養豚・養牛農場を巡回研修中。机上では得られないたくさんの学びが農場にはある
私が所属する技術サポート部は、農場をサポートする部署です。当社の飼料を使っていただいている農場を巡回して飼育環境や畜産動物の成長具合を確認した上で、状態に合った飼料と飼養管理を提案しています。
部内は養牛、養豚、養鶏の3つのグループに分かれ、メンバーは15人。入社2年目の若い先輩もいますが、ひとまわり程度離れたベテラン社員が中心です。その中で、私は養牛グループと養豚グループそれぞれのリーダーのもと、農場巡回の研修に参加しています。
農場に出ると、机上では得られない学びがあります。たとえば、同じ畜産動物でも、養牛と養豚の管理方法がまったく違うことを現場で痛感しました。
養豚では、シビアな環境管理が求められます。暑い夏場は、受胎率や分娩率が落ち込むため換気を良くすることが大切です。また、とくに子豚には冬の保温が欠かせません。そのため、季節の変わり目になると、当社の社員が温度・換気管理方法を詳細にお客様に伝えています。
一方、養牛では飼料は牛の消化器機能を安定させるために必要な繊維質を大量に含む粗飼料と重要な栄養源となる配合飼料の2種類に大きく分けられ、そのバランスが重要になります。月に1度の定期巡回で状態を確認し、お客様の要望に合わせて、粗飼料と配合飼料の割合や給与量のバランスの微調整を提案させていただきます。
牛や豚を襲う病気についても、教科書に書いてあることと現場にはギャップがあることを学びました。畜産動物の病気については学生時代に勉強しましたが、実際の現場では、さまざまな要因が複合的に関係しています。そのため原因を特定して対応するのがとても難しいのが現実です。
お客様である生産者から学ぶことも少なくありません。皆さんそれぞれ努力して管理されていて幅広い知識をお持ちです。上司はそんなお客様と日々向き合い、設備面や畜産動物の状態についてのお話しを聞き、情報提供をしています。自分も早く先輩方のような知識や経験、スキルを身につけたいと思いながら、毎日勉強に励んでいます。
生産者の情熱に感動。畜産動物の健康に先手でアプローチできることに魅力を感じて
私は幼いときから動物が好きで、犬やオカメインコなどの小動物を飼っていました。将来は獣医師の国家資格を取りたいと考え、大学では獣医学を専攻。小動物が好きだったので、当時は産業動物獣医師の道に進むことは考えていませんでした。
転機となったのが、畜産動物を診療するNOSAI(農業共済)での実習です。農場を往診したとき、生産者がいかに牛や豚を大切に管理しているかを目の当たりにしました。私たちの食卓に良質な肉が届けられている背景には、生産者のたゆまぬ努力と情熱があることを知り、とても感動したのを覚えています。
この実習を機に、産業動物獣医師として畜産動物の健康を守り、生産者の手助けをしたいと思うようになりました。
また、臨床の獣医師が活躍するのは、動物の病気が発生した後であることがほとんど。後手のアプローチになってしまいがちに感じていました。だから、動物を診療する仕事ではなく、飼料メーカーで働く道を選んだのは、動物の健康に先手でアプローチしたいと考えていたからです。
そんな想いで仕事を探していて見つけたのが、日清丸紅飼料の技術サポート部です。ここでなら、生産者と協力して問題が発生する前に対策を講じられると感じました。飼料を通じて動物の健康にアプローチできるのも、飼料メーカーならではの魅力。ここで働きたいと、入社を決意しました。
入社後は、本社で約2週間のビジネスマナー研修を受け、現在の技術サポート部に配属されました。以来これまで、8カ月間にわたって環境を変えながらの研修が続いています。
総合研究所で子牛や豚を飼養する施設や試作品を製造するプラントの業務を学んだ後、お客様の養豚農場に1カ月、養牛農場に2週間、自社工場に2週間お邪魔して、当社の飼料がどのように畜産動物に与えられ、どれくらい食べ、成長しているのかを細かく見せてもらいました。
研修を通して、工場で原料が受入・製品が製造・出荷され、お客様の農場で製品が実際に給与されて増体などの反応がでる一連の流れの中で、お客様と主にやり取りをする営業の方だけでなく工場や品質保証など部署の方もお客様のニーズに応えられるよう密に連携しているのがより強く実感できました。
