リスクは恐れずアイデアを追求。デジタル戦略を通じて、患者さんのQOL向上に挑む
医薬品や疾患について、デジタル技術を活用したタイムリーな情報提供活動を通じて患者さんのQOL向上への貢献をめざすマルホ。豊富な知見を有するMRと共に、その最前線として、マーケティング・デジタル戦略部ではデジタルを通じた価値提供に取り組んでいます。
恩田 沙織:マーケティング・デジタル戦略部はデジタルマーケティンググループとデータ&デジタル戦略グループから構成され、私は前者に所属し、3つあるホーム組織のうち「homeDTC」のマネージャーを務めています。
近年はとくに、データ利活用による患者さん個人に合った情報提供に注力してきました。疾患啓発担当として、ニキビや多汗症が皮膚科で診療可能であることや、口唇ヘルペスの治療法についての認知向上を図っています。同時に、皮膚に関する困り事を抱える患者さんの拠り所となり、ネクストアクションへと導くようなプラットフォームづくりをめざし、アプリやウェブサイト、CRM(Customer Relationship Management)を構築中です。
岡本 和明:私は、デジタルマーケティンググループの「homeDTx」に所属しています。DTx(Digital Therapeutics)とは、医療用ソフトウェアを用いて疾病の予防・管理・治療を行う手法のことで、皮膚科でのDTxの実現をめざしています。主な業務はDTxの候補となるデバイス・センサー・プログラム技術の医療応用の検討のほかに、日々の健康状態をモニタリングし、痒みを数値で評価することで患者さんと医師のコミュニケーションを円滑化するヘルスケアアプリ「Itch Tracker」の運営も行っています。
Itch Trackerではアプリを活用した痒み研究の支援、アプリ取得されたユーザーデータの分析、データ利活用による痒み領域の知見の創出にも取り組んでいます。チーム内では私がもっとも勤務歴が長く、各検討案件の進捗管理やチームメンバーのサポートが私の役割です。
さらに、最近では本格的にDTx開発に取り組むべく、全社的なDTx開発のプロジェクトチームに参加し、そのリーダーとしても活動しています。
平岡 奈央:私はデータ&デジタル戦略グループに所属して、デジタルプロモーションや、MRのデジタル文化の浸透業務を主に担当しています。
デジタルプロモーションでは、医師を中心とする医療関係者に対してWEBを通じた情報提供を行っています。MRのデジタル文化の浸透業務では、MRと協働して大学病院での説明会や地域での講演会といった施策を行ったり、医療現場に同行して医療関係者に対してオウンドサイトや会員専用サイトの活用を呼びかけたりしています。マルホならではの付加価値を高められるよう、地域特性に応じた情報提供にも力を入れています。
同じデジタルマーケティンググループに所属する恩田と岡本。チーム内には挑戦を歓迎する空気が満ちていると口をそろえます。
恩田:当社がこれまで取り組んできた施策とは異なることにチャレンジしている組織なので、メンバーの学びへの意欲が高く、また進んでアイデアを出し合う環境があります。前例のないことであっても果敢に踏み出し、リスクを恐れずに挑戦する非常に先駆的なチームです。
岡本:グループ内ではディスカッションする機会を定期的に設けており、社歴や年次に関係なくフラットかつ建設的な議論ができています。新しいことに前向きで、既存の枠にとらわれず、新しいアイデアや方法を自由に追求する姿勢が各メンバーに浸透しています。
一方、各メンバーが全国に点在して活躍しているデータ&デジタル戦略グループにも、協働的なカルチャーが根づいていると平岡は言います。
平岡:マネージャーは大阪本社に在籍し、私が所属するチーム9名のメンバーは仙台から広島まで全国各地で現場と連携しながら活動しています。私は中四国地方を拠点とし、名古屋から福岡までの広範なエリアを担当しています。メンバー同士は物理的に離れていますが、患者さんを笑顔にするという目的は一緒であり、常に積極的に意見を交わし合いながら業務を進めています。
メンバーの7割が女性で、当社で営業を担う他部署と比較すると女性社員の比率が高いことも当チームの特徴です。
異分野を経てデジタルの世界へ。医療への貢献をめざすそれぞれの信念
学生時代は異なる専門分野で学んだ3人。独自のキャリアパスを歩みながら、マーケティング・デジタル戦略部にたどり着きました。
恩田:大学では農学を専攻し、植物の遺伝子について研究していました。卒業後はIT企業でウェブサイトの制作や分析を担当していましたが、当時は発注を受ける立場。思い描く通りの成果までの道を自社だけでは達成できないことに物足りなさを感じていました。
