見えない部分にこそ価値がある。本質を見極め、当たり前を守り抜く
「契約業務は、正しく処理されて当たり前」 誰かに評価されることも、目立つこともほとんどありません。
もしひとつでもミスがあれば、会社全体に大きな影響を及ぼす可能性を秘めた、非常に責任の重い領域です。 そんな“当たり前を守り続ける仕事”に、私は静かな誇りを持って向き合っています。
現在、私は営業事務として、クライアントや協力会社、個人の皆さまとの契約手続きを一手に担っています。見積作成から契約書の作成・締結、そして請求書の発行や支払処理に至るまで、契約に関わる一連のプロセスが私の担当領域です。その中で、契約手続きの精度を担保するために、内容や金額のチェックにも関わっており、業務全体を見渡す立場へと役割が広がりつつあります。今後は、契約手続きにおける最終的な統制を担っていく予定です。
だからこそ、私が大切にしているのは、「手段ではなく目的を見ること」です。
契約手続きは、どうしても形式的なルーティンワークになりがちです。しかし、本来そこには「この契約は何のために存在するのか」「関係する人々は、この契約を通じてどのような価値を求めているのか」という重要な背景が必ず存在します。目の前の書類をただ正しく処理するだけでなく、その奥にある本質をしっかりと捉え、自らの頭で考え判断を下す。その日々の積み重ねこそが、結果として精度の高い仕事を生み出し、会社の強固な基盤づくりにつながっていくと信じています。
バックオフィスという立場上、お客様と直接お話しする機会は多くありません。日々のやり取りはメールが中心で、自分の仕事がどのように受け取られているのかを実感する機会も限られています。
そんな中で印象に残っている前職での出来事があります。 あるとき、営業担当者同士の会話の中で、自分の対応について話題に上がっていたと聞きました。もちろん良い意味での話題です。直接関わることはなくても、きちんと見てくれている人がいる。 そして、自分の仕事が信頼として伝わっている。その事実を知ったとき、見えない場所で積み重ねてきたことが、確実に価値として届いているのだと実感しました。
この仕事は、決して華やかなものではありません。それでも、契約や請求といったお金に関わる業務をはじめ、会社の基盤となる部分を支えているという実感があります。そう思うと、この仕事の価値の大きさを強く感じます。
これからも、目に見えない部分だからこそ手を抜かず、本質を見極めながら仕事に向き合っていきたいと思います。目立たなくても、確実に価値を生み出す仕事に向き合い続ける。その積み重ねが、会社の信頼をつくると信じています。
パティシエの夢を経て気づいた 全体を見渡す「1から10まで」の仕事
「一部分だけを繰り返す仕事は、自分には合わない」そう気づいたのは、パティシエとして働いていたころでした。
高校卒業後、夢だったパティシエを目指して製菓の道へ進みました。しかし、専門学校卒業後、厳しい現実を前にその夢は手放さざるを得ませんでした。長時間労働や待遇面もさることながら、何より私を悩ませたのは「仕事の自由度の低さ」でした。独立しない限り、自分の裁量で工夫を凝らしたり、仕事の進め方を変えたりすることは難しい。そう知ったとき、この世界は自分の求める働き方とは違うと悟ったのです。
夢を諦めた自分に、何ができるのか。自問自答の末、商業高校で学んだ簿記やパソコンの知識を活かし、事務職として新たなキャリアを踏み出す決意をしました。
中でも、現在の仕事観の確固たる土台となったのが、出版社での経理・総務としての経験です。 これまで机上の「勉強」だった簿記が、生きた「業務」へと変わりました。テキスト通りにはいかない現場のリアルな数字と格闘し、バックオフィス全般を幅広く経験する中で、私が今大切にしている「手段ではなく目的を見る」という本質重視の考え方が自然と身に付いていきました。
そしてこの時期、私の仕事への向き合い方を決定づける一つの大きな「失敗」がありました。私のミスが原因で、日頃から仲良くしていた営業の先輩を、お客さまへの謝罪に向かわせてしまったのです。 先輩への申し訳なさと、ミスをしてしまった自分への悔しさで胸がいっぱいでした。
落ち込む私に、先輩はこう声をかけてくれました。 「誰でもミスはする。でも、二度と同じことをしなければいい。普段頑張っているのは知っているから」
この言葉をきっかけに、私は強く思うようになりました。 「絶対にミスを起こさない努力をすること」。そして同時に、「万が一ミスが起きたときでも、取引先とカバーし合い、許し合えるような関係性を日頃のやり取りから築いておくこと」。その両方が大事だと深く学んだのです。
その後、業務効率化のためにツールを活用したことをきっかけにIT業界へ興味を持ち、コロナ禍という時代の転換期に転職を果たしました。そこからは、総務・経理・法務・労務・営業事務と、バックオフィス全般に関わるキャリアを歩み始めました。
しかし、転職先で大規模な経営統合が行われたことで、私のキャリアに再び大きな転機が訪れます。 大企業の巨大な組織構造の中で業務が細分化され、これまで私一人が一気通貫で担っていた業務が、複数の部署、数十人の担当者によって分割・分担されるようになったのです。大企業で働く経験は魅力的でしたが、次第に違和感が芽生え、だんだん大きくなっていきました。 「この会社で自分が関わる業務は、全体のほんの一部だけしかない」。これまで積み上げてきた知識や経験を活かしきれていないと感じるようになりました。
