「普通の大学生活から逸脱」自分らしさを貫いた学生時代から就職まで
「大学時代はどんな学生でしたか?」と聞かれたら、間違いなく「テスト週間限定学生でした!」 と答えます。私は商学部に通っていましたが、正直なところ学業には全く身が入らず、簿記3級すら取得できないような学生でした。ゼミにも所属せず、テストの時だけ大学に顔を出すという大学生活を送っていました。
しかし、学業以外では充実した日々を過ごしていました。例えば、フットサルサークルに所属し、趣味の合う仲間たちと時間を共にしました。今でも隔週でフットサルを続けているほど、私の生活に根付いた趣味の一つです。また、和食レストランでキッチンスタッフとしてアルバイトにも明け暮れていました。今でもアジをさばけるほどの腕前を身につけたことは自慢でもあります。
特に印象深いのは、パチスロと麻雀に没頭していた日々です。朝からパチスロ、夜は麻雀というような生活を送っていました。当時、大学生のアルバイトの時給が1,000円前後、家庭教師や塾講師のアルバイトの時給が2,000円前後という時代に、パチスロや麻雀で月平均100万円近い収入を得ている人がいました。運と知略で勝負をする、この異世界に集まる人たちに強烈に惹かれていました。サークルで充実した大学生活を送る同級生への嫉妬心や、あるべき大学生の姿から乖離していることへの焦りや劣等感もあったので、ここで出会う、いわゆるクレイジーな人達に癒しを求めていたのかもしれません。 時にはパチスロに熱中するあまり、平日は家に帰らずサウナで寝泊まりする生活を送っていたこともあります。服が汚れたら同じスウェット上下と下着をジーンズメイトで新調し、着ていた服は捨てるという荒技で乗り切っていました。今思えば極端でしたが、これも青春の一つの形だったのかもしれません。
就職活動の時期になると、学業やサークル活動など、いわゆる「普通の大学生活」を送っていなかったことへの後悔と不安が一気に押し寄せてきました。同級生たちへの劣等感は強く、まともに社会に出られる気がしませんでした。企業の説明会に行っても、自分の経験を誇れるものに変換できず、ただがむしゃらに企業面接を受けていました。
そんな中で出会ったのが、新卒入社した株式会社インテリジェンス(現在はパーソルキャリア株式会社)でした。 面接で自分の大学生活や趣味の話をありのままに話してみたところ、予想に反して面接官が興味深く聞いてくれたのです。特に、サウナで寝泊まりをしていたエピソードを話した時の反応は今でも忘れられません。今思えば、「普通の大学生活」を送らず、何か尖っているものがあるかが採用基準に 入っていたのかもしれません。私は初めて自分らしさを認めてもらえたような気がして、この会社なら自分も活躍できるかもしれないと感じました。そして、自分の可能性を試してみたいという思いが芽生え、株式会社インテリジェンスへの入社を決意したのです。
「定型業務の枠を超える」法人営業での挑戦と成長の日々
株式会社インテリジェンスでの人材派遣の経験を経て、その後、株式会社NTTデータ先端技術に転職しました。そこでは、特定製品(オラクル)の法人営業として働いていました。主にソフトウェアやハードウェアを親会社やエンドユーザーに提供する際の様々な調整や資料作成が中心でした。また、自社の技術社員をデータベース管理者やプロジェクトマネージャーとして提供するSES事業も経験しました。
仕入先であるオラクル社からライセンスやハードウェアを仕入れ、期日までに納品することも私の主要な業務でした。一見すると地味な仕事に思えるかもしれません。実際、顧客からはソリューション要素が無いと揶揄されることもありました。しかし、得意先や仕入先との関係構築や交渉術は、今振り返ってみると非常に価値のある経験だったと感じています。
当時、親会社とのビジネスが中心で比重も高かったのですが、私はあえてエンドユーザーとの直接取引の開拓に挑戦しました。その理由は単純で、利益率の向上を目指したかったからです。オラクル製品は代理店ビジネスなので、大幅な利益改善は基本的には見込めません。しかし、オラクルを基盤としつつも、その他のソリューションを自由度高く提案するためには、エンドユーザーを直接開拓し、自分たちがプライムになる必要があったのです。私の行動は、必要以上に売り上げ利益を上げすぎてはいけないという会社側の意向とぶつかることもありましたが、共感してくれるメンバーと共に進めることができました。
この挑戦は実を結び、大手SNS企業との取引開拓に成功しました。ただし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。特に印象に残っているのは、仕入先の特価と納品日の調整に苦心した時のことです。エンドユーザーの発注が間に合わない事態が発生し、徹夜で受発注を回すことになりました。法人間の契約や受発注の稟議の根回しなど、非常に骨が折れましたが、何とか無事に期日までの納品と売上計上を実現することができました。
また、2兆円を超える超大手企業に対して、弊社が直接サービスを提供できたことも大きな経験となりました。売り物に縛られず課題特定から関与したことで、社内の縦割り文化を超える、自由度の高い提案を喜んでいただけました。 会社の規模や社格ではなく、本質的な価値を評価していただけたことは、大きな自信となりました。その後も、自分の担当商材以外も積極的に提案したり、自社独自の商流で顧客の新規開拓を行うなど、仕事を楽しめる環境に仕向ける努力をしていました。
しかし、大手企業のグループ会社という立場上、親会社の意向に沿う定型要素が大部分を担う仕事のため、徐々に自身のモチベーションが下がっていったことは否めません。また、私生活では離婚を経験することとなりました。
