
「同じ店舗だけにとどまると、扱う薬剤の種類に偏りが生じがちです。抗がん剤など専門性の高い薬剤に触れたり在宅訪問したりと、さまざまな経験を積みたいと考えていました。
当社では年に1回、異動希望を伝えることができる制度があります。社員が実現したいキャリアをサポートしてくれる風土のおかげで、さまざまな学びの機会に恵まれました」
入社5年目、藤井さんは薬局長に。その2年後には、新入社員が毎年配属される店舗を任され、貴重な気づきがありました。
「2020年9月に改正薬機法が施行され、服薬期間中のフォローアップが薬剤師の義務として明確化されました。これを受けて早々にメンバーが一丸となって前向きに取り組んだ結果、全国の店舗中1位の実施数を実現することができました。
それをきっかけにモデルケースとして採用されることが増えました。私たちの服薬フォローの取り組みについてインタビューを受けて薬局内でお配りする資料に掲載されたり、服薬フォローに注力していた部下の1人が社内シンポジウムの登壇者に選ばれたりと大きな波及効果がありました。チームで取り組みを積み重ねていくことの大切さをあらためて実感しましたね」
薬剤師から、本部職へ。キャリアの転換で見つけた新たな使命感とやりがい
キャリア9年目に薬局教育部に着任した藤井さん。新たなキャリアへの意欲が大きな決断を後押ししました。
「新人の育成を通じて店舗の求心力が高まり、それが成果につながったことに大きな手ごたえを感じていました。また当時、東京薬科大学で学生実習のアドバイザーを務める機会がありました。実習の講師としてアウトプットすることで自分の知識が深まり、コミュニケーションが上達する感触もあり、教えることに興味を持つようになりました。
そのタイミングで薬局教育部の社内公募に応募し、現在に至っています」
研修講師として活躍する上で、現場経験が役立つ場面が少なくないと藤井さんは言います。
「薬剤師時代に在宅訪問を担当していた際、コロナ禍で患者さまたちが思うように外出できない状況でした。認知機能の悪化リスクが高まっていたことを知りながら、効果的な対応を提案できず、歯がゆい思いをしていました。
その経験を踏まえ、現在は日本認知症学会での情報収集に加え、認知症認定薬剤師制度の実行委員として社を超えて活動し、得た知識を積極的に研修に取り入れています。先日講師として登壇した研修では、500名以上の薬剤師に参加いただきました。
こうした活動を通じて、薬剤師や薬局長のころとは違うかたちで患者さまに貢献し、少しでも多くの人を幸せにできたらという気持ちで仕事に取り組んでいます」
一方で、薬剤師から本部職へと大きくキャリアを転換したことで、仕事との向き合い方が変わり、新たなやりがいも生まれています。
「薬局長時代は個人の育成が中心でしたが、今は教育制度やコンテンツづくりを通じて、より多くの薬剤師を対象とした教育に取り組んでいます。これまでよりも影響を与える範囲が格段に広がって、より大きなビジョンに向かって仕事をしている実感があり、以前に増して責任感ややりがいを感じています。
また、研修後のアンケートでのポジティブなコメントが大きな励みになっています。たとえば、4月にオンラインで実施したチームビルディング研修では、『同期同士の結束力が高まった』『有益な気づきが多く得られた』といった声をいただきました。自分が一から手がけたコンテンツだっただけに、喜びもひとしおです」
現場での経験を、次世代へ。キャリアの可能性は薬剤師の枠を超えて
患者さまと長く関わり、地域医療に貢献できる環境を求めてメディカルシステムネットワークを選んだ藤井さん。キャリア11年目を迎え、あらためて実感する同社の魅力があります。
「当社では、『良質な医療インフラを創造し生涯を見守る“まちのあかり”として健やかな暮らしに貢献します』と企業理念を掲げ、患者さまを起点にした医療の実現をめざしてきました。実際に働いてみて、その理念が社員一人ひとりに浸透していると強く感じています。
多くの競合他社が高い離職率に悩む中、当社は約10年間にわたり低い離職率を維持してきました。この実績こそが、理念や組織風土が表面的なものではなく、社内に深く根づいている証だと思っています」
薬剤師として、また教育者として。藤井さんには、同社だからこそ描けるキャリアビジョンがあります。
「患者さまを第一に考えられる人材を1人でも多く育てていくことが、いまの私の目標です。その実現に向けて、これからも新しいことに積極的に挑戦したいですし、成長し続けたいと思っています。
今は現場に出ていませんが、薬剤師としての知識や視点を活かすことで、ほかの人には見えない気づきや有益な情報を提供できると考えています。たとえば、私の注力する認知症領域は、法律が新しくできたり新薬が販売されたりと変化が大きく、求められることも日々変わっています。
そんな中で薬剤師としての視点を活かして新たなニーズを発掘することができるかもしれません。薬局教育部で十分な経験を積んだ後は、自身の経験やアイデアを糧に他部門へ移り、別の形で貢献していくことも視野に入れています」
そして最後に、未来の仲間に向けて、次のようなメッセージを送ります。
「薬剤師にとって知識を身につけることはとても重要ですが、それと同じくらいコミュニケーション能力も必要です。私はこれまで良い上司に恵まれてきましたが、そうした方々との出会いを意味のあるものにするためにも、コミュニケーション能力が欠かせません。社内外を問わず、円滑なコミュニケーションを取れる人材が求められていると思います。
また、当社は調剤薬局だけでなく、デジタルシフト事業や医薬品製造販売事業などさまざまな事業を展開し、複数の子会社も運営しています。多様なキャリアパスを通じて、『まちのあかり』の一員となり、地域医療をより良くしていくことに興味がある方と一緒に働けることを楽しみにしています」
※ 記載内容は2025年5月時点のものです

