官公庁・自治体向けに幅広いソリューションを提供
少子高齢化の進展、経済格差の拡大、地域のつながりの希薄化、環境・エネルギー問題など、社会が直面する課題は複雑化・多様化している。官公庁・自治体における政策の重要性は増しているが、複雑化・多様化する課題解決に対してのノウハウ・知見も限られている。
そこで、頼りにされるのがシンクタンクやコンサルティングファームだ。官公庁や自治体のパートナーとして、政策の立案を支援する。
中でも、みずほリサーチ&テクノロジーズは、政策の調査・分析から制度設計、導入支援、評価までを一貫して支援し、高い評価を得ている。支援分野も、労働雇用・人材、保健・医療・介護、福祉・年金・共生社会などの「社会保障分野」、「環境・エネルギー分野」、「デジタル・技術戦略分野」など多岐にわたる。
そのうちの「医療・福祉政策」に携わっているのが、主任コンサルタントの齊堂 美由季と近藤 拓弥だ。
齊堂:大学院で栄養分野の疫学研究に携わり、食事が健康にどう影響しているか、また、社会経済的属性や住環境が食行動にどう影響するかに着目した研究をしていました。食や栄養を切り口にして社会問題に関する調査をしてみたいと思い、幅広いテーマで調査を行っているみずほリサーチ&テクノロジーズに関心を持って入社しました。
近藤:私は、大学では教育学部で教育社会学を専攻していました。アンケート調査などから、社会制度が教育の成果に与える影響を分析するといった研究をしてきました。現在携わる医療・福祉の分野とは異なりますが、調査・分析に関するスキルは生かされていると思います。
「若年性認知症」など、新たに生まれた社会課題の解決に挑む
齊堂は、入社後は食・栄養分野に加えて、福祉分野、共生社会分野にも携わってきた。
齊堂:家庭が子育てや介護などのさまざまなケアを担うのが当たり前だった時代とは異なり、人々の生き方や家庭のあり方は多様化しています。個人の生き方を尊重しながら、時代に合わせた新たな支え合いの基盤を作る必要があります。
医療・福祉・介護・年金といったいわゆる社会保障分野だけでなく、経済・産業、交通・流通、教育など、さまざまな分野の知見を集結した取組みが必要とされており、当社のような総合シンクタンクが強みを発揮できる分野です。
調査の大きな目的は、政策決定のための情報収集や政策導入の効果を判断することだ。最近では、官公庁、地方自治体だけでなく、民間企業も福祉や共生社会の分野に関心を持つところが増えていると言う。
齊堂:ある業務アプリ開発プラットフォーム企業と協働し、要保護児童・家庭の見守り、情報共有を目的に導入した自治体を対象に、導入前後の変化について調査を行いました。
社会環境の変化により、新たな課題も生まれている。高齢化により認知症の人が増え続ける中で、いかに本人の尊厳を維持するかもその一つだ。
齊堂:現役で働いている年齢で認知症を発症する人もいるのですが、診断をきっかけに会社を辞めたり、解雇されたりする人も少なくありません。「認知症の人は何もできない」と思われて社会的な役割を奪われてしまい、家にこもってしまう人もいます。
こうした中で、認知症の当事者を始めとした関係者の尽力により、認知症の人の意思や能力を尊重する社会づくりの機運が高まっています。当社でも、「若年性認知症疾者の就労支援のための調査研究事業」、「認知症の人のおもいを反映した地域づくりの手法に関する調査研究事業」などに携わり、望ましい社会の在り方を探っています。
官公庁や自治体だけでなく、民間企業と連携した取り組みも進めている。
齊堂:認知症の人が働き続けられる職場づくりの方法を探るため、企業向けに若年性認知症の当事者を招いたセミナーを実施し、効果検証を行いました。同じ事業では、企業の担当者と認知症の当事者、医療・福祉関係者によるパネルディスカッションを企画し、サステナブルな職場づくりに向けて関係者が取組むべきことについて発信しました。
また、あるスーパーと連携し、認知症の人が買い物しやすい売り場づくりをめざして、認知症バリアフリートイレの開発、見やすい店内サインの開発、快適な音響空間の検討なども行っています。
調査・分析にとどまらず、課題の解決につながるアイデアを形にできるのも、同社の大きな特長だろう。
国が持つ膨大なデータベースを活用し提言できるやりがい
近藤:私の今の肩書は「主任コンサルタント」ですが、業務としてはデータアナリストやデータサイエンティストに近いかもしれません。
同社は、今のようにデータアナリスト・サイエンティストが脚光を浴びる前から、データの分析・解析ができる人材の養成に力を入れてきた。
近藤:一言でデータ分析と言っても、プログラムにデータを放り込めば答えが出てくるというものではありません。出てきた結果をどう分析するのか以前に、たとえばアンケート調査ならば「対象は誰で、どのように聞くのか」といった設計が大切です。
そのあたりの専門性やノウハウはまさに、同社が得意とするところだ。
近藤:さらに、膨大なデータを分析できるテクノロジーにも自信を持っています。たとえば、厚生労働省のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)には、健診の結果だけでも数千万人のデータがあります。膨大なデータの中から、何を抽出すれば知りたい情報が得られるのか。また、偏ったデータにならないためにどのような工夫が必要なのかといったことに配慮しながら分析をするのは知識や経験が必要になります。
NDBは、申請により民間企業も利用できるが、扱うにはデータベースに関する知見だけでなく、診療報酬等の制度の理解も必要となる。扱える民間企業は、同社をはじめ国内に数社といったところだ。
近藤:NDBを活用した事業として、「特定保健指導による生活習慣改善の効果検証」、「地域の歯科医療提供状況の分析」なども行いました。
歯科医療提供状況の分析では、都道府県など自治体ごとに歯科医療提供状況の把握に役立つデータを収集・集約。グラフや地図上での表示で比較できるような仕組みも作成し、好評だと言う。
近藤:学生時代のアンケート調査では、サンプル数は多くても数百程度でした。それに比べ、数千万人ものまさにビッグデータを扱い、結果を分析したり、提言したりできるのは大きなやりがいです。
個人の意欲を尊重し、キャリアアップを支援してくれる
じつは、齊堂と近藤はともに入社9年目の同期で、入社以来同じ部署だと言う。
齊堂:最初に配属された部署で、引き続き専門家としてその道を極めていく人もいれば、異動したいと手を挙げる人にはチャンスを与えてくれ、本人の意思を尊重し応援してくれる社風があります。
私は、当社の副業・兼業制度を利用し、各地域のこども食堂によるネットワーク組織(中間支援団体)を支援する団体の活動に参加しています。もともとは農水省の事業でこども食堂の全国調査を行ったのがきっかけです。
一つの調査結果でも、国や行政と民間団体では重視するポイントやその後の行動などが異なるため、勉強になります。
まさに、社内にいては得られない知見が獲得できている。近藤も、同社における自分のビジョンについて力を込める。
近藤:みずほ銀行など、みずほフィナンシャルグループのお客さまに対しても、官公庁業務で培った当社の知見をコンサルティングとして生かす動きも出てきています。私自身としても引き続き、データ分析のスキルを磨きながら知見を蓄積していきたいと思っています。
これまで、医療の分野のデータ分析に携わってきましたが、今後はその知見をもとに福祉や介護など社会保障の分野の分析にも広げ、課題解決に貢献していきたいです。
両名の話から、国や自治体の将来像を描き、実現するパートナーとしてみずほリサーチ&テクノロジーズの存在感が増していることがうかがえる。
※ 記載内容は2023年7月時点のものです