また、長い研修期間の中で、想定していた以上に幅広い知識が必要だと感じています。たとえば、牛が4つの胃を持つのに対して豚はひとつ。消化の仕方もプロセスも発育のスピードも違うため、それぞれの発育ステージに適したアプローチを覚えなくてはなりません。
そのため、現場で気づいたことはしっかりメモに取るなど、自分なりの学習方法を試行錯誤してきました。また、知識をスムーズに頭にインプットできるよう、勉強するときはリラックスすることを心がけています。
ちなみに農場は遠方であることも多く、巡回には出張を伴うこともよくあります。最初は戸惑いましたが、出張手当など制度も充実していますし、上手にスケジュールを組めば十分に休みを取ることもできます。
一丸となって課題解決するチームワークが強み。尊敬できる先輩から実践スキルを学ぶ
研修を通してもっとも感銘を受けたのが、社内の連携力の高さ。農場からの要望に対して、工場、営業、技術サポート部が一丸となって対応する姿勢はとても印象的でした。
営業担当がお客様から注文を受け、工場が飼料を製造し、技術サポート部が農場で飼料を給与された牛や豚の状態を確認して、社内にフィードバックして改良を重ねる──この一連のプロセスは、当社の大きな強みだと感じています。
たとえば、ある農場で飼料をタンクから流す際、飼料の一部が粉状になり無駄になってしまう課題に直面したことがありました。営業担当が農場の方々から聞いてきた要望に対して技術サポート部が相談にのり、そして工場の方々が飼料形状の改良を重ね、一体となって試行錯誤を繰り返す。こうした要望にスピーディーに対応できるのは、当社のチームワークの賜物だと思っています。
もうひとつ、成長環境が整っているのも当社ならでは。入社から8カ月が経過したいまも研修に参加するなど、充実した学びの環境があります。指導に当たってくれている先輩も頼りになる存在で、私の指導役を務めるふたりの上司の方はもちろん、開発グループ、同行する営業の先輩方も、丁寧に教えてくれる方々ばかりで、とても助けられてきました。
また、その先輩社員方はお客様と良好な信頼関係を築いていて、相談や訪問依頼がひっきりなしに寄せられています。そんな先輩社員方をお手本に、私も豚と牛を並行して勉強しながら、知識やスキル向上を図りたいと考えています。
国産肉や牛乳は世界的にも高い評価を受けています。肉質は飼料の配合に大きく左右されますし、乳牛の乳量や乳脂肪率にも飼料の微妙なバランスが影響します。その安全性や質の向上に貢献できることも、飼料会社で働く魅力だと感じています。
生産者の課題に応える、やりがいを実感。飼料メーカーが魅力的な進路と知ってほしい
現在は先輩社員に随行して教えてもらっている立場なので、早くスキルを身につけ一人前に行動できるようになりたいですね。単に生産者の課題やニーズに応えるだけでなく、どんな取り組みが必要なのかを生産者とともに考え、社内の協力を得ながら課題解決ができる存在になることがいまの目標です。
そのためには、信頼関係を築くことが欠かせません。お客様にも社内の人に対しても誠実に接しながら、「松田くんだからやってあげるよ」と言ってもらえるような、仕事をする中でたくさんの人を巻き込んでいける人材へと成長していけたらと考えています。
畜産業界では品種改良や管理技術が著しく進歩しているため、自ら学び挑戦する姿勢が必要です。新しいことを積極的に取り入れて実行できる人がこの仕事に向いていると思います。
また、技術サポート部の業務ではコミュニケーションスキルがとても重要です。入社以来、お客様、社内の工場、営業、開発など、幅広い人と関わる場面がありました。課題を解決する上で、チームワークが欠かせないと感じています。
獣医学を専攻する学生さんには、飼料メーカーが進路の有力な選択肢のひとつであることを知ってほしいですね。多くの卒業生は、動物病院で小動物を診察したり、家畜保健所やNOSAIなどで畜産動物を診療したりする道に進みますが、当社の技術サポート部は、それに引けを取らない魅力的な職場です。畜産生産者の情熱に応え、飼料を通じて動物の健康にアプローチする、やりがいのある仕事ですよ。
※ 記載内容は2023年12月時点のものです