それまで仕事においても、家庭においても、無意識のうちに囚われていた「こうあるべき」や「理想」と現実のギャップに悩み葛藤して疲弊する毎日を送っていました。しかし、離婚を機に、これまで縛られていた様々なものから解き放たれ、選択の自由が現れたように感じました。この経験が、後の起業への大きな転機となったのです。
「カジトルとの出会いで人生が好転した」人との出会いを大切にし、可能性を引き出す
株式会社NTTデータ先端技術を経て、私はSES事業、プラットフォーム事業、研修事業を提供する会社を立ち上げました。仕事においては会社員生活が10年を超え、プライベートでは離婚を経験し、予定調和を優先とした人生から抜け出したいという想いから一念発起し会社を立ち上げました。「時間や場所に縛られずに働きたい」「売り物に依存しない、真の意味で顧客に貢献したい」「自分自身の力を試したい」「会社に縛られない働き方をしたい」という皆さまに”自由な選択肢”を提供しています。
このビジネスの世界で最も苦労するのは、やはり得意先の開拓です。競合がひしめく中で、小規模企業である私たちが優良な得意先を見つけて契約を結ぶことは、本当に困難です。起業当時、仕事を選ばずなんでもやる。対応品質を高める。スピード感を持って対応するという人材派遣の経験を生かして得意先の信頼を得てきました。これは会社の看板ではなく、「自分という商材を買ってもらう」ような営業活動であり、今でも大きな課題として捉えています。私は営業において「恩は必ず返す」という気持ちで、身もふたもなくお願いすることを大切にしています。「無視されるのではないか」「迷惑なのではないか」というネガティブな思考ではなく、「実は待っているのではないか」「喜んでもらえるのではないか」というポジティブな感情で営業活動を行うように心がけています。そうすることで、自然とわくわくする感情が湧き上がり、より積極的な行動につながっていきます。
また、意外にも前職での人材派遣の経験が、現在の事業における大きな差別化要因となっています。人材派遣ビジネスでは、就業される派遣スタッフの方々が最も大切な資産であり、いかに信頼関係を築けるかが重要です。派遣スタッフとの会話を大切にし、どんな仕事をしているのか、職場環境はどうか、誰と仲が良いのか、お昼は誰と食べているのか、何に困っているのか、今後どうなっていきたいのかなど、細やかなコミュニケーションを心がけていました。この姿勢は、SESの現場でも同様です。実は多くのSES企業では、このような細やかなフォローがおざなりになっていることが多いのです。私たちは人材派遣で培った経験を活かし、エンジニアやコンサルタントの方々に寄り添った運営を心がけています。
この仕事の最大のやりがいは、優秀なエンジニアやコンサルタントの方々から「カジトルとの出会いで人生が好転した」と言っていただけることです。例えば、ある方は月間300時間勤務で年収1500万円の管理職でしたが、人生の岐路に立っていました。私たちは、まずは副業の紹介から始め、市場価値を認識していただき、その後、専業フリーランス、合同会社設立という独立へのロードマップを一緒に描きました。現在では、従業員10名を抱える企業の社長として、コンサルティング業務を行いながら自社サービスも開発し、10億円規模の企業へと成長されています。
このように、人との出会いを大切にし、一人一人の可能性を最大限に引き出すことができる。それこそが、私たちの会社の存在意義だと考えています。
「非常識なほど高い目標」事業の成長と挑戦を支える経営者として今考えていること
今、私たちの会社は、主力事業であるSI・SES事業で売上高100億円、粗利20億円達成という目標を掲げています。この目標に向けて、3つの重要な方針を掲げています。
1つ目は、質にこだわったサービス提供です。ただ量を追求するのではなく、質を最大化することでお客様が自然と増えていく、そんな状況を目指しています。そのために、社員一人一人が本質を捉え、顧客志向で最高のサービスを提供することに集中できる環境づくりを心がけています。
2つ目は、新規事業への積極的な投資です。これまでの延長線上にあるかどうかは問わず、社員が熱狂できる事業であれば投資する用意があります。実際に、社員から提案のあった結婚相談所の企画を採用し、現在はエンジニア向けの結婚相談所を運営しています。また、AIを活用した新しい人材マッチングプラットフォームの開発も検討しています。
3つ目は、共鳴する仲間を増やし没入することです。非常識なほど高い目標を達成するためには、同じ志を持つ仲間と深く没入して取り組むことが不可欠だと考えています。
将来的には、新規事業を次々と生み出し、世の中にインパクトのあるサービスを投じていきたいと考えています。そのために、社員一人一人が起業家精神を持って新サービスの企画開発に取り組める社風・制度設計を大切にしています。具体的には、月次で新規事業のコンテストを開催し、簡単な事業計画を立てて発表してもらっています。なぜその事業に投資すべきかを考えることは、起業家として非常に重要な意識づけになると信じています。
私たちの会社では、結果を出せれば働く場所は問わないという原則のもと、希望する社員にはフルリモートでの勤務を認めています。ただし、チームの一体感も大切にしたいと考え、任意参加型のオフラインイベントを日本全国で開催しています。新規事業のコンテストや社員旅行と組み合わせながら、年に一度は何らかの接点を持てるよう工夫しています。特別な事情で参加できない社員がいれば、私から直接会いに行くこともあります。
これから私たちと一緒に働いてくれる方には、自由を大切にし、責任感が強く、チームワークを重視し、新しいことへの挑戦を楽しめる人材であってほしいと思います。エンジニアやコンサルタントとしてのキャリアに興味を持ち、仕事を通じて自己実現を果たしたいという強い意志のある方との出会いを楽しみにしています。