一方で東日本大震災を機に、人の命や健康に貢献できる仕事に関心を持つようになりました。社会貢献度が高く、より深く入り込んで取り組める環境を探していて出会ったのがマルホでした。
2011年の入社当初、ウェブサイトの管理を担当し、医療業界のデジタル化の遅れに戸惑ったことを覚えています。とくにデジタルに不慣れな方々に取り組みの重要性を説明するのは、非常にエネルギーを要しました。
その後、2017年より現在の組織の前身である部署で、アプリ開発や疾患啓発を担当するようになり、製薬企業が行う情報提供の中で、デジタルの担う役割が徐々に大きくなる過程を経験してきました。マーケティング・デジタル戦略部には2020年から在籍しています。
岡本:私は薬学部の出身です。医薬品に関わる知識を学び、研究室では循環器領域における薬効薬理作用の研究に従事しました。製薬会社の中でもマルホを選んだのは、就職説明会での当社の人事担当者のプレゼンテーションが心に強く響いたからです。皮膚疾患に悩む患者さんの役に立ちたいという熱い想いに感銘を受け、入社を決めました。
2010年の入社後、開発研究部の薬理研究グループで非臨床での医薬品の薬効薬理研究に携わりました。大学へ出向しながら過酸化ベンゾイルの抗菌・殺菌活性に関する研究に従事しました。2018年に恩田と同じ部署へ異動して以降は、ヘルスケアアプリの企画や開発、デジタルヘルスの要素技術調査業務の担当に。
2020年からはプログラム医療機器やDTxの開発の検討にも取り組み、2022年にマーケティング・デジタル戦略部へ着任しました。
平岡:メンタルヘルスへの関心から大学では精神保健福祉学を専攻し、社会福祉士と精神保健福祉士の資格を取得しましたが、医薬品を通じた医療への関心を捨てきれず、製薬企業で働くことを志しました。皮膚科学領域に特化したスペシャリティファーマであること、めざすビジョンに共感できたことが、マルホへの入社の決め手になりました。
2010年に入社し、約9年にわたってMRを経験した後、マルホがニキビ領域に注力し始めたタイミングで、プロダクトマーケティング部へ。アクネコーディネーターとして、スキンケアマイスターや化粧品検定など美容関連の資格を活かしながら、マーケティング施策を打ったり現場に足を運んだりと、本社と現場の橋渡し役を務めました。
マーケティング・デジタル戦略部に着任したのは2022年です。MRとマーケティングの両方の経験が活かせると考え、異動の希望を出しました。
それぞれ10数年にわたってマルホでキャリアを築いてきた3人。入社以来、大切にしてきたことがあります。
恩田:「患者さんに貢献すること」が最優先されるべきだと考えています。私たちが考える「一番良い対処法」を伝えても、それが患者さんにとって実行可能でない場合もありますし、必ずしも治療することだけが目的ではないということを、疾患啓発を通じて実感してきました。患者さんが本当に求めていることは何か、ということを理解することを心がけています。そこが明らかになると、本当の意味で貢献できるのではないかと思います。
ニキビの疾患啓発のために初めてタレントさんを起用した時のことが印象に残っています。はじめての試みのため、当時は懐疑的な意見もありましたが、中村 倫也さんを起用した結果、ニキビに悩む多くの患者さんにメッセージが届き、ニキビの皮膚科治療の認知拡大に大きく貢献しました。
岡本:私は仕事の中に楽しみを見出すよう努めてきました。とくに前例がないことに取り組むマーケティング・デジタル戦略部では、ヘルスケアアプリなどのプロダクトや施策に対して、利用者の声、反響が得やすいことが原動力になっています。失敗しても命を失うわけではありません。つまずくことを恐れず、常にポジティブ思考を心がけています。
また、デジタルの領域では開発スパンが非常に短いのが特徴です。成果を最大化するため、改善のサイクルをアジャイルに回すことも意識しています。
平岡:患者さんの役に立つことが大前提ですが、医療関係者と直接やり取りする立場として、本質的に有用な情報を届けることを重視してきました。社外だけでなく、社内の関係者とのコミュニケーションにおいても、相手のパーソナリティ、置かれている状況などを理解した上で、相手のニーズに応じた行動をするよう心がけています。
さらにデジタルプロモーションでは、形に残る方法で情報を提供する機会もあるため、口頭でのコミュニケーション以上に情報の正確性を確保することも大事にしている点です。
デジタル戦略を通じて実感するやりがいと、新たな価値の創出に向けて
マーケティング・デジタル戦略部は、患者さんとコミュニケーションを展開する立場。現在の仕事に大きなやりがいを感じていると3人は言います。