「私は、仕事の流れを『1から10まで』見ていたい。一部分ではなく、全体像を深く理解した上で仕事をしたい」と自分の本心に気づいたのです。サッカーで例えるならば、「11人に分身して、すべてのポジションをこなしながら試合をしたい」タイプなのだと思います。 契約書の確認だけ、請求書の送付だけといった断片的な関わり方ではなく、見積作成から入金管理まで、できる限り一連の流れに関わっていたいのです。
だからこそこれからは、一つひとつの業務をこなすことにとどまらず、全体の流れや構造を俯瞰しながら「より良い業務のあり方」そのものを考えていきたい。そう考えたとき、業務の幅が広く、自分なりの工夫を加えながら仕事ができる環境に強い魅力を感じるようになりました。私がカジトルを選んだのは、まさにその理想の環境がここにあったからです。
「あなたに任せたい」――作業者から全体を見渡す役割への進化
「あなたになら任せられる」
カジトルに入社してしばらく経った頃、今後の責任者としての役割を打診されたときの言葉です。これまでの取り組みが評価された嬉しさを感じる一方で、実は少しだけ複雑な感情も入り混じっていました。
カジトルに入社後も、私は文書作成やお客さまとのメール対応など、一つひとつの業務を丁寧に積み重ねてきました。特別なことをしていたわけではありませんが、「当たり前のことを当たり前にやる」ということを大切にし続けた結果、少しずつ信頼を得られるようになったのだと思います。
また、前職で総務・経理・法務・労務といった幅広いバックオフィス業務を経験していたことも活きました。業務全体の流れや、つまずきやすい「リスクポイント」をあらかじめ予測しながら判断できたことが、契約手続きの精度担保など、より広い範囲での役割へと自然につながっていきました。そうして順調に業務の幅が広がる中で提示された、責任者へのステップアップ。戸惑いの理由は、私がもともと「自ら手を動かして業務を完結させること」に強いやりがいを感じるタイプだったからです。現場の最前線で作業する立場から少しずつ離れていくことに寂しさを感じていたのも事実です。一方で、これまでの経験を活かしながら、より全体を見渡す視点で業務に関われることに対して、確かな期待も感じています。
役割が変化していく中で、私自身の仕事の見え方は大きく変わっていくと考えています。これまでは「自分が正しく処理すること」が中心でしたが、「チーム全体としてどうすればミスなく業務を進められるか」を考えるようになるからです。作業単位で目の前のタスクをこなすのではなく、業務を「構造」で捉える。この視点の変化は、自分にとって大きな進化になると感じています。
「1から10まで流れを理解しながら働きたい」、そして「一つひとつのプロセスにきちんと関わっていたい」という想い自体は、今も全く変わっていません。ただ、「自分がすべてを担うこと」から「全体が正しく機能する『状態』をつくること」へ、向き合い方が変わったように感じています。
だからこそこれからは、全体を見渡す俯瞰的な視点と、現場で手を動かすプレイヤーとしての感覚。その両方を大切に持ち合わせながら、カジトルにとっての「より良い業務のあり方」を自らの手で創り上げていきたいと考えています。
仕組み化の先にある「人との信頼」。その両輪でより良い組織を創る
私が今後最も力を入れて取り組みたいのは、誰もが同じ水準で業務を進められる「強固な仕組みづくり(ハード面)」と、その土台の上で築かれる「人との信頼構築(ソフト面)」の両立です。
まず既存の社内ツールやAIを組み合わせた業務フローの構築を進めていきます。同時に、自身の経験をもとにナレッジベースの整備にも取り組みます。例えば契約書締結時に争点になりやすいポイントや判断基準を明文化することで、「その場の判断」に依存しない状態をつくる。イレギュラーを減らし、誰もが迷わず業務を進められる環境を整えることが、結果として組織全体の生産性向上につながると考えているからです。
また、SES(System Engineering Service)業界に関する知見の社内展開も進めます。SES(System Engineering Service)に関わる法律知識や独特の用語の背景を理解し、経験の有無に関わらず、共通の前提を持って業務に向き合える状態をつくることも、属人化を防ぎ、品質を向上させるためには欠かせないと感じています。
しかし、どれだけ仕組み(ハード)を整えても、最後に仕事をつなぐのは「人」です。だからこそ、仕組み化しきれない「人と人との関わり」の中にこそ、かけがえのない価値があると信じています。例えば、期日までの提出物をリマインドする場面。単にシステムから自動通知を飛ばしたり、定型文をコピペして送るだけで済ませることもできます。しかし私は、あえてそのテンプレートに相手の状況を気遣う一言を添えるなど、心の通ったコミュニケーションを大切にしたいのです。
メールの文面ひとつに思いやりを込めるようなソフトスキル面の向上が、やがて強固な信頼関係へと変わり、結果的に円滑な業務進行へとつながっていきます。「その場の判断に依存しない」強固な仕組みを作り、日々の心遣いで「信頼」を育む。この両輪が回って初めて、本当に強いバックオフィス組織が完成すると思っています。
カジトルという会社の魅力は、自らの意思でこういった役割や仕組みづくりをどんどん広げていける環境にあります。決められた枠の中でただ業務を「こなす」のではなく、メンバーそれぞれの強みを掛け合わせながら、業務や組織を「より良くしていく」ことにおもしろさを感じる人には、これ以上ない環境だと思います。
私自身、これからも全体最適の視点と、目の前の人への心遣いの両方を大切にしながら、カジトルの基盤を支えていきます。同じように、仕組みや全体の流れに目を向けながらも「人との関わり」を大切にできる方、そして堅実さと挑戦のバランスを楽しめる方と、一緒に新しい組織の形を創っていけたら嬉しいです。