恩田:SNSなどを通じて、疾患啓発活動をきっかけに治療が可能だと知り、治療後に症状が改善したことを喜ぶ患者さんの声を目にすると、この仕事をしていて良かったと思えます。中には会社の問い合わせ窓口にわざわざ連絡をくださる方も。患者さんへの貢献を実感できることが、私のモチベーションにつながっています。
岡本:医薬品の研究では、専門性高く携わるのは創薬プロセスの一部のみでしたが、マーケティング・デジタル戦略部では、企画、開発からローンチまでのすべての工程に関わっています。とくにローンチ後に患者さんや医療関係者、社内外のメンバーからのプロダクトやサービスに対する意見、反響を肌で感じられることが自分の励みになっています。
新しいことに挑戦できていることも大きな喜びです。プロダクトやサービスを通じて患者さんや医療関係者に貢献できることが、私にとってやりがいになっています。
平岡:私も、新しいものを生み出し、それが患者さんや医療関係者の役に立てていることを実感しつつ、現場の状況に応じて試行錯誤しながら展開できているところにおもしろさを感じています。
また現在、外部の研修に参加していますが、他社のマーケティング担当者と話す中で、デジタルを活用した情報提供に期待される役割の大きさをあらためて実感しました。当事者として大きな転換期を迎え、とても貴重な経験ができていると思っています。
3人が共通して信じるのは、デジタルの可能性です。マーケティング・デジタル戦略部だからこそ、できることがあります。
恩田:治療法を知った上で選ばないのと、知らないから選ばないのとでは、意味がまったく異なります。また、同じ症状でも人によって感じ方や悩みはさまざまです。患者さん一人ひとりの悩みに寄り添い、納得できる選択を支援することで、皆さんの生活を少しでも豊かにすることが私たちの願い。現在の取り組みが、それを実現する鍵になると信じています。
デジタル技術が普及したことで、さまざまなデータが入手可能になりました。膨大なデータの解析を通じて得た新たな知見を用いて患者さんに貢献できることに、宝探しのようなワクワクを感じています。
岡本:デジタルには、多くの新しい価値を生み出す可能性があります。患者さんだけでなく、病気の一歩手前である未病の方々とのタッチポイントを増やすことができれば、マルホは現在よりもさらに社会に貢献できると考えています。
平岡:マーケティング・デジタル戦略部には、これまでになかったものを生み出す業務や、これまでのパイロット業務を拡大していく業務が少なくありません。新しい情報提供のための枠組みづくりに貢献できている実感があり、その一端を担えていることをとても誇りに思っています。
患者さんや社会をより笑顔にするために。それぞれの役割、それぞれの使命
マルホの一員として、より医療や社会に貢献できる存在であるために。3人にはそれぞれ成し遂げたいことがあります。
恩田:各種データを有効活用し、患者さんに還元していくことが目標です。それぞれの悩みに対して個別の解決策を提案することで、患者さんのQOL向上に貢献できたらと考えています。
各種データの中には取り扱いが難しく、慎重さが求められるものもあります。セキュリティを管理する情報システム部、法律業務を担当する法務部など関連部門と連携しながら、しかるべき体制の構築に向けた取り組みを進めていくつもりです。
岡本:当社では、「あなたといういのちに、もっと笑顔を。」をミッションに掲げています。その実現に向けて、周囲から「おもしろそうなことをやっているな」「自分も一緒にやってみたい」と思ってもらえるように、まずは自分自身が楽しみながら仕事をして、笑顔の輪を広げていきたいです。
現在取り組んでいる全社的なDTx開発プロジェクトが、皮膚科学領域に特化したスペシャリティファーマとして、プレゼンスをますます高めるきっかけになることを願っています。
平岡:皮膚疾患に悩む患者さんに笑顔を届けるため、医療関係者に「役立つ」「有意義だ」と感じてもらえるような情報提供を実現することが、チームとしての目標です。
一方で、個人的には、誰もがワークライフバランスを保ちながらいきいきと働けるための仕組みづくりにも関心があります。たとえば、気軽に意見交換できる場をめざして、約1年前から女性メンバーを中心にランチミーティングを実施してきました。こうした取り組みを通じて、みんなが働きやすい職場環境を整えていけたらと思っています。
それぞれの働きがい、働きやすさを追求しながらも、「患者さんのために」という思いを念頭に業務に取り組む3人。これからも医療×デジタルの領域で活躍が期待されます。
※ 取材内容は2024年5月時点のものです
